56. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:21:31.70 ID:8Tvag5feo

―――――・・・


ひでこ「今日もわな?」

ふぅ「お母さんが『待っていなさい』って」

なつか「・・・」

ひでこ「またとってきたの?」

ふぅ「うん。セミのぬけがら30ことクマゼミだよ」

ひでこ「どうしてセミをつかまえたの?」

ふぅ「ちかくにいたからだよ。よーしかんせーい」

なつか「・・・」

ふぅ「よいしょっと」ピョン

ひでこ「お姉ちゃんくるかな?」

ふぅ「ぜったいくるよ!」

なつか「・・・こないよ」


57. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:22:09.20 ID:8Tvag5feo
――・・・


ふぅ「こないねー・・・」

ひでこ「でかけたんだよきっと」

なつか「・・・」

ふぅ「おなかすいた・・・」グゥゥ

ひでこ「・・・うん」

なつか「もうやめようよ」

ふぅ「ダメ!」

なつか「・・・わたし、いじわるされてないよ?」

ふぅ「いじわるされてないのにどうしてさびしそうなの!?」

なつか「・・・」

ふぅ「お姉ちゃんがわるいんだよ」

ひでこ「わるい人じゃない・・・と・・・おもうよ?」

ふぅ「でこちゃんうらぎったね!」

ひでこ「ち、ちがうよ!」

なつか「・・・あれ?」

ふぅ「どうしたの?」

なつか「ドアのしたに・・・かみが・・・」

ふぅ「ほんとだ・・・」

ひでこ「・・・なにかな?」ヒョイ

『うしろをみろ』

ふぅ「うしろ?」

ひでこ「?」

なつか「???」

58. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:24:24.92 ID:8Tvag5feo
『あ゛ぁ・・・う゛ぁー・・・ぁ゛』ドンドン

ふぅ「―――ッ!!!!」

ひでこ「ひっ!」

なつか「ヒィッ!」


「「「  おばけぇぇえええええーー!!!!  」」」


『へっへっへー・・・あれ?』

ふぅ「いやぁああああああああ!!!!」ダッ

ガチャ

バサーッ

なつか「ぎゃああああああああああ!!!!!」

ひでこ「ふえぇぇえええん!」

『あぁ、ごめんごめん!でこちゃん私だよー!!』ドンドン

ひでこ「こわいよぉー!」ウワァン

『やっばー・・・』


ダダダッ

ふぅ「お姉ちゃん!」ドンドン

なつか「たすけてー!!」ドンドン

ふぅ「あけてーー!!!」ドンドン

なつか「おばけがー!!」ドンドンッ

ガチャ

ふぅなつか「「  !  」」

姉「ごめんねー」

ふぅ「っ!」ダキッ

なつか「ッ!」ダキッ

姉「・・・」

ふぅなつか「「  こわかったよぉー・・・  」」ボロボロ

59. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:24:51.84 ID:8Tvag5feo
ギュウウウ

姉「・・・うん。ごめんね」

ふぅ「あ!ぐすっ・・・ひでこちゃんがいない!」

なつか「あ!」

姉「部屋に行こうか」

ふぅなつか「「  ・・・うん!  」」

スタスタ

ギュウウウウウ

姉「・・・」

なつか「ひでこちゃん・・・」

ふぅ「あ!」

ひでこ「うわぁーーん!」

姉「ごめんね。もういないから」ナデナデ

ひでこ「お、お姉ちゃぁぁあん」ダキッ

ふぅ「よかったぁ」ギュウウ

なつか「・・・うん」ギュウウ

姉「・・・」

60. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:25:23.89 ID:8Tvag5feo
――・・・


『ご迷惑ではないですか?』

姉「はい。一日くらいなら私1人でも大丈夫ですから」

『それじゃ、お言葉に甘えて。・・・もう一度風子に代わってくれますか?」

姉「はい。・・・ふぅちゃん」

ふぅ「なんですか?」

姉「お母さんが代わってって」

ふぅ「うん・・・。もしもし」

姉「二人とも落ち着いた?」

ひでこ「・・・ぐすっ」

なつか「すっごくこわかったんだから!」

姉「はい。ごめんなさい」

なつか「もぅ!」プンスカ

姉「ほら、セミついてるよ」ヒョイ

ガサガサ

なつか「あ・・・」

ひでこ「ぐすっ・・・」

姉「逃がしてくるね」

スタスタ

ひでこ「もうこわくないんだ・・・ぐすっ・・・」

姉「それっ」

バサバサッ

なつか「・・・」

姉「きょ、今日はご馳走にしちゃうよ」

なつか「りょうりできないでしょ!」

姉「ちゃんと出来ます」

なつか「うそつき」

姉「む・・・」カチーン

なつか「したことないくせにー」

姉「学校で習ってるから」

なつか「・・・ふんっ」

姉「よぉし・・・」

ひでこ「ケンカしちゃやだー」

姉「とっておきの作ってやる」

なつか「・・・」

ふぅ「・・・どうしたの?」

ひでこ「・・・・・・ごはんつくるって」

61. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:26:08.74 ID:8Tvag5feo

ふぅひでこ「「  いただきまーす  」」

なつか「・・・」

姉「たんと召し上げれ」

ふぅ「もぐもぐ」

ひでこ「もぐもぐ」

姉「どう?」

ひでこふぅ「「  おいしぃ〜  」」パァァ

姉「くふっ・・・可愛い・・・」

なつか「・・・」

姉「冷めちゃうよ」

なつか「・・・」

姉「温かいうちに食べて欲しいな」

なつか「・・・」

姉「・・・」

ふぅ「お姉ちゃん」

姉「なに?」

ふぅ「お母さんが『繋がっていないなら繋げればいい』っていってたんだけど」

姉「!」

ふぅ「なっちゃんとお姉ちゃんのちがつながっていないのとかんけーあるの?」

なつか「・・・!」

ふぅ「・・・?」

ひでこ「おいしぃ〜」パァア

ふぅ「そもそも、ちがつながっていないってなに?」

姉「ふふっ、哲学者だね。ふぅちゃんは」

なつか「・・・」

62. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:27:57.25 ID:8Tvag5feo
ふぅ「お姉ちゃん、おりょうりじょうずだね」

姉「ありがと。ほら、なつも食べて」

なつか「うん・・・」パクッ

姉「どう?」

なつか「おいしいよ・・・。ぴんきら」

ひでこ「きんぴらごぼうだよ〜」ウットリ

ふぅ「もぐもぐ」

姉「明後日なつの誕生日会しようか」

なつか「・・・ありがと、・・・・・・お姉ちゃん」

姉「・・・うん。ありがと」

ふぅ「おいしぃね〜」パァァ

なつか「・・・うん」

・・・

・・・・・・

夏香「――で、姉さんとちゃんと話ができるようになったの」

梓「・・・」

唯「ひっぐ」シクシク

夏香「その後もいじわる合戦が続くんだけどね」

和「・・・意地悪というよりイタズラね」

姫子「そうだね」

冬「はい。可愛いイタズラ合戦です」

夏「うん、可愛い・・・」

夏香「という、お話でした」

唯「ういっ!」ダキッ

憂「お、おねえちゃん!?」

梓「真面目な話をしているんですよ?」

唯「あずにゃんもひどいよっ!?」

姫子「和・・・律は?」

和「聞くことは無い。そう言って澪と帰ったわ」

純(本気で怒っているのかな・・・)

夏香「聞くことって?」

唯「えへへ、もうないよ〜」

憂「風子さんの話を聞きたかったので」

夏香「そっか・・・。姫子さんは?」

姫子「唯たちと一緒。ね、冬」

冬「は、はい」

63. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:28:42.01 ID:8Tvag5feo
夏「あのですね、意見というか・・・口ごたえをするようでなんですけど」

夏香「?」

夏「人は変わらずにはいられないじゃないですか」

梓「・・・」

夏「律先輩には悪いと思いますけど、風子先輩がそう決意したのなら、それは認めるべきなのでは?」

夏香「・・・」

梓「律先輩がどうして、あんな事言ったのか・・・」

夏「・・・」

純(・・・今は梓に同意)

梓「ふぅ先輩の為だけに言った言葉じゃないよ」

夏「紬先輩の為?大成功にして一生の思い出にする為?」

梓「・・・うん」

夏「風子先輩は淡々とその準備していたじゃん。確かに、準備中は物足りなさを感じていたけど
    風子先輩が身に着けた強さを否定するのはお門違いだよ」

純「・・・」

梓「否定してないよ。律先輩はむぎせんぱいと最高の学園祭を目指している。それは私も同じ。
    だけど、律先輩が目指しているのはそれだけじゃないよ」

夏「・・・」

梓「みんなで目指しているんだから」

憂「風子さんも含めてだよね?」

梓「うん」

純「うむ」

64. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:29:49.01 ID:8Tvag5feo
夏「それはまた・・・途方も無い」

冬「諦めたら見つからないよ」

夏「うん。そうだね」

梓「・・・」

唯「・・・」グゥ〜

和「早く帰りましょ」

唯「若いっていいですな」

和「食べ盛りよね」

唯「そっちじゃないよっ!」

夏香「・・・」

姫子「もうこんな時間だから気をつけてね」

純「はいっ」

憂「はい」

夏冬「「  おやすみ  」」

唯「おやすみ〜」フリフリ

純「おやすみなさい」

梓「二回目の挨拶・・・」

夏香「・・・」

純「私たちも帰りましょう」

夏香「うん」

梓「・・・夏香先輩は、ふぅ先輩と風子先輩のどっちと一緒にいたいですか?」

夏香「それは・・・」

65. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:30:52.11 ID:8Tvag5feo

9月25日



風子「おはよう、紬さん。今日は早いんだね」

紬「・・・」プッププー

風子「梓ちゃんと?」

紬「・・・」コクリ

風子「そうなんだ・・・」

紬「・・・」ププッププップー

風子「うん。明日だね」

紬「・・・」ププップップー

風子「うん。頑張ろうね」

紬「・・・」ニコニコ

風子「・・・」

スタスタ

ガチャッ

律「よっしゃー、一番乗りー・・・じゃねえ・・・」

澪「おはよう。はやいなむぎと風子」

風子「おはよう。昨日の時点で75%って聞いて・・・」

紬「・・・」

律「ふーん。風子だけでやろうとしてたのかよ?」

風子「英子ちゃんと夏香ちゃんも後から来るよ」

澪「・・・」

ガチャ

梓「むぎせんぱい!行きましょう・・・え・・・?」

律「ん?私の顔を見て驚いたのか?」

梓「まだ7時になっていませんよ?澪先輩はともかく・・・」

澪「・・・」

紬「・・・」

律「誰か私をフォローしてくれ。明日が本番だから、私も張り切って来たんだよ」

梓「はぁ・・・。行きましょうむぎせんぱい!」

紬「・・・」コクリ

風子「調理室だよね、私も一緒に行くよ」

梓「はい。行きましょうふぅ先輩」

風子「・・・」

紬「・・・」ルンルン

スタスタ

66. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:31:52.98 ID:8Tvag5feo
律「澪は行かないのかよ」

澪「私はセットの作業だから・・・。昨日の続きを終わらせるのが先だ」

律「・・・」

澪「風子も頑張ってくれてるんだな」

律「・・・そうだな。まずは席寄せようぜー」

澪「うん。私たち二人分くらいの作業スペースを確保しよう」

律「おっしゃ」

夏香「おはよ。はやいねー二人とも」

英子「おはよう」

律「おっはよん」

澪「おはよう」

夏香「さっそく始めるんだ」

律「おうよ!あ、風子たちは調理室向かったぞー」

英子「うん、ありがと。行ってくるね」

澪「行ってらっしゃい」

スタスタ

夏香「『たち』?」

律「むぎと梓だ」

澪「よいしょっ」ガタッ

ワッセワッセ

ゴト

澪「ふぅ・・・」

律「おんどりゃあ」ガタッ

ワッセワッセ

ゴト

律「もぅだめ・・・」ヘナヘナ

信代「早起きなんかするからだなー」

潮「・・・フッ」

慶子「芸が細かいね」

律「お、3人ともはやいな」

信代「75%だよ?ありえないって」

慶子「うん。ビックリだよね」

澪「確かに・・・」

純「澪先輩おはようございます!」

律「おいこら。私たちは視界に入っていないのか!」

純「先輩方!」

67. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:33:15.25 ID:8Tvag5feo
潮「よいしょっ」ガタッ

ワッセワッセ

ゴト

潮「望みどおり机は動かしたぞ!虎徹を返すんだ!」

律「誰が1つだと言った・・・。あと、2つだ」

潮「卑劣なっ!」

信代「なんで虎徹なのか・・・。少し面白かった」ガタッ

慶子「ネコの為に必死になるところが、なんかツボを抑えているって感じだよね」

夏「おはよーございます!皆さんはやいですね〜」

純「夏が遅いんだよね」

夏「道具を取ってきたからだよ」

澪「ナイスだ、夏」

純「ぬかった!」

潮「・・・どうだ」ゼェゼェ

律「うむ。・・・駅前の駄菓子屋だ」

潮「そこに虎徹はいるんだな!?」

律「あぁ、ウソはつかないさ」

潮「遠いからいいや」

律「だな。さぁ、始めようぜー」

68. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:33:51.04 ID:8Tvag5feo
――・・・


唯「さわちゃん来るよ!」

和「まだ30分前よ?」

ガチャ

さわ子「あら?みんなはやいのね」

夏「冬ねぇ、戻らないの?」

冬「あ・・・」

由記「手伝ってくれてありがとう、冬さん」

冬「ううん、大して手伝えてなかったから」

千雨「お化け屋敷見に行くからね」

冬「うんっ」

律「私たちも行こうな」キラキラ

澪「やだ!」

冬「それでは、また」

さわ子「待ちなさい冬ちゃん」

冬「え?」

さわ子「この衣装お勧めよ〜」ジャン

冬「え・・・ぇ・・・え・・・?」

律「メイド衣装だろうが!」スパーン!

さわ子「いった・・・、なによ!むぎちゃんのメイドさんになるって聞いたのよ!?」

律「いつの話だよ!」

さわ子「そんなのいつだっていいのよ。さぁ・・・さあ!」ズィッ

冬「わわ・・・」

夏「やめてください!代わりに純が着ますから!」

純「・・・ん?」

ちか「『私が』ではない所がうまいよね」

さわ子「純ちゃんは一度着たからいいのよ」

律「え・・・ウソだろ・・・」

純「ウソですから。なんでそんなに引いているんですか」

澪「律も着たことあるんだぞ」

純「・・・」

律「なんだよ、無言はやめろよ!」

唯「さわちゃん!私が着るよ!」

さわ子「夏ちゃんでもいいわ、さぁ、着るのよ!冬ちゃんはこれでお化けを演じるのよ!」

夏冬「「  わわわ・・・  」」」

和「ミイラ取りがミイラになったわね」

唯「無視されたよ」ガーン

69. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:35:09.49 ID:8Tvag5feo
さわ子「さぁ!・・・っ!」ギクッ

風子「なにをしているんですか?」

冬「あ・・・」

律「・・・」

信代「・・・」

さわ子「メイド衣装を着てもらおうかな〜なんて思っていたのよ〜」

風子「着せるのなら、茶店衣装の方がいいと思いますけど」

さわ子「そう・・・ね・・・」

冬「山中先生、ごめんなさいっ」ダッ

タッタッタ

夏「・・・ふぅ、助かった」

夏香「風子、どうしたの?」

風子「あとはこっちの作業手伝おうと思って」

夏香「そっか・・・」

さわ子「どうしたのよ、迫力が無くなったわよ」ヒソヒソ

律「子どものお遊びは卒業したって事だろ」

さわ子「なによそれ・・・?」

律「言葉のまんまだよ」

さわ子「・・・」

律「うーし、むぎんとこ行ってこよーっと」

純「あ、私も行きます。屋台班の班長として把握しておかないと」キリ

唯「私も行くよ!」

和「今は下ごしらえよ」

唯「やめとくよ!」


律「唯のやつ・・・つまみぐい目当てか・・・」

純「・・・」

律「・・・」

純「小学校の頃色々あったみたいですよ?」

律「興味ない」

純「・・・」

律「私が興味あるのはどう楽しむか、それだけだって」

純「そう・・・ですね・・・!」

70. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:36:31.88 ID:8Tvag5feo

―――――調理室


いちご「・・・」

姫子「風子は淡々と作業していたね・・・」

いちご「・・・うん」シャカシャカ


紬「・・・」シャカシャカシャカシャカ

梓「かき混ぜるの、腕疲れませんか?」

紬「・・・」フゥ

梓「交代です!」

紬「・・・」スッ

梓「・・・」シャカシャカ

エリ「梓ちゃん上手ねー」シャカシャカ

梓「そ、そうですか?」テレッ

71. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:37:04.79 ID:8Tvag5feo

いちご「風子が言ってた」

姫子「?」

『梓ちゃんは夏ちゃんと冬ちゃんを置いて先に進んでしまうって事かな』

いちご「――って」

姫子「梓ちゃんにあの人の過去を話すかどうかの時だよね?」

いちご「うん」

姫子「『先に進んでしまう』・・・か・・・」

いちご「・・・風子は先に進んでしまったのかな」

姫子「梓ー!」

梓「なんですか?」シャカシャカ

姫子「あの人の過去って聞いてる?」

梓「どの人ですか?」

姫子「えぇと・・・その・・・」

律「梓と波長が合わないヤツだよ」

梓「・・・過去なんてあるんですか?」

純(相馬轍さんの過去・・・私も知らないや・・・)

いちご「・・・どうなの?」

梓「知らないです」

姫子「そっか・・・。うん、ありがとう」

梓「人っておかしくないですか?」

「「  ?  」」

梓「・・・虎徹の話ですよね?」

純「もういいよ!あっち行って!」

梓「なに・・・?」

姫子「なんでもない」

律「どこまでも合わねえのな・・・」

梓「む・・・」シブシブ

純「まったく・・・虎徹の過去ってなんだよ」

いちご「・・・印象に無いって事は知らないんだよね」

姫子「そうだね」

いちご「風子は・・・先に答えをみつけたんだね・・・」

72. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:38:07.93 ID:8Tvag5feo
憂「できあがりました」

純「手馴れたもんです」

憂「お姉ちゃんに作ってってねだられるから、慣れちゃった」エヘヘ

律「1つ食べていい?」

憂「どうぞ」

律「もぐもぐ」

いちご「どう?」

律「揚げたてだから余計にうめえ・・・」

紬「・・・」スッ

律「お茶もくれるのか・・・ありがと」

紬「・・・」ニコニコ

律「ふぅ・・・、落ち着くなー」マッタリ

純「外の景色をみながらのんびりしたいですね」

律「あぁ・・・。でも、登校時間だからやらんけどな」

紬「・・・」トントントントトン

姫子「いい空間を演出・・・か・・・」

梓「お菓子とお茶があれば、それだけで楽しめるんです」

紬「・・・」ニコニコ

73. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:39:07.78 ID:8Tvag5feo

―――――3年生のクラス


「律さん、よく食べたね」

まき「三つも食べたよ」

律「うまかったからな。おかげでのんびりしちった」

紬「・・・」

ガチャ

姫子「あれ、席戻ってない・・・?」

信代「また移動させるの大変だろうからこのままHRにするって」

澪「今日は一日中学園祭の準備だからな」

いちご「・・・」

唯「・・・」クンクン

律「離れろ・・・」グググ

唯「りっちゃん・・・サーターアンダギーの匂いがするよ」クンクン

律「犬かよ・・・食べてきたんだよ」

唯「なんとっ、和ちゃん!?」

和「ぴぃ〜ぷぅ〜♪」

澪「和が白を切ってる・・・」

唯「一子ちゃんも食べたの?」

一子「うん、おいしかったよ」

唯「まだ残ってるよね!?」

律「すまん・・・。2年生たちとおいしくいただきました。全部」テヘ

唯「ふふ・・・」ユラリ

さわ子「遊んでいないで席があった場所に座りなさい。HR始めるわよ」

74. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:39:44.52 ID:8Tvag5feo

―――――昼・中庭


梓「本来なら授業している時間なのに、先輩方と過ごすなんて・・・」ウットリ

夏「・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

冬「・・・」

梓「明日の朝、目が覚めたら今日だったらいいのに」ハァ

夏「どうすんのこれ」

憂「うーん・・・」

純「目を覚まさせたら?」

夏「どうやって?」

純「眠ってはダメだー、バシィン」

夏「ぶつんだな!?」

憂「だ、ダメだよ!」

梓「今日が終わらなければ明日は来ないんだよね」ブツブツ

夏「なんか、へんなとこ向かって走ってるよこの子」

冬「いいなぁ・・・」

夏「よくない、よくない」

冬「一緒に作業できるんだよ?」

夏「あぁ、そっちね」

75. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:40:32.74 ID:8Tvag5feo
紬「・・・」ボケー

風子「・・・」

律「完成度いくつだって?」

姫子「和が85%だって」

いちご「午前中で10%上昇できたんだ・・・」

澪「余裕だな」フフフ

信代「あと15%か、・・・冬ちゃんのところはどう?」

冬「102%だそうです」

春子「その2%分ってなんだろ」

冬「わ、分かりません」

律「あ、今ボケた?」

冬「違いますよ」

律「ちゃんと聞いておけよ?」

冬「?」

76. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:41:21.64 ID:8Tvag5feo
律「平沢唯さんに尋ねます。私らの完成度はいくつでしたか?」

唯「聞いてなかったの?」

律「聞いていたぞ。それを踏まえてなんらかのリアクションをしろって事でだな」

唯「85%足す事の10%だっけ?」

和「聞いてなかったのね」

唯「ご飯に夢中だったんだよ」モグモグ

夏香「・・・」モグモグ

唯「なっちゃん、お弁当自分で作ってるの?」

夏香「ううん。母さんが・・・。時々姉さんだけど」

唯「そっかぁ・・・。うい、たまには私が作ってみせようぞ!」

憂「期待してるね」

唯「まかせんしゃい」ドン

英子「料理するんだ・・・。憂さんと一緒に楽しそうだね」

憂「えへへ」

梓「作った事あったの?」

憂「作ってみたいなぁって」

和「無かったのね・・・」

冬「私も料理しますよ」

夏「・・・」

姫子「・・・」

澪「・・・」

純「この静けさは・・・?」

夏「冬ねぇは・・・料理になにかしら実験するから・・・食べる人を困らせる・・・」

夏香「実験・・・って・・・」

唯「そいつぁいけねぇなぁ」

憂「お姉ちゃん、朝の新聞にダムの貯水率が載ってたね」

唯「うん。85%だったね〜」

律「どうだ?」

冬「?」

77. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:41:48.78 ID:8Tvag5feo
律「ここまでが唯のボケだ」

冬「・・・そうですか」

律「感心もてよっ!」スッ

冬「す、すごいですね!」

律「適当に褒めるなっ」ビシッ

冬「たっ」

澪「・・・」バシッ

律「いたっ・・・?」


78. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:42:42.76 ID:8Tvag5feo
風子「・・・」

紬「・・・」ニコニコ

風子「紬さん・・・」

紬「・・・?」

唯「・・・ん?」

風子「どうして、空を見上げていたの?」

紬「・・・」

澪「・・・」

風子「なにも、無いよ」

紬「・・・」

律「・・・」

風子「ただ、忘れさられていく雲が流れていくだけ」

紬「・・・」

梓「・・・」

風子「もしくは、誰にも気付かれない雲が流れていくだけ」

夏香「・・・」

英子「・・・」

風子「どの雲もその場に留まれず、ただ、ただ、たゆたうだけ」

冬「・・・」

夏「・・・」

風子「時間の流れの中にいる人のように・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

風子「そんな空になにがあるの?」

紬「・・・」トントントトン

風子「・・・」

梓「『空は雲だけではないよ』・・・です」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

和「・・・」

79. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:43:13.72 ID:8Tvag5feo
未知子「おーい、むぎさー・・・」

春子(なんていうタイミングで・・・)

信代(未知子・・・)

さわ子「タイミング悪かったようね」

紬「・・・」アセアセ

未知子「わ、私たちだけで行ってくるねー!」タラタラ

エリ「ご、ごゆっくりー!」

風子「行って来て・・・。ただのきまぐれで聞いたことだから、気にしないでね」

紬「・・・」

風子「・・・」

紬「・・・」コクリ

律「・・・むぎ」

紬「・・・」チラッ

梓「厳島神社での話を・・・?」

紬「・・・」クイックイッ

梓「分かりました」

紬「・・・」ビシッ

唯「買出しお願します」ビシッ

紬「・・・」ニコ

タッタッタ

風子「・・・」

春子「今の・・・、むぎが指を折り曲げたのは・・・なに?」

澪「鍵盤を空中で弾いたんだ・・・」

和「『よろしくね』でいいのかしら」

唯「そうだよ〜」

憂(よかった・・・聴けた)ホッ

夏純信代「「「  えぇー!!??  」」」

冬「おぉー」

姫子(よろ・・・だけだった・・・)

いちご(よ・・・だけ・・・)

80. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:44:07.40 ID:8Tvag5feo
英子「・・・」

風子「広島の?」

梓「そうです」

夏香「どうして厳島神社が出てきたの?」

律「観光したんだってさ」

いちご「・・・夏の旅で?」

唯「そうだよ」

春子「厳島神社ねぇ・・・よく知らないな・・・」

律「解説ボタンスイッチオン」ポス

冬「日本三景の一つ、広島県廿日市市の厳島の神社の事です
    高さ16メートルの鳥居が海の中に聳え立つ風景をごらんになった方も多いと思われます」

純「あぁ・・・あれか・・・」

夏「名前で気づけよ・・・」

冬「春日大社と気比神宮の大鳥居に並ぶ「日本三大鳥居」の一とされています。
    1996年、ユネスコの世界遺産として登録され、国内外の観光客が年間300万人台に達しています」

信代「ふーん・・・」

冬「厳島神社のある宮島は、古代より島そのものが神として――」

律「あ、もういいぞ」ポス

冬「ちなみに日本三景のあと二つは京都にある天の橋立、仙台にある――」
    
唯「松島だよね!」

憂「観光したんだよね」

唯「美しかったよぉ〜。松島や、あぁいいところ、松島や」

冬「ちなみにそれは石川啄木では――」

姫子「もういいから」ポス

冬「は・・・っ・・・ぃ」

81. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:45:06.57 ID:8Tvag5feo
律「私が降りた後の話か?」

梓「そうです。厳島神社へ二人で向かったんです」

澪「・・・そうか・・・・・・」

梓「夕陽が綺麗でしたよ。むぎせんぱいと一緒に鳥居をくぐって」

風子「・・・」

梓「えと・・・その・・・。その時、私は・・・むぎせんぱいの事で・・・不安な事があったんです」

憂「・・・」

姫子「聞いていい事?」

梓「・・・」

春子「そこの話は飛ばしてもいいんじゃないの?」

いちご「・・・要所だけ聞きたい」

梓「いえ・・・。それだと、伝わりませんから」

風子「・・・」

梓「むぎせんぱいが遠くに行っちゃいそうで・・・」

唯「あずにゃん・・・」

梓「笑ってはいるんですけど、むぎせんぱいの中で・・・何かが変化していて」

澪「・・・」

梓「その笑顔が不自然で、違和感があって・・・らしくない表情をみせて・・・」

律「・・・」

梓「それは、『別れ』を恐れていたからなんです・・・」

風子「っ!」ビクッ

姫子「むぎが・・・?」

梓「はい。むぎせんぱいが、です」

春子「・・・意外っていうか・・・・・・」

いちご「・・・うん」

梓「幼い頃、大切な人とのとても悲しい別れ方をしてしまって」

夏香「!」

英子「・・・」

梓「旅の中で出会った人と別れるたびに、『その時』が心を揺さぶっていたんです
    そのせいで・・・『別れ』が怖くなってしまって」

夏(・・・大切な人)

冬「・・・」

梓「姉のように慕っていたのに、時間がその人との記憶を忘れさせてしまったようです」

風子「・・・」

梓「ついでに言ってしまうと実はその人と再会を果たせていたんです。あの旅の中で・・・」

82. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:46:12.22 ID:8Tvag5feo
英子「紬さんは・・・『別れ』を・・・怖さを克服できたの・・・かな?」

梓「それは分かりません」

いちご「・・・どうしてこの話を?」

梓「私たちはむぎせんぱいの帰りを待つ事で、ずっと一緒にいられると思っていたんです」

夏香「・・・」

梓「『ずっと一緒にいましょう』と旅の終着地点で約束も交わしました」

唯「うん」

律「あぁ」

澪「ずっと、な」

梓「でも、今月の28日でその約束は・・・解消されてしまうんです・・・」

風子「・・・」

梓「むぎせんぱいが空を見上げる理由・・・それは――」

風子「私は・・・乗り越えられる。乗り越えられたから」

梓「・・・」

風子「私と紬さんは違う。悲しい別れは長い人生のうちに何度でも起こる」

律「そうだけど――」

風子「私は・・・果たされなかった約束で留まったりしない」

澪「私たちは――」

風子「ちゃんと進める。前をしっかりみて進んでいる」

唯「それは――」

風子「もう・・・そんな子どもみたいな時期は過ぎたから」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

83. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:47:36.04 ID:8Tvag5feo
風子「過去の悲しい事も、これから起こる悲しい事も受け止める」

夏香「まだ子どもだよ」

英子「『ふぅちゃん』のままだよ」
      
冬「・・・っ」

夏(冬ねぇ・・・)

風子「どうして?私は『別れ』にも耐えてみせるよ。どれだけの悲しい『別れ』でも
      それが成長の証なんだから・・・。紬さんとも――」

夏香「それを子どもだと言ってるんだよ」

英子「話を聞かない『ふぅちゃん』がここにいる」

風子「バカにしてるの・・・?」

英子「だって、梓ちゃんの話を聞いていないよね」

夏香「律さん、澪さん、唯ちゃんの言葉を遮って・・・。耳を塞いで、聞きたくないって駄々をこねているだけだよ」

風子「果たされない約束は薄れていくものだよ。・・・そうだよね?」

英子「・・・」

夏香「・・・」

風子「果たされていないのは『約束をしよう』っていう約束だけじゃないんだよ?」

英子「・・・?」

夏香「え・・・」

風子「小学校の卒業式の日、お姉ちゃん、夏香、英子、私。4人での約束」

英子「!」

夏香「!」

風子「『高校入学式、その前の日にみんなであの公園で』」

英子「・・・それは・・・・・・」

夏香「・・・」

風子「『別々の高校に行くことになっても、ここで会おう』」

英子「・・・」

夏香「・・・」

風子「指きりげんまんしていないから・・・印象に残らなかったよね・・・」

夏香「ッ!」

風子「でも、お姉ちゃんは来てくれた」

英子「・・・!」

風子「私は学園祭を成功させて、紬さんを見送る」

梓「・・・」

84. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:48:33.07 ID:8Tvag5feo
風子「午後の準備あるから、先に――」

冬「置いて・・・いかないで・・・ください・・・」

風子「・・・」

夏「冬ねぇ・・・」

風子「私は、進みたいから・・・。先に行ってる」スッ

スタスタ

唯「ふぅちゃん・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

梓「・・・」

冬「・・・っ」グスッ

夏「ほら、拭いて」スッ

冬「うん・・・」

英子「夏香・・・」

夏香「そういえば・・・その日の姉さん変な顔で笑ってた・・・」

英子「風子・・・入学式の日に・・・何も無かったって顔してたよね・・・」

夏香「忘れていたなんて・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

和「・・・」

英子「ごめんね・・・みんな・・・」

夏香「・・・ごめん」

姫子「・・・」フゥ

いちご「・・・」

信代「まずいよ・・・目的は同じでも、向かっている方向がまるで違う」

春子「・・・形だけの成功なんてなぁ」

85. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:49:14.77 ID:8Tvag5feo
律「言葉があっても伝えきれないのかよ・・・」

澪「・・・悔しいな」

唯「そうだね・・・」

梓「・・・ちゃんと答えてないです」

律「むぎが空を見上げた理由・・・か?」

梓「はい」

澪「・・・」

梓「やっぱり私ではダメですね。むぎせんぱいが伝えなくてはいけないと思います」

唯「そっか・・・」

夏香「・・・」

英子「・・・」

澪「そろそろお昼休み終わるな」

唯「準備だよっ!」

律「だな!」

春子「気持ちを切り替えはやいな」

律「このままで終わらせられないだろ」

澪「むぎとの『別れ』がすぐそこなんだ。俯いてられない」

唯「みんなで見送るんだよ。強くなってね!」

梓「ですっ!」

姫子「そうだね」

いちご「・・・うん」

信代「・・・」

春子「肝心の二人が下向いていいの?」

夏香「今の風子がいるのは・・・私のせい・・・だよ・・・」

英子「・・・私も」

姫子「そのせいってのはなに?・・・今の風子が悪いみたいなんだけど」

夏香「それは・・・」

いちご「離れていたら、伝わらない」

英子「・・・うん」

86. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:50:04.83 ID:8Tvag5feo

冬「離れて行っちゃった・・・」

夏「近づけばいいさ」

冬「・・・できるの?」

夏「やるの、冬ねぇが」

冬「・・・」

梓「・・・」



最終更新:2011年10月06日 03:05