706. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:50:32.11 ID:51PuW/tjo
姫子「あのさ」

夏香「どうしたの?」

姫子「どうして冬を担当した看護師のお姉さん・・・を連れてきたの?」

夏香「・・・私もあの二人が気になってて、姉さんから聞いていた話と違うから別人だと思っていたんだけど
      話で聞いたとおりの雰囲気も垣間見せるから、どうなんだろうって事で実際に連れてきたって訳」

姫子「・・・そうなんだ・・・二人の事聞いてみようかな」

英子「姫子さん、どこまで二人の事知っているの?」

姫子「結構・・・深く・・・」

夏香「私と英子が聞いた話は中学1年生の時に退院したところまで、それからは話さなくなった
      患者さんの話をペラペラと話をしていたあの時が変だったんだと思っていたけど」

風子「・・・けど?」

夏香「そうじゃないみたい。・・・これは私の勘」

姫子「・・・そっかぁ・・・うーん」

風子「・・・もしかして、思いとどまっているの?」

姫子「まぁね・・・、中途半端に踏み込んでしまったかな・・・と」

紬「・・・」スラスラ

梓「そうですね、私もあの人と被って見えました」

姫子「?」

梓「あ、えと・・・。夏の旅で出会った人がいて、その人は
    『自分の問題を後回しにして、今を楽しもう』と言っていたんです
    確かに旅行は楽しむものですから、その考えは尤もなんです」

風子「ふむふむ」

紬「・・・」コクリ

梓「だけど、それでは『今』を本当に楽しめないんです。
    問題を解決する事で、より『今』楽しめるとむぎせんぱいがその人に伝えました・・・」

英子「姫子さんがその人に似ているの?」

紬「・・・」フルフル

梓「いいえ、夏と冬とも似ていません。ただ、状況がそう思わされた・・・といいますか」

姫子「そっか・・・。行動しないでダメになるのは莫迦らしいよね」

紬「・・・」

梓「・・・」

姫子「あれ、違ったかな・・・」

梓「いいえ、姫子先輩がそう感じたのならそれが正しいかと・・・」

紬「・・・」コクリ

姫子「そうだよね・・・答えはないよね・・・」

梓「!」

夏香「どうするの?姉さん呼ぶ?」

姫子「今は夏と冬と一緒にいてほしい・・・かな」

英子「そうだね。二人とも嬉しそう」

風子「・・・うん、初めて見たあんな二人」

紬「・・・」ニコニコ

梓(・・・答えは・・・なかったんだ・・・)

707. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:52:19.34 ID:51PuW/tjo
―――――お化け屋敷・入り口


冬「行きましょう、行きましょう」グイグイ

姉「引っ張りすぎだから・・・夏ちゃんもちゃんと付いて来なさい」グイグイ

夏「やだやだっ!いやだー!」ズルズル

純「お化け屋敷怖いんだ?」

夏「怖いんじゃない、驚かせる人が嫌なの!」

純「幽霊なんていないんだから、人がやるしかないっしょ」

冬姉夏「「「  ・・・  」」」シーン

澪「いやっ!」ブルブル

和「病院がキーワードね・・・。唯行くわよ」

唯「和ちゃんのテンションが上がった!」

憂「だ、大丈夫かな・・・。本当に人が演じているんだよね?」

律「それ怖ッ!その疑い怖いッ!!」

澪「みんなごめん、そろそろ私転校するんだ」

冬「大丈夫です、本物はいませんよ。作り物ですから」ガシッ

澪「ひっ!」

唯「よぉし、プロの腕を拝見しましょうか」フフン

姉「ほら、夏香も一緒に入るよ」ニヤリ

夏香「いやっ!」ブルブル

和律唯「「「  え・・・?  」」」

風子「お姉ちゃんがね、夜勤の病院での出来事をなっちゃんに話すもんだから
      私は見たことないけど、それ等が怖いんだって」

澪「・・・」ブルブル

夏香「・・・」ガクガク

梓「ひどい姉ですね」

純「その発言は怖くないって事でいいんだね?ここのお化け屋敷は怖いと有名なんだけど」

梓「もちろん。・・・むぎせんぱいも入りますよね?」

紬「・・・」フルフル

梓「私も入らないことに決まったから」

純「それが通用すると思うてか?」

和「・・・」

スタスタ

唯「おぉ・・・1人で入っていったよ」

風子「待って和さん!」

タッタッタ

姫子「風子は怖くないんだ・・・?」

英子「ふぅは・・・、体験するのを楽しむタイプだから・・・」

708. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:53:54.38 ID:51PuW/tjo
澪夏香「「  ・・・  」」ブルブル

律「じゃあさ、あの二人が出てきて、そのリアクションで決めればいいんじゃないか?」

夏「さ、賛成ー!」

澪「それは名案だ・・・否!さっきの話だと和と風子は楽しんで出てくるだろ!」

律「ちぇ、バレタか・・・つか、否!ってなんだよ・・・」

梓「テンションがおかしくなってきましたね」

冬「姫子先輩、私たちも入りましょう」

姉「お姉さんに任せなさい」ドン

姫子「私、入るなんて一言も言ってないんだけど・・・」

スタスタ

律「第二陣が入ったが・・・、次は?」

澪「夏香、そこのベンチで一休みしようか」

夏香「そうだね」

スタスタ

唯「行こうようい!」

憂「うん・・・」

律「憂ちゃんが怖がるなんて・・・面白そうだ」ウシシ

スタスタ

梓「・・・」チラッ

紬「・・・」コクリ

梓「では、私たちも入りましょう」

紬「!」

純「私もついて行くよ、結構面白そうなんだよね」

スタスタ

夏「あれ・・・?紬先輩入らないんですか?」

紬「・・・」アセアセ

夏「勘違いしたのか梓は・・・おーい!」

タッタッタ

紬「・・・!」

タッタッタ

英子「・・・」

シーン

英子「夏ちゃんと紬さんも入ったんだ・・・どうして・・・?」

澪「・・・ふぅ、入らずに済んだか」

夏香「怖がるだけの為に入るなんて理解できない」

英子「・・・叫ぶ事でストレス解消になる人もいるから」

夏香「それなら山で叫べばいいんだよね」

澪「そうだな」ウンウン

709. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:54:49.01 ID:51PuW/tjo
――・・・

英子「あ、最初に入ったふぅと和さんだ・・・」

澪「え・・・」

和「・・・」サァー

風子「・・・」サァー

夏香「ど、どうして顔が真っ青なの?も、もしかして出た?」

和「えぇ・・・多分・・・ね・・・」

英子「店員さんでしょ?それか映像の演出なんじゃないのかな」

風子「それが・・・、店員さんが和さんを驚かしたんだけどね」

・・・・・・

・・・

店員「う〜ら〜め〜し〜や〜!!」

和「・・・」

スタスタ

風子「すごーい、光の具合でリアルに見えてしまうんですね」

店員「うぅ・・・うらめしい・・・!」シクシク

風子「和さん!あっちの古井戸から出てきそう!」

和「それは捻りが無いわね」

井戸店員「」ギクッ

風子「あ、あっちから冷風が・・・」

和「さっき通ったところが温かった分、ここでギャップを演出するのね」

店員B「ぶ  ん  せ  き  す  る  な  〜  !!」

和「あ、すいません」ペコリ

風子「ごめんなさい」ペコリ

店員B「いいけどね。偶にいるんだよ、物怖じしないどころか平然とお化けを傷つける人が」

和「そうですか・・・。出口は向こうですか?」

店員B「そうですよー。ありがとうございましたー」

風子「このお化けからやる気が感じられなくなった・・・」

店員B「まったくもぅ・・・」ブツブツ

和「一つだけ怖い演出がありました。入り口から付いてくる影はよかったと思います」

店員B「・・・?」

風子「え、どこどこ?」

和「ほら、あの物陰にいるでしょ。一つのグループに1人付けるなんて良いアイディアだと思うわ」

店員B「あれはうちの店員じゃないですよ?」

和「それじゃ、律ね・・・。まぁいいわ。出ましょう」

風子「どこ〜?見えないよ?」

710. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:56:52.36 ID:51PuW/tjo
和「ほら、あの影よ。律出てきていいわよ」

シーン

店員B「・・・」

風子「あのふすまの所でしょ?・・・誰もいないよ?」

和「あら・・・?」

風子「店員さんも見えますか?」

シーン

和「あら・・・??」

風子「ここまでが演出なんだ・・・。ちょっと背中が寒くなったね」エヘヘ

和「・・・」

店員「ちょっと君たち!立ち話しないで、雰囲気壊してるから出た出た!」

和「すいません・・・。顔が見えないくらいに髪の毛を下ろした白装束の役の人って・・・」

店員「ん?そんな古い役はいないよ?」

・・・

・・・・・・

風子「出たんだね・・・」

和「・・・出たのよね、きっと」

澪「」ピシッ

夏香「」ピシッ

英子「どうして律さんだと思ったの?」

和「そういう事しそうだからよ」

英子「・・・そうなんだ・・・あ、冬ちゃん達も出てきたね」

冬「・・・う、少し眩しいです」

姉「そうね、目が眩むわ・・・そこの暗い所みて目を慣らしなさい」

冬「はーい」

姫子「・・・律じゃないのかな」

和「後を付けて来た影というのかしら・・・姫子も見たのね」

姫子「私たちを追い越して和たちを尾行するわけないから・・・律じゃないよね」

澪「」ピキーン

夏香「」ピキーン

冬「これが石化ですね・・・」

英子「冬ちゃんは怖くなかったの?」

冬「私見えませんから」エヘヘ

姉「感心するようなリアクションばっかりで、店員さん肩を落としていたよね
    冬ちゃん夜の病院でも歩いていたから、そういうのには慣れているのかも」

和「へぇ・・・。お姉さんは病院でどういった経験を?」

澪「や、やめるんだ和!」

夏香「み、澪さん・・・あっちのベンチへ行きましょう」

冬「あ、ナースコールの話はどうですか?」

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル

711. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:58:24.13 ID:51PuW/tjo
夏香「行きましょう澪さん」グイグイ

澪「聞こえない聞こえない」ズルズル

英子「・・・確か、近い部屋から遠い部屋へ順にかかってくるという・・・」

姉「そう・・・。夜だからそれぞれのベッドにカーテンがかかっているのね」

和「・・・はい」

姉「最初の部屋に入って、鳴ったベッドのカーテンを開いても、その患者さんは寝ているのよ」

風子「・・・」ゴクリ

姉「念のため他のベッドも調べるんだけど、異常なし。
    日誌をつけに戻ると、また鳴るのよ。今度は隣の部屋から。
    それを繰り返して一番奥の部屋になるのね」

姫子(・・・夜だから、イタズラなんてするわけないだろうし・・・オチが読めない)

姉「・・・。何度も繰り返しているから怒りがこみ上げてきたのね
    私が場を離れる事で本当に助けを必要としている人にかけつけられないかもしれないって」

風子「・・・」ウンウン

姉「その部屋をチェックし終わったら・・・。私の背中を誰かがつつくの。ツンツンって」

ツンツン

和「・・・?」

姉「そこには・・・」

唯「おまえだぁ〜!」

英子「!」ビクッ

和「誰よ・・・」

フゥー

和「・・・息を吹きかけないでくれるかしら」

律「・・・ちぇっ」

ピチョン

和「っ!」ビクッ

憂「はい、和さん冷たいお茶をどうぞ」

和「普通に渡してよ・・・。首につけるなんて・・・ずるいわよ」

憂「えへへ」

唯律「「  やった!  」」

姫子「三段構え・・・。そうまでしないと驚かない和もすごいよね・・・」

風子「・・・うん」

冬「ふふっ」

姉(冬ちゃんの周りには・・・)

和「それで・・・誰がいたんですか?」

姉「そこには・・・誰もいませんでした・・・」

姫子「・・・」

和「よくある話よね」

712. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 19:59:49.58 ID:51PuW/tjo
唯「そだね〜。怪談話とかでよくあるパターンだよ」

憂「・・・」

姉「太陽の下で話しているから怖くないんだよ」

夏香「変なところで負けず嫌いなんだから・・・」

澪「お、終わった・・・?」

律「怪談か?それなら終わったぜー」

冬「あれ・・・、夏と紬先輩がいませんけど・・・?」

唯「どこに行ったの?」

英子「中だよ。梓ちゃんと純ちゃんの次に入って行ったよ」

冬「・・・」

和「そろそろ出てくるわね」

姫子憂「「  あの・・・  」」

姉「ん?」

姫子「・・・本当はいた・・・のでは?」

憂「私もそう思いました」

姉「・・・聞きたい?」

姫子憂「「  はい  」」

姉「じゃ、こっちきて」カムカム

スタスタ

夏香「?」

純「あれ、律先輩ここにいたんですか?」

律「先に入ったんだから先に出るのは当然だろ・・・?」

純「ですよね・・・。梓が律先輩が驚かせようとこっちを見てるって言うから・・・」

梓「あれ、むぎせんぱいはどこですか?」

和「話の流れなんて関係ないのね」

澪「りつ!」

律「いや、私は道なりに歩いていただけで・・・」

風子「私は見えなかったんだけど、純ちゃんもみえなかったの?」

純「はい・・・」

唯「なになに?どうしたの?」ウキウキ

和「なんでもないわ。忘れて」

唯「気になるよ!誰かいたんだね?」

英子「入ってないのに怖くなってきた・・・」ブルブル

夏香「・・・」ガクガク

澪「は、はやく出てきてくれむぎ・・・」ブルブル

梓「あ・・・」

夏「うぅ・・・」ブルブル

ギュウ

紬「・・・」ニコニコ

713. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:00:30.89 ID:51PuW/tjo
純「あらら、夏のイメージからずい分離れちゃって・・・」

唯「しがみついちゃって・・・」キュルルルリン

梓「な、なな・・・夏!」

冬「夏は怖がりなんです・・・そういう所は変わらない・・・」

律「・・・そっか」

姫子「面白い光景だね」

夏「うぅ・・・」ガタガタ

梓「ちょっ、離れてっ!」

紬「・・・?」

律「なんだよむぎまで・・・私じゃないぞー」

澪「よ、よし。移動するぞ!」

憂「・・・ふぅ」

風子「どうしたの、憂ちゃん?」

憂「い、いえ・・・なんでも・・・ないです」

英子「最後まで話したんですか?」

姉「うん。悪い話でも怖い話でもないからね・・・」

冬「続きがあるんですか?」

唯「なんの話?」

姫子「唯、行こう。次のアトラクション何に乗ろうか」

唯「う、うん・・・?」

姉「冬ちゃんは聞かなくてもいい話」

冬「・・・?」

英子(少しだけ悲しいお話)

714. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:03:44.49 ID:51PuW/tjo
―――――澪班

夏「たのしいー!」キラキラ

澪「だな!お化け屋敷なんてなかったんだ」キラキラ

唯「おぉ、無かった事にしたよ」

律「さーっきまでむぎにしがみついて怯えていたのは誰でしたっけ〜?」

夏「そんな昔の私は私じゃありませんよ〜」キラキラ

律「過去の自分を否定すんなよ・・・。フリーフォール乗っただけで・・・」

憂「楽しかったですね和さん」

和「えぇ」

風子「和さんも楽しかったんだ・・・。乗ればよかったなぁ」

律「じゃ、また乗ろうぜ!二回戦だ!!」

澪「よし。そうと決まればさっそく並ぶぞ!」キラキラ

夏「了解です!」キラキラ

唯「私も乗るよ!ふぅちゃんも乗るよ」フンス!

風子「・・・」ゴクリ

夏「―ッ!」ゾクッ

憂「ちょっと待ちますね・・・。急に混みはじめました」

和「そうね、集中したのね」

夏「・・・」ブルブル

律「どうした・・・夏?」

夏「も、もしかして・・・・・・」

pipipipipipipipi

風子「ケータイが鳴ってるね」

澪「・・・私じゃないな」キラキラ

憂「もしもし、どうしたの梓ちゃん?」

『ふ、冬が・・・』

憂「冬ちゃんがどうしたの?」

夏「!」ダッ

ダダダッ

律「どこに行くんだよ夏!」

和「冬がどうしたの?」

憂「た、倒れたって・・・」

唯「え!?」

澪「今どこにいるの?」

憂「救護室です」

律「行くぞ・・・。それにしても夏は・・・」

風子「先に向かっていると思うよ」

唯「ど、どうして分かるの?」

風子「パンフレット貰ったときチェックしていた・・・んだと思う」

律「・・・一緒に居ないと意味無いだろっ・・・ったく」
715. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:05:07.58 ID:51PuW/tjo

―――――救護室


冬「す、すいません」

紬「・・・」フルフル

姫子「軽い貧血・・・ですか・・・」

姉「えぇ、今のところ体温もそんなに高くないし、ですよね看護士さん?」

看「はい。症状も軽いですから、少し休んでいけば大丈夫かと」

夏香「・・・」ホッ

冬「・・・はぁ、私は・・・いつも・・・」

純「まぁ、大事にならなくてよかったじゃん」

紬「・・・」コクリ

冬「・・・」

姉「大事をとって、休んだら今日はもう帰りましょう」

英子「そうだね。安静にしましょう」

冬「はい」

看(俺の立場が・・・)

梓「・・・憂に連絡してきました」

紬「・・・」コクリ

冬「・・・夏にまた・・・心配かけて・・・」

紬「・・・」

ギュ

紬「・・・」スラスラ

冬「・・・はい」

姫子「・・・」

冬「でも、姉妹でも・・・私はいつも夏の場所を奪ってきたんです・・・」

紬「・・・」

梓「場所を・・・?」

姉「・・・」

冬「場所だけじゃない・・・時間も一緒に・・・」

姫子「それは」

ガラッ

夏「冬ッ!」

冬「あ・・・夏・・・」

ギュッ

夏「意識はあるんだよね!?体が重いとか痛いとかない!?」

冬「うん・・・大丈夫だよ」

夏「本当に!?本当に大丈夫だって言える!?」

看「しばらく横になっていれば大丈夫だよ」

716. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:06:46.67 ID:51PuW/tjo
姉「・・・ちゃんとお医者さんにも看てもらったから、安心していいみたい」

夏「・・・よか・・・っ・・・たぁ」

冬「・・・ごめ・・・んね・・・」

夏「ッ!」ズキッ

紬「・・・」

梓「・・・」

冬「いつも・・・」

夏「いつも!なんで謝るのッ!?」

冬「・・・うん・・・ごめん」

ズキィッ

夏「どう・・・してッ!!」

紬「・・・!」

冬「・・・な・・・つ・・・?」

夏「もういいっ!」

バッ

タッタッタ

ドンッ

律「おっと」

夏「・・・っ」

ダダダッ

澪「夏・・・」

唯「冬ちゃん!」

冬「あ・・・みなさん・・・」

和「・・・体の様子はどうなの?」

姫子「軽い貧血だから少し休めば大丈夫だって」

唯「もぅ〜びっくりだよ〜」

冬「すいません・・・」

唯「ううん、安心した」

憂「・・・うん」

717. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:07:15.32 ID:51PuW/tjo
冬「心配かけてしまいましたね・・・。私は大丈夫です・・・」

風子「よかったぁ・・・」

憂「はい・・・」

紬「・・・」

冬「・・・どうして・・・いつもこうなのかな・・・私は」

梓「・・・夏と話してきます」

紬「・・・」コクリ

タッタッタ

純「・・・」

タッタッタ

律「二人に任せるか」

看「悪いけど、ここは救護室だから2、3人残して外に出てくれないかな」


718. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:08:45.29 ID:51PuW/tjo
夏「いつまで付いてくるの?」

梓「話をするまで」

純「・・・」

夏「私これから帰るんだけど・・・家まで付いて来るつもり?」

梓「・・・」

純「じゃ、あっちで話しよう」

夏「したくないから、出口に向かっているんだけど」

梓「冬は置いていくの?」

夏「先輩たちに任せる」

梓「迷惑かけていいの?姉妹なのに」

夏「・・・いいんじゃないの?踏み込んでくるって言ってたし、迷惑かけても」

純「なにそれ、冬に責任押し付けて自分はそ知らぬ顔って・・・」

夏「・・・どうして冬に押し付けるって話になんのさ。体弱いのに遊園地に来た冬の責任じゃん」

梓「それじゃあどうして夏もここに来たの?」

夏「姫子先輩と遊びたいから・・・それだけなんだけど」

純「らしくないなぁ・・・どんどん矛盾してきているよ
    一言そういえば梓も私も納得するんだよね。みんなと一緒にいたいって」

夏「・・・るさいなぁ」

梓「・・・」

純「・・・」

夏「ほら、出口に着いたよ。ここを越えたらまた入場料を払わないといけない。どうすんの?」

純「それは困る。余計な出費は痛い」

梓「・・・」

夏「だったら戻りなよ。私らの問題は私らでしか解決できないんだって」

梓「・・・」

夏「・・・じゃあね」

梓「ここを越えたら、二度と姫子先輩たちのいるあの場所へは戻れないよ」

夏「!」

純「・・・」

梓「私も・・・失う所だったから・・・怖いのは分かる」

719. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:10:36.06 ID:51PuW/tjo
―――――救護室


冬「嫌われて当然なんです。今まで友達と過ごすはずだった時間を、私のせいで失くしたから」

紬「・・・」

姫子「・・・」

冬「小学校の時に入院してから夏は毎日お見舞いに来てくれたんです
    放課後部活で汗を流したり、寄り道したり・・・もっと楽しい話をしたりしなきゃいけないに
    そういう時間を私は全部奪ってしまったんです」

紬「・・・」

冬「私と病室に居る事で、その大切な時を失くしてしまった・・・」

姫子「・・・」

冬「そして今日も、先輩たちとの楽しい時間も・・・」

紬「・・・!」

姫子(むぎ・・・なにか伝えたいのかな・・・私は・・・)

律「本気で言ってんのかよ」

冬「・・・分かりません。だって、夏の事・・・」

紬「・・・!」

律「知らないって言うのかよ。血が繋がっているのに・・・」

冬「っ!」

姫子「ちょっと、律・・・」

律「むぎと梓、夏香と姉さんの方がよっぽど姉妹だな」

姫子「律!」

冬「・・・」

律「心配かけて迷惑かけてもいいだろ。・・・ソーマが言ってたぜ」

紬「・・・?」

冬「相馬・・・轍・・・さん・・・?」

・・・・・・

・・・

律『今日は長い一日だったなー』

『あの二人って姉妹みたいだね』

律『誰?』

和『むぎと梓ですか?』

『うん・・・。むぎって名前なの?』

律『いや、愛称なんだが・・・どうしてそう思ったんだよ』

『兄弟・姉妹はさ、血の繋がった者同士なんだ。親同士は結局のところ他人になるわけだけど
  姉妹は違う。強く固い?がりを持っているんだ』

和『・・・よく分かりませんね』

律『和が一人っ子だからじゃないか?』

『うーん、これは沖縄の信仰そのものでもあるから理解しにくいのかも』

律『・・・ふーん。・・・でも、それは分かるような気がする』

720. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:11:39.17 ID:51PuW/tjo
和『そうね。あの二人は・・・そういう?がりがあるのかもしれないわ』

『・・・ふぁ・・・ねむ・・・』

律『沖縄ねぇ・・・』

和『相馬さんも・・・そういう?がりを見てきたんですか?』

『・・・うん。兄は妹を心配して、妹はそんな兄を尊敬すると同時に引け目を感じて』

律『真鶴ちゃんとソーマの事じゃないのか・・・』

『どうして?』

律『にぃにぃって呼んでいただろ?』

『あぁ、・・・するどいね』

和『どんな話があるのか興味あるわね』

『真鶴ちゃんとの話はスペクタルになるけどいい?』

律『じゃいいや、寝るべ』

和『そうね・・・ふぁ』

『・・・いいけどさ』

・・・

・・・・・・

律「『血の繋がった者同士、強く固い?がりを持っている』ってな」

紬「・・・」

冬「・・・っ」

姫子「・・・」

律「そんな?がりを疑ってどうすんだよ。姉として妹を信じろって」

冬「・・・・・・・・・はい」

律「じゃ、外で待ってるからなー。次何に乗ろうかな〜」

スタスタ

冬「・・・」

姫子「律・・・」

紬「・・・」

ギュ

冬「・・・」


721. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:13:33.75 ID:51PuW/tjo
―――――出口


夏「怖いのが分かるって?それは思いあがりだよ梓」

梓「・・・」

純「なっ!夏は梓がどんな思いをしてきたか知らないでしょっ!」

夏「本当に失くしてきた冬の気持ちが分かるわけないよ。
    それなのに人の心が分かるような言い方はしないでくれるかな」

純「いい加減に・・・!」

梓「待って純・・・。どういうこと?」

純「っ・・・」

夏「・・・梓は同じクラスだったから分かるよね、卒業写真に写っていない冬の事」

梓「・・・うん」

純「同じクラス・・・?」

梓「小学6年・・・同じクラスだった・・・」

夏「同じクラスだって、いつ思い出した・・・?」

梓「夏の家で鍋をした・・・時・・・。おじさんとおばさんの顔をみて・・・」

夏「・・・梓は正直だな・・・。そういうの嫌いじゃないよ。なんて偉そうだけど」

純「・・・で、それが?」

夏「卒業写真どころか、卒業アルバムに一枚も写っていないんだよ冬は」

純「っ!」

夏「それはいいよ、別に・・・。休んでいたんだから残らないのはしょうがない」

梓「・・・」

夏「梓さぁ、冬との思い出ってある?」

梓「・・・え?」

夏「やっぱそうだよね・・・覚えていないのもしょうがないよ。責めるつもりもないし、時間は戻らないから・・・」

梓「・・・」

夏「冬と一度だけ一緒に帰ったこと・・・あるよね」

梓「・・・!」

純「そんな一度っきりの話なら覚えていなくても・・・!」

夏「・・・うん。人の記憶なんてそんなもんだから・・・いいんだ。だけどさ・・・
    私以外の人の中に残っていないんだよ・・・冬は・・・冬と一緒に過ごした時間は」

梓「・・・」

夏「友達ができそうだって・・・梓の話をした後に風邪をひいて寝込んで・・・
    その前も、その前もその前も何度何度も寝込んで・・・機会を逃していたんだよ・・・」

純「・・・っ」

夏「今の冬を見ていたら分かると思うけど、冬の周りには人が集まってくるんだよね
    紬先輩みたいに・・・さ」

梓「似ているって・・・」

722. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:14:44.04 ID:51PuW/tjo
夏「うん・・・。紬先輩はなんだかふわふわした人で・・・暖かくて、そばにいたら落ち着けて
    だから梓も懐いて、そんな人だからみんなが集っているんだと思う・・・安心できて心地よくて、ただ楽しくて・・・
    他の人が冬をどう思っているのかわからないけど、紬先輩と冬は周りの人たちを似た表情にさせてる」

梓「・・・」

夏「私の名前は夏なのにそんな事なくて、むしろ冬の方が夏のような雰囲気をもっていてさ
    それなのに・・・そんな冬なのに・・・人と繋がっていく時間を奪われていった」

梓「・・・」

夏「どうして冬なの?」

純「っ!」

夏「どうして私じゃないの?」

梓「っ!」

夏「どうして冬の後ろに隠れている私じゃなくて、
    太陽のような冬が大切な場所と時間を奪われていかなきゃいけないの?」

梓「・・・」

夏「おかしいよ・・・こんなの・・・」

梓「・・・」

夏「それに・・・・・・冬の今の時間を私が奪うところだった・・・」

梓「今の・・・時間・・・?」

夏「わ、私の・・・っ・・・せっ・・・せいでっ・・・冬を失うとこ・・・っ」

純「ちょっ、夏!」

梓「夏!」

夏「だ、・・・だっ・・・いじょっ・・・うぶ・・・っ・・・」

純「震えてるって!」

梓「あっちのベンチに・・・!」

夏「だいっ・・・・・・じょうぶっ・・・」

723. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:15:25.19 ID:51PuW/tjo
―――――救護室

冬「・・・・・・ごめん・・・なつ」

紬「・・・」ツンツン

姫子「・・・?」

紬「・・・」トントトントン

冬「?」

姫子「・・・うばったなら・・・」

紬「・・・」トントントトトン

姫子「かえせばいい」

冬「・・・?」

紬「・・・」コクリ

姫子「えー・・・と、失った時間をこれからは作っていけばいいって事・・・かな?」

紬「・・・」キリ

姫子「・・・そっか、そうだね」

冬「えぇと・・・?」

姫子「分からないかな・・・。時間は・・・えと、取り返せないけど・・・
      これからの時間は一緒に過ごせばいいってことだと思う・・・
      ううん・・・一緒に過ごせばいいんだよ。きっと」

冬「!」

紬「・・・」ニコニコ

724. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:16:03.61 ID:51PuW/tjo

―――――出口


梓「落ち・・・着いた・・・?」

夏「・・・すぅ・・・はぁ・・・・・・うん」

純「・・・」

夏「あの時を思い出すと・・・息が止まりそうになる・・・」

梓「あの時・・・?」

夏「冬を失いそうな時」

純「・・・」

夏「・・・ありがと、こんな話・・・誰かにした事なかったから・・・少し楽になった」

梓「・・・うん」

夏「じゃ、私帰るから」

純「結局帰るのかよ」

夏「今日はもう冬の顔みられない・・・。姫子先輩によろしくね」

梓「・・・うん」

夏「・・・ごめんね、じゃ」

725. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:16:42.36 ID:51PuW/tjo
―――――救護室

冬「いつも夏は私の手を握っていてくれるんです」

紬「・・・」

冬「・・・それが暖かくて・・・よいしょ」

姫子「起きて大丈夫?」

冬「大丈夫です、自分の体は自分がよく分かりますから」

姫子「そう・・・」

冬「では、行きましょう」

紬「・・・」ニコニコ

姫子「行きましょうって・・・帰りましょう、でしょ」

冬「私一人では危ないですから・・・」

姫子「うん、私も帰るよ?」

冬「それはもったいないですから、待ってます」

紬「・・・」コクリ

姫子「・・・?」

726. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:17:36.19 ID:51PuW/tjo
梓「『姫子先輩に任せる』そうです」

姫子「勝手な・・・夏・・・」

冬「心配をお掛けしました」ペコリ

澪「大丈夫?」

冬「はい!」

律「じゃ、移動しようぜ〜」

和「帰らないの?」

唯「今帰ったら冬ちゃんが気にするよ」

冬「はい。私のせいで帰ってしまうのは嫌です」

純「嫌ですってね・・・」

風子「私と眺めていようか」

冬「いえ、でも・・・」

律「どうせ全員が一度に乗る事なんてできないんだから、順に乗ればいいだろ」

紬「・・・」コクコク

澪「ふむ・・・、じゃあ・・・行くか!」キラキラ

純「行きましょうー!」

唯「テンション戻ったよ!」

憂「・・・行こうよお姉ちゃん」

唯「そうだね、楽しもうようい!」

梓「しょうがないですね・・・」

律「・・・」

冬「・・・」オロオロ

澪「いつまでそんな顔してんだりつー!」バシッ

律「ってえ!」

冬「あ、あのっ、ごめんなさい!」

律「なんで謝ってんだよー」

冬「だ、だって・・・」

唯「りっちゃんがむすっとしてるからだよー」

澪「そうだぞ!遊園地で変な顔するなっ!」キラキラ

律「・・・へいへい」

727. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:19:00.17 ID:51PuW/tjo

夏香「・・・本当に冬ちゃんは大丈夫なの?」

姉「うん。私がついているし、なにより今は精神面を育てないとね」

律「あのさ、夏はいつから冬から離れていったんだ・・・?」

姉「・・・田井中さんだっけ?」

律「いえす」

姉「それは好奇心?」

律「そうだな、最終的には自分の為になるかもしれないから・・・好奇心であっているのかも」

姉「・・・自分の為って?」

律「私も探している場所があるから・・・。あの二人を通して見えるのかもしれない」

姉「若いのに・・・あえて踏み込むんだ・・・」

律「若いからだな・・・。みおー!」

姉「こりゃ一本取られたか」

夏香「・・・」

澪「ジェットコースターは待ってくれないぞりつ!」キラキラ

律「双子の件で聞いておいたほうがいいと思ってな」

澪「そうか・・・。むぎじゃなくて私なのか?」

律「今日は私たちが決めたイベントだろ」

澪「・・・そうだな」

姉「この二人はどういう関係?」ヒソヒソ

夏香「幼なじみ」ヒソヒソ

姉「面白い関係だね・・・」プクク

澪「?」

姉「ゴホン・・・。冬ちゃんは命を繋ぐ事ができた。・・・それは知ってる?」

夏香「えっ!?」

律澪「「  はい  」」

夏香「知ってたの!?」

律「二人のお母さんから聞いたんだ」

澪「・・・うん」

姉「その後かな・・・次第にお見舞いに来る回数が減ってきたのは・・・退院の日にも来なかった」

律「どうして・・・?」

姉「そこは私には分からない・・・。ただ、冬ちゃんは嫌われたってつぶやいていた」

澪「それはないな」

律「あぁ、断言できるな」

夏香「・・・」

姉「・・・うん。あの子、夏ちゃんは目を背けているような気がする」

澪「・・・」

姉「眩しいと目が眩むから暗い所を見てなれるのを待つんだけど・・・、夏ちゃんはそんな感じ」

律「・・・」

728. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/06(火) 20:19:42.74 ID:51PuW/tjo
姉「これくらいだけど」

澪「・・・」

律「・・・冬は・・・どうして短期間で回復できたんだ・・・?」

澪「そういえば・・・そうだな」

姉「!」

夏香「・・・どういう事?」

澪「お母さんの話では高校に入ってからその事が起きているんだ」

律「姫子の話では・・・えぇと・・・今年の7月に入部してるから・・・」

澪「冬はいつ退院したんですか?」

姉「・・・去年の秋・・・ちょうど・・・一年前・・・」

夏香「確かに回復が早い・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

姉「律ちゃん、探している場所・・・って・・・?」

律「え?・・・えぇと・・・『最高の場所』ってやつです」

姉「その場所ってどういう場所なの・・・?」

澪「支えてくれる場所だと思います。どんな出来事が起きても、自分を強くしてくれる大切な場所」

姉「・・・なるほど」

夏香「冬ちゃんも持っているって事?」

澪律「「  そうか・・・  」」

夏香「・・・?」



最終更新:2011年10月06日 01:31