――・・・


唯「さわちゃん来るよ!」

和「まだ30分前よ?」

ガチャ

さわ子「あら?みんなはやいのね」

夏「冬ねぇ、戻らないの?」

冬「あ・・・」

由記「手伝ってくれてありがとう、冬さん」

冬「ううん、大して手伝えてなかったから」

千雨「お化け屋敷見に行くからね」

冬「うんっ」

律「私たちも行こうな」キラキラ

澪「やだ!」

冬「それでは、また」

さわ子「待ちなさい冬ちゃん」

冬「え?」

さわ子「この衣装お勧めよ~」ジャン

冬「え・・・ぇ・・・え・・・?」

律「メイド衣装だろうが!」スパーン!

さわ子「いった・・・、なによ!むぎちゃんのメイドさんになるって聞いたのよ!?」

律「いつの話だよ!」

さわ子「そんなのいつだっていいのよ。さぁ・・・さあ!」ズィッ

冬「わわ・・・」

夏「やめてください!代わりに純が着ますから!」

純「・・・ん?」

ちか「『私が』ではない所がうまいよね」

さわ子「純ちゃんは一度着たからいいのよ」

律「え・・・ウソだろ・・・」

純「ウソですから。なんでそんなに引いているんですか」

澪「律も着たことあるんだぞ」

純「・・・」

律「なんだよ、無言はやめろよ!」

唯「さわちゃん!私が着るよ!」

さわ子「夏ちゃんでもいいわ、さぁ、着るのよ!冬ちゃんはこれでお化けを演じるのよ!」

夏冬「「 わわわ・・・ 」」」

和「ミイラ取りがミイラになったわね」

唯「無視されたよ」ガーン

さわ子「さぁ!・・・っ!」ギクッ

風子「なにをしているんですか?」

冬「あ・・・」

律「・・・」

信代「・・・」

さわ子「メイド衣装を着てもらおうかな~なんて思っていたのよ~」

風子「着せるのなら、茶店衣装の方がいいと思いますけど」

さわ子「そう・・・ね・・・」

冬「山中先生、ごめんなさいっ」ダッ

タッタッタ

夏「・・・ふぅ、助かった」

夏香「風子、どうしたの?」

風子「あとはこっちの作業手伝おうと思って」

夏香「そっか・・・」

さわ子「どうしたのよ、迫力が無くなったわよ」ヒソヒソ

律「子どものお遊びは卒業したって事だろ」

さわ子「なによそれ・・・?」

律「言葉のまんまだよ」

さわ子「・・・」

律「うーし、むぎんとこ行ってこよーっと」

純「あ、私も行きます。屋台班の班長として把握しておかないと」キリ

唯「私も行くよ!」

和「今は下ごしらえよ」

唯「やめとくよ!」


律「唯のやつ・・・つまみぐい目当てか・・・」

純「・・・」

律「・・・」

純「小学校の頃色々あったみたいですよ?」

律「興味ない」

純「・・・」

律「私が興味あるのはどう楽しむか、それだけだって」

純「そう・・・ですね・・・!」



―――――調理室


いちご「・・・」

姫子「風子は淡々と作業していたね・・・」

いちご「・・・うん」シャカシャカ


紬「・・・」シャカシャカシャカシャカ

梓「かき混ぜるの、腕疲れませんか?」

紬「・・・」フゥ

梓「交代です!」

紬「・・・」スッ

梓「・・・」シャカシャカ

エリ「梓ちゃん上手ねー」シャカシャカ

梓「そ、そうですか?」テレッ

いちご「風子が言ってた」

姫子「?」

『梓ちゃんは夏ちゃんと冬ちゃんを置いて先に進んでしまうって事かな』

いちご「――って」

姫子「梓ちゃんにあの人の過去を話すかどうかの時だよね?」

いちご「うん」

姫子「『先に進んでしまう』・・・か・・・」

いちご「・・・風子は先に進んでしまったのかな」

姫子「梓ー!」

梓「なんですか?」シャカシャカ

姫子「あの人の過去って聞いてる?」

梓「どの人ですか?」

姫子「えぇと・・・その・・・」

律「梓と波長が合わないヤツだよ」

梓「・・・過去なんてあるんですか?」

純(相馬轍さんの過去・・・私も知らないや・・・)

いちご「・・・どうなの?」

梓「知らないです」

姫子「そっか・・・。うん、ありがとう」

梓「人っておかしくないですか?」

「「 ? 」」

梓「・・・虎徹の話ですよね?」

純「もういいよ!あっち行って!」

梓「なに・・・?」

姫子「なんでもない」

律「どこまでも合わねえのな・・・」

梓「む・・・」シブシブ

純「まったく・・・虎徹の過去ってなんだよ」

いちご「・・・印象に無いって事は知らないんだよね」

姫子「そうだね」

いちご「風子は・・・先に答えをみつけたんだね・・・」

憂「できあがりました」

純「手馴れたもんです」

憂「お姉ちゃんに作ってってねだられるから、慣れちゃった」エヘヘ

律「1つ食べていい?」

憂「どうぞ」

律「もぐもぐ」

いちご「どう?」

律「揚げたてだから余計にうめえ・・・」

紬「・・・」スッ

律「お茶もくれるのか・・・ありがと」

紬「・・・」ニコニコ

律「ふぅ・・・、落ち着くなー」マッタリ

純「外の景色をみながらのんびりしたいですね」

律「あぁ・・・。でも、登校時間だからやらんけどな」

紬「・・・」トントントントトン

姫子「いい空間を演出・・・か・・・」

梓「お菓子とお茶があれば、それだけで楽しめるんです」

紬「・・・」ニコニコ



―――――3年生のクラス


「律さん、よく食べたね」

まき「三つも食べたよ」

律「うまかったからな。おかげでのんびりしちった」

紬「・・・」

ガチャ

姫子「あれ、席戻ってない・・・?」

信代「また移動させるの大変だろうからこのままHRにするって」

澪「今日は一日中学園祭の準備だからな」

いちご「・・・」

唯「・・・」クンクン

律「離れろ・・・」グググ

唯「りっちゃん・・・サーターアンダギーの匂いがするよ」クンクン

律「犬かよ・・・食べてきたんだよ」

唯「なんとっ、和ちゃん!?」

和「ぴぃ~ぷぅ~♪」

澪「和が白を切ってる・・・」

唯「一子ちゃんも食べたの?」

一子「うん、おいしかったよ」

唯「まだ残ってるよね!?」

律「すまん・・・。2年生たちとおいしくいただきました。全部」テヘ

唯「ふふ・・・」ユラリ

さわ子「遊んでいないで席があった場所に座りなさい。HR始めるわよ」



―――――昼・中庭


梓「本来なら授業している時間なのに、先輩方と過ごすなんて・・・」ウットリ

夏「・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

冬「・・・」

梓「明日の朝、目が覚めたら今日だったらいいのに」ハァ

夏「どうすんのこれ」

憂「うーん・・・」

純「目を覚まさせたら?」

夏「どうやって?」

純「眠ってはダメだー、バシィン」

夏「ぶつんだな!?」

憂「だ、ダメだよ!」

梓「今日が終わらなければ明日は来ないんだよね」ブツブツ

夏「なんか、へんなとこ向かって走ってるよこの子」

冬「いいなぁ・・・」

夏「よくない、よくない」

冬「一緒に作業できるんだよ?」

夏「あぁ、そっちね」

紬「・・・」ボケー

風子「・・・」

律「完成度いくつだって?」

姫子「和が85%だって」

いちご「午前中で10%上昇できたんだ・・・」

澪「余裕だな」フフフ

信代「あと15%か、・・・冬ちゃんのところはどう?」

冬「102%だそうです」

春子「その2%分ってなんだろ」

冬「わ、分かりません」

律「あ、今ボケた?」

冬「違いますよ」

律「ちゃんと聞いておけよ?」

冬「?」

律「平沢唯さんに尋ねます。私らの完成度はいくつでしたか?」

唯「聞いてなかったの?」

律「聞いていたぞ。それを踏まえてなんらかのリアクションをしろって事でだな」

唯「85%足す事の10%だっけ?」

和「聞いてなかったのね」

唯「ご飯に夢中だったんだよ」モグモグ

夏香「・・・」モグモグ

唯「なっちゃん、お弁当自分で作ってるの?」

夏香「ううん。母さんが・・・。時々姉さんだけど」

唯「そっかぁ・・・。うい、たまには私が作ってみせようぞ!」

憂「期待してるね」

唯「まかせんしゃい」ドン

英子「料理するんだ・・・。憂さんと一緒に楽しそうだね」

憂「えへへ」

梓「作った事あったの?」

憂「作ってみたいなぁって」

和「無かったのね・・・」

冬「私も料理しますよ」

夏「・・・」

姫子「・・・」

澪「・・・」

純「この静けさは・・・?」

夏「冬ねぇは・・・料理になにかしら実験するから・・・食べる人を困らせる・・・」

夏香「実験・・・って・・・」

唯「そいつぁいけねぇなぁ」

憂「お姉ちゃん、朝の新聞にダムの貯水率が載ってたね」

唯「うん。85%だったね~」

律「どうだ?」

冬「?」

律「ここまでが唯のボケだ」

冬「・・・そうですか」

律「感心もてよっ!」スッ

冬「す、すごいですね!」

律「適当に褒めるなっ」ビシッ

冬「たっ」

澪「・・・」バシッ

律「いたっ・・・?」

風子「・・・」

紬「・・・」ニコニコ

風子「紬さん・・・」

紬「・・・?」

唯「・・・ん?」

風子「どうして、空を見上げていたの?」

紬「・・・」

澪「・・・」

風子「なにも、無いよ」

紬「・・・」

律「・・・」

風子「ただ、忘れさられていく雲が流れていくだけ」

紬「・・・」

梓「・・・」

風子「もしくは、誰にも気付かれない雲が流れていくだけ」

夏香「・・・」

英子「・・・」

風子「どの雲もその場に留まれず、ただ、ただ、たゆたうだけ」

冬「・・・」

夏「・・・」

風子「時間の流れの中にいる人のように・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

風子「そんな空になにがあるの?」

紬「・・・」トントントトン

風子「・・・」

梓「『空は雲だけではないよ』・・・です」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

和「・・・」

未知子「おーい、むぎさー・・・」

春子(なんていうタイミングで・・・)

信代(未知子・・・)

さわ子「タイミング悪かったようね」

紬「・・・」アセアセ

未知子「わ、私たちだけで行ってくるねー!」タラタラ

エリ「ご、ごゆっくりー!」

風子「行って来て・・・。ただのきまぐれで聞いたことだから、気にしないでね」

紬「・・・」

風子「・・・」

紬「・・・」コクリ

律「・・・むぎ」

紬「・・・」チラッ

梓「厳島神社での話を・・・?」

紬「・・・」クイックイッ

梓「分かりました」

紬「・・・」ビシッ

唯「買出しお願します」ビシッ

紬「・・・」ニコ

タッタッタ

風子「・・・」

春子「今の・・・、むぎが指を折り曲げたのは・・・なに?」

澪「鍵盤を空中で弾いたんだ・・・」

和「『よろしくね』でいいのかしら」

唯「そうだよ~」

憂(よかった・・・聴けた)ホッ

夏純信代「「「 えぇー!!?? 」」」

冬「おぉー」

姫子(よろ・・・だけだった・・・)

いちご(よ・・・だけ・・・)

英子「・・・」

風子「広島の?」

梓「そうです」

夏香「どうして厳島神社が出てきたの?」

律「観光したんだってさ」

いちご「・・・夏の旅で?」

唯「そうだよ」

春子「厳島神社ねぇ・・・よく知らないな・・・」

律「解説ボタンスイッチオン」ポス

冬「日本三景の一つ、広島県廿日市市の厳島の神社の事です
  高さ16メートルの鳥居が海の中に聳え立つ風景をごらんになった方も多いと思われます」

純「あぁ・・・あれか・・・」

夏「名前で気づけよ・・・」


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最終更新:2011年10月06日 18:04