28. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:52:08.68 ID:8Tvag5feo
英子「解消されているはずだった・・・。ふぅちゃんと再会するまでは・・・ね」

梓「・・・!」

英子「最近のあの子、周りにやたらと意地悪な事するでしょ?」

純「・・・はい」

英子「夏ちゃんと冬ちゃんとのこともあって、あの頃の優しさを垣間見た
        私と夏香は5年半という時間を越えて『ふぅちゃん』と再会できたんだよ」

梓「!」

英子「その時の傷がふぅを・・・留まらせている・・・」

梓「むぎせんぱいですね」

英子「・・・うん。紬さんはふぅにとってかけがえの無い人になっている」

梓「・・・」

純「さっきの英子先輩は・・・風子先輩を探っていたんですか?」

英子「・・・うん。そういう事・・・」

梓「・・・」

純「・・・」

英子「あるがままの風子なんだけど・・・ね・・・」

梓「・・・英子先輩は、ふぅ先輩と風子先輩のどっちと一緒にいたいですか?」

純「・・・!」

英子「どっち・・・」

梓「恐らく、常識という知識が風子先輩を形作ってきたのなら、それも風子先輩なんです」

英子「・・・そうだね。高校に入って再会した風子を否定する事なんておかしな話だもんね」

梓「でも、私はふぅ先輩がいいです。むぎせんぱいと同じように、幼い表情で笑ったときのふぅ先輩が好きです」

英子「・・・」

純「・・・」

梓「・・・」

英子「1つ聞いていいかな?」

梓「は、はい」

英子「旅先で出会った人には、そういう人がいたのかな・・・?」

梓「いいえ」

英子「そうなんだ・・・」

梓「どうしてですか?」

英子「それは・・・」

純「まるで見てきたかのような言い方だったから・・・かな・・・」

英子「・・・」

梓「うん。風子先輩のような人はいなかった。けど、自分を偽っている人は1人としていなかった」

純「・・・」

梓「だから、繋がって、その人たちを好きになれて、同じ景色を見る事ができたんだと思います」

純「・・・」

英子「・・・うん。いい出会いだったんだね」

29. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:53:14.94 ID:8Tvag5feo
英子「昔ね、私とふぅが夏香のお家に遊びに行った時の話なんだけど、
        お姉さんとたっくさん遊ぶことができたんだ」

梓「・・・」

純(うわ・・・)

英子「ふぅって、心を許した人にしか意地悪な事しないんだよ
      だから、お姉さんにたくさん仕掛けては仕返しされて、それでもめげずに頑張って意地悪してた」

梓「・・・」

英子「お姉さんが夏香をいじめたら、ふぅは夏香を守るの。冬ちゃんみたいに」

純(楽しそう・・・)

英子「そのくせ、人には意地悪な事して、成功したら喜んでいた
      でも、人が嫌がったり、傷つけるような事は絶対にしなかった」

梓「・・・分かります」

英子「ふふっ・・・。あ、ごめんね。長々と・・・帰ろうか」

純「はい・・・」ゴクゴク

梓「オレンジ・・・もらい物だけど、飲む?」

純「意地悪ですね・・・」

英子「ありがとう・・・二人とも。話を聞いてくれて」

梓「いえ・・・。出来れば・・・」

純「出来れば?」

梓「もっと聞かせて下さい」

英子「・・・!」

純「・・・うん、私も聞きたい!」

英子(雰囲気が・・・紬さんと・・・一緒だった・・・)

梓「どうしたんですか?」

英子「なんでもないよ」

梓「上手くふぅ先輩の意地悪に対抗できるかもしれません」ウシシ

英子(今度は律さん・・・?)

純「・・・それが狙いか」

梓「頑張れ私!」フンシュ!

英子(唯さん・・・違う・・・澪さん・・・?)

30. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:54:23.99 ID:8Tvag5feo

9月24日


紬「・・・」プップププー

風子「おはよう、紬さん」

紬「・・・」

風子「・・・どうしたの?」

紬「・・・」フルフル

風子「・・・?」

スタスタ

唯「おはようみんな!いよいよ明後日だよ!」ワーイ

ちか「唯ちゃんおはよー」

春子「おはよ。元気だなぁー」

唯「フルスロットルだよ!」

和「その雑誌、毎日読んでいるわね」

姫子「面白いよ。観光名所から独自で見つけた場所まで紹介してるの」ペラッ

いちご「・・・ちょっと待って」

姫子「あ、ごめん」ペラッ

いちご「・・・もう少し待って」

和「それが多和平ね」

姫子「え・・・。知ってる風だけど・・・どうして・・・」

和「澪と話し込んでいたの聞いていたのよ」

姫子「・・・」

いちご「いいよ。・・・どうしたの?」

姫子「結構語ってたから・・・。なんか、恥ずかしい・・・」

和「気にすることじゃないわ」

姫子「私が気にするんだよ・・・」

律「なんだよ、キャンプでフォーク・・・っ!」フガッ

いちご「・・・やめて」

エリ「なにしてんのー?」

律「・・・っ」フググ

31. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:55:09.99 ID:8Tvag5feo
唯「フォークがなんだって?」

澪「フォークと言うのは、球種の1つだよな、姫子」

姫子「そうそう。打者とのかけひきに使うんだよ。フォークをね」

アカネ「無駄に強調しているところが・・・ひっかかる・・・」

和「さて、と・・・先生来るわね」

いちご「若気の至りだから」

律「わ、分かったよ・・・。そんなら踊るなよな」ブツブツ

エリ「あれ・・・?」キョロキョロ

アカネ「どうしたの?」

エリ「風子さんが来ない・・・」

姫子「本当だ・・・、いつもなら・・・一緒になって読んでいるのに」

いちご「・・・」

澪「・・・」

律「お母さんともへんな雰囲気だな」

唯「変じゃ・・・ないよ・・・」

信代「おはよー。って、どうしたの?」

ガチャ

さわ子「はーい、みんな席に着きなさーい」

ガヤガヤ

32. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:56:24.31 ID:8Tvag5feo

―――――昼・教室


夏香「姉さんの荷物を私が片してんだよ?」

英子「どうして?」

夏香「『なつ達がいたずらで隠していったおもちゃやらを片付けるのめんどい』って」

風子「・・・」モグモグ

英子「してたね、そんな事」

夏香「風子覚えてない?」

風子「隠した事は覚えているけど、何を隠したかまでは・・・」

英子「蜘蛛のおもちゃとかあったよね」

夏香「そうそう。姉さんそういうの嫌っていたからね。ほら、こんなのとかっ!」

ジャン!

英子「う・・・」

風子「ご飯食べてるときに出さないでよ」

夏香「ごめんごめん。でも、二人ともあの時の姉さんと同じリアクションだったね」

英子「そう・・・だっけ・・・?」

風子「・・・」モグモグ

夏香「うん。でも、昨日見つけたとき普通の反応だったんだよ、姉さんは」

風子「どうして?慣れたのかな」

夏香「こんなのより怖いものを知ってるから、可愛いもんだと判別したんじゃないかな」

風子「怖いもの・・・」

英子「・・・」

夏香「それでさぁ」

風子「話もいいけど、食べないの?」

夏香「う、うん」

英子(楽しそうに話していたんだよ・・・風子・・・)

風子「午後から学園祭の準備だから、早めに食べて着替えようよ」

夏香「・・・うん。そうだね」

英子「・・・」

夏香「張り切って弁当を作ってくれたんだよね・・・」パクッ

風子「・・・」

夏香「・・・」モグモグ

英子「2年生の時も作ってくれていたっけ」

夏香「うん・・・。相変わらず、バランスの悪い組み合わせだけど・・・」

風子「・・・」モグモグ

英子「作ってくれるだけありがたいよ」

夏香「そうだね・・・。食べる?きんぴらごぼう」

英子「いいの?」

夏香「うん。なにかと交換しよ」

33. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:57:09.81 ID:8Tvag5feo
英子「お姉さんのきんぴら大好きなんだよ、私」

夏香「ありがと」

風子「・・・」モグモグ

夏香(乗っかかってこないか・・・)

英子「うん、おいしい」

夏香「もう食べられないかも、だから味わってね」

英子「ふふっ、分かった」

風子「・・・」

英子「風子・・・急いでる?」

風子「少し・・・。セットの準備途中だったから・・・、気になる箇所があって」

夏香「・・・」

英子「・・・」

風子「先に行ってていいかな」

夏香「・・・」

英子「うん、すぐに行くから」

風子「・・・後でね」ガタッ

信代「風子ー、お客さん来てるよー」

風子「?」

スタスタ

夏香「・・・」

英子「・・・ごめんね」

夏香「どうして英子が謝るの?」

英子「・・・私のせいだね」

夏香「朝に話は聞いたけど、なんだろうね」

英子「・・・」

夏香「変わったね、風子は」

英子「ごめん・・・ね・・・」

夏香「・・・」

34. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:58:03.66 ID:8Tvag5feo
風子「お客さん?」

信代「ほら」

風子「・・・冬ちゃん」

冬「あ、あの・・・」

風子「どうしたの?」

冬「い、いえ・・・。その・・・」

夏「どうして来なかったんですか?中庭に」ヒョコ

信代(風子・・・冬ちゃんだとすぐに分かった・・・)

風子「・・・」

冬「よ、用事とか・・・あったんですよね・・・」

風子「たまには夏香ちゃんと、英子ちゃんの3人で食べようと思ってね」

冬「そ、そうですか・・・」ホッ

夏「・・・冬ねぇ心配していたんですよ」

冬「な、なつ!」

風子「ごめんね、明日は行くから」

冬「は、はい」

夏「姫子先輩たちはなんでもないって言ってたじゃん」

冬「そ、そうだけど」

風子「急いでるからまた後でね」

冬「は、はい。失礼しました」

信代「・・・」

律「おや」ニヤリ

冬「あ・・・戻ってきたんですか?」

律「戻ってきたら悪いかー!」

澪「うるさい」

夏「冬ねぇをいじめないでください!」

信代「いい妹だぁ」

澪「そうだな」ウンウン

風子「・・・」

35. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:59:13.40 ID:8Tvag5feo
冬「・・・」ビクビク

律「小動物みたいだな、ってなんで怯えてんだよ」スッ

冬「わわ・・・」

風子「下級生をいじめてるだけだよ、やめておいたら律さん」

律「・・・なんだよその正論は」

夏(下級生・・・)

風子「正論?」

律「私に非があるのは承知の上でやってんのに、それを正論で諭されたら終わりだろ」

澪「・・・」

風子「終わったなら、行くね」

スタスタ

律「・・・んだよ、・・・つまんねー」ボソッ

スタスタ

冬「・・・」

夏「どうしたんですか・・・?」

澪「律は寂しがっているだけだから」

信代「・・・」

梓「むぎせんぱいの言った通りですね」

紬「・・・」

梓「見た事のない風子先輩です・・・」

紬「・・・」フルフル

梓「え・・・?」

紬「・・・」クイクイッ

梓「・・・」

信代「・・・」

唯「どうしたの〜?」

姫子「教室に入らないの?」

いちご「・・・?」

36. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:59:50.42 ID:8Tvag5feo
―――――放課後・3年生のクラス


風子「エリさん、そっち抑えててください」

エリ「うん・・・」

風子「ありがとうございます」

スィースィー

風子「・・・どうですか?」

エリ「うん・・・。ちゃんと塗れてるよ」

風子「そのまま続けます」

エリ「・・・・・・うん」

風子「・・・」

スィースィースィー

37. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:01:49.99 ID:8Tvag5feo

信代「・・・」

英子「信代さん・・・、昨日の帰り道で風子はなにか言っていましたか?」

信代「英子たちと別れてから、しばらくは俯いていたけど」

梓「・・・」

信代「一言『しっかりしなくちゃ』と言って前を向いたくらい」

英子「・・・そうですか」

梓「・・・」

信代「周りが戸惑っているんだよねぇ・・・」

英子「ごめんね・・・。私が原因だね」

潮「・・・昨日の成り行きを見ていた身としては、そう見えなくもないんだけど」

信代「うん、英子だけが原因じゃないような気もする」

英子「・・・」

梓「ふぅ先輩は、抑えているんでしょうか?」

英子「え・・・?」

梓「昨日の話では、『ふぅちゃん』を抑えていると伺いました」

英子「あ、・・・うん」

梓「・・・」

信代「抑えているものがパンクするが先か」

潮「少しずつ息抜きをしてバランスを取りながら、そんな自分とうまく付き合っていくのか」

英子「・・・」

エリ「梓ちゃーん」

梓「はい!」

テッテッテ

英子「梓ちゃん、『ふぅ』って呼んでくれてるんだ」

信代「さっき、むぎが訂正してたよ。『風子じゃないでしょ』・・・みたいに」

38. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:04:06.66 ID:8Tvag5feo

――・・・


さわ子「今日はこれでおしまいにしなさい」

「「「  え・・・?  」」」

さわ子「な、なによ・・・外見なさいよ真っ暗よ?」

姫子「・・・ウソ、もうこんな時間・・・なんだ・・・」

憂「はやいですね・・・」

唯「そんなはずはないよ!まだ3時間あるはずだもん!」

純「そうですよ!」

さわ子「3時間頑張ったら11時になるのよ?」

ちか「8時!?」

律「はええ・・・」

文恵「・・・ふぅ、これで今日はお終いかぁ」

さわ子「明日は一日中準備作業になるから、明日頑張りなさい」

「「  はーい  」」

未知子「えと・・・完成度何パーセントかな・・・」

三花「き、聞きたくない・・・」

美冬「75パーセント」

三花「聞きたくない!」ギュッ

未知子「耳をふさいでも現実は変わらないんだよ」

三花「現実から逃げることも重要なの」ギュウ

紬「・・・」クイッ

三花「やめてっ」

美冬「ななじゅうごぱーせんと」ボソッ

三花「そ・・ん・・・な・・・・・・」ボーゼン

和「なにをやっているのよ」

さわ子「遊んでいないで早く帰りなさい」


39. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:05:49.68 ID:8Tvag5feo
――・・・


梓「おやすみなさいです」

風子「おやすみなさい、紬さん」

紬「・・・」

風子「?」

ギュ

紬「・・・」スラスラ

風子(ま・・・た・・・あ・・・し・・・た・・・)

紬「・・・」ニコ

風子「・・・うん」

紬「・・・」

斉藤「どうぞ」ガチャ

紬「・・・」チラッ

梓(・・・大丈夫。なんて言えないですけど)コクリ

紬「・・・」スッ

バタン

斉藤「それでは失礼します」ペコリ

冬「お気をつけて」

バタン

ブォォオオオオ

英子「・・・」

夏香「・・・」

風子「・・・」

40. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:07:24.65 ID:8Tvag5feo
唯「今日一日がものすっごく短く感じたのはどうしてか、会議です!」

憂「集中していたからだと思います」

唯「なるほど・・・。他には?」

律「集中していたからだと思います!」

唯「なるほど・・・。一理ありますね」

冬「同じ事言ってますよ?」

律「知ってるよ!わざとだって!」

冬「あ・・・」

律「ボケを潰したなぁ・・・」ワキワキ

冬「す、すいません・・・。もう一度お願しますっ」

律「同じボケを二回もやると寒くなるんだよぉ」スッ

冬「わわ・・・」

風子「・・・」

律「・・・」

冬「?」

律「ったく」ワシャワシャ

冬「ぅ・・・わ・・・」

純「贔屓ですよー!」

律「なにがだ」

純「私には辛くあたるのにー」ブー

律「そういう世の中なんだよ」

純「意味が分かりませんよ」プンスカ

風子「先に帰るね」

スタスタ

姫子「・・・」

夏「なんだか・・・楽しくなさそう・・・ですね・・・」

律「楽しくないんだよっ」

澪「りつ」

律「分かってるよ・・・!」

信代「風子と一緒に帰るよ、じゃあね」

潮「私も、みんなまた明日ね」

唯「う、うん・・・。バイバイ」

タッタッタ

夏香「英子も一緒に行って」

英子「・・・・・・うん」

タッタッタ

41. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:07:58.64 ID:8Tvag5feo
律「意味分かんねえ・・・!」

澪(珍しくイライラしてるな・・・)

いちご「・・・どうしたの?」

唯「ふぅちゃん・・・いつもと違ってたね」

梓「どんな風にですか?」

唯「なんていうか、笑わなくなった」

憂「今日の風子さん・・・笑ってなかったの・・・?」

唯「うん・・・」

律「明後日だぞ・・・!」

澪「落ち着け」

律「・・・っ!」

和「・・・夏香」

夏香「・・・?」

いちご「・・・なにがあったの?」

冬「・・・」

夏香「それは・・・ね・・・」

梓「・・・」

純「・・・」

夏香「・・・」

冬「・・・」

42. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:08:58.38 ID:8Tvag5feo

――・・・


冬「約束・・・」

夏香「・・・」

純(昨日英子先輩から聞いた話と同じだった・・・)

梓「律先輩、どう思いますか?」

律「なんで私に聞くんだよ」

梓「・・・いえ」

律「・・・」

澪(怒るほど身近に感じているんじゃないのか)

慶子「・・・」

エリ「・・・」

和「聞いていたのね」

エリ「風子さんの様子が気になって・・・」

慶子「・・・風子さんってムードメーカーだから」

唯「時間の流れがはやい訳だよね〜」

憂「・・・?」

和「どういう意味なの?」

唯「淡々と作業していただけだもん」

夏「遊んでいなかったですもんね」

唯「そういう事だよ」

夏香「・・・風子は・・・変わってしまったんだね」

律「ちげえ」

夏香「?」

律「・・・」

澪「どう違うんだ?」

律「・・・さぁ」

澪「・・・」

律「・・・・・・・・・・・・あれは風子自身だろ」

いちご「・・・」

43. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:10:18.07 ID:8Tvag5feo
律「風子が夏香たちと別れた事で、風子が自分をみつけたんだよ。耐える強さをもった風子自身をな
    それを・・・。言葉が分からないけどさ、取り戻したら『変わった』なんてのはちがう」

夏香「・・・」

澪「それなら、それでいいんだな。別れが風子を強くしたんだから」

冬「・・・」

律「でも、私は納得しない」

澪「風子自身の問題だ。外に居る私たちが干渉していい話じゃない」

律「分かってるよ・・・!」

澪「じゃあどうして、怒っているんだ」

律「それは強さじゃないからだ。数ある答えの中から1つ拾っただけだ」

澪「風子、英子、夏香の三人の過去だ」

律「違う。風子1人でみつけただけだ。そんなの求めている場所じゃない」

澪「風子は探していたのか?『最高の場所』を」

律「・・・っ」

澪「りつは見つけたのか?」

律「・・・みつけてない」

澪「その場所の力を知っていないのにどうして、そう言えるんだ」

律「焦っているからだよ、明日で完成させなきゃいけないのに・・・完成させたとしても、大成功とは程遠いだろ」

澪「・・・そうだな」

律「先に帰るっ」

スタスタ

澪「・・・それじゃみんな、明日」

梓「は、はい。明日です」

唯「私たちもここで、おやすみ〜」フリフリ

憂「おやすみなさい」

和「明日ね」

スタスタ

純「・・・」

姫子「唯は動じてないね」

梓「唯先輩が言ってました。『人を想う事に悪いことなんてない』って」

姫子「うん・・・」

梓「少なくとも時間はまだあります。28日までは・・・」

慶子「それで納得する律さんじゃないよね」

梓「・・・そうですね」

純「・・・」ウンウン

44. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:10:53.12 ID:8Tvag5feo
慶子「もう1人大成功じゃないと納得しない人が・・・」ピッピッピ

冬「?」

夏香「ムードメーカーは『ふぅちゃん』であって、『風子』ではないんじゃ・・・」

梓「私たちは『ふぅちゃん』は知りませんけど、『ふぅ先輩』は知ってますよ」

夏「・・・」

姫子「帰るよ」

冬夏「「  は、はい  」」

慶子「・・・オッケ。じゃ後で」

プツッ

エリ「信代さん?」

慶子「うん。わたしもここで、バイバイ」フリフリ

エリ「あ、バイバイ」

いちご「・・・それじゃ、明日。バイバイ」

スタスタ

45. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:12:23.29 ID:8Tvag5feo
梓「あ・・・」

純「どうした?」

夏香「?」

梓「私たち3人だけになってしまいました」

夏香「ふふっ」

梓「・・・急に人が居なくなると寂しくなるんです」

純「子どもか・・・」

夏香「梓ちゃんって、たまに大人びているのにね。背伸びしているの?」

梓「そうです。こうやって」グググ

純「・・・」

夏香「景色が変わった?」

梓「そうでもないです。・・・よっ」ピョン

純「変わった?」

梓「大して変わらない」

夏香「・・・そっか」

梓「でも、隣にいると景色は近くなるんです」

夏香「・・・」

梓「夏香先輩はふぅ先輩と、どんな景色を見てきたんですか?」

純(・・・なるほど。その為に変な行動したのか)

夏香「私と姉さんの血が繋がっていないって話したっけ?」

梓純「「  え・・・  」」

夏香「顔似てないでしょ?」

純梓「「  あ、そういえば・・・  」」

夏香「・・・」

純「夏香先輩が父親似で」

梓「お姉さんが母親似だと・・・」

夏香「逆だけど。私が小学校上がる前だったな、父が姉さんを連れて来たの」

梓「・・・」

夏香「母と姉さんはすぐ打ち解けていたけど、私はいつまで経っても馴染めなかったのね」

純「・・・」

46. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:13:14.42 ID:8Tvag5feo
夏香「そして、小学校2年生の夏。風子と英子を家に呼んで遊んでいたとき、風子が聞いたの
      『この人だれ?』って」

純「・・・ぉぅ」

夏香「姉さんと私の間には距離があったから――」

・・・・・・

・・・

「はい、でこちゃん」

でこ「でこじゃないよ、ひでこだよー」

「あははっ、でこちゃーん」

ひでこ「でこって言っちゃやだー」ウエーン

「あ・・・、ふぅちゃんがわるいんだよ」

ふぅ「なっちゃんだって言ったもん!」

なつか「さいしょに言ったのふぅちゃんだよ!」

ふぅ「人のせいにしちゃダメなんだよ!」

ひでこ「ケンカしちゃやだー」ウェーン

なつか「・・・」

ふぅ「ごめん・・・ね・・・」

なつか「・・・うん」

ひでこ「ひっく・・・ぐすっ・・・」

ふぅ「・・・」

ひでこ「もう、ケンカしない・・・?ぐすっ」

なつか「・・・ごめ」

ガチャ

「ただいまー」

バタン

なつか「・・・!」

ひでこ「おうちの人かえってきちゃったね・・・ぐすっ」

ふぅ「なっちゃん・・・どうしたの・・・?」

なつか「う、ううん・・・」

「夏香ちゃんのお友達?」

ふぅ「この人だれ?」

47. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:14:13.56 ID:8Tvag5feo
「・・・」

なつか「・・・」

ひでこ「なっちゃん・・・?」

「ジュース出そうか?」

なつか「いい・・・」

「あ、・・・うん。・・・お菓子買ってくる?」

なつか「いい」

ふぅ「・・・」

「邪魔だよね、私部屋に行くから・・・」

ひでこ「・・・」

なつか「・・・」

ふぅ「まって!」

「?」

なつか「ふぅ・・・ちゃん・・・?」

ふぅ「なっちゃんにいじわるなことしてるんでしょ!」

「・・・」

ひでこ「・・・」ビクビク

なつか「ふぅちゃん!」

ふぅ「お姉ちゃんなのに、妹にそんなことしたらいけないんだよ!」

姉「・・・」

ふぅ「もうしないって、約束して!」

姉「しないよ」

なつか「・・・」

ひでこ「・・・」

ふぅ「・・・」プンスカ

姉「そんな、約束なんてしない」

スタスタ

ふぅ「?」

なつか「・・・?」

ひでこ「・・・ひどい・・・・・・」

ふぅ「どういうこと?」

ひでこ「いじわるするって言ったんだよ・・・!」

ふぅ「もぅおこったよ!」

タッタッタ

ひでこ「ふぅちゃん!?」

なつか「どこいくの!」

ふぅ「みんな来て!」

48. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:14:48.95 ID:8Tvag5feo

「ゲコゲコ」

ひでこ「そんな大きなカエルをどうするの?」

ふぅ「しかえしするんだよ」

なつか「や、やめようよ・・・」

ふぅ「お母さんがいってた『カエルが怖い』って。だからお姉ちゃんもこわいはずだもん」

ひでこ「・・・おこられるよ」

なつか「・・・ダメだよ・・・・・・わたし・・・」

ふぅ「『悪いことしたらダメ』ってお母さんがいってたもん。だからしかえしするんだよ」

なつか「・・・こまるよ・・・わたし・・・・・・」

ふぅ「みんな、しーっ」

ひでこ「・・・ごくり」

なつか「やめて・・・ふぅちゃん・・・」

ふぅ「なっちゃんにひどいことするかぎりやめないよ。お姉ちゃんのへやここだよね」

ガチャ

ソォー

ふぅ「いけっ」ヒョイ

カエル「げこげこ」ピョン

ソォー

バタン

ふぅ「なっちゃんのへやににげるよ!」

ひでこ「わわっ」

なつか「・・・っ」

タッタッタ

ガチャ

ふぅ「はやく!」

サッ

バタン

ふぅ「・・・ふぅ」

ひでこ「おこられるよ」

なつか「・・・ふぅ・・・ちゃん・・・・・・」

ふぅ「だいじょうぶ。おこられないから」

49. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:15:42.74 ID:8Tvag5feo

姉『きゃああああああああああああああ!!!!!!!』


ふぅ「みんな、トランプもって」

ひでこ「え・・・?」

ふぅ「いいから!なっちゃんももって!」

なつか「わたし・・・」


ドタドタドタッ

バンッ


姉「あんたたちでしょ!!」

ふぅ「なんですか?わたしたちトランプしているんですよ?」

ひでこ「・・・」ブルブル

なつか「・・・」

姉「あんな気持ち悪いものはやく捕まえてよ!」

ふぅ「わたしたちむかんけーです。カエルくらいじぶんでつかまえたらいいですよ。
      つぎ、ひでこちゃんのばんだよ」

ひでこ「う、うん」ガクガク

なつか「・・・」

姉「どうしてカエルだって知ってるの?」

ふぅ「?」

ひでこ「あ・・・」

なつか「・・・?」

姉「やっぱりあんたたちでしょ!ほらっ」グイッ

ふぅ「やー、はなして!」ジタバタ

姉「私は捕まえきれないのよ、なんとかして」

ふぅ「やーだー!」ズルズル

ひでこ「ふ、ふぅちゃん!」

なつか「・・・」

50. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:16:44.83 ID:8Tvag5feo
―――――・・・


ふぅ「今日はこれ」

ジャン!

なつか「くも・・・の、おもちゃ?」

ふぅ「うん。昨日はしっぱいしたけど、今日はお姉ちゃんに負けないんだから」

ひでこ「・・・やるの?」

ふぅ「お母さんにそーだんしたら『どんどんやれ』って」

なつか「そん・・・な・・・」

ふぅ「お母さんわたしたちのことよく知ってるからどうじょーしてるんだよ」

ひでこ「きょうかんって言うんだよ・・・」

ふぅ「みんな、しーっ」

ガチャ

ふぅ「それっ」ポイッ

バタン

ふぅ「いそげー」

なつか「・・・っ」

タッタッタ

ガチャ

ふぅ「みんなしょてーのいちについて」

ひでこ「わ、わかった」

なつか「・・・」

ふぅ「よにんめはクマさんね。よいしょ」

なつか「・・・」

ふぅ「・・・これでよし」

ひでこ「・・・」

なつか「・・・」

ふぅ「・・・」

シーン

ひでこ「お姉ちゃんねているじゃないの・・・?」

ふぅ「あれー?」

なつか「・・・」

ふぅ「なっちゃん・・・?」

なつか「なに・・・?」

ふぅ「昨日・・・あれからひどいこといわれたの?」

ひでこ「ひどい・・・っ」

なつか「う、ううん・・・。そんなことないよ」

ふぅ「しかえしがこわくておじけづいたんだよ」ウシシ

ひでこ「・・・よかった。なっちゃんがおこられたんじゃないかって」

51. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:17:21.93 ID:8Tvag5feo
姉『ぎゃああああああああああああああああ!!!!』


ひでこ「っ!」ビクッ

ふぅ「だいじょうぶだから。ちゃんとじゅんびもしているんだから、バッチリだよ」

なつか「・・・」

ドタドタドタッ

バンッ

姉「またやったわね!これおもちゃじゃないの!」ブンッ

バシーン

ふぅ「ほんものがよかったんですか?」ウシシ

姉「・・・」

ひでこ「ふぅちゃん・・・!」

なつか「・・・」

ふぅ「わたしたちじゃないですよ。みたらわかるとおもいますが」

姉「3人で人生ゲームしてんの?」

ひでこ「そ、そうですよ」

ふぅ「この人生ゲーム4人までだから、お姉ちゃんできないよ?」

なつか「・・・」

姉「そっち空いてるじゃん」

ふぅ「見えないんですか?クマさんがいるでしょ」

ひでこ「そ、そうです」

なつか「・・・」

52. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:18:00.53 ID:8Tvag5feo
姉「コマが進んでないけど?」

ふぅ「はじめたばかりですから」

姉「・・・」

ひでこ「・・・ふぅちゃん・・・・・・」

なつか「・・・」

姉「誰が勝ってるの?」

ふぅ「さっきはじめたばかりって言いましたよね」フッ

姉「やっぱりあんたたちじゃないの!来なさい!」グイッ

ひでこ「わたしじゃないよ!」

姉「でこちゃん賢そうだから部屋の片付け上手でしょ!」

ひでこ「でこって言わないでー」ズルズル

ふぅ「お姉ちゃんなんでわかったの!?」

姉「準備してあった感が拭えてないわ。それに本物ってなによ、おもちゃだって知ってたみたいじゃない」

ふぅ「・・・しまった!」

ひでこ「たすけてよぉー!」

ふぅ「でこちゃん!」

ひでこ「言わないでー・・・ぇ・・・」

バタン

ふぅ「あぁ・・・」

なつか「・・・」

ふぅ「ど、どうしよう」オロオロ

なつか「・・・あの人は・・・虫がきらい・・・」

ふぅ「そうだったね!カマキリがいたからつかまえてくるっ!」

タッタッタ

なつか「・・・」

53. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:19:02.36 ID:8Tvag5feo


ガチャッ

ふぅ「お姉ちゃんこれみて!」

ジャン!

姉「ひっ!」

ふぅ「でこちゃんを・・・あれ・・・?」

ひでこ「・・・」フムフム

姉「なんで虫が・・・っ!」ガクガク

ふぅ「でこちゃん、なによんでるの?」

ひでこ「でこっていわないで。マンガだよー、お姉ちゃんいっぱいもってるの」

姉「そ、それっ!自然に帰してきなさいよ!」

ふぅ「マンガなんておもしろくないよ。なっちゃんのへやでゲームしようよ」

ひでこ「うん・・・。分かったー」

姉「は、はやく行って!」

ひでこ「おじゃましました」ペコリ

ふぅ「おれいをいうひつようなんてないんだよ!えいっ」ポイッ

カマキリ「・・・」シャキーン

姉「ぎゃっ!!」

バタン

54. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:19:52.78 ID:8Tvag5feo

―――――・・・


ひでこ「今日はしかえししないの?」

ふぅ「お母さんが『罠を張る時期ね』って」

なつか「じきってなに?」

ふぅ「分かんない。きせつのことじゃないのかな」

ひでこ「わなをはるきせつってへんだよ」

ふぅ「?」

なつか「それがわな?」

ふぅ「うん。ドアがひらいたら上からセミのぬけがらがおちてくるしくみだよ」

ひでこ「1人であつめたの?」

ふぅ「うん。20こみつけるのたいへんだったよ。いつもまけてるきがするから、今日こそ」

なつか「・・・」


55. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:20:33.94 ID:8Tvag5feo

――・・・


ひでこ「・・・」

ふぅ「・・・」

なつか「・・・」

ひでこ「来ないね・・・」

ふぅ「・・・しっぱいだ」

なつか「あの人は・・・わたしのへやにこないよ・・・」

ひでこ「どうして?」

ふぅ「?」

なつか「わたしたち・・・しまいじゃないもん・・・」

ひでこ「・・・」

ふぅ「どういうこと?」

なつか「ちがつながっていないってことだよ」

ひでこ「・・・」

ふぅ「?」





姉「今日は来ないのか・・・」




最終更新:2011年10月06日 03:04