純「・・・」

姫子「唯は動じてないね」

梓「唯先輩が言ってました。『人を想う事に悪いことなんてない』って」

姫子「うん・・・」

梓「少なくとも時間はまだあります。28日までは・・・」

慶子「それで納得する律さんじゃないよね」

梓「・・・そうですね」

純「・・・」ウンウン

慶子「もう1人大成功じゃないと納得しない人が・・・」ピッピッピ

冬「?」

夏香「ムードメーカーは『ふぅちゃん』であって、『風子』ではないんじゃ・・・」

梓「私たちは『ふぅちゃん』は知りませんけど、『ふぅ先輩』は知ってますよ」

夏「・・・」

姫子「帰るよ」

冬夏「「 は、はい 」」

慶子「・・・オッケ。じゃ後で」

プツッ

エリ「信代さん?」

慶子「うん。わたしもここで、バイバイ」フリフリ

エリ「あ、バイバイ」

いちご「・・・それじゃ、明日。バイバイ」

スタスタ

梓「あ・・・」

純「どうした?」

夏香「?」

梓「私たち3人だけになってしまいました」

夏香「ふふっ」

梓「・・・急に人が居なくなると寂しくなるんです」

純「子どもか・・・」

夏香「梓ちゃんって、たまに大人びているのにね。背伸びしているの?」

梓「そうです。こうやって」グググ

純「・・・」

夏香「景色が変わった?」

梓「そうでもないです。・・・よっ」ピョン

純「変わった?」

梓「大して変わらない」

夏香「・・・そっか」

梓「でも、隣にいると景色は近くなるんです」

夏香「・・・」

梓「夏香先輩はふぅ先輩と、どんな景色を見てきたんですか?」

純(・・・なるほど。その為に変な行動したのか)

夏香「私と姉さんの血が繋がっていないって話したっけ?」

梓純「「 え・・・ 」」

夏香「顔似てないでしょ?」

純梓「「 あ、そういえば・・・ 」」

夏香「・・・」

純「夏香先輩が父親似で」

梓「お姉さんが母親似だと・・・」

夏香「逆だけど。私が小学校上がる前だったな、父が姉さんを連れて来たの」

梓「・・・」

夏香「母と姉さんはすぐ打ち解けていたけど、私はいつまで経っても馴染めなかったのね」

純「・・・」

夏香「そして、小学校2年生の夏。風子と英子を家に呼んで遊んでいたとき、風子が聞いたの
   『この人だれ?』って」

純「・・・ぉぅ」

夏香「姉さんと私の間には距離があったから――」

・・・・・・

・・・

「はい、でこちゃん」

でこ「でこじゃないよ、ひでこだよー」

「あははっ、でこちゃーん」

ひでこ「でこって言っちゃやだー」ウエーン

「あ・・・、ふぅちゃんがわるいんだよ」

ふぅ「なっちゃんだって言ったもん!」

なつか「さいしょに言ったのふぅちゃんだよ!」

ふぅ「人のせいにしちゃダメなんだよ!」

ひでこ「ケンカしちゃやだー」ウェーン

なつか「・・・」

ふぅ「ごめん・・・ね・・・」

なつか「・・・うん」

ひでこ「ひっく・・・ぐすっ・・・」

ふぅ「・・・」

ひでこ「もう、ケンカしない・・・?ぐすっ」

なつか「・・・ごめ」

ガチャ

「ただいまー」

バタン

なつか「・・・!」

ひでこ「おうちの人かえってきちゃったね・・・ぐすっ」

ふぅ「なっちゃん・・・どうしたの・・・?」

なつか「う、ううん・・・」

「夏香ちゃんのお友達?」

ふぅ「この人だれ?」

「・・・」

なつか「・・・」

ひでこ「なっちゃん・・・?」

「ジュース出そうか?」

なつか「いい・・・」

「あ、・・・うん。・・・お菓子買ってくる?」

なつか「いい」

ふぅ「・・・」

「邪魔だよね、私部屋に行くから・・・」

ひでこ「・・・」

なつか「・・・」

ふぅ「まって!」

「?」

なつか「ふぅ・・・ちゃん・・・?」

ふぅ「なっちゃんにいじわるなことしてるんでしょ!」

「・・・」

ひでこ「・・・」ビクビク

なつか「ふぅちゃん!」

ふぅ「お姉ちゃんなのに、妹にそんなことしたらいけないんだよ!」

姉「・・・」

ふぅ「もうしないって、約束して!」

姉「しないよ」

なつか「・・・」

ひでこ「・・・」

ふぅ「・・・」プンスカ

姉「そんな、約束なんてしない」

スタスタ

ふぅ「?」

なつか「・・・?」

ひでこ「・・・ひどい・・・・・・」

ふぅ「どういうこと?」

ひでこ「いじわるするって言ったんだよ・・・!」

ふぅ「もぅおこったよ!」

タッタッタ

ひでこ「ふぅちゃん!?」

なつか「どこいくの!」

ふぅ「みんな来て!」

「ゲコゲコ」

ひでこ「そんな大きなカエルをどうするの?」

ふぅ「しかえしするんだよ」

なつか「や、やめようよ・・・」

ふぅ「お母さんがいってた『カエルが怖い』って。だからお姉ちゃんもこわいはずだもん」

ひでこ「・・・おこられるよ」

なつか「・・・ダメだよ・・・・・・わたし・・・」

ふぅ「『悪いことしたらダメ』ってお母さんがいってたもん。だからしかえしするんだよ」

なつか「・・・こまるよ・・・わたし・・・・・・」

ふぅ「みんな、しーっ」

ひでこ「・・・ごくり」

なつか「やめて・・・ふぅちゃん・・・」

ふぅ「なっちゃんにひどいことするかぎりやめないよ。お姉ちゃんのへやここだよね」

ガチャ

ソォー

ふぅ「いけっ」ヒョイ

カエル「げこげこ」ピョン

ソォー

バタン

ふぅ「なっちゃんのへやににげるよ!」

ひでこ「わわっ」

なつか「・・・っ」

タッタッタ

ガチャ

ふぅ「はやく!」

サッ

バタン

ふぅ「・・・ふぅ」

ひでこ「おこられるよ」

なつか「・・・ふぅ・・・ちゃん・・・・・・」

ふぅ「だいじょうぶ。おこられないから」


姉『きゃああああああああああああああ!!!!!!!』


ふぅ「みんな、トランプもって」

ひでこ「え・・・?」

ふぅ「いいから!なっちゃんももって!」

なつか「わたし・・・」


ドタドタドタッ

バンッ


姉「あんたたちでしょ!!」

ふぅ「なんですか?わたしたちトランプしているんですよ?」

ひでこ「・・・」ブルブル

なつか「・・・」

姉「あんな気持ち悪いものはやく捕まえてよ!」

ふぅ「わたしたちむかんけーです。カエルくらいじぶんでつかまえたらいいですよ。
   つぎ、ひでこちゃんのばんだよ」

ひでこ「う、うん」ガクガク

なつか「・・・」

姉「どうしてカエルだって知ってるの?」

ふぅ「?」

ひでこ「あ・・・」

なつか「・・・?」

姉「やっぱりあんたたちでしょ!ほらっ」グイッ

ふぅ「やー、はなして!」ジタバタ

姉「私は捕まえきれないのよ、なんとかして」

ふぅ「やーだー!」ズルズル

ひでこ「ふ、ふぅちゃん!」

なつか「・・・」


―――――・・・


ふぅ「今日はこれ」

ジャン!

なつか「くも・・・の、おもちゃ?」

ふぅ「うん。昨日はしっぱいしたけど、今日はお姉ちゃんに負けないんだから」

ひでこ「・・・やるの?」

ふぅ「お母さんにそーだんしたら『どんどんやれ』って」

なつか「そん・・・な・・・」

ふぅ「お母さんわたしたちのことよく知ってるからどうじょーしてるんだよ」

ひでこ「きょうかんって言うんだよ・・・」

ふぅ「みんな、しーっ」

ガチャ

ふぅ「それっ」ポイッ

バタン

ふぅ「いそげー」

なつか「・・・っ」

タッタッタ

ガチャ

ふぅ「みんなしょてーのいちについて」

ひでこ「わ、わかった」

なつか「・・・」

ふぅ「よにんめはクマさんね。よいしょ」

なつか「・・・」

ふぅ「・・・これでよし」

ひでこ「・・・」

なつか「・・・」

ふぅ「・・・」

シーン

ひでこ「お姉ちゃんねているじゃないの・・・?」

ふぅ「あれー?」

なつか「・・・」

ふぅ「なっちゃん・・・?」

なつか「なに・・・?」

ふぅ「昨日・・・あれからひどいこといわれたの?」

ひでこ「ひどい・・・っ」

なつか「う、ううん・・・。そんなことないよ」

ふぅ「しかえしがこわくておじけづいたんだよ」ウシシ

ひでこ「・・・よかった。なっちゃんがおこられたんじゃないかって」


姉『ぎゃああああああああああああああああ!!!!』


ひでこ「っ!」ビクッ

ふぅ「だいじょうぶだから。ちゃんとじゅんびもしているんだから、バッチリだよ」

なつか「・・・」

ドタドタドタッ

バンッ

姉「またやったわね!これおもちゃじゃないの!」ブンッ

バシーン

ふぅ「ほんものがよかったんですか?」ウシシ

姉「・・・」

ひでこ「ふぅちゃん・・・!」

なつか「・・・」

ふぅ「わたしたちじゃないですよ。みたらわかるとおもいますが」

姉「3人で人生ゲームしてんの?」

ひでこ「そ、そうですよ」

ふぅ「この人生ゲーム4人までだから、お姉ちゃんできないよ?」

なつか「・・・」

姉「そっち空いてるじゃん」

ふぅ「見えないんですか?クマさんがいるでしょ」

ひでこ「そ、そうです」

なつか「・・・」

姉「コマが進んでないけど?」

ふぅ「はじめたばかりですから」

姉「・・・」

ひでこ「・・・ふぅちゃん・・・・・・」

なつか「・・・」

姉「誰が勝ってるの?」

ふぅ「さっきはじめたばかりって言いましたよね」フッ

姉「やっぱりあんたたちじゃないの!来なさい!」グイッ

ひでこ「わたしじゃないよ!」

姉「でこちゃん賢そうだから部屋の片付け上手でしょ!」

ひでこ「でこって言わないでー」ズルズル

ふぅ「お姉ちゃんなんでわかったの!?」

姉「準備してあった感が拭えてないわ。それに本物ってなによ、おもちゃだって知ってたみたいじゃない」

ふぅ「・・・しまった!」

ひでこ「たすけてよぉー!」

ふぅ「でこちゃん!」

ひでこ「言わないでー・・・ぇ・・・」

バタン

ふぅ「あぁ・・・」

なつか「・・・」

ふぅ「ど、どうしよう」オロオロ

なつか「・・・あの人は・・・虫がきらい・・・」

ふぅ「そうだったね!カマキリがいたからつかまえてくるっ!」

タッタッタ

なつか「・・・」

ガチャッ

ふぅ「お姉ちゃんこれみて!」

ジャン!

姉「ひっ!」

ふぅ「でこちゃんを・・・あれ・・・?」

ひでこ「・・・」フムフム

姉「なんで虫が・・・っ!」ガクガク

ふぅ「でこちゃん、なによんでるの?」

ひでこ「でこっていわないで。マンガだよー、お姉ちゃんいっぱいもってるの」

姉「そ、それっ!自然に帰してきなさいよ!」

ふぅ「マンガなんておもしろくないよ。なっちゃんのへやでゲームしようよ」

ひでこ「うん・・・。分かったー」

姉「は、はやく行って!」

ひでこ「おじゃましました」ペコリ

ふぅ「おれいをいうひつようなんてないんだよ!えいっ」ポイッ

カマキリ「・・・」シャキーン

姉「ぎゃっ!!」

バタン


―――――・・・


ひでこ「今日はしかえししないの?」

ふぅ「お母さんが『罠を張る時期ね』って」

なつか「じきってなに?」

ふぅ「分かんない。きせつのことじゃないのかな」

ひでこ「わなをはるきせつってへんだよ」

ふぅ「?」

なつか「それがわな?」

ふぅ「うん。ドアがひらいたら上からセミのぬけがらがおちてくるしくみだよ」

ひでこ「1人であつめたの?」

ふぅ「うん。20こみつけるのたいへんだったよ。いつもまけてるきがするから、今日こそ」

なつか「・・・」


――・・・


ひでこ「・・・」

ふぅ「・・・」

なつか「・・・」

ひでこ「来ないね・・・」

ふぅ「・・・しっぱいだ」

なつか「あの人は・・・わたしのへやにこないよ・・・」

ひでこ「どうして?」

ふぅ「?」

なつか「わたしたち・・・しまいじゃないもん・・・」

ひでこ「・・・」

ふぅ「どういうこと?」

なつか「ちがつながっていないってことだよ」

ひでこ「・・・」

ふぅ「?」





姉「今日は来ないのか・・・」


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最終更新:2011年10月06日 18:01