376. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:09:52.99 ID:/tE7ZYkDo
梓「ニライカナイは場所だけを指すんですかね」

轍「?」

唯「どゆこと?」

梓「災いしか持ってこない人がいますから」ジロ

轍「・・・え、俺?」

梓「・・・さぁ」

純(梓・・・なにがしたいんだよ・・・)

律「なにを言ってるんだよ!」

紬「・・・?」

轍「グフッ」

憂「?」

轍「あっはっはっは!」

梓「・・・ッ」ムカッ

さわ子「・・・うーん、状況が読めないわねぇ。玉恵知ってる?」

玉恵「分からない・・・。轍さん、どうして爆笑してんだろ」

轍「・・・っはっはは!」ピッピッピ

梓「なんですか!」

轍「待って・・・ッ・・・ふふっ・・・あははははっ!!」ピッ

trrrrrrr

梓「・・・」ムカムカ

律「笑いながらケータイいじって・・・さっぱり分からん」

澪「・・・私たちどうすれば・・・」

唯「うーん・・・」

プツッ

『もしもし〜』

轍「あ、あれ?」

『轍さん元気ですか?私です!』

轍「いや知ってるけど・・・どうして?」

『暦さんは今、お風呂に入っているんですよ。変わりに出てくれって』

轍「そっか・・・、でも丁度いいや。ちょっと待ってて」

『はい?』

轍「・・・っ・・・はい。スクガラスのお礼を言ってあげて」スッ

梓「はい?」
377. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:12:08.99 ID:/tE7ZYkDo
轍「アレを作ったのこの子のおばあちゃんなんだよ。伝えてあげるとすごく喜ぶ」

梓「どうして私なんですか」

轍「まぁ・・・その・・・ぐふッ・・・ふふっ」

梓「・・・」イラッ

唯「しょうがないですな。もしもし〜」

信代「唯がとるのかよ」

『もしもし〜?』

唯「私は平沢唯!けいおん部でギターを弾いてるよ!」

『そうですか。私は上原海琴といいます。民謡で三線を弾いてます』

唯「さんしん?」

律「野球の話してんのか?」

さわ子「違うわよ。三味線と似た楽器よ」

紬「・・・」コクコク

梓「・・・」

唯「それでね、今うまさんとキャンプしてて、ニライハナイの話を聞いてるんだよ」

海琴『そうですか、楽しそうですね〜』

春子「打ち解けてんのかな・・・」

轍「カナイね・・・ニライカナイ・・・」

唯「すっごくおいしかったよ!」

海琴『嬉しいです。おばあちゃんとっても喜んでくれますよ〜』

唯「最初はとっても塩辛くて変な味ーって思ったんだけどね〜」

海琴『それじゃー次はヒージャー汁なんてどうですか?』

唯「ひーじゃーじる?おいしい?」

海琴『とーっても!』

唯「食べたいよ!」

轍「お勧めはしないよ・・・」

『なんてモノを勧めてんのよ!』

海琴『おいしいよ?』

『海琴だけじゃないの!』

唯「?  誰と話してるの?」

海琴『真鶴ちゃんですよ』

唯「か、変わっておくんなまし!」

海琴『?・・・真鶴ちゃん』

真鶴『え・・・?・・・もしもし・・・』
378. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:14:17.19 ID:/tE7ZYkDo
唯「ほったいもいじるなー」

真鶴『・・・nine thirty』

唯「え・・・?」

真鶴『・・・?』

憂「九時半だよ」

唯「おぉ、93って言うからビックリしたよ」

真鶴『言ってない・・・けど・・・。ちょっと海琴・・・この人なに?』

海琴『お話したいんだって』

唯「真鶴ちゃんってハーフなんでしょ?」

梓「・・・」

真鶴『YES.沖縄とアメリカのダブルよ』



・・・・・・



律「目的はなんだよ?」

轍「大分離れたけど・・・中野さんと海琴ちゃんを話させようかと思っていたんだ」

玉恵「・・・なぜ?」

轍「オバァと同じ理由」

澪「・・・その海琴さんと同じ事を梓が・・・?」

轍「うん。それと、海琴ちゃんは音楽の大切さを人一倍知っているからね」

律「・・・音楽の大切さ・・・・・・」

轍「面白かったから、ね・・・。なにか伝わるものがあるかな、って」

姫子「伝わるもの・・・?」

轍「それは後から中野さん自身に聞いてみて。
    俺はそろそろ引き上げるから。お別れだ」

純「お別れ?」

玉恵「東京へ帰るの?」

轍「うん。記事をまとめないといけないからな。明日の朝で帰るよ」

律「戻るじゃなくて、帰る・・・なのか」

轍「・・・うん。さて、テントへ戻って今日のまとめをしないと」

澪「・・・相馬さん、北海道と沖縄の印象ってどうでしたか?」

和「いい質問ね」

風子「うんうん」

姫子「・・・対照的に位置する場所」

轍「北海道は『風と緑』、沖縄は『水と光』かな」
379. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:17:05.09 ID:/tE7ZYkDo
憂「それじゃそのお魚は沖縄でしか獲れないんですね?」

海琴『そうです。スクというお魚の稚魚なので生まれて3日経つと漬物にならないんです」

憂「そうですか・・・。それじゃあひーじゃーじるというのはなんですか?」

海琴『山羊を煮込んだ汁物です』

憂「う・・・」

海琴『う・・・?』

憂「ういって言います。平沢憂です」

海琴『私は上原海琴です』

真鶴梓『「  なんで二回も自己紹介してるの・・・  」』

憂「色々と話を聞かせてくれてありがとうございました」

海琴『いえいえ〜』

憂「はい、梓ちゃん」

梓「・・・」

海琴『・・・?』

梓「中野梓です」

海琴『上原海琴です。中野さんもスクガラス召し上がったんですか?』

梓「はい・・・。塩辛くて私の口には合いませんでした」

海琴『そうですか・・・。しょうがないですよ。内地の方には合わない料理ですから』

梓「・・・」

海琴『・・・』

梓「・・・」

海琴『・・・』

梓「・・・」

海琴『・・・中野さんも』

梓「・・・?」

海琴『音楽をされているんですか?』

梓「はい・・・。先輩方と部活で演奏・・・して・・・いま・・・す」

海琴『・・・?』

梓「・・・あ・・・すいません・・・電話返しますね」

海琴『・・・梓さん』

梓「は、はい」

海琴『音楽って・・・いいですよね』

梓「はい」
380. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:17:49.57 ID:/tE7ZYkDo
真鶴『アズサ?ちょっと代わって海琴!』

海琴『真鶴ちゃんに代わりますね。それでは、ぐぶり〜さびら』

梓「?」

真鶴『ちょっと!どうしてにぃにぃに伝えなかったの!?』

梓「なに・・・を?」

真鶴『電話返したらかけ直させてって言ったでしょ!?』

梓「あの時は・・・その・・・色々あって・・・」

真鶴『・・・』

梓「ごめん・・・ね・・・」

真鶴『アズサ・・・』

梓「なに?」

真鶴『最初に話をした時より、いい風が吹いてるよ』

梓「どういう事?」

真鶴『にぃにぃに聞いてみて、それじゃあ私もこれで、GOOD  BYE!』

プツッ

ツーツー

梓「・・・」

紬「・・・」ニコニコ

梓「・・・むぎ先輩?」

紬「・・・」ニコニコ

律「北海道は風と緑」キリッ

玉恵「沖縄は水と光」キリリッ

轍「・・・」

風子「宇宙は無限と有限」

和「それは言ってないわ」

春子「風子・・・?」

信代「・・・」

澪「・・・」

いちご「・・・」

さわ子「うふふ、面白いわね〜」

梓「どうぞ」

轍「あ、あぁ・・・って切ったのか・・・」

唯「たっくさん話できたよ〜」

憂「はい」

轍「それはよかった」
381. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:19:03.33 ID:/tE7ZYkDo
梓「・・・真鶴が言っていた『いい風が吹いている』って・・・なんですか?」

轍「あの子は先見の明を持っているから、そういう事なんだと思う。・・・電話で分かるのかな」

梓「・・・」

純「・・・」

轍「それじゃ俺はこれで失礼するよ
    貴重な話をたくさん聞けてよかったよ。おいしいごはんをごちそうさま」

唯「ふふん」

律「・・・」シーン

唯「りっちゃん・・・無視は嫌だよ・・・」シクシク

轍「テントにいるから、なにかあったら起こしていいからさ。それじゃね」

スタスタ

玉恵「おやすみー」

轍「お前もあまり邪魔すんなよー?」

玉恵「大丈夫だよ〜」

唯「おやすみ〜」

澪「おやすみなさい・・・」

律「風邪ひくなよ〜」

憂「おやすみなさい」

梓「・・・」フゥ

紬「・・・?」

純「・・・」

さわ子「最後まで妙な空気を纏っていたわねぇ」

風子「・・・そうですね」

姫子「どんな空気なのか分かったの風子?」

風子「なんというか、玉恵さん以外は近づけない、近づかせないというか」

春子「歳の差があるからでしょ?」

信代「玉恵さんと電話相手以外は敬語だったな・・・」

いちご「・・・それだけなのかな」

和「・・・」

律「なんで喋らないんだよ?眠いのか?お子様か?」

純「まだ眠る時間じゃないですよ」ヒョイ

パキパキパキ

律「じゃ、なんなんだよ?言ってみろって〜」

純「梓がいまいち分からなくて・・・。なんなんでしょうね」

律「あぁ・・・確かに」

澪「・・・電話でどんな話をしたんだろ」
382. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:22:20.65 ID:/tE7ZYkDo
玉恵「はぁ〜、あまぁ〜ぃ」モグモグ

唯「あー!私の分がなくなってる!」

澪「さっきたくさん食べただろ・・・」

紬「・・・」モグモグ

律「とろけるマシュマロ・・・うめぇ・・・!」

春子「・・・おいしいな」モグモグ

さわ子「玉恵・・・ひとつ聞いていいかしら?」

玉恵「・・・ん?」モグモグ

さわ子「・・・旭川に行かなかったことを、後悔してる?」

玉恵「してないよ」

姫子「即答だね」

玉恵「まぁね。どんな自分になっているんだろうって興味はあるけど
      ありもしない自分を想像するのは旅をする上で足かせにしかならないよ」

さわ子「どうしてよ、次の行動へのヒントになるかもしれないでしょ」

玉恵「旅は現実を一つ一つ確実に与えてくれるんだよ。楽しいことも辛いことも
      それを遮るのはやっぱり損だよ。つまらなくするだけだよ。前だけみないと」

梓「・・・」

姫子「・・・」

さわ子「振り返ることはないの?」

玉恵「バイクの運転中は危ないでしょ」

さわ子「そうね〜、前方不注意で事故ってしまうわね」

律「納得しないでくれますかね。よく分からないんですけど」

澪「玉恵さんは・・・バイクに旅そのものを重ねているんだと思う」

純「なるほど・・・。旅と人生を重ねて、旅とバイクを重ねて・・・ですね」

信代(今日はみんな語るなぁ・・・焚き火のせいかな・・・)
383. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:23:03.88 ID:/tE7ZYkDo
唯「はいっ、私からも質問です!」

玉恵「うむ、許可しよう」

唯「玉恵ちゃんの旅の終着点はどこですか!?」

梓「・・・」

紬「・・・」コクコク

玉恵「うーん・・・終着点・・・」

姫子「・・・」

玉恵「まだ見つけてないし、どこにあるのか見当もつかないや」アハハ

いちご「終着点って?」

和「文字通り旅の終わりとなる場所ね」

いちご「・・・」

律「唯にしてはいい質問だったんだけどな〜」

唯「そうでしょ」エッヘン

梓「胸を張るところじゃないですよ」

玉恵「轍さんは見つけたみたいだけど」

澪「どうしてですか?」

玉恵「4年前とは違ったからね」
384. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:24:37.39 ID:/tE7ZYkDo
また、かき乱していった

宿題と言わんばかりにモヤモヤを残していった

なんだろう、すごく嫌だ・・・あの人


澪「梓?」

梓「・・・え?」

澪「聞いていなかった?」

梓「なんですか?」

純「ぼーっとしているから澪先輩の声が聞こえないんだよ〜」

律「電話で話してなにか伝わったのか・・・って事だよ」

梓「海琴さんと・・・」



・・・・・・



紬「・・・」ニコニコ

唯「むぎちゃん?」

紬「・・・?」

唯「いい事あったの?」

紬「・・・」コクリ

和「なにがあったのよ」

紬「・・・」

ギュ

和「・・・」

紬「・・・」スラスラ

和「た・・・び・・・が・・・」

紬「・・・」スラスラ

和「は・・・じ・・・ま・・・っ・・・た・・・。むぎの?」

紬「・・・」フルフル

唯「ん〜?」

姫子「誰の旅が・・・?」

紬「・・・」スッ

唯「内緒・・・?」

紬「・・・」ニコニコ

和「・・・見当はつくけどね」

姫子「・・・誰なの?」
385. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:25:44.28 ID:/tE7ZYkDo
・・・・・・



梓「海琴さんと話をしたのは・・・音楽の魅力だけです」

律「なんて言ってた?」

梓「音楽はいいですよね・・・って」

澪「・・・うん」

―――うん

音楽はいい

一つになれる

一つの曲を先輩方と紡ぐことが出来る

それはとても素敵で

それはとてもかけがえのないものになった

音楽をやってて、よかった


玉恵さんが言った

『黙っていることは悪いこと』だって

唯先輩だけ知らない

知ったら

背中を押しちゃうから

私たちは準備をしたかった

むぎ先輩の背中を心から推す事ができるような

そんな強さを持てるようになるまでの時間が欲しかった

『いい風吹いてるよ』

今その言葉がありがたく感じる


律先輩―――いいですか?


律「・・・」コクリ


澪先輩―――?


澪「・・・」コクリ

386. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:27:19.38 ID:/tE7ZYkDo
・・・・・・



唯「教えてよ〜」

紬「・・・」スー

和「・・・?」

姫子「私たち・・・?」

信代「え・・・?私も入ってんの?」

風子「おぉー」

春子「な、なんで・・・?」

いちご「・・・私たちの旅が始まったって・・・どういう事?」

紬「・・・」フンス!

唯「よく分かんないよ、むぎちゃん」



・・・・・・



憂「お姉ちゃん・・・」

玉恵「唯ちゃんだけ知らないんだね・・・」

さわ子「しょうがないんだけどねぇ」

憂「・・・」

玉恵「そんな顔しないで」ナデナデ

憂「ぁ・・・」

玉恵「憂ちゃんのお姉ちゃんは芯がないようで、実はしっかりもっているんだよね」

憂「・・・」

さわ子「それ、褒めてるの?」

玉恵「そ、そうだよ」

憂「・・・はい」

純「おーい!」

玉恵「純ちゃんが呼んでるね」

さわ子「行きましょうか」

憂「はい」

387. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:28:34.72 ID:/tE7ZYkDo
・・・・・・



姫子「信代、風子、春子、いちご」

信代「ん?」

風子「なぁに?」

春子「なんだよ?」

いちご「・・・?」

姫子「私らはなりゆきをみている事しか出来ないから・・・ね」

信代「・・・」

風子「・・・」コクリ

春子「分かった」

いちご「うん・・・」



・・・・・・



さわ子「どうしたのよ?」

唯「あずにゃんが大切な話をするんだって」

玉恵「・・・」

さわ子「・・・そう」

唯「なにかな!?」ウキウキ

憂(お姉ちゃんは強いから・・・。さっきの旅の話を聞いて確認したよ。だから・・・大丈夫)

純(どうしてだろう・・・緊張する。私は部外者のはずなのに)

和(見守ることしかできないのね)

律(私も、もう振り返らない。大切な想い出と一緒に進むからだ)

澪(むぎは言ってくれた)
388. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:30:18.70 ID:/tE7ZYkDo
梓「むぎせんぱい」

紬「・・・?」

梓「あ・・・えーと、その・・・」

紬「・・・」ニコ


ずっといたい


梓「・・・」

紬「・・・」ニコニコ


ずっとこの笑顔をみていたい


梓「・・・っ」

紬「・・・?」


ずっと一緒にいたい


梓「ドイツへ行ってください」

紬「!」

唯「え・・・」

梓「唯先輩以外は知っていますよ」

紬「・・・」

唯「ど、どういう事!?」

梓「ドイツへ行けば・・・むぎせんぱいの声は治るかもしれないそうです」

紬「・・・」

唯「そ、そうなの!?むぎちゃん!?」


ゆっくりうなずく


紬「・・・」コクリ

唯「そ、そうなんだ・・・よか・・・っ・・・たぁ・・・」
389. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:31:54.77 ID:/tE7ZYkDo
唯先輩の声が潤む

澪先輩の顔が見えない

律先輩はまっすぐむぎせんぱいを見ている

私は言葉を―気持ちを伝える


梓「卒業まであと数ヶ月ですが・・・。今すぐ行ってほしいんです」

紬「・・・」

唯「今すぐ・・・?」

梓「時間が経てば経つほど、治る確率が低くなるのだそうです」

唯「ぇ・・・」

紬「・・・」


まっすぐにわたしをみる

いつもほわほわしているむぎせんぱいとはちがう表情

初めて見た

それはそうだ

自分の声よりこの時間を選んだのだから

その、むぎせんぱいの決意を私は拒否しているのだから


梓「今の時間は今しかありませんけど
    私たちが一緒に学校に通う時間は、今・・・しか・・・ありません・・・けどっ」


泣くな

最後まで伝えなきゃ

私が伝えたい言葉なんだから

私が伝えなきゃ


紬「・・・」

梓「それでも・・・、あなたに素敵な言葉を紡いでほしいから」

紬「!」
390. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:34:02.17 ID:/tE7ZYkDo
ワタシハナニヲイッテイルンダロウ


梓「あなたの暖かい笑い声を聞きたいから」

紬「・・・」


コレハタダノワガママ


梓「あなたの透き通る歌声を聞きたいから」

紬「・・・」


ワタシヒトリノカッテナオシツケ


梓「むぎせんぱいと・・・言葉を交わしたいから」

紬「・・・」


オモイヤリノナイコトバダ


梓「・・・あなたに・・・私の名前を呼んで欲しいからっ」ホロリ

紬「・・・」


ナイチャッタ


梓「・・・」グスッ

紬「・・・」

梓「だから・・・っ・・・だから・・・行って・・・ください」

紬「・・・」


この瞬間を

私は一生忘れない

忘れることができない


紬「・・・」コクリ

―――伝わった

391. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:35:19.54 ID:/tE7ZYkDo

紬「・・・」


どうして笑顔になるんですか

私のワガママなんですよ

言葉を出せないむぎせんぱいに対してひどい事を次から次へと

私は言ったんです


チガウ


イマエガオニナルアナタガイヤダ!


梓「どうして・・・っ・・・どうして笑顔になるんですか!?」

紬「・・・」

唯「あずにゃん・・・」

梓「残り数ヶ月の時間を捨てろと私は言ったんですよ!?」

澪「・・・」

梓「確実に治るわけでもない賭けに、私はそうしろと!失うものが大きいのに
    両方とも捨てる事になるかもしれないのに!そうしろと私は言ったんです!」

律「・・・」

梓「な・・・ッ・・・なんであなたは!そこで笑顔になれるんですか・・・ッ!」

紬「・・・」

梓「時間は戻らないんですよ!?」

紬「・・・」


バカダ

ワタシハドウシヨウモナイバカダ

392. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:36:44.06 ID:/tE7ZYkDo
梓「・・・なんで・・・っ」

澪「一人で背負わなくていいよ、あずさ」

律「まったくだ」

唯「ドイツへ行ってほしいっ・・・よ」グスッ

梓「!」

紬「・・・」

ギュウ



この温かさは

反則です



梓「ごめんなさいっ」グスッ

紬「・・・」フルフル

梓「私っ・・・むぎせんぱいがここに残ると・・・言ってくれるのを少し・・・っ
    期待していたんです・・・っ」グスッ

紬「・・・」

ギュウ

梓「伝わったこと・・・がどうしようもなく・・・嬉しくて、どうしようもなく・・・悲しくて」

紬「・・・」コクリ

梓「・・・だから・・・っ」

スッ


離れる

私の目をまっすぐ見て

何かを伝える


紬「・・・」

梓「お礼を言うのは・・・私ですよっ」

紬「・・・」ニコニコ
393. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:37:33.27 ID:/tE7ZYkDo
唯「会話したよっ!」

律「マジかよ」

澪「・・・ふふっ」

梓「っ・・・」グスッ

紬「・・・」ニコニコ

唯「あずにゃんと同じ気持ちだよ。むぎちゃん!」

紬「・・・」コクリ

律「寂しくなるけどな。いや、寂しいなんてもんじゃねえ!
    ポッカリだ。心に穴が開くんだぞ!」

紬「・・・」コクリ

澪「言ってくれたよね。
    『時間と距離が私たちを隔てようとしても、わたしはいつもみんなを想ってる』」

紬「・・・」コクリ

澪「私たちも・・・むぎを想っているから・・・な」

紬「・・・」ニコ

梓「ですから・・・」

梓唯律澪「「「「  行って  」」」」
394. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:38:42.93 ID:/tE7ZYkDo
さわ子「ちょっと待った!」

梓「え・・・?」

唯「ちょっとさわちゃん」プンスカ

律「さわちゃん・・・ひどいぜ」

澪「・・・」

さわ子「まだその台詞は早いわ」

紬「・・・?」

梓「でも、斉藤さんは・・・」

さわ子「26、27の学園祭はどうするのよ」

律「どうするって・・・。どうすりゃいいんだよ」

さわ子「一緒に参加しなさいよ」

澪「で、でも・・・」

憂「梓ちゃん、斉藤さんはいつでも行けると?」

梓「・・・うん」

玉恵「言っていたね」

さわ子「むぎちゃんは向こうの学校に行く事になるわねぇ」

和「そうなの?」

紬「・・・?」

姫子「首を傾げているって事は・・・まだ無計画?」

紬「・・・」コクリ

信代「今決めた事だから当然っちゃ当然か」

さわ子「通うとしても手続きが必要になるから、とりあえず月末までは時間がかかるわ」

風子「・・・と、いう事は!」

さわ子「学園祭までいなさい」

紬「・・・」コクリ

春子「・・・これは企画を練り直さないとなぁ」

いちご「・・・うん!」

梓「お、おぉー!」フルフル

唯「少しの時間があるんだ!」

澪「よ、よし!」

律「大切に進むぞー!」
395. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 21:40:07.34 ID:/tE7ZYkDo

さわ子「・・・ふぅ」

玉恵「ちょっと苦しくなかった?今の話の進め方」

さわ子「ちょっとなんてもんじゃないわよ。すぐにでも病院へ行けばいいだけの話なんだから」

玉恵「ですよね〜」

さわ子「強引にこじつけたけど・・・。これを許さない神様がいたら、私が許さないわ」

玉恵「・・・悪魔に魂を売ったかのようだ」

さわ子「あら、そう名乗っていたのよ私は」

玉恵「あぁ、唯ちゃんから聞いたよ。HEALTH DEVILだっけ?」

さわ子「器用に間違えてるんじゃないわよ。DEATHよ、DEATH DEVIL」

玉恵「健康な悪魔だ」

さわ子「自分で説明してると空しいわよね〜」

玉恵「まったくです」

さわ子「面白いわねあなた」スッ

玉恵「お互い様だよ」スッ

カン

和「それ、お酒じゃないですよね?」

さわ子「あなた達がいるのに、飲まないわよ」

玉恵「そうそう。ただのむぎ茶だよ〜」

和「雰囲気が・・・」

さわ子「信用ないのね〜」

玉恵「じゃ、今度三人で飲もうよ」

和「今度って二年後になりますけど」

さわ子「二年後にくる予定あるの?」

玉恵「未定だった予定が確定になるのだよ、約束する?」

和「それは面白いですね」

さわ子「教え子と飲むなんて・・・時間の流れが怖くなるじゃない・・・」

396. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 22:29:19.90 ID:/tE7ZYkDo
―――――・・・

ちゃーらら〜らら〜らら〜♪

梓「え・・・と、こうですか?」

紬「・・・」コクリ

梓「・・・で、つぎは・・・こうですね」

紬「・・・」コクリ

梓「ありがとうございました」ペコリ

紬「・・・」ペコリ

ちゃらっちゃちゃっちゃ♪

梓「次は・・・風子先輩ですか」

風子「よろしく〜♪」


・・・・・・



律「オクラホマミキサー・・・どこから持ってきたんだよ・・・」

さわ子「学校からよ?」

和「あったんですね・・・」

信代「風子・・・キャラが違うよな・・・」

さわ子「変わったというべきか、元が表面化しただけなのか。
        どちらにせよ、あのふぅちゃんは悪くないわ」

春子「そうですね・・・。しかし、紬と風子は分かるけど・・・」

律「だよなぁ・・・。梓と憂ちゃんはノるだろうとは思っていたけど」

いちご「・・・うん」

信代「いやぁ・・・目の前の光景が信じられないよわたしは」

和「そうね・・・」

玉恵「・・・どうしよう」


・・・・・・


ちゃっちゃっちゃん♪

澪「よろしく」

姫子「よろしく♪」

澪「ふんふんふん〜♪」

姫子「〜♪」

澪「楽しそうだよね」

姫子「楽しいよ」
397. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 22:30:25.13 ID:/tE7ZYkDo
澪「うん・・・。それは嬉しい」

姫子「みんなが楽しんでいると嬉しい?」

澪「うん」

姫子「あ、間違えた」

澪「ご、ごめん」

姫子「あはは、中学校の体育祭以来だよ」

澪「私は初めて・・・かな」

姫子「へぇ〜」

澪「今日は私たちの他にいないみたいだから、踊れるんだけどな」

姫子「台風様々だね〜♪」

澪「うん」

ちゃっちゃっちゃん♪

姫子「ありがとうございました」ペコリ

澪「ありがとうございました」ペコリ

姫子「おっと、純ちゃんか」

純「よろしくお願します」

姫子「よろしく♪」

純「うわっ、風子先輩より楽しそう!」

姫子「楽しいよ♪」

ちゃーらら〜らら〜らら〜♪

純「傍から見たら恥ずかしい光景ですよ、これ」

姫子「大丈夫、大丈夫。テントはそんなにないんだし」

純「そう・・・ですけどぉ」

姫子「今は今しかない。ってさっき教えてくれたよ」

純「・・・」

姫子「だから楽しもうよ」

純「後で枕に顔を埋めて足をジタバタしませんかね?」

姫子「後の事は後で考えよう♪」

純(テンション高いな〜)

ちゃっちゃっちゃん♪

姫子「ありがとうございました」ペコリ

純「ありがとうございました」ペコリ

姫子「次は、むぎだね」

紬「・・・」ペコリ

姫子「よろしく♪」ペコリ
398. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 22:31:14.66 ID:/tE7ZYkDo
ちゃーらら〜らら〜らら〜♪

紬「・・・」

姫子「・・・」

紬「・・・」

姫子「・・・」

紬「・・・」

姫子「・・・」

紬「・・・」

姫子「・・・」

ちゃらっちゃちゃっちゃ♪

紬「・・・」ペコリ

姫子(すっごい楽しい)ペコリ

風子「姫ちゃんだ」

姫子「風子にまで浸透しちゃったか」

風子「よろしく♪」

姫子「よろしく♪」

ちゃーらら〜らら〜らら〜♪

風子「キャンプに来てよかった」

姫子「うん」

風子「玉恵さんに出会えた」

姫子「・・・」

風子「相馬さんに出会えた」

姫子「・・・」

風子「こんな自分に出会えた」

姫子「うん」

風子「旅ってこういう事なんだろうね」

姫子「うん」

風子「あの二人って凄いよね」

姫子「梓ちゃんとむぎ?」

風子「あ、むぎって呼んでる」

姫子「今のうちに呼んでおこうと思ってさ」

風子「わ、私も呼ぶ!」

姫子「その列にいたら踊れないじゃん」

風子「それじゃ、私と列入れ替わろう〜♪」

姫子「そうしよう〜♪」
399. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 22:31:50.56 ID:/tE7ZYkDo
ちゃらっちゃちゃっちゃ♪

梓「なるほど。よろしくです」ペコリ

姫子「よろしく♪」

ちゃーらら〜らら〜らら〜♪

梓「楽しそうですね」

姫子「楽しいよ〜♪」

梓「よかったです」

姫子「澪と同じ事言ってる」

梓「そうですか?」

姫子「うん。みんなが楽しいと嬉しいってね」

梓「そうですか・・・」

姫子「梓ちゃんとむぎはすごいね」

梓「なにがですか?」

姫子「互いを高めあってる・・・って感じかな」

梓「・・・違います。むぎせんぱいが引っ張ってくれるから、そこにいるだけです」

姫子「・・・」

梓「私は少しも凄くはないんです」

姫子(ちゃんとついていってるじゃん。充分すごいよ)

ちゃらっちゃちゃっちゃ♪

梓「ありがとうございました」ペコリ

姫子「今日はありがと」

梓「?」

姫子「憂ちゃん、よろしく♪」

憂「よろしくおねがいします」ペコリ

ちゃーらら〜らら〜らら〜♪

姫子「上手だね、振り付け」

憂「ふふ、実は練習していたんです」

姫子「えっ!?うそっ!?」

憂「うそです」キッパリ

姫子「驚かせないでよ」

憂「ごめんなさい」クスクス

姫子「いいけどね♪」

憂「楽しそうですね」

姫子「みんなに言われるけど、そんな風に見える?」

憂「体中が弾んでます」
400. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/03(土) 22:32:45.84 ID:/tE7ZYkDo
姫子「心から楽しんでいるんだろうね。・・・そっか、なんか新鮮」

憂「いいですよね、こういう感じ♪」

姫子「うん♪」

ちゃらっちゃちゃっちゃ♪

憂「ありがとうございました」ペコリ

姫子「ありがとうございました」ペコリ

唯「あ、姫ちゃんだ」

姫子「よろしく、唯♪」


・・・・・・


玉恵「どうしよう・・・一人余るよ」


最終更新:2011年10月05日 23:26