- 645. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:38:56.09 ID:51PuW/tjo
- ―――――・・・
冬「また入院だって・・・」
夏「しょうがないよ・・・。検査もあるんだから」
冬「・・・うん」
夏「ほら、雑誌・・・」
冬「ありがとー!」
夏「体に障るから・・・少しはおとなしく」
冬「さすが夏!いいチョイス!」
夏「・・・もぅ」
冬「けほっけほっ!」
夏「だ、大丈夫!?」
冬「う、うん・・・」
「斉藤冬さーん、体温測りますね〜」
夏「あ・・・」
「あら、夏ちゃん」
冬「・・・ふぅ」
夏「看護師さん・・・冬の担当になったんですか?」
看「そうよ〜、はい冬ちゃん」
冬「・・・はい」
看「少し顔色が悪いわね・・・」
夏「・・・」
看「私が担当になるからにはすぐ退院させるわ」ドン
――・・・中庭
夏「大丈夫?」
冬「少しは歩いたほうがいいって看護師さんに言われているから・・・大丈夫」
夏「・・・」
冬「ベンチまで頑張るっ」
夏「うん・・・」
冬「っしょ・・・よい・・・しょっ」
夏「・・・」
冬「・・・ふぅ」
「・・・ん?」
「どうしたの?」
「誰かに呼ばれたような・・・?」
「驚かせるのやめてよ」
「でこちゃん怖がり〜」
「怖がり〜」
- 646. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:39:33.85 ID:51PuW/tjo
- 冬「・・・」
夏「・・・」
冬「あの三人仲が良さそう・・・いいなぁ・・・」
夏「・・・っ」
冬「ここの空は広くていいね・・・」
夏「うん・・・」
冬「部屋の窓は狭いから空が縮こまっていて・・・」
夏「あの雲・・・ボールみたい」
冬「あんぱんみたい・・・」
夏「お腹空いてるの?」
冬「うん・・・」
夏「食欲あるの?」
冬「うん、最近はよくお腹がすく」
夏「・・・そっかぁ・・・先生がお腹が空くのは健康の証拠だって言ってた」
冬「じゃあそろそろ退院できるね」
- 647. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:41:21.64 ID:51PuW/tjo
- ――・・・
「さっさと体力つけりゃいいんだ」
看「こらっ」バシッ
「いだっ」
看「医者がそんなぶっきらぼうに言っていいんですか?」ジロ
医「看護師が医者に手を上げていいのか?」
看「時と場合によります」
冬「ふふっ」
夏「・・・」
医「じゃあな。しばらくは安静にしていなくてはいけないが、学校に通える様になるから
そんな神妙な顔するなよ」
夏「・・・」
看「こらぁ!」ゴン
医「ごふっ」
母「あらあら」
冬「あははっおもしろーい」
看「・・・まったくもう」
夏「せ、先生・・・」
医「いでで・・・ん?」
夏「冬は・・・」
看「・・・」
冬「?」
母「夏・・・冬と先に車に行っているからね」
夏「うん・・・」
冬「ちょっと待ってお母さん・・・夏が・・・」
母「はいはい、暴れると落ちるわよ〜」
冬「・・・」
医「怖いな夏のかーちゃん・・・おんぶしながらさらっととんでもない事いいやがる
退院した直後だぞ・・・」
看「・・・それで、夏ちゃんどうしたの?」
夏「冬は・・・ちゃんと学校に通えるんですか・・・?」
医「あぁ、そう言っただろ」
夏「だって・・・前に退院した後も・・・しょっちゅう風邪をひいて学校に行けなかったんだよ
友達も・・・誰も冬の話しないし・・・学校に行かないからみんな忘れてしまっているんだよ」
看「そんな事ないわ」
夏「・・・だって・・・冬・・・いないもん・・・」
- 648. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:41:48.12 ID:51PuW/tjo
- 医「あのな、夏がそんな顔していたら冬が元気になれないんだぞ?」
夏「え・・・?」
医「元気を貰うって言葉があるだろ」
夏「?」
看「少し難しいかもしれないですよ・・・」
医「一番近くにその手本がいるだろ」
夏「冬・・・?」
医「あぁ、夏が冬を元気にするんだよ」
夏「どうやって・・・?」
医「だから、近くに手本がいるだろ」
夏「・・・」
医「冬から元気を貰っているだろ?」
夏「うん・・・!」
医「ほら、冬が心配しているぞ、はやく戻りな」
夏「う、うん!ありがと先生!」
タッタッタ
看「・・・」
医「仕事に戻るかぁ・・・」グッタリ
看「去年より体力が著しく低下していますが・・・」
医「あぁ・・・。医者が言う台詞じゃねえが・・・神に頼るしかねえな」
- 649. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:43:44.38 ID:51PuW/tjo
-
―――――・・・学校・6年生クラス
「であるからしてー」
「先生トイレー!」
先生「先生はトイレじゃありません」キリ
「・・・」
シーン
先生「あ、あれー?」
「いいから早く授業を進めてください」
先生「はい・・・」
「中野こえー!」
「こえー!」
中野「・・・」
「ちょっと男子!しずかにしなさいよね!」ドンッ
「委員長こえぇ・・・」
先生「うぅ・・・小学6年生こえー・・・」
「先生!」
先生「だからトイレでは」
「斉藤さんがっ」
先生「え・・・」
冬「はぁ・・・っはぁ・・・」
先生「・・・委員長は斉藤夏さんを呼んできて。クラス分かりますよね?」
委「は、はい・・・」
テッテッテ
冬「ぅっ・・・・・・はぁっ・・・っ」
- 650. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:44:48.85 ID:51PuW/tjo
-
―――――病院
夏「なんで!?なんで冬ばっかりこんなっ!」
母「夏・・・」ギュウ
夏「おかしいよ!こんなの!!」
母「大丈夫だから・・・」
夏「なんで・・・!」
ガラッ
医「・・・大丈夫ですよ。熱が急に上がったせいで体がビックリしたんでしょう」
母「・・・そうですか」ホッ
夏「なんで!?私じゃ元気をあげられないの!?」
医「・・・」
夏「冬のように私頑張っているのに!それでも足りないの!?」
医「いや・・・そんなことは」
夏「そんなことあるよ!また病院に戻ってきたもん!!」
医「・・・」
看「夏ちゃん、冬ちゃんが呼んでるわ」
夏「!」
テッテッテ
医「・・・」
母「先生の言うとおり元気を貰っていたみたいです。しばらくは安定していましたから」
医「・・・そうですか。・・・失礼します」
スタスタ
看「先生までそんな顔して・・・」
- 651. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:45:50.88 ID:51PuW/tjo
- ガラガラ
夏「冬〜?」
冬「あ・・・来てくれたんだ・・・」
夏「毎日来るって言ったよ」
冬「・・・うん」
夏「じゃーん、梨!」
冬「わぁ・・・」キラキラ
夏「今食べる?」
冬「食べる」
看「これから検査があるからダーメ」
冬「明日にしましょう」
看「こっちの都合もあるのよ!?」
夏「・・・」シュルルルル
看「こらっ!ダメって言ったでしょ、・・・相変わらず上手ねぇ」
夏「これくらいお安い御用です」
看「・・・」
夏「はい、冬」
冬「ありが」
シュッ
看「もぐもぐ」
夏冬「「 あぁー! 」」
看「ジューシーねぇ」
冬「なんてことを・・・」
「あの看護師さん本当に看護師さんなんですか?」
「あぁ、キミは今日入院してきたのか・・・。この部屋の名物だよ」
「名物?」
「そう、三人によるささやかなコント」
- 652. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:46:51.06 ID:51PuW/tjo
-
――・・・
夏「はい、卒業証書」
冬「ありがとう」
夏「結局今日まで退院できなかった・・・」
冬「その袋はなに?梨?」
夏「正解。・・・と雑誌」
冬「いつもありがとね夏・・・」
夏「いいって〜、気にしないで。ほら」
冬「あれ・・・?旅行の雑誌なんだ・・・」
夏「うん、旅行した気分になれるかなーと思ってさ〜」
冬「うんうん、いいね」
夏「北海道特集だって」
冬「わぁ」キラキラ
夏「どれどれ」
冬「利尻島だって」
夏「行ってみたいねぇ〜」
冬「覚えてないの?」
夏「釧路には行ったけど、利尻には行ってないよ?」
冬「お父さんと周ったような・・・」
夏「覚えてないや」
看「まだ梨剥かないの〜?」
夏「冬の為に剥くんです。看護師さんにはありません」
看「ふふっ、それは残念。はい体温測ってね」
冬「はーい」
看「そうそう。順調にいけば来週辺り退院できるわよ」
夏冬「「 本当ですか!? 」」
- 653. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:48:27.78 ID:51PuW/tjo
-
―――――・・・商店街
冬「大丈夫?」
夏「知恵熱でそう・・・」
冬「歩きながらはダメだよ」
夏「でも、そうしないと覚えられないよ」
冬「おうち帰ったら集中して勉強すればいいんだよ」キリ
夏「はいはい・・・えーと」
ドンッ
「おぉっとぉ」
夏「あ、ごめんなさい」
「おぉ、受験生だね!」
冬「あ・・・その制服・・・」
「ん?」
夏「いえ、なんでもないです」
「そう?」
「おーい、早くこーい」
「・・・」
「はいよ〜。じゃあね〜」フリフリ
タッタッタ
冬「すいませんでしたぁー」
「気にしないで〜」
夏「優しい・・・」
冬「来年会って、また挨拶しようね」
夏「その為にも合格するぞー!」
冬「おー!」
「・・・」
タッタッタ
夏「あ・・・あの人も桜が丘高校なんだ・・・。さっきの人と友達なのかな」
冬「なんだかふわふわした人だね・・・」
- 654. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:49:12.43 ID:51PuW/tjo
-
母「どうだった・・・?」
冬夏「「 バッチリ! 」」
母「そう、よかったわ」
冬「合格発表の日が待ち遠しい」
夏「えぇー・・・、私は・・・うん、待ち遠しいや」
母「うふふ」
冬「ちょっと疲れちゃった・・・部屋にもどるね・・・」
トボトボ
母「?」
夏「聞いてよお母さん、今日が本番なのにさ消しゴム忘れた子がいて、その子髪の毛がボンバーなんだよ」
母「うふふ、楽しい学校になりそうね」
夏「それと冬とお喋りした子がおっとりしていて、姉に渡されたお守りを自慢したんだって」
- 655. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:50:04.92 ID:51PuW/tjo
-
冬「・・・ぅん」
夏「冬!」
冬「夏・・・、ここは・・・?」
夏「・・・はぁ、よかったぁ」
冬「・・・病院?」
夏「待ってて、先生呼んでくる」
テッテッテ
冬「・・・手を・・・?」
- 656. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:51:04.41 ID:51PuW/tjo
-
夏「・・・証書」スッ
冬「ありがとう・・・。また卒業式に参加できなかったね」
夏「・・・うん」
冬「終わってすぐ来たの?」
夏「・・・うん」
冬「ダメだよ、卒業写真の後ろに寄せ書きを書いたりとか、写真を撮ったりとか」
夏「今日じゃなくてもいいよ」
冬「今日だから撮るの。大切な日なんだから」
夏「別に・・・」
冬「もぅ〜」
看「はーい、検温の時間でーす」
冬「よいしょっと」
夏「辛くない?」
冬「これくらい・・・けほっ」
夏「ほ、ほらっ」
看「辛いようなら寝ててもいいのよ?」
冬「けほっ・・・だ、大丈夫ですよ」
看「はい、体温計」
冬「はい・・・けほっけほっ」
夏「・・・」
看「入学式までに退院できるように頑張るわよ」
冬「はいっ」
夏「うん!」
- 657. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:52:15.70 ID:51PuW/tjo
-
冬「私も早く着たいなぁ・・・」
夏「うん、きっと似合うよ」
冬「・・・・・・うん」
夏「今日さ面白い事があったんだよ」
冬「どんな?」
夏「なんか、変な着ぐるみ着て新入部員勧誘してる人たちがいた」
冬「ふふっ」
夏「ウマ、トリ、イヌ、ネコの4人で・・・。ネコの人に渡されたのがこれ」ペラッ
冬「軽音部?」
夏「面白そうな人たちだったよ」
冬「へぇ〜、見てみたかったなぁ」
夏「・・・」
冬「あれ?夏はソフトボール部に入ったんだよね?」
夏「あ、うん・・・。キャプテンって人に勧誘されて・・・そのまま」
冬「強引に?」
夏「強引に」
冬「あははっ・・・けほっけほっ!」
夏「だ、大丈夫!?」
冬「だいじょうぶだよ・・・。・・・ソフト部はどう?」
夏「正直ね・・・つまんない。最初っからやりたくて入ったわけじゃないからね」
冬「辞めちゃうの?」
夏「それがさ〜・・・ププッ」
冬「?」
夏「先輩でノーコンな人がいるんだよ、ソフト部なのに」
冬「・・・」
夏「たまたまキャッチボールの相手にされたんだけど、全然私の方に投げてくれないの」
冬「・・・」
夏「最初嫌がらせだと思ったくらいだよ」
冬「・・・」
夏「でもね、その人真剣に私に投げてるの。だから取ってみたくなってさ」
冬「・・・」
夏「私も真剣になってボールを追いかけてた」
冬「楽しいんだ・・・」
夏「とーっても楽しかった!だから続けてみるよ」
冬「うん」
夏「そんなに面白い話だった?」
冬「うん、面白い」
夏「その人ね、立花姫子って言うんだよ。姫子先輩!」
- 658. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:52:56.96 ID:51PuW/tjo
-
ガラガラッ
夏「冬〜」
「あら、夏ちゃん。冬ちゃん今眠っているのよ」
冬「」スヤスヤ
夏「そうですか・・・、こんにちは」
「こんにちは、今日もお見舞いに来たのね。おばちゃん関心しちゃうわ」
夏「当然ですよ〜」ブィ
「さわがしくて迷惑だね」
夏「・・・ひどい」
「ふんっ」
夏「迷惑をかけてるお詫びにと持ってきたんだけど・・・」
「・・・」
夏「それじゃこの林檎私たちだけで食べましょうか!」
「あらいいわね、お茶用意するわね」
「ぐっ・・・」
夏「しずかに食べましょうね」
「・・・相変わらず口が減らないよね」
夏「お互い様」
「ふふっ」
夏「あっはっは」
冬「・・・ぅん?」
看「またこの部屋に来て・・・、先生が探していたわよ?」
「待って・・・林檎を食べてから帰るから」
看「食べたらちゃんと部屋に戻るのよ?・・・まったく」
「はいはい」
夏「はいどうぞ」
「さんきゅ、もぐもぐ」
「うふふ、なんだかんだで仲がいいのね〜」
「ごちそうさま夏ちゃん」
夏「あはは、またね〜」フリフリ
- 659. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:53:32.14 ID:51PuW/tjo
- 看「もぐもぐ」
冬「・・・」ボケー
「夏ちゃん、お茶をどうぞ」
夏「ありがと〜」
「皮剥くの本当に上手ね」
夏「へへっ、任せてください」
ピピッピピッ
冬「・・・」
看「なかなか熱下がらないわね・・・」
冬「・・・ふぁ」
夏「夜ちゃんと寝てるの?」
冬「・・・うん、寝てるよ」
看「寝てるんだけどね・・・」
夏「・・・林檎食べる?」
冬「・・・」
夏「梨の方がいい?」
冬「・・・うん」
看「意外と我がままね」
- 660. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:54:34.96 ID:51PuW/tjo
- ――・・・
冬「・・・」ペラッ
夏「またその記事読んでるの?」
冬「うん・・・」
夏「新しいの買ってきたからこれ読みなよ」
冬「後でね・・・」
夏「それ中学二年生の時に買ったやつでしょ・・・?」
冬「うん・・・」
夏「ふうらい・・・ねぇ・・・」
冬「この人の書く記事がいいの」
夏「ふーん」
冬「観光名所と名所は違う場所なんだって」
夏「・・・よく分からないな」
冬「じゃあ『最高の場所』は?」
夏「なにそれ・・・?」
冬「誰もが持っている大切な場所なんだって。その場所が人を強くするって」
夏「・・・」
冬「この人の記事は人情味があって、私の心も旅をしているような気分になるんだ・・・」
夏「・・・へぇ」
冬「私も見つけたいなぁ・・・」
- 661. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:55:43.83 ID:51PuW/tjo
-
――・・・
ガラガラ
夏「冬〜」
冬「けほっ・・・夏・・・」
夏「あれ、誰も居ないの?」
冬「けほっけほっ・・・うん・・・」
夏「外出許可出たって言ってたっけ・・・。今日は冬の貸切だね」
冬「けほっけほっ」
夏「ちょっと、さっきから変な咳してるけど、大丈夫?」
冬「・・・うん」
夏「じゃじゃーん、梨!」
冬「・・・・・・ありがと」
夏「・・・。お父さんとお母さんは後で来るって」
冬「・・・うん」
夏「・・・今日も部活で疲れちゃった」
冬「・・・頑張ってるんだね・・・けほっ」
夏「ほら、横になって」
冬「・・・うん」
夏「梨は後でいい?」
冬「・・・うん」
夏「・・・」
冬「今日はどんな事があったの・・・?」
夏「それがさ、姫子先輩が〜・・・」
- 662. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:56:48.51 ID:51PuW/tjo
- ギュウ
冬「・・・けほっ」
夏「」スヤスヤ
冬「・・・・・・一生懸命・・・体動かしたんだもんね・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「ごめ・・・んね・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「たくさん・・・っ・・・心配かけて・・・けほっ」
夏「」スヤスヤ
冬「姉・・・しっ・・・かく・・・だ・・・・・・よ・・・ね・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「・・・っ!」
夏「」スヤスヤ
冬「・・・はぁ・・・っ・・・はぁっ・・・
ちょっと・・・眠るだけだから・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「手を・・・握ってて・・・・・・っはぁ・・・・・・はぁ・・・っ・・・」
ギュウ
夏「」スヤスヤ
冬「・・・すぅ・・・はぁ・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「・・・・・・・・・すぅ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「・・・すぅ・・・・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「・・・」
夏「」スヤスヤ
冬「」
- 663. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:57:28.62 ID:51PuW/tjo
-
夏「ふ・・・ゆ・・・ねぇ・・・?」
- 664. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 18:59:01.00 ID:51PuW/tjo
-
看「冬ちゃんッ!!」
夏「・・・え」
冬「」
看「冬ちゃん!冬ッ!!」
夏「・・・・・・」
医「どいて、夏」
夏「な・・・に・・・・・・」
医「夏、しっかりしろ」
夏「・・・!」
医「何時からだ」
看「分かりません、私が検診に来た時から」
医「ICUへ」
看「はいっ」
夏「な・・・に・・・こ・・・れ・・・」
医「呼びかけるんだ、夏」
夏「・・・」
冬「」
夏「な・・・・・・ん・・・・・・で・・・・・・」
医「・・・っ」
看「・・・っ!」
ガラガラガラガラ
夏「・・・なんで・・・いつも・・・私・・・は・・・」
母「夏・・・立って・・・」
夏「・・・なんで・・・いつも・・・冬が・・・」
母「立つの!」
夏「あ・・・」
母「ほら、ちゃんと前を見て」
夏「わ、わたし・・・冬の・・・一番・・・近くに・・・いたのに・・・」
母「・・・」
夏「気・・・付け・・・なか・・・った・・・」
母「・・・」
- 665. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:00:09.14 ID:51PuW/tjo
-
シュー
父「先生!」
医「・・・」
母「・・・冬は・・・」
医「なんとか繋ぐ事はできました」
父「・・・」
母「・・・」
夏「・・・」
医「夏・・・、冬は今非常に危険な状態にあるんだ」
夏「・・・」
医「だから、冬が夏を信じているように、夏が冬を呼んで欲しい」
夏「え・・・?」
医「夏の声ならきっと届くから」
夏「!」
医「入って」
夏「・・・うん」
スタスタ
医「・・・お父さんとお母さんはこちらの部屋へ」
父「はい・・・」
母「・・・」
- 666. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:00:42.84 ID:51PuW/tjo
-
ピッ ピッ ピッ
冬「・・・ぅん・・・」
夏「ふゆっ!!」
冬「・・・な・・・つ・・・」
夏「よかったぁ・・・」ボロボロ
冬「・・・」
夏「よか・・・た・・・ぁ・・・」ボロボロ
冬「ごめ・・・んね・・・」
夏「!」
冬「しん・・・ぱい・・・かけ・・・た・・・ね・・・」
夏「っ!」
冬「・・・ごめ・・・ん・・・ね・・・」
夏「ふ・・・ゆ・・・?」
冬「・・・」
夏「ふ・・・ふゆっ!」
看「大丈夫、眠っただけよ」
夏「・・・」
冬「・・・」
ピッ ピッ ピッ
・・・
・・・・・・
冬「・・・ぅん・・・?」
冬「・・・」
冬「あれ・・・どうして部屋に・・・?」
- 667. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:02:01.43 ID:51PuW/tjo
-
夏「・・・」ゴシゴシ
シーン
夏「あれ、姫子先輩と紬先輩帰ったのかな・・・?」
トタトタトタ
冬「・・・ふぁ」
夏「・・・」
冬「あ・・・夏・・・」
夏「・・・」
ガチャ
夏「・・・」
トクトクトクトク
冬「・・・」
夏「・・・」ゴクゴク
冬「・・・」
夏「・・・」フゥ
ガチャ
冬「夏・・・」
夏「なに?」
冬「うぅん・・・なんでも」
- 668. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:03:04.88 ID:51PuW/tjo
- ガラッ
唯「ご飯だよ!」
夏冬「「 ッ!? 」」ビクッ
律「鍋だー!」
澪「し、しずかにしろ」
憂「なに鍋にしましょう」
母「闇」
和「無難に石狩鍋かしら」
唯「石狩!?」
母「鮭切らしてたわね・・・」
澪「あったんですね・・・」
和(危なかったわ・・・)
夏「な、な・・・!」
姫子「あ、冬・・・起きたんだ?」
紬「・・・」
夏「なんで先輩たちがここに!?」
冬「どうして琴吹先輩たちがここにいるんですか・・・?」
姫子「・・・。私とむぎは冬を送り届けたから、唯たちは冬の荷物を届けてくれたんだよ」
冬「あ、そうでしたか・・・。昨日に続いてすいません・・・。ありがとうございました」ペコリ
姫子「・・・」
律(本当だ、また壁が出来てしまったか)
憂「・・・」
母「味噌野菜、チゲ、キムチ、すき焼き、ちゃんちゃんこ、水炊きなんでもよしよ!」
唯「多数決だね!」
- 669. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:03:47.58 ID:51PuW/tjo
-
――・・・
父「ここは竜宮城だな!」
母「・・・」ゴゴゴ
父「・・・」
律「よく分からんが、いただきまーす!」
「「 いただきます 」」
グツグツ
紬「・・・」モグモグ
梓「おいしいですね!むぎせんぱい!」
紬「・・・」コクリ
梓「〜♪」モグモグ
夏「いやいや、中野梓さんや、あなたどこから来ましたか」
梓「ボウリング場近くにあるストラップ店から」
夏「あぁ、そう・・・」
律「あぁ、あの店か」
澪「私たちが買ったお店だよな・・・。どうしてそこに?」
梓「ふぅ先輩が私たちが着けているストラップを買うと言って・・・」
紬「・・・」モグモグ
律「ふーん・・・うめぇ」
澪「おいしい・・・、牛乳鍋」
母「うふふ、ありがとう。憂さんのおかげで手早く料理できたわ」
憂「えへへ」
唯「おいしぃ〜」
梓「私なにもしていないのにご馳走になって・・・」
母「いいのよ〜。牛乳買ってきてくれたんだから。夏と同じクラスよね」
梓「はい」
母「よろしくね」
梓「・・・はい」
夏「・・・」
冬「大人数ですね・・・」
唯「もっと食べなきゃダメだよ!貸して!」
冬「あっ」
唯「それそれ」ヒョイヒョイ
憂「お、お姉ちゃん・・・多いよ」
唯「おっと・・・えへへ、どうぞ〜」
冬「あ、ありがとうございます・・・」
- 670. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:05:20.26 ID:51PuW/tjo
- 唯「うまい!」
姫子「唯のテンション高すぎない?」ヒソヒソ
和「そのままにしておいて。・・・頑張って堪えているのよ」
姫子「・・・」
和「おいしいわね」モグモグ
冬「あ、立花先輩・・・器お借りしますね」
姫子「おじさん、おばさん・・・先に謝ります。すいません」
父「え?」
母「?」
冬「?」
姫子「こらっ」ビシッ
冬「いたっ!?」
律「痛そうなデコピンですこと」オホホ
澪「意地悪なご令嬢か」
母「まぁ・・・」
姫子「どうしてまた壁を作ってるの?」
冬「え・・・?」
姫子「私たちは先輩後輩の関係だけど、・・・友達でしょ」
冬「!」
夏「・・・」
姫子「距離を置かれるのは寂しいよ」
紬「・・・」コクリ
憂「・・・うん」
唯「姫ちゃん・・・」
冬「・・・はい」
姫子「・・・」
冬「ごめんなさい・・・わ、私・・・友達できたことなくて・・・」モジモジ
澪「はぅっ」バタン
母「?」
律「気にしないでください」
冬「そ、それで・・・一緒にいる事が今日で終わりだと思って・・・その・・・」モジモジ
唯「はふっ」バタン
父「?」
梓「気にしないでください」
冬「入院していた頃を思い出してしまって・・・」
紬「・・・」
- 671. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:05:56.70 ID:51PuW/tjo
- 姫子「だから距離をとったと・・・?」
冬「・・・はい」
姫子「私たちは・・・卒業まで時間があるんだから、まだまだ一緒にいられるよ」
夏「・・・」
冬「・・・本当ですか?」
姫子「うん」
冬「・・・よかった」
律「はぅっ」バタン
唯「・・・っ」グスッ
憂(お姉ちゃん・・・)
唯「夏ちゃん、洗面所どこかな?」
夏「冷蔵庫の所へ行けば分かると思いますけど」
唯「コ、コンタクトがっ」
スタスタ
和「・・・」
律「よーいしょっと、唯の分まで食べちゃおー」
紬「・・・」モグモグ
律「あぁ!豚肉がっ!」
和「おいしかったわ」モグモグ
澪「・・・あ、こっちのもない」
梓「おいひかったれふ」モグモグ
夏「食べながら話すなよ」
梓「・・・」モグモグ
- 672. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:06:29.87 ID:51PuW/tjo
- 冬「どうぞ、姫子先輩」
姫子「ありがとう・・・。よそいでもらってなんだけど、肉が多いかな・・・」
冬「あれ?」
夏「野菜が好きだって言ったじゃん」
冬「あ・・・」
律「じゃー私のと取替えっこしようぜー」
澪「お行儀が悪いぞ!」ゴスッ
律「いたぁ!」
冬「ふふっ」
夏「・・・」
父「母さん、ちょっとタバコ吸ってくる」
母「はいはーい」
スタスタ
唯「・・・?」
姫子「おいしいね」モグモグ
冬「はぃ〜」ウットリ
夏(タバコなんて吸わないのに・・・)
母「まだ材料あるわよ〜」
紬「・・・」キラキラ
和「よく食べるわね・・・」
唯「おいしいよ!」
憂「うん、とってもおいしい」
- 673. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:07:01.80 ID:51PuW/tjo
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――・・・
唯律「「 ごちそうさまでした! 」」
和憂姫子「「「 ごちそうさまでした 」」」
紬「・・・」ペコリ
澪梓「「 ごちそうさまでした・・・ 」」
父「はっはっはー、また来なさい」
母「また来てね」
冬「今日もお世話になりました」ペコリ
姫子「いいって、ごちそうにもなったから」
唯「そうだよ、おいしかったもん」
冬「よかったです」
夏「気をつけて帰ってください」
律「はいよ」
澪「あぁ、おやすみ」
冬夏「「 おやすみなさい 」」
紬「・・・!」
唯「おぉ」
律「じゃあなー!」
唯「バイバーイ」
憂「明日ねー」
梓「バイバイ」
姫子「またあした」
紬「・・・」フリフリ
- 674. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:08:17.75 ID:51PuW/tjo
-
律「結構ヘビィだったな・・・」
唯「蛇?ハブ?」
和「話が重かったって事よ」
紬「・・・」
律「命が関わっていたからな」
澪「あぁ・・・」
梓「なんですか?」
姫子「なんでもないよ」
澪「・・・」
律「・・・?」
唯「?」
和「斉藤さんが来てるわよ」
紬「・・・」コクリ
斉藤「・・・」ペコリ
紬「・・・」チョンチョン
梓「どうしたんですか?」
姫子「どうしたの?」
紬「・・・」チラッ
斉藤「かしこまりました」
和「なにをかしこまったのかしら」
斉藤「お二方をお送りいたします」
紬「・・・」コクリ
梓「お願します」
澪「決断はやいなぁ」
姫子「・・・じゃ、お願いねむぎ」
紬「・・・」コクリ
斉藤「どうぞお乗りください」
梓「それでは先輩方、また明日です」
律「じゃーな」
唯「バイバーイ」
梓「」スッ
姫子「乗り込むのはやいなぁ」
- 675. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:09:21.22 ID:51PuW/tjo
- 憂「おやすみなさい」
紬「・・・」フリフリ
澪「あのさ、姫子」
姫子「?」
澪「どうして話をしないの?」
姫子「・・・この子」チラッ
澪「・・・うん」
姫子「一番近い所に居るような気がして」
澪「・・・分かった」
梓「・・・どうしたんですか?」
姫子「なんでもない、お願します斉藤さん」
斉藤「かしこまりました。それでは皆様失礼致します」
和「お気をつけて」
紬「・・・」フリフリ
バタン
ブォオオオオオオオオ
唯「あずにゃんが?」
澪「うん。夏の近い所にいるんだって・・・」
和「それは物理的な話なの?」
律「唯が似てるって言ってたな」
憂「そっか・・・。うん、分かります」
唯「・・・うん」
澪「梓には夏に対して色眼鏡で見てほしくないんじゃないかな」
- 676. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:12:46.24 ID:51PuW/tjo
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9月18日
―――――2年生クラス
純「あのさぁー」
梓「?」
夏「どうしたの純?」
憂「・・・」
純「最近ハブられてない・・・私」
梓「そんな事・・・」
憂「・・・うん」
純「こっちを見てよ!」
夏「ブフッ」
―――――3年生クラス
律「あのさぁー」
紬「?」
姫子「どうしたの律?」
唯「・・・」
律「最近集りすぎじゃないのか・・・ここ」
風子「そう?」
エリ「りっちゃん達が集ってくるんだよ、ここは元々私たちの席なの」
アカネ「・・・なの」
エリ「む・・・」
律「いや・・・うん・・・」
信代「昨日はボウリングに行ったのか・・・」
潮「そう。2レーン使用で10人対10人のチーム戦」
信代「は?」
姫子「嘘じゃないよ」
信代「疑ってはいないけどさ、なんでそんなまどろっこしい展開なの?」
紬「・・・」キリ
唯「・・・」キリ
信代「そこでしたり顔の二人が分からない・・・・・・」
風子「凄い展開だったんだよ、140−140の大接戦だったんだから」
慶子「それはすごいね。・・・え!?ひゃくよんじゅう!?」
英子「みんな上手だったよ」
律「・・・」
潮「うん。みんな上手・・・ブフッ」
- 677. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:14:18.12 ID:51PuW/tjo
- 律「潮・・・果たし状を叩きつける」
潮「ふふ・・・いいだろう・・・。この勝負受けて流す!」
唯「・・・」
律「・・・よし。今日のお昼に中庭でバトミントン勝負だ」
潮「ふふ・・・。ツッコミは無しか・・・」
律「私がドベで、潮が2番なんだよ」
潮「え・・・」
律「ついでに風子が3番目」
風子「でも7本倒したよ」
律「ちぇ・・・乗ってこなかったか」
英子「バトミントン勝負したかったの?」
律「うん」
信代「そう言えよ」
紬「・・・」
唯「どうしたのむぎちゃん?」
紬「・・・」スッ
唯「・・・澪ちゃん?」
・・・・・・
澪「・・・」
いちご「・・・どうしたの?」
澪「・・・ちょっと・・・な」
いちご「・・・外になにかある?」
澪「秋らしくなってきたな・・・と、思って」
いちご「・・・うん」
澪「暑くもなく、寒くもなく・・・涼しくてとてもいい時期だ」
いちご「・・・うん」
澪「夏と冬の間ってなんだろう」
いちご「・・・心理テスト?」
澪「いや・・・。ごめん、なんでもない」
和「・・・今なんじゃないの?」
いちご「・・・」
澪「そう・・・だな・・・」
和「この答えじゃないみたいね」
澪「答えて欲しくて聞いたんじゃないのかも」
和「・・・季節の事じゃなかったのね」
澪「・・・」
最終更新:2011年10月06日 01:28