292. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 00:34:35.11 ID:/tE7ZYkDo
―――――シュガー班


唯「さわちゃんは〜?」

律「あれ・・・いないな」

いちご「帰ったよ」

澪「え!?」

梓「正確には一度戻った、です」

紬「・・・?」

梓「学校で用事をすませてくるそうです」

紬「・・・」コクコク

純「大変ですね・・・片道2時間ちょっとの距離なのに・・・」

憂「・・・うん」

律「こら・・・梓といちごはテント設営班だろ」

いちご「誰か変わって・・・」

紬「・・・」ズバッ

いちご「変わってくれるの?」

紬「・・・」キリ

いちご「・・・ありがと」

梓「それじゃあ私も設営班に戻ります」

純「え・・・サボってたの?」

梓「サボってないよ、荷物運びしたから」

憂「・・・うん・・・そうだね」

唯「姫ちゃんと和ちゃんがいないよ」

澪「買出しだよ、斉藤さんと」

梓「あれ・・・、むぎ先輩は?」キョロキョロ

律「とっくに設営に向かったぞ」

梓「もぅ!」

テッテッテ

いちご「・・・あの子・・・紬さんの傍によくいる」

律「まぁ・・・尊敬してんだろ」

澪「・・・うん」

いちご「・・・」

憂「・・・ふぁ」トントントントントン

純「あくびしながら見事な包丁裁きで・・・」
293. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 00:35:22.93 ID:/tE7ZYkDo
唯「あいたぁ!」

澪「ヒィ!」

唯「皮擦りむいちゃった」

澪「聞こえない聞こえない」ガタガタ

律「邪魔だなぁ・・・」

いちご「・・・」スラスラスラスラ

純「見事な皮剥きです!」

律「・・・嘘だろ・・・?」

いちご「・・・どうして?」

律「・・・すまん、みくびってた」

いちご「?」

律「いちごのキャラはそんなんじゃないと思ってた」

いちご「む・・・」

唯「あっつー!」

憂「お、お姉ちゃん・・・まだ火を点けちゃダメだよ」

唯「えへへ、やってみたくて〜」

澪「唯はあぶなっかしくて見てらんない」ブルブル

律「あなたたち二人設営班に行ってくれませんかね」

唯「どして〜」ブー

澪「な、なんでだよ」

律「邪魔だ!」

唯澪「「  」」ガーン

純「ひどい事いいますね」

律「で、純はなにをやってんだよ」

純「全体の状況を」

律「行って来い!」

純「な、なにかやりますよ」

律「今は下準備だから手は足りてる、後で手伝ってくれ」

純「うぅ・・・」

憂「・・・」トントントン

いちご「・・・」スラスラスラスラ

律「・・・」トントントントン
294. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 00:36:46.49 ID:/tE7ZYkDo

―――――設営班


紬「・・・」

梓「薪はこんなもんでいいですかね」

唯「そだね〜」

信代「結構集まった」

風子「多すぎるんじゃないかな」

春子「余って困る事はないからいいんじゃない?」

澪「・・・よし、次はテントを張るか」

純「地盤ぬかるんでません?」

紬「・・・」コクリ

澪「まだ早いか・・・」

梓「夕方まで待ってみませんか?」

唯「そうしましょう!」

純「それまでどうしましょう」

風子「あれ、料理班は三人?」

純「そうですよ」

春子「ちょっとまて!律はどこだよ!!」

信代「ま、まさか」

澪「そのまさか・・・です」

信代「」

春子「」

唯「絶句だよね」ウンウン
295. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 00:37:30.48 ID:/tE7ZYkDo
―――――買出し班


キキッ

斉藤「到着致しました」

ガチャ

姫子「ありがとうございました」

和「ありがとうございました」

斉藤「いえいえ」

和「よいしょ」ガサガサ

姫子「・・・」

和「言っておくけど・・・私が、じゃないわよ」

姫子「・・・分かってるよ。唯のために買ったんでしょ、花火」

和「・・・」

斉藤「お荷物大丈夫ですか?」

姫子「大丈夫ですよ」

和「えぇ、そんなに重くはありませんから」

斉藤「そうですか。・・・それでは参りましょう」

和「色々と手伝ってくれてありがとうございます」

斉藤「いえ・・・」

姫子「あ、見て和・・・」

和「バイク?」

斉藤「こちらへ向かう途中に追い越して行った型のようですね」

姫子「はい・・・。運転していた人もここにいるんだ」

和「あ、見て姫子」

姫子「人?」

「・・・」

斉藤「倒れていますね」

和「行き倒れかしら」

姫子「・・・大変な事なんだけど」

「・・・うぅ」
296. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 00:38:27.08 ID:/tE7ZYkDo

姫子「・・・」

和「その格好暑くないですか?」

「・・・うぅ?」

和「日陰で寝たほうがいいですよ」

「・・・うぅ」

斉藤「どうなされましたか?」

「・・・うぅ」

和「どうしたものかしら・・・」

グギュルル

「・・・ぅう」

和「お菓子でよければ」

ガバッ

「ください!」

姫子「び、びっくりした」

和「・・・チョコですけど」

「ありがとー!」

斉藤「お腹が空いていただけのようですね」

「うまうま」ムシャムシャ

和「・・・」

姫子「・・・」

「はぁ〜、助かったー」

斉藤「なによりです」

「お店があるだろうと探していたんだけど、見当たらなくて大変だったよ」

和「・・・この辺りは自然が多いですから」

「そうそう、いくら走っても緑ばっかりで」

和「もう一度聞きますけど、暑くないですか?その格好」

「うん・・・。バイクで走っているといいくらいだよ」

姫子「・・・」

和「やっぱり・・・あなたがあのバイクの持ち主なんですね」

「そうだよ。私の名前は滝沢玉恵・・・24歳独身、よろしくー!」

姫子「・・・」
297. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 00:39:18.01 ID:/tE7ZYkDo
―――――料理班


和「みんなは?」

憂「湖の方へ行ったよ」

姫子「そこでなにを・・・?」

梓「泳ぐと言っていました」

憂「止めたんですけど・・・」

玉恵「おいしそうなにおい〜」クンクン

梓「え、と・・・?」

玉恵「お呼ばれしました」

和「一人分くらいは余るわよね?」

憂「うん、斉藤さんと山中先生の分もあるから大丈夫だよ」

斉藤「・・・私はこれで失礼します。せっかくのご招待を無下にしてしまい申し訳ありません」

憂「そうですか・・・」

斉藤「明日のお昼にお迎えにあがります。紬お嬢様にお伝えください」

玉恵「・・・」

和「ありがとうございました」

斉藤「それではこれで・・・」

梓「斉藤さん・・・お聞きしたい事が・・・」


298. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 00:44:16.03 ID:/tE7ZYkDo
―――――・・・

玉恵「執事さんだったんだ・・・」

梓「そうですよ」

玉恵「・・・ふーん」

和「どうかしたんですか?」

玉恵「なんでもない。というか、敬語はやめようよ〜、私たちこれで最初で最後なんだから
      伸び伸び会話しよう!」

梓「ふふっ」

憂「!」

和「分かりました」

姫子「・・・」

玉恵「滝沢玉恵です。よろしく」

梓「中野梓です」

憂「平沢憂です。よろしくおねがいします」ペコリ

玉恵「れ、礼儀正しい・・・!」

姫子「・・・」

玉恵「和ちゃん達は高校生だよね?」

和「そうです。クラスメイトと後輩達とここへキャンプをしにきました」

玉恵「いいな〜そういうの」

姫子「・・・」

憂「姫子さんも湖へ行って来てはどうですか?」

姫子「う、うん・・・」

玉恵「私が見張りしているから憂ちゃんも行ってきていいよ」

梓「つまみ食いしませんよね?」

玉恵「ま、まさか・・・」

梓「どもったじゃないですか」

憂「まだダメですよ〜」

和「私が見張っているから平気よ」

玉恵「食べないって」

姫子「じゃ・・・行ってくる」

梓「お願します」

憂「すぐ戻ってくるからね」

和「えぇ」

玉恵「ごゆっくり〜」フリフリ

姫子「・・・」
302. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:33:06.22 ID:/tE7ZYkDo
姫子「知り合い・・・じゃないよね?」

梓「玉恵さんですか?」

姫子「・・・うん」

憂「初対面です」

姫子「すごく馴染んでいたから」

梓「きっとそういう人なんですよ。誰にでも気軽に接して、接して欲しいから壁なんて最初からなくて」

憂「そうだね」

姫子「・・・」

梓「うわっ!みんな、もう泳いでる!」

憂「水着持ってきていたんだ・・・」

姫子「・・・」

梓「えいっ」ズババッ

憂「水着着ていたんだ・・・」

梓「先に行ってるから!」

タッタッタ

憂「はいは〜い」

姫子「・・・」

憂「湖があるのは知っていたけど、泳げる事は知らなかったのに」クスクス

姫子「・・・」

憂「お姉ちゃんも楽しそう」ニコニコ

姫子「・・・なんか、あの子・・・梓ちゃんと私には人生経験の差を感じたな」

憂「?」

姫子「さっきの人との会話を聞いててさ、私はなりゆきをみていただけ」

憂「・・・」

姫子「和と、憂ちゃん、梓ちゃんの三人と玉恵さんとのやりとりを
      一人外から眺めている・・・そんな気分だった」

憂「そうですか・・・」

姫子「変だよね・・・、疎外感じゃないけど、前から知り合いのような雰囲気を持った4人が少し羨ましかった」

憂「私は・・・梓ちゃんが玉恵さんにすぐ気を許したから、打ち解けられたんだと思います」

姫子「・・・なんか不思議な子」

憂「私は知っていますから・・・普通だと思います」
303. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:34:45.37 ID:/tE7ZYkDo
姫子「知っている・・・?」

憂「あ・・・夏に出会った人がいて・・・その人と梓ちゃん、とても楽しく旅をしていたんです
    その人に似た雰囲気だから、玉恵さんとも馴染めたんだと思います」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

憂「ごめんなさい。知らない話を・・・」

いちご「・・・玉恵さんって?」

玉恵「私」モグモグ

いちご「ッ!?」ビクッ

憂「あ、食べてるじゃないですか〜」

玉恵「おいしいよ、この冷やしソーメン」ズルズル

憂「みなさんと一緒に食べましょう」

姫子「・・・」

いちご「・・・」ドキドキ

玉恵「うん、そうだね・・・。お茶碗置いてくる」

スタスタ

憂「・・・やっぱり似てる」クスクス

姫子「いちごはどうしたの?」

いちご「ぇ・・・え?」ドキドキ

憂「・・・?」

姫子「泳がないの?」

いちご「・・・水の中冷たくて、少し日光浴」

憂「台風過ぎた後なのに、今日も日差しが強いですね」

姫子「多分、最後の日差しかもしれないね」

いちご「・・・」

憂「そうですね・・・私も遊びたかったな」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

憂(・・・ビーチ・・・湖バレー・・・?)
304. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:35:17.24 ID:/tE7ZYkDo

唯「りっちゃーん、パース」ポンッ

律「よっしゃー!」ポンッ

梓「むぎ先輩!」

紬「・・・!」ポンッ

春子「っしゃー!」バシッ

澪「ちょっ!」

ボフッ

澪「っ!」

バッシャーン

純「大丈夫ですか!?」

律「倒れただけだ、心配はいらねえ」

澪「りつー!」バシッ

律「私じゃないだろ!」ポンッ

風子「そろそろこっちにもボールを回してほしいんだけどなぁ〜」

信代「突っ立ってるだけだよ私たち」プンスカ

唯「それじゃボールもう一個追加だよっ」ポーン

梓「面白いですね」ポンッ

澪「りつー!」バシッ

律「そんな攻撃でやられるほどヤワじゃ」

春子「りつー」バシッ

律「ずりぃ!」ポンポンッ

純「対応しましたね」

風子「きたきた」

信代「よしよし」

スッ

紬「・・・!」バシッ

サッ

唯「それっ!」バシッ

風子信代「「  うーん・・・  」」

305. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:35:56.71 ID:/tE7ZYkDo
姫子「みんな一生懸命楽しんでるって感じ」

いちご「・・・うん」

憂「・・・」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

憂「姫子さん・・・」

姫子「?」

憂「梓ちゃんと、その人を紡いだのは・・・紬さんですよ」

姫子「・・・そうなんだ」

憂「はい」

いちご「・・・尊敬しているって・・・そういう事なのかな」

姫子「・・・?」

憂「・・・」

玉恵「ごめんね、憂ちゃん・・・勝手に食べちゃって」

憂「いえ、おいしいって言ってくれて嬉しかったです」

玉恵「本当においしかったよ」

憂「えへへ、・・・私、和さんの所へ行ってきますね」

玉恵「うん」

いちご「・・・」

憂「反省する所とか、すっごく似ています」ヒソヒソ

テッテッテ

姫子「・・・」

玉恵「みんな楽しそうだね〜」

いちご「・・・」

玉恵「キミは行かないの?」

いちご「・・・今は嫌」

姫子「なんか・・・ボールのぶつけ合いになってるからね・・・」

玉恵「あはは」

いちご「・・・」

姫子「・・・」

玉恵「いい所だここは〜」ゴロン

姫子「・・・」

いちご「・・・」
306. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:36:33.84 ID:/tE7ZYkDo

玉恵「・・・寝ちゃいそう・・・・・・」ウトウト

『とても楽しく旅をしていたんです』

姫子(けいおん部が変わった理由がそこにあるのかも・・・いや、ある)

玉恵「・・・ふぁ〜」

いちご(なんで私たち三人並んで座っているんだろ・・・一人は知らない人)

姫子「あの・・・玉恵さん?」

玉恵「ぅん?」

姫子「えっと・・・その・・・バイクに乗って・・・どう変わりましたか?」


―――――・・・
307. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:37:14.88 ID:/tE7ZYkDo
―――――設営班

律「ねみぃ・・・」

唯「眠いよ・・・」

澪「ダメだぞ!」

風子「テント立てるよ!」

信代「そうだ!」

純「なんか怒ってます?」

風子「そんな事ないよ!」

信代「ないよ!」

純「怒ってますね・・・」

紬「・・・」

梓「こうですか?」ググッ

紬「・・・」コクリ

梓「では行きます、せーっの!」

ボンッ

春子「お、いいぞー」

澪「そのままそのまま」

紬「・・・」ググッ

バサー

梓「あっ」

唯「あらら」

律「うまくいかねえな」

澪「手伝わないからだろ」

律「立て方分かんねーよ」

唯「・・・うん」

風子「説明書読んでも要領得ないね」

信代「力はいらないんだけどなー」

玉恵「そこで私の出番ですよ」フフン

紬「・・・?」

梓「さきほど出会いました、滝沢玉恵さんです」

紬「・・・」ペコリ

玉恵「よろしく〜」
308. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:38:02.97 ID:/tE7ZYkDo
律「・・・出番って?」

玉恵「これくらいのテントなら私に任せてよ」ドン

澪「頼りになる!」

唯「お手並み拝見といきましょうか」フンッ

律「なんで偉そうなんだよっ」

風子「・・・」

春子「・・・」

信代「・・・」

玉恵「それじゃそこの・・・えぇと・・・」

純「鈴木純です。よろしくお願します」

玉恵「よろしくね。えぇと髪の毛ボンバーな子」

純「自己紹介したでしょ!」

玉恵「そこを・・・えぇと・・・」

澪「田井中律です」

律「田井中律は私だ。あなたは秋山澪だ」

玉恵「澪ちゃんはそこを持ってて」

澪「はい」

玉恵「よいしょっと」

唯「おぉ・・・それらしくなったよ!」

律「あとはなんとなく分かるな」

玉恵「そう?」

澪「はい、大丈夫です」

紬「・・・」フンス!

梓「純・・・そっちお願い」

純「任せとけ!」

春子「・・・」

信代「・・・」

風子「・・・手伝えないまま出来上がってしまうよ」

春子「手伝うよー!」

信代「出遅れてしまう」

309. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:38:58.38 ID:/tE7ZYkDo
紬「・・・」

コンコンコン

梓「おっけーです、むぎ先輩」

紬「・・・」コクリ

唯「出来た!」

玉恵「立派なもんだね」

律「そんじゃ私はあっちへいくから、次のテントも頼んだぞ〜」

澪「私も料理班だ」

唯「おぉっと、私もだよ」

純「あ、私もだ・・・」

律「戻るか」

スタスタ

信代「・・・え?」

風子「どうしたの?」

信代「私と紬・・・風子、春子、梓ちゃんの5人?和は?」

紬「・・・?」

春子「そろそろ来るんじゃないか?」

梓「そうです。次立てましょう」

玉恵「手伝おうか?」

梓「というか、玉恵さんはどうしてここにいるんですか」

玉恵「和ちゃんに『働かざるもの食うべからず』って言われたんだよ〜」

和「そういう事ね」

梓「なるほど・・・いえ、そうじゃなくてですね」

風子「和さん・・・自然に混ざった・・・」

紬「・・・」ニコニコ
310. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:39:39.14 ID:/tE7ZYkDo
玉恵「なぁに?」

梓「玉恵さんの予定はどうなんですか・・・って意味ですよ」

紬「・・・」コクコク

玉恵「あぁ、私も今日はここでテント張って寝るから気にしないでいいよ」

春子「バイタリティある人だな」

玉恵「ありがと」

和「褒めてないけどね」

玉恵「褒め言葉だよ今の!」

風子(和さんも打ち解けてる・・・)

梓「陽が傾いてきましたから急ぎましょう」

和「えぇと・・・どうやるの?」

玉恵「紬ちゃん、そっち持ってくれる?」

紬「・・・」ビシッ

玉恵「そこを・・・えぇと、髪を両方結って」

梓「自己紹介しましたからね」

玉恵「・・・梓ちゃんはそこ持ってー」

梓「やる気だしてください」

玉恵「ボケを潰されたんだよ、やってらんないよ」ツーン

梓「いいですから、次の指示を」

玉恵「もぅ・・・。和ちゃんそっちを・・・うん。・・・よいしょっと」

信代「おぉ・・・形になってきた」

和「的確な指示ね・・・」

玉恵「そこを・・・えぇと・・・」

風子「風子です」

玉恵「ふぅちゃんお願い」

風子「・・・は、はい」テレッ

春子「リアクションおかしくない?」

311. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:40:07.49 ID:/tE7ZYkDo
―――――・・・


紬「・・・」

コンコンコン

梓「・・・」

紬「・・・」フゥ

梓「出来ましたね」

信代「紬といちごを交換してよかったな」

風子「うん」

春子「さて、料理班を覗いてくるか」

紬「・・・」スタスタ

和「?」

シャー

紬「・・・」モゾモゾ

風子「?」

モゾモゾ

信代「え?」

春子「どうして中に入ったのあの子」

梓「恒例行事みたいなものです」

和「行事なの?」

梓「夏フェスでテントを立てたときもやったんです」

風子「へ、へぇ・・・」

梓「玉恵さんは・・・?」

和「いないわね・・・自分のテントでも張りに行ったんじゃないかしら」

梓「手伝ってきます」

風子「どこ行ったか分かるの?」

梓「一緒にご飯食べるといいましたから、その辺だと思います」

テッテッテ

紬「・・・?」ヒョコ

和「梓なら玉恵さんの所へ行ったわよ」

312. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:40:54.70 ID:/tE7ZYkDo
―――――料理班


梓「どうしてここにいるんですかっ!?」

玉恵「へ?」

梓「・・・」

和「落ち着いて梓・・・玉恵さんのテントはあれよ」

純「近ッ!!」

玉恵「ん?」

律「てか、なんでこの人が自然に混ざり合ってんだよ」

玉恵「だ、ダメ?」

律「ダメじゃなくて・・・なりゆきを説明して欲しいんだが」

澪「そうだな・・・」

玉恵「お腹が空いてて・・・食材も手に入らなくて」ションボリ

和「だからよ」

純「短ッ!!」

姫子「いいじゃん、一緒に食べよう」

玉恵「姫ちゃん良い子だね〜」ホノボノ

姫子「はぁ・・・玉恵さんまで・・・」

唯「私悪くないよ〜」

憂「澪さん、山中先生はいつごろ到着しますか?」

澪「あと一時間くらいかな」

律「丁度いいな」
313. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:41:27.61 ID:/tE7ZYkDo
唯「さわちゃんだけ置いてけぼりはかわいそうだもんね」

玉恵「さわちゃん?」

純「先輩方の担任の先生です」

玉恵「仲がいいね〜」

唯「でっへっへ〜」

信代「紬は・・・?」

風子「・・・いないね」

梓「どこへ・・・?」

いちご「・・・あっちでボンヤリしてる」

梓「・・・」

春子「どうしたんだろ?」

梓「ちょっと散歩してきます・・・30分くらいで戻ってきますから」

風子「うん・・・分かった」

唯「・・・」ヒョイ

ポチャン

憂「お姉ちゃん!」

唯「でへへ」

いちご「・・・何を入れたの?」

唯「チョコだよ、隠し味だよ」

律「ルーを入れる前にいれやがった・・・」

唯「麦チョコだよ、むぎちゃんだけに」

314. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:42:02.78 ID:/tE7ZYkDo
梓「むぎ先輩」

紬「・・・?」

梓「なにが見えるんですか?」

紬「・・・」スッ

梓「キレイな夕焼けですね」

紬「・・・」コクリ

梓「台風のせいで・・・いえ、台風のおかげで空気がキレイになったんですね」

紬「・・・」ニコニコ

梓「湖まで散歩しませんか?」

紬「・・・」コクコク

梓「では行きましょう」

タッタッタ

澪「私も行くよ!」

梓「行くです」

紬「・・・」ニコニコ

315. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:43:11.45 ID:/tE7ZYkDo
玉恵「ちょっとこっちきて」カムカム

律「なんだよ?」

玉恵「澪ちゃんの事で聞きたいことが」

律「・・・」

純(なんだろ、ついて行ってみよう)

和「・・・」

スタスタ

玉恵「律・・・ちゃん・・・」

律「その呼び方は・・・」

玉恵「じゃあリッチャンでいい?」

律「あ、あぁ・・・」

玉恵「・・・澪ちゃん・・・ちょっと頑張りすぎてない?」

律「・・・どうしてそんな事が言えるんだよ」ムッ

玉恵「・・・笑顔が・・・不自然になる時がある」

和「・・・」

純「・・・」

律「むぎの事情知ってんだろ?」

玉恵「うん・・・、梓ちゃんと執事さんが話しているのを聞いたから」

律「あんたに・・・澪のなにが分かるんだよ」

玉恵「怒った?」

律「ちょっとな」

玉恵「怒らせちゃったついでにちゃんと言うよ」

律「なんだよ」

玉恵「そのうち転ぶよあの子」

律「っ!」

玉恵「梓ちゃんは前を向こうとしている」

律「知ってるよ」

玉恵「澪ちゃんは足元を見ている」

律「知ってるって!!」

純「!」ビクッ

和「・・・」

玉恵「・・・」
316. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:43:39.19 ID:/tE7ZYkDo
律「・・・っ」

玉恵「・・・意味分かるでしょ?」

律「あぁ・・・!」

玉恵「足元を見ていたら迫ってくる壁には気づかないんだよ」

律「・・・」

玉恵「壁に弾かれて転ぶんだ」

純「・・・」

和「・・・」

玉恵「・・・」

律「私と澪は一緒なんだよ・・・」

玉恵「そっか・・・」

律「・・・足元を見ていないと、しっかり立てないんだよ・・・私たちは」

玉恵「・・・」

純「・・・」

和「・・・」

玉恵「私はね・・・前を見ないで、足元すらみないで歩いてて、壁にぶつかって、
      転んで、その壁が倒れてきて・・・潰されたんだよ」

律「っ!」

玉恵「なんちゃって、潰されそうだった」

和「どういう事ですか?」

玉恵「バイクがあったから・・・そのバイクに乗って旅をする事ができたから」

律「・・・」

純「・・・」

玉恵「・・・倒れてくる壁から、なんとか避けられたのかな〜」

律「なんだよそれ」

玉恵「うまい喩えだったでしょ」

律「知るかっ」

純「・・・」ホッ

和「・・・」
317. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:44:45.76 ID:/tE7ZYkDo
―――――湖

澪「・・・」

紬「・・・」ボケー

梓「・・・」ボケー

澪(私だけ違うところにいるみたいだ・・・)

紬「・・・」

梓「・・・」ボンヤリ

澪「・・・」

紬「・・・」チョンチョン

澪「ん?」

紬「・・・」

梓「?」

澪「・・・どうした?」

紬「・・・」

ギュ

澪「・・・」

紬「・・・」スラスラ

澪(ど・・・う・・・し・・・た・・・の・・・)

紬「・・・」

澪「・・・たそがれているだけだよ」

梓「・・・」

紬「・・・」スラスラ

澪「・・・?」

紬「・・・」アセアセ

梓「・・・」

紬「・・・」スラスラ

澪「・・・ごめん・・・分からない・・・」

紬「・・・」フリフリ

澪「ごめん・・・」

紬「・・・」スラスラ

澪「・・・っ」

梓「むぎ先輩、私にも書いてくれませんか?」

紬「・・・」コクリ

ギュ

澪「・・・」フゥ
318. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:46:04.05 ID:/tE7ZYkDo
紬「・・・」スラスラ

梓「・・・これ、漢字じゃないですか?」

紬「・・・」コクリ

澪「え・・・」

梓「澪先輩はひらがなだと思っていたはずですよ」

紬「・・・」ウッカリ

澪「・・・」

梓「もう一度書いたら分かると思います」

紬「・・・」

ギュ

澪「・・・っ」

紬「・・・」スラスラ

澪「黄・・・?」

紬「・・・」スラスラ

澪「昏・・・黄昏・・・?」

紬「・・・」キラキラ

梓「さっき、澪先輩がたそがれているって言ったから、今の時間の黄昏時をかけたんですよ」

紬「・・・」フンス!

澪「黄昏時にたそがれている私・・・」

紬「・・・」キリ

澪「ぷっ・・・」

梓「・・・」

澪「あっはっはっは」

紬「・・・」ニコニコ

梓「・・・ふふっ」

澪「なんだそれ・・・ふふっ・・・あははっ」

紬「・・・」フフン

梓「いえ、むぎ先輩の言った事が面白かったわけではないと思いますよ」

紬「・・・」ガーン

梓「しょうがないですね」

澪「ふふっ・・・ダメだっ・・・笑ってしまうっ」

紬「・・・」プクー

梓「・・・」

澪(よかった・・・聴こえた・・・。諦めず伝えてくれてありがとう、むぎ)
319. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:47:28.05 ID:/tE7ZYkDo
―――――料理班


轍「うわっ!本当にいる!」

唯「あ、うまさんだ」

憂「あ・・・」

轍「しかもいっぱい人がいるっ!」

姫子「・・・思い付きから始まったイベントですけど」

春子「誰・・・?」

風子「・・・誰?」

いちご「・・・」

轍「思いついたの二日前だよね・・・?」

唯「実行力を甘く見ない事ですよ」フフン

轍「すご・・・」

憂「ビックリしてるね」

姫子「よくよく考えたらビックリするもんだけどね」



・・・・・・



玉恵「まだなのさわちゃんは」

律「もうそろそろじゃねえか?」

純「あと10分くらいですね」

玉恵「まだまだじゃない・・・うそつき」

律「いやいや、どんだけ時間間隔離れてんだよ」

和「あれ・・・って・・・相馬さん?」

玉恵「え・・・?」



・・・・・・



轍「あぁ、炊事施設そろっていたなここは」

唯「そう教えてくれたよ」

轍「俺は生活用具持参しているから使わないんだ」

憂「昨日の夜ってどう過ごしたんですか?」

轍「屋根があるところに泊まったんだ」

姫子「あれでテント張っていたら・・・よほどの物好きですよね」

風子「物好きって話ではすまないよ・・・」
320. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:48:49.08 ID:/tE7ZYkDo
律「なんだよ来てたのか」

轍「話をしてくれるって言っていたような・・・」

いちご「話・・・って・・・?」

律「私らが行った旅の話だ」

玉恵「・・・」コソコソ

和「?」

純「どうしたんですか、玉恵さん?」

玉恵「純ちゃん、しーっ」

轍「・・・?」

姫子「旅の話聞きたい」

いちご「聞きたい」

唯「言いたい」

風子「聞きたい」

春子「聞きたい」

さわ子「ご飯できた〜?」

玉恵「そうそう、ご飯食べようってあなたは誰・・・?」

さわ子「こっちの台詞ですよ」

玉恵「わ、わたしは・・・えと、山田・・・たか子です」

律「誰だよあんた・・・」

轍「・・・???」

唯「どしたの、うまさん?」

轍「いや、どこかで見た顔・・・?」

和「こちらは、私たちの担任の山中さわ子先生です」

さわ子「よろしく」

玉恵「よろしく〜」

和「さきほど出会いまして、テント設営に協力してくれたお礼に、一緒にご飯を食べる事になった」

玉恵「山根・・・真綾です」

律「本当に誰だあんた・・・」

轍「・・・」

和「滝沢玉恵さんです」

玉恵「えへっ」

唯「かわいいよ!」

轍「あぁーっ!!」
321. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:49:57.42 ID:/tE7ZYkDo
玉恵「ひ、ひさしぶりー」

轍「なんでここにいるんだよ玉恵!」

玉恵「旅に来てるからだよ」

轍「そんな事知らねえよ!」

玉恵「摩周湖へ行くって言ったから退いたんだよ私は」

轍「退いたって言わないね、スッポかしたって言うんだよ!」

玉恵「昔の話じゃん〜」

轍「あ  の  な  !」

玉恵「会いたかったの?」

轍「違う!旭川でどれだけ待ったと思ってるんだよ!」

律「痴話げんかか・・・」

唯「ふむふむ」メモメモ

玉恵「なにをメモってんの唯ちゃん?」

唯「ん?彼女さんに報告するんだよ」

轍「しなくていいよ!って、やましい事もないよ!!」

玉恵「へぇ〜」ニヤリ

轍「なんだよ」

玉恵「よかったねぇ」ポンポン

轍「うっさい」
322. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:50:24.28 ID:/tE7ZYkDo
律「旭川?」

唯「摩周湖?」

轍「・・・『俺は』北海道の道東を旅していたんだよ」

玉恵「『私たちは』北海道を旅していたんだよ」

轍玉恵「「  4年前に  」」

律「・・・」

唯「でっかいどー・・・」

さわ子「唯ちゃん、むぎちゃん達呼んできてくれる?」

唯「ん?」

さわ子「ご飯の準備できたわよ」

律「いつの間に!?」

さわ子「そこの二人が騒いでいる間にね。後はよそうだけ」

玉恵「やった〜」

轍「・・・よかったな」

スタスタ

さわ子「あら・・・?」

律「ん?」

さわ子「相馬さんの分も用意するつもりだけど・・・いらないのかしら」

律「・・・呼んでくる」

タッタッタ
323. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:51:39.90 ID:/tE7ZYkDo


律「手際がいいな」

轍「まぁね」

律「あっという間にテント完成だ」

轍「好きでやってることだから、慣れたもんだよ」

律「・・・いいのか?」

轍「うん・・・あの中で男が俺一人ってのも居心地悪いからさ」

律「準備してあるって言ってるぞ」

轍「・・・悪いね」

律「無理強いはしないけどさ、多分、最後のチャンスだぞ」

轍「最後?」

律「私は前を向く為に、あの夏の旅は封印する」

轍「・・・」

律「玉恵ちゃんに言われた・・・。『足元をみていたら壁にぶつかって転んでしまう』って」

轍「そんな事言ってたのか・・・」

律「みんな聞きたがっているから、今がチャンスなんだと思う」

轍「・・・」

律「唯は知らないけど、澪はアンタに言わないだろうな。梓も」

轍「・・・」

律「どうするんだ?」

轍「・・・分かった」
324. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 18:52:13.91 ID:/tE7ZYkDo

律「どうしたー?」

唯「あずにゃん達を呼びにいくところだよ」

玉恵「そういう事」

轍「・・・」

玉恵「まだ怒っているの〜?」

轍「なんで俺が怒るんだよ」

律「じゃついでに一緒に行くか」

唯「行こう行こう!」

玉恵「旭川に置いてけぼりにされたから」

轍「やっぱりすっぽかしだったか・・・」

玉恵「・・・うん」

姫子「律と唯は私たちを置いていきましたけど・・・」



最終更新:2011年10月05日 23:23