放課後

梓(け…結局、告白できなかった……)ドヨーン

紬「みんなお茶が入ったわよ~!」

唯「わ~い!ティータイム!ティータイム!」

律「それにしてもなんで梓は落ち込んでいるんだ?」

梓「うぅ…聞かないで欲しいですぅ…グスッ…」

唯「梓ちゃんよしよし…」ナデナデ

梓「唯先輩……」

唯「大丈夫だよぉ~!」ペカ~

梓「!……///」ギュッ

唯「ワハ-…甘えん坊だねぇ…」ナデナデ

梓「……///」

律「……何だこれ…?」

紬「あらあら素敵じゃない」ニコニコ

律「そういえば澪まだ来ないなぁ…」

梓「唯先輩……///」ギュー

唯「梓ちゃん……///」ギュー

律「いつまでやってんだっ!!」

紬「ふふふ♪」

ガチャッ

律「おっ!澪かっ!」

澪「ごめん!遅くなった!」

唯「澪ちゃん!おいーす!」

紬「今澪ちゃんの分のお茶を用意するわね」

律「どうして今日は遅かったんだよ~?」

澪「ちょっと和に用があってな…」

律「………」

律(また和か……)

律「………」

律(いかん…また私は…澪がちょっと和に用があっただけだっていうのに…)

律(あまり気にしちゃいけない…そうだ…気にするな…)


唯「そうだぁ~!梓ちゃんにプレゼントがあるんだったぁ~!」ニコニコ

梓「そういえば…何ですか?」

唯「ほい!」サッ

梓「あ…ありがとうございます!!開けてみてもいいですか?」ワクワク

唯「いいよ~!開けてごらん!」

梓「ワハー…!」ワクワク

ガサガサ

『ネコミミ新型』

梓「」


梓「え…?なんですか…これ…?」

唯「ふふふ~!梓ちゃんなら似合うと思って持って来たんだぁ~!さぁ、付けて付けて!」

梓「で…でも…ちょっと恥ずかしいですよ…///」

唯「だぁいじょおぶだぁいじょおぶ!梓ちゃんなら似合うよぉ~!我が平沢姉妹のお墨付きだい!」

澪(憂ちゃんもか…さすが姉妹だな…)

律(もう梓の扱いは固定化している…)

梓「うぅ……///」

梓(うん…?待てよ…)

梓(よく考えたら唯先輩の言葉から、あの子も私がネコミミ姿似合うってことだよね…)

梓(!それって…私のネコミミ姿があの子が好きってことなんじゃ…!本に言ってあった相手の気持ちを引き出すってこのことなのかな…!)パァー

梓(うん…!付けるしかない!)キッ

唯「あれぇ~…梓ちゃん付けてくれないのぉ~…」シュン

梓「いえ!やってやるです!」

唯「さっすが梓ちゃ~ん!」

紬「あらあらとんだ見物だわ~」

澪(なんか梓が物凄い決心をしたように見える…)

律(ネコミミぐらいなのに凄い勢いだな…)

梓「……///」ゴクリ

唯「………」ゴクリ

スチャ

梓(ど…どうだっ…!///)

唯「………」

紬「………」

澪(え?なにこの状況?)

梓「え…え…ダメですか…?」オロオロ

唯「か…か…」

梓「え…?」


唯「完っ璧だよっ!!」カンドー

紬「梓ちゃん!素敵だわぁ!」キラキラ

梓「ほ…本当ですか!?嬉しいです!///」

唯「それならそれなら!『にゃん♪』とか『にゃ~ん♪』とか言ってみてよ!」

梓「え…それはさすがに…///」

澪「おい!唯!あんまりだぞ!」

紬「そうよ!唯ちゃん!」

律「おっ…さすがにムギも抑えに…」

紬「これ以上、悩殺されたら困っちゃうじゃない!」

唯「え~…かわいいじゃ~ん!」ブー


澪律「………」


唯「だって昨日の姉妹会議で梓ちゃんに『にゃん』か『にゃ~お』とか言わせてみたいという結審が出たんだよぉ~!」ブーブー

澪「いや…それは関係ないだろ…」

紬「会議で決まったなら仕方ないわぁ…」

澪(なぜ受け入れる…!!)

唯「あはは…!ってことで梓ちゃんお願い!」パンッ

梓「うぅ……///」

紬「私からも!唯ちゃんだって姉妹こぞってお願いしているの!」

梓(あ…あの子も!?それなら…)


梓「や…やってやるです!///」

澪(どうしてこうなった)

律(今後、梓の指導方針を考えないといけないな…)



梓「……//////」ドクンドクン

梓「……//////」ドクンドクン

唯「………」ワクワクワク

紬「………」ワクワクワク

梓「にゃ…にゃ~ん♪//////」

唯「あ…あ…」

梓「え…?え?唯先輩?…うわぁっ!!」ガバッ

唯「か~わ~い~♪」ギュー

梓「ちょっ…!ちょっと…!唯先輩!!///」

唯「今日から『あずにゃん』って呼ぶねぇ~こっちの方がかわいいし~♪」ギュー

梓「あず…にゃん…?」

唯「新しいあだ名だよぉ~♪」スリスリ

梓「あうぅ…唯先輩…///」

唯「あ~ずにゃん♪」スリスリ


梓(はにゃあああああ!!!!!このスリスリ気持ちいいよおおおおお!!!!///)ヘニャ~

紬「あらあらまた良い顔ね///」

律(私の部が……)

澪(もうどうにでもなれ…)



帰路

澪「また練習ができなかった…」

律「ま…まぁ、明日があるって!」

澪「良くないよ…和から聞いたけど、ここんとこ音楽室から楽器が聞こえてないということで私たちの部がちゃんと活動してないではないかと疑われているみたいなんだよ…」

律「そう…なのか…」

澪「本当に和が言ってくれなかったらこのまま私たち部室をとりあげられるところだったんだよ…」

律「………」

律(また…和か…)

唯「う~ん~…あずにゃ~ん♪やっぱりあずにゃんは良い子だよぉ~」

梓「唯先輩…外ですから…控えてくださいよ…恥ずかしいです…もうこれ外してもいいですよね?///」

唯「だ~め!かわいいすぎるから罰で私達と別れるまで!」

梓「そ…そんなぁ~…///」

紬「あらあら、ふふふ♪///」ポワ~ン

♪~

律「………」

澪「ど…どうだ?律?」

律「何がだ?」

澪「この曲をどう思う?」

律「う~ん…最初の勢いがどばっーと来て急にテンションが下がったが段々あがって最後は盛り上がって終わる感じかな?」

澪「そ…そうか…あ、ほら、メロディとかでここは良いなって思ったところとかある?」

律「う~ん…正直最後の盛り上がったところかな?」

澪「そ…そっかぁ…」

律「ん?それで終わりかよ?曲名は?作曲家は?」

澪「ポッパーのハンガリア狂詩曲…狂詩曲(外国語ではラプソディー)というのは形式を持たない音楽形式で表現を貴重とし、一定のメロディーが要となるんだ…」

律「へぇ~…」

澪「中身としては叙事的・民族的なものが多いんだ…」

律「なぁ…澪…」

澪「なんだ律?」

律「何で前みたいな説明をしないんだ?」

澪「それは…律が分かんないっていうし…つまんなさそうだから…」

律「っあ~…もう、良いよ」

澪「り…律…」

律「時間と手間取って悪かったなぁー!じゃあな!」

バタン

澪「こんなことになるなんて…」



平沢家

唯「う~い~!やったよぉ~!」

憂「どうしたの?お姉ちゃん?」

唯「憂の言う通り梓ちゃんに頼んでみたらやってくれたよ~!とってもかわいかったよぉ~!」

憂「良かったね!お姉ちゃん!」

唯「かわい過ぎてあずにゃんって呼ぶことにするよぉ~!」

憂「そ…そうなんだ…」

憂(梓ちゃんの言う通り…部としての練習…今日もできなかったみたいね…大丈夫かな…?)

唯「フフンフーン♪」



田井中家

律「ちぇっ…何だよ…澪のやつ、私には分からないだろうからって説明を省きやがって…」

律「………」

律「どうせ私は音楽の教養も才能もない人間ですよぉだ…」

澪『和のお陰で危うく部室が取り上げられるところだったんだよ…』

律「………」

澪『和とちょっとした用事があってね…』

律「………」

律「ちぇっ……勝手にしろっ……グスッ…」



中野家

梓「……///」

梓(今思えば…何であの格好のまま外に出たんだろう…//////)

梓(うぅ…いくらあの子も気に入ってくれていると言ったって、あの子が見ているわけでもないし…///)

梓(私のばかぁ…グスッ…//////)カァ…

猫「ミャーミャー」

梓「あ…また勝手に…」

猫「ミャー」ピョン

梓「あっ…こら…」

猫「ミャーミャーミャー」

梓「慰めてくれるの…?」

猫「ミャー!」

梓「ふふ…ありがとう…なんか元気が出てきたよ…」ナデナデ



翌日

澪「………」

和「澪…何かあったの?落ち込んでいるみたいだけど…?」

澪「う…うん…実は…」


和「え?返って相手の機嫌を損ねてしまった?」

澪「うん…どうしてだろう…一方的に伝えてもダメだと思って相手ね意見を聞き出しいたのに…」

和「ごめんなさい…私が昨日余計なことを言ったあまり…」

澪「いや、和のせいじゃないよ…もとはと言えば私の問題だし…」

和「………」

和(何としても恋する澪の助けにならなければっ!!)カッ←まだ誤解している

澪「あ…明日、和の家で良いんだよね?」

和「えぇ…」

和(こればかりは私だけの力じゃダメだわ…だとしたら…幼なじみの律に聞くしかないわね…)


キンコンカンコーン

律「終わった終わった!唯!購買に行こうぜ!」

唯「ガッテンです!」

和「取り込み中で申し訳ないけど、ちょっと良いかしら?律」

律「へ?私…?」

律「はぁ?澪が落ち込んでるぅ?」

和「そうなの。澪が最近、悩んでいるみたいで…」

律「それを何で私に…?」

和「あなたは澪の幼なじみでしょ?このままじゃ澪が可哀想よ。あなたの協力が必要なの」

律「そ…そりゃ…」

律(ん…?待てよ…何で和が澪のことをわざわざ私に持ちかけて来たんだ…?)

律(それ以前に澪は私じゃなくてまず和に悩みを持ちかけたんだよな…)

律(それって……)

和「幼なじみだし、フォローが得意な律に…」

律「知らねぇよ……」

和「え……?」

律「澪は和にだけ相談したんだ…私じゃ役不足なんじゃね?」

和「そんなはずないでしょ!澪は悩んで…」

律「澪は和に助けを求めてんだよっ!!私じゃ頼りになんねぇから頼れる和に相談したんだろっ!!」

和「それは私がたまたま同じクラスメイトだから聞けた話しでしょっ?」

律「るっせえっ!!人の悩み事をべらべら話すやつの言うことなんか信じられっかよ!!」

和「そ…それは…」

律「お前は世話好きじゃなくて単なるお節介なんだよっ!!」ピシャッ

和「………」

和「…お節介…かぁ…」


……

梓「………」

梓(ふむふむなるほど…相手に喜ばれることを積極的にすることが相手へのアピールにもなるねか…)

梓(これは実行するしかない…!)


憂「梓ちゃん一緒にご飯食べよー」

梓「あ…うん!///」

憂「純ちゃん猫飼ったんだぁー」

純「うん。とても人なつっこくてかわいいんだ~」

憂「いいなぁ~私もペットが欲しいなぁ~」

梓(!こ…これだ…!)モグモグ


~~

スチャ

梓「にゃ~ん♪」

憂「え…梓ちゃ…」

憂「!!」

憂「かわいい~!」ダキッ

梓「にゃ~♪」ペロッペロッ

憂「あはっ!かわいいなぁ…そうだ!この子を飼おう!名前は…あずにゃんね!」

梓「にゃ~ん♪」ペロッペロッ

憂「ふふっ♪いつまでもかわいがってあげるよ!」スリスリ

梓「にゃ~ん♪///」

~~


梓「えへ…えへへ…えへへへ…///」

憂純「………」

純「ねぇ…梓ちゃん…どうしちゃったの…?」ヒソヒソ

憂「う~ん…時たまこうなるんだぁ…」ヒソヒソ



授業

梓「………」ドヨーン

梓(アピールのチャンス見失った…まさか気がついたらもう授業だなんて…)

梓「はぁ……」

憂「………」カキカキ

梓「……///」

梓(いいや…じっくり関係を築いていこう……///)

憂「!……」ニコッ

梓「!!……///」ドキンッ

梓(い…今の…も…もしかして…!//////)ドクンドクン


26
最終更新:2010年01月25日 02:50