9月22日

澪「行ってきまーす」

ガチャ

律「はよーん」

バタン

澪「おはよう」

チュンチュン

律「行こうぜー」

澪「うん」

律「さすがにこの時間は人が少ないな」

澪「そうだな。いつもより」

プップププー

律「おはよーむぎ」

澪「おはよう、むぎ」

紬「・・・」ニコニコ

律「そんじゃ、散歩登校スタート!だっ!!」ブンッ

澪「おー」ブン

紬「・・・!」ブンッ

紬「・・・」プップププー

律「いいって、私らも少し違った日常ってやつを過ごしてみたかったからさ」

澪「うん」

紬「・・・」コクリ

律「しかし、どうして?」

紬「・・・」プッププップー

律「ふーん・・・。大して面白みのある通学路じゃないけどな」

澪「・・・面白みのある通学路ってどんなのだ」

律「山を越えないと・・・行けないとか・・・」

澪「まだ頭の回転通常じゃないみたいだな」

律「私の朝は音楽から始まるんだよっ」

澪「始まってなかったのか」

律「いや、ちゃんと聞いたけどさ・・・」

澪「いつもは寝てる時間だったな」

律「この時間はとっくに起きてるっての」

澪「そうか、悪かった」

律「・・・謝られるのも違う気がするけど。今日の運勢を見て右往左往してるくせに」

澪「だ、誰がだ」

律「あぁ、今日の運勢最悪ですワ!お母様お清めの塩を!」

澪「だ れ の 真 似 だ 」

冬「あれ・・・?」

紬「・・・」ニコ

冬「おは・・・ようございます?」

紬「・・・」ペコリ

冬「何を見ていたんですか?」

紬「・・・」ニコ

冬「飛行機か鳥でも飛んでいたとか・・・」

紬「・・・」

冬「・・・空ってどこにあるんでしょうね」

紬「・・・?」

冬「ここから見上げるとそこにあって、宇宙船からみたら海と陸しかなくて」

紬「・・・」

冬「飛行機に乗った事ないから、空の中にいる実感が解らないんでしょうね」

澪「北海道へはどうやって?」

冬「え・・・?」

律「行ったことあんのか?」

紬「・・・」

冬「は、はい・・・。どうして・・・」

澪「・・・夏から・・・聞いた」

紬「・・・」コクリ

冬「そう・・・です・・・か・・・」

律「あれー・・・。聞いちゃいけなかったのかなー?」

冬「・・・いえ」

紬「・・・」チョンチョン

澪「・・・?」

紬「・・・」コクリ

澪「・・・うん。・・・冬」

冬「はい・・・?」

澪「小さい頃の話も、夏から聞いたよ。『約束』の事も」

冬「!」

律「・・・」

紬「・・・」

ギュ

冬「?」

紬「・・・」スラスラ

冬「アイス・・・?」

澪「アイスの当たり棒の話もな」

冬「?」

紬「?」

律「首傾げあってどうすんだよ」

澪「覚えてない・・・とか?」

冬「・・・・・・えぇー・・・っと」ソワソワ

律「大事なことじゃないのかー!」

冬「わわ・・・」

澪「りつ・・・」

律「なんだ!」

澪「私の当たり棒失くした事あったよな」

紬「・・・」フンフン

冬「ぁ・・・」

律「何時の話だ!」

澪「小学5年生の頃だ」

律「そんな昔の話、とうに忘れた!」フンッ

澪「後で交換しようと置いておいたのに。ゴミだと思ったから放り投げたって、草むらにさ」

律「そんな小さい事をつつくなんて、澪さんらしくありませんなぁ」

澪「それを言ったら探してくれたよな」

紬「・・・」ツンツン

冬「は、はい・・・思い出しました」

律「なんだ、いい子じゃないか。昔の私」

澪「カマキリ捕まえて、私に持ってきて。驚かせて遊んで・・・」

律「お転婆だなぁ」ホノボノ

澪「当たり棒の事なんてすっかり忘れてさ」

律「あ、あぁー。あったあった!」

澪「冬・・・。何時頃の話?」

冬「えーと・・・。夏と一緒に初めて料理した次の日ですから・・・2年生の時です」

紬「・・・」キラキラ

澪「すごいな・・・」

律「いい思い出だな!」

澪「当たり棒をさ、夏と一緒に探したけど見つからなかったんだって」

律「よくある話なんだなー」ウシシ

澪「冬はわざわざ買ってきてくれたらしい。小学2年生の子が!!」

律「うっ・・・」

澪「私の当たり棒放り投げて、昆虫みつけて、私を驚かせて忘れた誰かさんとはえらい違いだな」

律「過去は美しくなるものさ」

澪「私の今の話が美しくみえたのか?」

律「・・・・・・いいえ」

澪「・・・」ジー

律「・・・」シラー

冬「・・・そんな事・・・覚えていたんだ・・・」

紬「・・・」

ギュ

冬「?」

紬「・・・」スラスラ

冬「・・・はい。そうですね」

律「あ、エリだ。おっはよーん!」

タッタッタ

澪「・・・しょうがないな、律は」

冬「・・・」

紬「・・・」

澪「・・・!」

冬「・・・」

紬「・・・」

澪(むぎ・・・。冬になにか伝えたい事があるんだな・・・)

紬「・・・」

ギュ

冬「?」

紬「・・・」スラスラ

冬「お昼ですか?」

紬「・・・」コクリ

冬「は、はい・・・」

澪「・・・」

エリ「みんなおはよー」

澪「おはよう」

紬「・・・」ニコニコ

冬「お、おはようございます」

律「エリたち昨日ボウリング行ったんだってさ」

澪「うん。そうらしいな」

律「なんで知ってんだ?」

澪「メール貰ったからだけど・・・?」

律「え?」

澪「ん?」

紬「?」

エリ「・・・あ」

律「あ・・・。って何?」

エリ「あはは、りっちゃんに送るの忘れてた」アハハ

冬「・・・それは・・・それは」

律「大層な事ですな!!」

エリ「澪ちゃんと一緒にいると思ったんだよ☆」

律「こら・・・今誤魔化し入れただろ・・・」

澪「いつもこの時間なんだ?」

エリ「ううん。もうちょっと遅いくらいだよ。調理室で下準備しようと思ってね」

紬「・・・?」

エリ「カステラとプリンをね」キラン

冬「プリンおいしいですよね」

エリ「おいしいよね~。昨日小田おばあちゃんの所行ってきて作り方習ってきた」ブイッ

紬「・・・」ブイッ

律「屋台メンバーも集ってんの?」

エリ「うん。・・・あ」

律「私、知らない」

エリ「・・・ごめんなさい」

律「許さない」

冬「り、律先輩!アレをみてください!」

律「んだよ」

冬「コサメビタキです!」

澪「あの鳥・・・?」

エリ「?」

冬「体の上面が灰褐色で下面が白の配色で、他の鳥の鳴き声をまねするんです!」

紬「・・・」コクコク

律「・・・それで?」

冬「あの鳥は平地から標高1000mまでの場所で生息しているんです。
  夏鳥として繁殖の為に日本に飛来したんですよ」

律「・・・うん」

冬「越冬する為にインドネシア、フィリピンまで飛ばなくてはいけませんから
  もうそろそろ旅立っていくのではないでしょうか」

律「・・・」

冬「サメビタキという鳥より小さい事からコサメビタキと呼ばれているそうです。捕食の」

澪「・・・冬」

冬「は、はい」

エリ「飛んでいったよコサメビタキ・・・」

紬「・・・」コクリ

冬「あ、本当ですね」

律「・・・」

澪「学校へ向かうか」

紬「・・・」コクリ

冬「はい」

澪「冬はどうしてこの時間に登校しているの?」

冬「私のクラスの出し物の準備がありまして・・・」

紬「・・・」

エリ「ごめんね」

律「いいけどさ、・・・どうしてコサメビタキの話が?」

エリ「フォローしてくれたんだね」



―――――調理室


律「教室に行かないのかよ?」

冬「す、少しだけ覗いていこうかな・・・と思いまして」

律「・・・」

冬「だ、駄目でしょうか・・・」

律「駄目だ!」

澪「なんでだっ」

風子「律さん呼んでないよ・・・」

律「な、なんで野点班の風子がいるんだよっ!」

風子「お茶もあった方がいいでしょ・・・」

律「朝に纏っていいオーラじゃないぞ風子・・・。呼んでないってなんだよ・・・!」

風子「メール届いてないでしょ・・・」

律「なんで知ってんだよ・・・!」

風子「・・・ふふっ」

律「ちょっとまて」

紬「・・・」グイグイ

冬「あ・・・っ・・・と・・・」

澪「律はすぐ冬をいじめようとするからな・・・風子に任せよう。って、結構集っているんだな」

姫子「あれ、冬も来ていたんだ」

冬「姫子先輩。屋台班だったんですね」

姫子「そうだよ。むぎと澪も今日ははやいね」

紬「・・・」コクリ

澪「昨日の昼に約束して、散歩していたんだ」

姫子「そっか・・・」

未知子「おはよう冬ちゃん」

信代「おはよー、冬」

潮「おっはよ、冬」

冬「お、おはようございます」ペコリ

圭子「あ、昨日バトミントンの相手の子のお姉さんかぁ・・・。似てる似てる」

つかさ「この子が・・・」

俊美「噂の・・・」

いちご「・・・おはよ」

冬「お、おはようございますっ」ペコリ

潮「律儀だのぉ」ホノボノ

エリ「時間無いからさっさとやろー」

律「私呼ばれてないから座ってていいよなー」ニヤニヤ

澪「あのな・・・」

風子「いいよいいよ、座っててー」

律「手伝わせてくださいっ!」

紬「・・・」フンス!

澪「むぎも手伝うのか・・・。そうだな、せっかく早く登校したんだからな」

冬「よ、よぉし私も手伝います!」

姫子「自分の教室戻らなくていいの?」

冬「あぅ」

姫子「ほら、行った行った」

冬「・・・」チラッ

姫子「憂を探しているんだろうけど、まだ来ないよ」

冬「ぅ・・・」

姫子「・・・」ジー

冬「そ、それでは・・・。お昼に!」

テッテッテ

紬「・・・」フリフリ

姫子「・・・」フゥ

風子「厄介払いみたいにしなくても・・・」

姫子「冬にはやるべきことがあるでしょ、優先順位間違えてるよ」

いちご「・・・そう言えばいい」

姫子「それもそうだね・・・」

いちご「・・・」

信代(・・・昨日の帰りの話を聞かなかったら普通の会話なんだけどなぁ)

エリ「はい、りっちゃん」

律「卵を割ればいいのか?お安い御用」

カッ

パカッ

俊美「意外・・・」

つかさ「・・・片手で割れるんだね、シェフみたい」

律「これくらい♪」

カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ

信代「おぉー」

律「へへー♪」

カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ カッ パカッ

いちご「・・・」

澪「誰か止めたほうがいいよ」

紬「・・・」ガシッ

律「はっ」

風子「・・・試作品なのに」

未知子「ほとんど割っちゃった・・・」

姫子「お昼に私が買ってくるから、作れる分作ってみようよ」

エリ「そうだね。それじゃ取り分けて」ヒョイヒョイ

俊美「お湯できてるよ」

エリ「うん。砂糖を入れて湯煎をしながら高速回転」

ウィーン 

澪「手際いいね」

エリ「お家でもやってみたんだよ。疲れた腕でね!」

信代「ボウリングか・・・」

紬「・・・」

憂「おはようございます」

純「おはようございまーす!」

紬「・・・」フリフリ


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最終更新:2011年10月05日 20:07