807. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 01:59:15.43 ID:blc7RTMpo
梓「・・・」

冬「・・・」

慶子(この二人面白い・・・)モグモグ

梓「おたま貸して」

冬「ど、どうぞ」

エリ(和むな〜)モグモグ

梓「・・・」ヒョイヒョイ

冬「あれ、もやししか入ってない」

律「・・・っ」プルプル

信代(ツッコミたいんだろうなぁ・・・)モグモグ

梓「貸して」

冬「えっ・・・は、はい」

夏「・・・」モグモグ

梓「適当に入れるよ?」ヒョイヒョイ

冬「は、はい・・・おーけー」

律「・・・っ!」プルプル

澪(空気壊したくないもんな・・・耐えるんだりつ・・・)モグモグ

梓「・・・どうぞ」

冬「あ、ありがとうござ・・・さんきゅー」

未知子(言い直した・・・緊張してるのかな・・・)モグモグ

梓「・・・」モグモグ

冬「・・・」シャクシャク

三花(なにこの癒し空間・・・)モグモグ

梓「おいしい?」

冬「う、うん・・・おいしい」シャクシャク

唯(いいですなぁ〜)ホンワカ

憂(梓ちゃんったら・・・)ニコニコ

冬「み、味噌ともやしって・・・合うよね・・・」

梓「・・・うん」モグモグ

和(一生懸命話題探しているわね・・・)モグモグ

冬「札幌通ったんだよね・・・?」

梓「ん?・・・うん」モグモグ

多恵(それは私も聞きたい話・・・)モグモグ

冬「どう・・・だった・・・?」

梓「・・・」

澪(思い出させてしまっているな・・・。夏のむぎを・・・)

冬「・・・」

梓「むぎせんぱいと食べた味噌ラーメンがおいしかった」

律(梓・・・)

冬「そうなんだぁ」パァァ
808. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:00:16.22 ID:blc7RTMpo
姫子「どうして嬉しそうなの」ヒソヒソ

夏「一応憧れているんで・・・。北海道でラーメン食べることを」ヒソヒソ

冬「他にはどこへ!?」

梓「やけに北海道に食いつくね・・・」

冬「あ・・・」チラッ

夏「もぐもぐ・・・。ちか先輩、もやしがぐれてますよ」

ちか「ふふっ、『あーあっついなぁー』って?」

夏「ちか先輩ノリがいいですね!大好きです!」

ちか「あははっありがとっ」

潮「・・・」

純「・・・」

さわ子「はやく食べてあげなさいよ」

冬「憧れている場所だから・・・」

梓「そうなんだ・・・」



紬「・・・」ニコニコ

風子「仲直りできたね」

紬「・・・」コクリ

春子「仲直り?ケンカしてたのあの二人?」

風子「そうだよ」

慶子「春子気付いてなかったの?」

春子「あー・・・うん」

美冬「二人見ていたら分かるでしょ」

アカネ「うん。二人の雰囲気が少し違ってたね」

夏香「ケンカするほど仲が良いって本当だよね」

澪「そうだな。ケンカができないのは時として寂しい事なんだ」

いちご「・・・」

紬「・・・」スッ

澪「よそいでくれるのか、ありがとう」

風子「それって・・・。そうだよね」

慶子「・・・ふむ」

夏香「・・・なんだかんだで、夏は同じ鍋を囲んでいるわけで」

美冬「それを知ってか知らずか冬も過ごしているわけで」

アカネ「・・・うん」

春子「おかしな二人だな・・・」

紬「・・・」ニコニコ

澪「そうだな。ありがと、むぎ」

憂「食材足りてますか?」

いちご「・・・うん。大丈夫」

809. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:01:18.30 ID:blc7RTMpo
――・・・


和「そろそろお開きね」

紬「・・・」コクリ

唯「ふぃ〜、お腹いっぱいだよ」ゲフ

英子「そっちのお鍋も綺麗に食べたね」

夏香「三つの鍋完食だね」

いちご「片付けるね」

憂「置いてていいですよ」アセアセ

律「いやいや、場所を提供してくれたんだから食器を片付けるのは義務だよ憂ちゃん」

澪「信じられない・・・」

律「そう、私が常識を言うと澪は驚愕するんだぜー?」フフン

信代「それって信頼じゃないよな・・・」ウーム

エリ「深く考えちゃダメだよ」

さわ子「と、言っても台所の人数は決まってるから無理は出来ないわね〜」

多恵「いいのかな・・・」

律「いいって、いいってー。休んでおこうぜー」

澪「うんうん。それでこそ律だ」

純「・・・」

未知子「それじゃお掃除しよっか」

三花「賛成〜」

さわ子「えぇ〜」

夏香「先生がそんな嫌な顔しないでくださいよ」

美冬「さ、さわ子先生!?」

唯「これが本性だよ!」ビシッ

さわ子「ほら、飯田さん近田さん窓を開けてまずは換気よ」キリ

春子「はいよっ」

慶子「よいしょっと」

ガラガラッ



梓「え・・・?」

冬「?」

姫子「梓・・・?」

夏「???」

梓「冬・・・もう一度聞くけど・・・。相馬さんは・・・『最高の場所』を見つけてないの・・・?」

冬「う、うん・・・。沖縄の記事ではそう書いていたよ・・・」オロオロ

純「!」

律「なにっ!?」

澪「え・・・?・・・え?」

810. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:02:35.50 ID:blc7RTMpo
和「そうなの?」

唯「そういえば・・・そうだね。見つけたなんて一言も言ってなかったよ」

夏「どこかで・・・?」

憂「夏ちゃんはその話知らないの?」

夏「・・・うん」

憂「・・・・・・そうなんだ」

梓「・・・見つけていないのに」イライラ

純「いや、『最高の一枚』は撮れたって言ってたじゃん」

梓「そこが『最高の場所』とは限らないでしょ」ムカムカ

純「落ち着けって。お父さんの話を聞いてた?」

梓「・・・」

純「ほら、忘れてる。少なくとも一度は見つけているって事だよ」

冬「なんですかっ!?その話詳しく聞かせて!」

純「お、落ち着け・・・」

梓「『最高の場所』って二つ以上見つけられるの?」

純「そ、それは」

冬「失った、離れていった・・・」

梓「失くしたって・・・。失くす程度の場所なんだ」

純「始まった・・・」

澪「重要な話だから聞いていようか」

姫子「うん」

夏「・・・」

さわ子「よいしょ」



冬「小さい頃の宝物って今でも持ってるの梓」

梓「失くしたよ。それとこれとは違うでしょ」

冬「・・・。大人になったらガラクタだって言うんだ?小さい頃どんなに大切にしていたモノでも
    そう言ってしまえるんだ」

梓「そうだよ。あの時の気持ちが偽物だとは思わない。けど、成長したらそれはガラクタだよ
    いつまでも持っていていいモノではないんだから」

冬「その宝物と一緒に、大切にしていた気持ちも持っていてはいけないの?」

梓「・・・そうなんじゃないかな」

冬「それは『最高の場所』も廃れると言っているようなもんだよ」

梓「それはやっぱりその程度の場所だったと認めるって訳?」

冬「認めない。そんなに簡単に見つけた場所だとは思えないから」

梓「冬は持ってるの?宝物」

冬「持ってない。捨てたりあげたりして手放したから」

梓「よく分からないよ。何が言いたいの?」

冬「『あの時の気持ち』て言ったけど、その気持ちはハッキリ持ってるの?」

梓「持ってるって、なに?」

811. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:03:13.88 ID:blc7RTMpo
冬「覚えているのかって事」

梓「!」

冬「忘れているのなら、それは相馬さんが失くした事の意味を理解できないと思う
    でも、小さい頃の宝物を大事にしていた気持ちが覚えているならそれは、その程度の気持ちではないよ」

梓「それは冬が相馬さんから直接受け取った言葉なの?」

冬「うん。4年前の北海道の旅で得た経験と失った経験が成長した証として沖縄の旅で記されていたから」

梓「!」

純(梓は相馬さんの事全然知らないから・・・冬の主張には正当性があるように聞こえる)

冬「『最高の場所』を失くしても、忘れない限りその場所は存在し続ける
    糧となってその人を強くしてくれる。そう教えてくれたんだから」

梓「――ッ!」

冬「どうして梓は相馬さんを―」

純「冬、それは今聞かないで」

冬「?・・・と、とにかく。人の表面だけをみてそれだけで評価するのはよくないよ」

梓「っ・・・」

夏(冬が説教するなんて・・・)

梓「見つけていないのにその場所が存在すると言われて、平然としていられない」

冬「・・・どうして?」

梓「その場所を・・・私も探しているから・・・」

冬「相馬さんはそんな無責任なことはしない。会ったことないけど、数回メールでやりとりしただけだけど
    それだけはハッキリと言えるよ」

梓「・・・どうして?」

冬「さっき言ったパートナーの海琴さんと『ニライカナイ』を見つけたから
    信頼している人との旅だから見つけることができたんだと信じられるから」

梓「・・・うん」

冬「あ、あれ・・・?」オロオロ

姫子(話は終わったかな・・・)

律(むぎと旅をしていたから、それは素直に理解できるか・・・)

澪(そっか、一度見つけていたのなら・・・・・)

812. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:04:15.38 ID:blc7RTMpo
さわ子「なるほどねぇ・・・」

夏「・・・」

憂「純ちゃん・・・どうして止めたの」ヒソヒソ

純「今聞いても感情だけで答えるでしょ、私がちゃんと聞くから」ヒソヒソ

律「なんて聞くんだよ」ヒソヒソ

純「どうしてそんなに波長が合わないのかって」

唯「あーっずにゃん!」ダキッ

梓「・・・なんですか」

唯「えへへ、なんでもないよ〜」スリスリ

梓「・・・」グググ

唯「ぉ・・・」ムググ

紬「?」

英子「後片付け終わったよ」

風子「帰ろう帰ろう」

唯「帰っちゃうの・・・?」

春子「明日学校・・・だぁ・・・」

さわ子「帰りましょうか」

813. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:08:12.61 ID:blc7RTMpo
――・・・


夏「おやすみなさーい」

姫子「じゃ、明日・・・。って毎日この台詞だね」

唯「そうだね〜」

冬「お、おやすみ・・・」

梓「おやすみ。明日ね」

冬「う、うん・・・」

スタスタ

紬「・・・」フリフリ

唯「ばいば〜い」

律「じゃ、帰るかぁー」ノビノビ

澪「そうだな。ごちそうさま憂ちゃん」

憂「いえ、みなさんが最後まで手伝ってくれたので」

澪「私たちなにもしてなかったけどな」

和「いいのよ。大事な話だったんでしょ?」

澪「・・・うん」

純「いえす」

風子「ばいばい」

英子「おやすみ」

夏香「・・・ふぁ、ばいばい」

純「ではでは」

梓「あれ、むぎせんぱい・・・。斉藤さんは・・・」

唯「今日はむぎちゃんお泊りだよ!」

紬「・・・」ニコニコ

梓「聞いてませんよっ!?」

814. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:08:40.27 ID:blc7RTMpo
律「じゃあな」

澪「おやすみ」

スタスタ

純「何事も無かったかのように・・・」

梓「ばいばい、純」

風子「残る気だね」

唯「ウェルカムだよ!」

純「まぁまぁ」ガシッ

梓「帰らないっ!」ジタバタ

純「子供かっ!?」

英子「帰ろうね」ガシッ

夏香「いい時間だからね」ガシッ

梓「ちょっ!」

紬「・・・」フリフリ

憂「おやすみ梓ちゃん」

和「引きずられていくわね」

ズルズル

梓「おやすみなさー・・・ぃ・・・」

唯「あずにゃんの挨拶が木霊する・・・」

815. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:09:23.43 ID:blc7RTMpo

風子「こんな風に帰るの多くなったよね」

純「そうですね。なんか、日課みたいな感じです」

英子「そうだね。・・・面白いね」

夏香「面白い?」

梓「きっと、何事もなかったら今は違う場所にいたんですよ」

純「なかったら・・・か・・・」

風子「じゃあさ、この『今』がある事はいい事なのかな」

梓「・・・」

夏香「・・・ちょっと、ふぅ」

英子「・・・」

純「どうなのさ?」

梓「いい事だとはハッキリ言えない・・・
    むぎせんぱいの事があるから・・・言いたくは・・・ない・・・です・・・」

風子「そっか・・・」

夏香「・・・うん」

英子「・・・」

梓「でも、『今』を後悔したくないです。
    大切な時間だったと後から言えるように・・・。だから、一緒にいてください」

風子「まぁ」ポッ

夏香「まぁ・・・」

英子(そう言ってくれるんだね・・・嬉しいのと恥ずかしいのと)

純「・・・」

梓「・・・今のは無しで」

風子「遅いよね〜」

夏香「今の唯に聞かせたいからワンスアゲイン」ピッ

梓「っ!」バッ

夏香「あっ!」

ピッ

梓「録音しようとしないでくださいよっ!」

英子「疾かったけど、その動きはどうしたの?」

梓「言葉おかしいですよ英子先輩・・・。前にもむぎせんぱいに・・・あ」

風子「同じようなこと言っちゃったんだ〜」

梓「ち、ちがっ!」

夏香「明日聞いてみようか」

風子「そうだね〜」

梓「そ、そんな恥ずかしい台詞を言った訳じゃ」アセアセ

風子「今の台詞恥ずかしかったんだ」

梓「違いますと言ってます!」アセアセ

夏香「言葉おかしいよ」ニヤリ

英子「ふふっ」

816. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:10:00.67 ID:blc7RTMpo
純(いじられキャラが定着したか・・・。でも、さっきのは・・・雰囲気を変えたくて言った台詞だ
    『今』を良い方向に持っていくように。・・・・・・空気を読んだ)

梓「助けてよっ」

純(いや、本音も混じっていたのかも・・・
    あの人と会ってから梓は不安定ながら、よろめきながら、まっすぐ歩いている)

梓「純・・・?」

純(それなのに嫌っている。波長が合わない理由を探っていたけど、答えに辿り着けない
    それは梓にとっていい事なのか・・・。『嫌いだから』と、ただの感情で片付けていいのか・・・)

風子「純ちゃん?」

純(二人っきりの時に聞きたかったけど・・・しょうがない・・・)

英子「どうしたの?」

純「梓さぁ・・・」

梓「?」

純「どうして相馬轍を・・・そんなに否定すんの?」

梓「!」

夏香「・・・誰?」

英子「その名前・・・」

風子「キャンプで出会った人。・・・それ以前に梓ちゃんたちとは出会っていたみたいだけど」

梓「今・・・聞く事なの?」

純「今日、冬と二回も衝突したでしょ。原因は分かってるよね」

夏香(ケンカの理由・・・)

梓「なにそれ、楽しかった思い出で終わる一日をそんな事で濁らせるの?」

純「濁らせてるのは誰だよ」

英子「二人とも・・・」

梓「私だって言うの?」

純「冗談でしょ?気付いてなかったとか言わないよね?」

梓「なっ!」

純「なに?」

風子「待って、・・・純ちゃん、目的がズレてるよ」

純「!」

風子「梓ちゃんも、どうして冬ちゃんとケンカになったか・・・教えて欲しいな」

梓「そ、それは・・・」

風子「キャンプの時もあの人がいる時、様子変だったよ?」

梓「・・・」

純「これだけは言わせてください」

風子「?」

純「冬が相手だったから、同じ目線で話せたから得るものがあったけど
    相手が先輩たちだったらどうするの?」

梓「!」

純「澪先輩にも突っかかるの?律先輩に同じ目線になれって?唯先輩とケンカするの?」

梓「ッ!」

817. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:10:52.83 ID:blc7RTMpo
純「紬先輩と衝突できるの・・・?」

梓「・・・ッ」

純「いい加減にしなよ・・・」

梓「・・・・・・あの人に出会ってから・・・全てがおかしくなった・・・」

風子「災いって・・・」

梓「そうです・・・。私の・・・全てをおかしくさせるんです」

純「・・・」

英子「・・・」

夏香「・・・それは、確実にその人のせいだと言える・・・の?」

梓「言えません・・・。簡単に言えば―」

純「波長が合わないって?・・・それは適当に言葉を見つけただけ」

梓「!」

風子「純ちゃんも・・・少し変だよ?」

純「・・・分からないんですよ。相馬轍の名が出てくるたびに周りに当たって
    冬にまで当たって・・・。冬が相馬轍のファンで、言い返してくれたから梓は救われてるようなもので」

梓「・・・どういう事?」

純「勝っちゃいけないケンカっていうのかな・・・」

英子「・・・・・・言い換えれば天狗、うぬぼれる、慢心する、思いあがる」

梓「ッ!」

純「そう、それです・・・。冬にケンカ勝ちしていたら、それでいい、これでいいで終わっていたんです」

夏香「・・・」

梓「・・・」

純「そろそろ、決着つけなよ。もう会わない人なんだしさ・・・」

梓「それ・・・」

風子「それ?」

梓「波長が合わないで・・・合ってるんだよ・・・」

純「?」

梓「あの人は・・・『別れ』の雰囲気が纏わりついてる・・・」

風子「!」

純「『別れ』・・・?」

梓「キャンプの朝・・・あの人は玉恵さんに挨拶も無しに去って行った」

夏香「・・・だ、誰?」

風子「相馬轍さんの旅仲間」

英子「・・・出会いと別れは必須じゃないの?」

梓「そうです。でも別れは新しい出会いの為でもあるんです・・・。あの人にはそれを感じられなかった」

風子「!」

818. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:12:10.38 ID:blc7RTMpo
純「どういう事?」

梓「それは・・・分からない・・・。けど、その正反対の人と私は・・・いつも一緒に居るから」

純「・・・」

梓「あの人が『別れ』ならむぎせんぱいは『出会い』・・・波長が合ってない」

純「・・・そっか・・・、なんか納得しちゃった」

梓「むぎせんぱいとの『別れ』を・・・意識せざるを得ないから・・・。
    だから私はあの人が苦手なんだ・・・」

純(今気付いたのか・・・。梓自身が知らないことを私は問い詰めて)

梓「ありがと純・・・。なんだか、楽になった」

純「あ、そう・・・」

風子「で、でもさ・・・。『別れ』だけじゃないと思うよ?」

英子「ふぅ・・・?」

梓「どういう・・・?」

『轍さんのご両親は亡くなっているの・・・』

風子「そ、それは・・・その・・・。だって旅をしてたくさんの人と出会えているじゃない」

梓「そうですけど・・・。『出会い』を目的とした旅じゃないような雰囲気だったと言っているんです・・・けど」

風子「う、うん・・・そうなんだけどね」

英子「時間切れだね。私たちこっちだから、続きは明日話そうか」

梓「は、はい」

夏香「楽しかったよ。ありがとね」

純「なんか、変な終わり方ですいませんでした」

英子「いいよ。為になる話だったから・・・なんてね」

夏香(・・・英子の様子も変)

梓「そうですか。それでは明日です」ペコリ

純「おやすみなさい」ペコリ

風子「あした・・・ね」フリフリ

スタスタ

819. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:18:29.19 ID:blc7RTMpo
夏香「二人とも何があったの?」

英子「風子の様子が変だから」

風子「・・・うん」

夏香「話の途中で・・・何か気付いたとか?」

風子「あの人・・・相馬轍さんなんだけどね・・・」

夏香「人気者だねぇ」

英子「その人が?」

風子「・・・ご両親亡くされてて・・・。親友さんも亡くしてるの・・・」

夏香英子「「  !  」」

風子「梓ちゃんが・・・『別れ』の雰囲気を纏っているって言い切って・・・少し悲しくなった」

夏香「・・・的を射てる分・・・真実は伏せるべきなのかな・・・」

英子「そういう事だったんだね」

風子「それが理由で嫌われるのって・・・寂しい・・・」

夏香「ふぅは変わんないねー」ガシッ

風子「ッ・・・なっちゃん!?」

英子「そうだね。でも・・・これ以上触れないほうがいいかもしれないよ」

風子「・・・うん。・・・別れても・・・その人は梓ちゃんに色々なことを教えているような気がする」

820. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/08(木) 02:19:04.89 ID:blc7RTMpo

―――――平沢邸


唯「むぎちゃん寝ちゃった」ヒソヒソ

紬「」スヤスヤ

唯「本当は起きているんでしょ?」

和「静かにして唯」

唯「寝るなんてもったいないよ」ギンギラ

憂「紬さん起きちゃうよ」ヒソヒソ

紬「」スヤスヤ

唯「うーん」

和「どうして私まで・・・」

憂「たまにはいいんじゃないかな?」

和「たまには・・・ね」

唯「花火やろうよ、言っただけだよ」

紬「」モゾモゾ

和「ゆいっ」ヒソッ

唯「・・・」シーン

紬「」スヤスヤ

憂「・・・ふぅ」

唯「はい、寝ます」

和「・・・」

憂「」ウトウト

唯「オヤスミ・・・」

紬「」スヤスヤ

822. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:18:56.35 ID:fwc/JhO5o

9月21日

チュンチュン

紬「・・・?」

唯「」スヤスヤ

和「」スヤスヤ

憂「」スヤスヤ

紬「・・・」ボケー

カチッ

紬「・・・」ボケー

コト

紬「・・・」モゾモゾ

紬「」ウトウト

紬「」スヤスヤ


823. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:20:00.90 ID:fwc/JhO5o
――・・・

ピンポーン

憂「!」ガバッ

紬「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

和「」スヤスヤ

憂「え・・・?今・・・何時・・・・・・寝過ごしちゃったぁ・・・」

ピンポーン

憂「和ちゃん」ユッサユッサ

和「・・・ん?」

憂「お姉ちゃんたち起こしてください・・・。あと時間が」

和「時間・・・目覚まし鳴った・・・?」

憂「鳴ってないよ。お姉ちゃんが止めちゃったのかも」

ピンポーン

憂「あっ!」ガタッ

和「待ってうい・・・。髪が・・・」ヒョイヒョイ

憂「ぁ・・・」

和「大丈夫よ」

憂「えへへ、ありがと」

テッテッテ

824. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:21:00.20 ID:fwc/JhO5o
和「さて・・・二人を・・・」

紬「・・・」ジー

唯「」スヤスヤ

和「・・・」

紬「・・・」ポッ

和「その反応はなによ・・・」

紬「・・・」ユッサユッサ

唯「ぅん・・・んー?」ボケー

和「・・・」

紬「・・・」ヒョイヒョイ

唯「ありがとー」ボケー

紬「・・・」ポッ

和「それは私に対する当てつけなのね?」

紬「・・・」コクリ

和「頷いたわね・・・」

唯「何の話ー?おはよー」

和「・・・いいわ。一度うちに帰って着替えてくるわね」

唯「ごはんはー?」

和「時計見て、食べてる時間なんてないわ」

紬「・・・!」

唯「どうしてこんな時間なの!?」

憂「紬さん、斉藤さんが制服届けてくれました」

紬「・・・」コクリ

825. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:22:00.30 ID:fwc/JhO5o

――・・・


紬「・・・」スッ

和「そうね、そのベンチに座って食べましょ」

唯「おにぎり一つくらい食べる時間はあるよね」

紬「・・・」コクリ

憂「・・・教室では食べられませんよね」

和「私たちは食べられるけど、憂は1人で食べられないでしょ?」

憂「・・・うん」

紬「・・・」モグモグ

唯「ここでなら見られても平気だもんね」モグモグ

和「・・・」モグモグ

憂「・・・」モグモグ

「あれ、平沢さん?」

憂「あ・・・」

「こんなとこで何してんのー?」

憂「朝ごはんを食べてるの」

「おはようございます」

唯「おはよ〜」モグモグ

和「確か、同じクラスの」

「はい、憂ちゃんと同じクラスの者です」

紬「・・・」モグモグ

「いいなー、外で朝ごはんなんて・・・」

「ほら、邪魔してるから。先に行ってるね平沢さん」

憂「後でね」

「ごゆっくり〜」

「ゆっくりしたら遅刻しちゃうでしょ」

憂「クスクス」

紬「・・・」

和「確かに・・・外で食べる朝ごはんも、偶にはいいわね」

唯「うんうん、のんびりしてられないけど。いいよね」

憂「でも、どうして目覚まし鳴らなかったんだろう」

和「・・・唯でしょ?」

唯「ん?なに?」モグモグ

憂「鳴った途端に止めちゃった?」

唯「そうなのかな・・・?覚えてないや」エヘヘ

826. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:23:08.31 ID:fwc/JhO5o
紬「・・・」

夏「あれ?」

紬「・・・」ニコ

夏「おは・・・ようございます?」

紬「・・・」ペコリ

夏「何を見ていたんですか?」

紬「・・・」ニコ

夏「飛行機か鳥でも飛んでいたとか・・・」

紬「・・・」

夏「・・・」

唯「夏ちゃ・・・ん・・・?」

和「二人とも・・・なに・・・を・・・?」

憂「・・・?」



律「どうする・・・?」

澪「どうするって・・・。周りの注目を集めてるから・・・」

律「5人とも空みてんのな・・・。まずいなあれは」

澪「・・・」

パァン!

紬夏唯和憂「「「「「  !  」」」」」

澪「ほら、学校に行くぞ」

律「打ち上げに成功したロケット開発技術者か?」

紬「・・・」テレテレ

夏「違います・・・」

唯「みてよ、うろこ雲・・・。今日の晩御飯は秋刀魚だよ」ジュル

和「太陽の光が強すぎて見えないけど、今も星は輝いているのよね」

憂「空気が綺麗だなぁ・・・」

律「そうか・・・。どうコメントすればいいのかな?」

澪「さぁ・・・とりあず向かおうか」

唯「はいよー!」

和「目が乾いたわね」

憂「私も・・・」

スタスタ

夏「・・・ふぅ」

紬「・・・?」

夏「一緒に見ていた空を思い出したんです・・・」

紬「・・・」

夏「・・・この空は・・・『北海道に繋がっているね』・・・って」

紬「・・・!」

828. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:30:15.36 ID:fwc/JhO5o
夏「・・・約束を果たさなきゃいけないのに・・・・・・」

紬「・・・」

ギュ

夏「?」

紬「・・・」スラスラ

夏「お昼ですか?」

紬「・・・」コクリ

夏「は、はい・・・」



829. ありがとうございます ビックリしました 2011/09/09(金) 22:33:23.35 ID:fwc/JhO5o
唯「おはよーあずにゃん!」

梓「おはようございます。むぎせんぱいは?」

律「あれー、スルーされたかなー?」

澪「・・・夏とくるんじゃないかな」

梓「夏と・・・?」

憂「純ちゃんは?」

梓「さ、さぁ・・・」

憂「なにかあったの?」

梓「ぴぃ〜ぷぅ〜」

唯「ぷぅ〜ぴぃ〜」

律「おはよーアキヨ!」

アキヨ「・・・おはよ」

スタスタ

「みんな入らないの?」

澪「むぎを待っているんだ」

「私も待ってよっと」

和「私は先に教室に入ってるから」

スタスタ

純「・・・マイペースです」

憂「おはよ〜」

純「おはよう」

梓「・・・」ギクシャク

律(ケンカにでもなったか・・・)

澪「来たか」

梓「!」

夏「一匹狼というより一匹虎ですよね〜、ネコ科だし」

紬「・・・」ニコニコ

夏「今日から合同で作業するじゃないですか?だからみんなビックリしますよきっと」

紬「・・・」ニコニコ

夏「私も最初ビックリしましたけど、でも慣れたら面白いですよね」プクク

紬「・・・」ニコニコ

夏「いっつもすました顔してるから・・・あ」

梓「おはようございます。むぎせんぱい・・・」

紬「・・・」ニコニコ

830. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:33:51.62 ID:fwc/JhO5o
夏「おはよ〜梓」

梓「・・・」フンッ

スタスタ

夏「えぇー・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

紬「・・・」フリフリ

「おはよう紬さん」

律「それじゃ今日もガンバロー」

澪「・・・おー」

「いつも紬さんの周りは賑やかだねー」

紬「・・・」ニコニコ

「・・・楽しそう」

唯「圭子ちゃんも騒がしくすればいいんだよ」

律「意味分かんねえー」

圭子「・・・」

夏「梓の今のリアクションってなに・・・?」

憂純「「  さぁ・・・?  」」

831. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:35:25.40 ID:fwc/JhO5o

―――――お昼

姫子「中庭に行かないの?」

和「えぇ、行かないわよ。そっちは?」

姫子「行かないよ。・・・楽しそうだけど」

圭子「楽しいの?」

和「さぁ・・・。騒がしいのは確実だけど」モグモグ

圭子「・・・うーん・・・興味ある」

風子「行ってきたらいいよ」

圭子「誰か一緒に行かない?」

英子「それじゃ、お昼ご飯食べ終わったら行きましょうか」

圭子「ありがとー」

姫子「・・・和」

和「どうしたの?」

姫子「むぎの・・・出発の日って決まってるの?」

和「えぇ・・・。決まっているわよ」

風子「そうなの!?」

姫子「いつ?」

和「学園祭の次の―――」


832. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:36:31.12 ID:fwc/JhO5o
―――――中庭


唯「28日」

澪「来週・・・か・・・」

律「一ヶ月って早いな・・・」

梓「・・・」

律「一週間はもっと早い・・・」

澪「一日はもっと短いぞ」

唯「・・・そだね」

梓「・・・」

澪「・・・」

圭子「本当だ、楽しそう」

英子「みんなどうしてここにいるの?」

唯「ちょっと考え事を〜」

律「よし、行くかー」

澪「律、タッグ組もうよ」

律「いいぜー、むぎ夏ペアに勝てるのは私たちしかいない!」

唯「ふふ、次は私とあずにゃんチームで挑むんだよりっちゃん」

梓「・・・私はパスです」

唯「なんと」

圭子「はい、じゃ私が!」

唯「いいでしょう」フフン

律「じゃ、私らが対決して勝った方が挑むってのはどうだ?」

唯「分かったよ」

圭子「バトミントンなんて久しぶりだなぁ・・・。ダブルスなんてやったのいつ以来だろ」

紬「・・・」ポン

シュー

多恵「・・・」ポン

シュー

夏「・・・そーれ」ポン

シュー

未知子「・・・」ポン

澪「和やかだ・・・」

梓「英子先輩・・・ふぅ先輩は来ないんですか?」

英子「うん。・・・後で部室に行きたいって、いいかな?」

梓「・・・はい」

律「なんでだ?」

梓「昨日の話の続きを・・・」

833. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:40:24.24 ID:fwc/JhO5o

―――――廊下


夏香「しないの?」

風子「・・・どう話をしたらいいか、纏まらなくて」

夏香「難しい所だね」

いちご「・・・どうしたの?」

風子「いちごちゃんに聞きたいんだけど・・・」

夏香「待って」

いちご「?」

風子「一緒にキャンプに行ったから大丈夫だよ?」

夏香「知ってるけど、これは風子が考えなくちゃいけないと思う」

風子「私なりに結論は見えてるよ。話すか、話さないか、ウソをついて誤魔化すか」

夏香「・・・」

風子「私は意見を聞きたい」

夏香「・・・うん・・・。でもね、それは多数で結論を見つけ出す事にならない?」

風子「・・・」

夏香「人に聞けば正しい答えに辿りつけると思うけど、それは彼女が抱えているものを
      軽く扱ってしまいかねないよ?」

風子「・・・それは」

いちご「・・・」

夏香「ごめんね、いちごさん・・・。変な話しちゃって・・・」

いちご「・・・彼女って・・・?」

姫子「・・・英子の隣に居る子だよね」

和「・・・梓?」

風子「・・・・・・うん」

姫子「ふふっ、楽しそうにバトミントンなんかしちゃって」

いちご「・・・姫子は知ってるの?」

姫子「知ってるような、知らないような・・・。未知子って運動神経いいんだね」

和「・・・えぇ」

いちご「・・・どっちなの?」

姫子「え?」

いちご「知ってるの、知らないの?」

姫子「・・・・・・昨日、冬とケンカした事だよね、風子?」

風子「う、うん・・・」

姫子「じゃ、知ってる・・・。あ、負けちゃった」

夏香「・・・」

和「・・・面白い対戦になってるわね」

姫子「やっぱり唯を応援する?」

和「勝つほうを応援するわ」

姫子「それはずるいよ。澪と律のコンビに勝てるかどうか」

834. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22:41:59.08 ID:fwc/JhO5o
いちご「・・・私に聞くことって無いよね?」

風子「ご、ごめんね・・・」

いちご「・・・いい。けど、知る事で視野が広がる事だってあると思う」

姫子「それは私に言ってるのかな」

夏香「違うよ。私に言った―」

いちご「そう聞こえたんだ」

姫子「・・・」

いちご「心当たりある?」

姫子「まぁね・・・。私は知る事で動けなくなる事が怖いんだけど」

いちご「・・・」

風子「・・・」

姫子「判断が難しい・・・」

いちご「・・・人の意見を尊重したら?」

姫子「・・・時と場合によるでしょ」

いちご「知らないことで動けなくなったら本末転倒」

姫子「・・・」

いちご「自分を計り損ねているだけ」

姫子「・・・」

いちご「それを人に押し付けるのはどうかな」

姫子「どうしたの、やけに突っ掛るね」

いちご「・・・」

姫子「風子、私は夏香の意見に賛成だから。人に聞くことじゃないよ」

風子「う、うん・・・」

いちご「人と一緒に考えることの選択を遮るんだ」

姫子「時と場合によるって言ったよね・・・」

いちご「悪いけど、触りだけでいいから教えてくれる?」

風子「・・・」

夏香「・・・」

姫子「梓と波長の合わない人がいて、その人の過去を梓は知らないから
      それでいいのかって話」

いちご「・・・その過去って」

姫子「うん・・・。ご両親と相棒さんの事」

いちご「・・・」

姫子「ごめん、話しちゃった」

風子「・・・うん」

夏香「・・・」

いちご「・・・聞かなかったことにする」

姫子「フェアだねぇ・・・」



最終更新:2011年10月06日 01:52