――Aブロック――

律(うーん。怖いと思ってた人はいないかな。軽音部もいないし)

純「わっ!」

律「うひゃあ! っと、なんだ佐々木さんか」

純「鈴木です。律先輩、Aブロックなんですね。これは強敵だ」

律「それじゃあ斎藤さんもAブロックかー」

純「間違えるならいっそ純って呼んでください!」

律「あはは。純ね。キャラはなに使うの?」

純「隠してても仕方ないですから教えますよ。フォルテです!」

律「うわぁ、当たりたくないなぁ」

純「そんなこと言っても駄目ですよ! 私のフォルテで択りまくりますから!」

律「フォルテはちょっとなー……」

純「そういう律先輩だって豪鬼じゃないですか。どっちもどっちですよ」

律「いやいや! それはないだろ!」

律(しかしフォルテか……参ったな。聡もフォルテは使えるけど、あんなの対策とはまた違ったものがあるぞ)

純「二本先取でも、結構サクサク進みますね。これ、何日もかける必要あるのかな」

律「確かになー。他のタイトルがあるわけでもないのに、3日もかける必要あるのかな」

純「連休は5日ありますけど、連休が三日なくなっちゃうのはなー」

律「おやおや純ちゃん。今日負けた人は別に出席の義務はないんだよ?」

純「その台詞は律先輩にそのまま返します」

律「ムムム……!」

純「フフンっ!」

律(頭にきてても仕方ない。梓にフォルテ対策でも聞きに行くか)

純(豪鬼なら何度も対戦した! だから大丈夫な筈!)

律「あーずさー」

梓「あ、律先輩だ。純と同じブロックなんですよね。がんばってくださいね」

律「うん。それでなんだけど、フォルテ対策を教えてくれないかな」

梓「それはもちろんいいですよ!」


梓「まず、この動画を見てください」


律「これは?」

梓「ちょっと古いですけど、スト4の豪鬼全一対フォルテ全一の試合です。豪鬼の起き攻めの妙がすごく
わかりやすいと思います」

律「ときど108式か」

梓「はい。これを使えば、フォルテにははっきりいって負けません。なにせすべての行動が潰されて、なおかつ
択に持ってかれるんですから」

律「なるほどな。私もこれなら練習したよ。サンキューな」

梓「はいっ!」

律「よーし流石は梓だ! これで勝てるぞ!」

梓(見てすぐできるならいいけどなぁ……)

澪「ずいぶん余裕だな梓。人にアドバイスなんて」

梓「そうでもありませんよ。むしろ、私が一番余裕ないです。なんといっても――同じ軽音部の澪先輩と
同じブロックなんですから」

澪「今まででも何度かは勝ってるんだ。ワンチャンは十分あるぞ!」

梓(澪先輩とは三回戦……それまでは手の内を隠しておかないと)


唯「よし、二回戦突破! やっぱりリュウは万能だね!」

姫子「……まだリュウ使ってたんだ。しかも相当強い。ちょっと驚きだよ」

唯「姫ちゃんとは同じブロックだね! 絶対負けないよ! それでリュウが強いことを教えてあげる!」

姫子「そうだね。もしかしたら負けちゃうかも。私のヤン」

唯「……ヤン」

姫子「せっかくやるなら勝ちたいじゃない。その上で、最強キャラを使うことは悪いとは思わない」

唯「うん。私もそれでいいと思う。でも、それでも私のリュウはもっと強いよ」

姫子「次の試合は私たちよ。どうぞよろしく」

唯「うん――!」

放送『Cブロック、平沢唯さんと立花姫子さんの試合はピックアップ試合となります。壇上にどうぞ』

唯「!?」

姫子「ちょうどいい舞台じゃない。せっかくだから、壇上を経験して負けなさい」

唯「ふんだ!」

紬「唯ちゃん……」

いちご「姫子と試合……どうだろう。どっちが勝つと思う?」

紬「そんなの、唯ちゃんに決まってる――!」

いちご「どうかしら。キャラ差はもちろん、姫子の人間性能を知ったらそんなことは言えないと思うよ」

紬「え?」

いちご「姫子はソフト部。ボールやストライクなどの一瞬の判断はお手の物よ」

唯「――!?」

姫子「……」パンっ!

パシュン

紬「え? 嘘――」

いちご「そう。姫子の動体視力と反射神経は常人のそれとは遙かに逸脱しているの。その証拠があれ」

紬「あんなのされたら……勝てるわけが――」

いちご「姫子は、投げを見てからグラップ出来る。これに加えてヤンの攻め。唯に勝てる要素はない――!」

唯「うう……」

ガッガッパシュン

唯(駄目だ。見てから対応してるとしか思えない! これじゃあ択なんて成立しないよ!)

唯(波動拳の削りでダメージはとれるけど、こんな少しじゃ勝てない――!)

唯「でも――!」

姫子「!?」

唯「これは反応速度とは関係ないよ!」

姫子「あ」

ヤン「うわあああああああああ!!」

澪「なるほど! 攻撃するから見てから対応される! だったらこっちも待てばいいんだ!」

梓「しびれを切らして、攻めてきたらゆっくりと対応すればいい。まさに基本に忠実なリュウの戦い方です!」

いちご「反応だけじゃあ、勝てないってことね」

紬「やった! 唯ちゃんが勝った!」

律「試合の描写って難しいな……」

純「律先輩、メタ発言はやめてください!」


唯「姫ちゃん! ありがとう!」

姫子「こちらこそ。いくらなんでも、私の攻め全てに対応してくるなんて思わなかったわ」

唯「えへへ。私も反応には自信あるからね!」

姫子「そうはいっても、やっぱり対策の賜物よ」

唯「うん!」

律「っと、次は私か」

純「私が相手ですよー!」

律「そうだったっけ。まあ、負けることはないけどな!」

純「そんなー!」

澪「次は梓とか」

梓「負けませんよ」

紬「いちごちゃん、よろしく」

いちご「これに勝ったらブロック代表……」

放送「山中先生、Dブロック代表決定です」

さわ子「やったー!」




Aブロック 決勝戦

田井中律(豪鬼) VS 鈴木純(フォルテ)

Bブロック 準決勝

琴吹紬(ザンギエフ) VS 若王子いちご(ダルシム)

Cブロック 決勝戦

平沢唯(リュウ) VS 近田春子(ケン)

Eブロック 三回戦

秋山澪(サクラ) VS 中野梓(ザンギエフ)

Fブロック 決勝戦

平沢憂(ハカン) VS 佐々木曜子(サクラ)

Gブロック 決勝戦

真鍋和(ヴァイパー) VS 瀧エリ(ルーファス)

Hブロック 決勝戦

中島信代(ホーク) VS 高橋風子(バルログ)




律「絶対負けないぜ!」

純「勝つのは私です! 勝って……あ、そうだ。律先輩、お願いがあります」

律「ん?」

純「もし私が勝ったら、私を澪先輩に紹介してください!」

律「いいけど……フツーに話しかければいいじゃん」

純「それもそうなんですけど……ほら、ファンクラブの目がありまして」

律「なぁる。でも、それは私に勝ったらだぜ?」

純「はい!」

律「それじゃあいくぜ! 私は豪鬼だ!」

純「私はフォルテです! さあ轢き殺しますよ!」

純(この人はいい人だ。普通なら、私に負けたら澪を紹介してやると言うところを、そうしなかった。やっぱり、
梓に聞いた通り、この人は素直で、優しくてかっこいい軽音部の部長さんだ!)

純「――!」タンタンたん

フォルテ「タアタアタアタア!!!」

律(大Pループ!? しかも6回!? ――でも!)

純「――!」 

豪鬼「でいっ!」

フォルテ「ぐっ!」

純(これがときど108式――! 完全に再現してる!)

律「このまま――よし!」

純「――負けた!」

律「よし! 1セット!」

純「……」

律「さあ、キャラ変えるか!?」

純「もちろん……! 私はユンに変えます!」

観衆「ざわざわ――!」

律「ユンか……いいぜ! 来いよ!」

純(普段は梓とやってるこの人に、ユンで勝てるとは思えない。でも、私は勝ちたいんだ!)


ユン「うわああああああああああああああああああ!!!!!」

律「私の勝ちだ!」

純「うう……参りました。ユンまで使ってこれじゃあ、情けないですよね」

律「そうか? 私はいいと思うよ。勝ちにこだわって何が悪いんだよ。これは勝負事なんだから」

純「……えへへ。そう、ですよね。ありがとうございました!」

律「――」さらさら

律「はい」

純「?」

律「澪の連絡先。純ちゃんのやる気と真剣度、ちゃんと伝わったよ!」

純「――ありがとうございます!」

律「へっへー。これからも梓をよろしくなー!」

純「こちらこそ!」


紬「……いちごちゃん。私のザンギにダルシムなんて、すごいね」

いちご「別に被せたわけじゃない。私のドリルキックを舐めてると、このまま相性通り終わりだよ」

紬「フフ……」

いちご(なにも起こらない。このまま、スト2をするだけ)タンタン

紬(ワンチャンス。ワンチャンスをとれれば私の勝ちなんだから――!)タンタン

律「うーん……やっぱりきつそうだな」

純「ザンギの牽制が時折当たるくらいで、距離は詰まってくれませんね」

律「ただ、これはスト2じゃないからな。ウルコンが入れば或いは――ってゲームだぜ」

純「そうですね。でも、これは……」

紬(距離が詰まらない――やっぱりワンチャンすらないの? でもこれなら!)

いちご「あ」

律「EXバニ二回!? 強気すぎるだろ!」

純「でも一気に間合いが詰まりましたよ! それに画面端!」

ザンギ「祖国のために!」

ダルシム「ヨガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

紬「やった!」

いちご「……」

律「これがスト4だぜ!」


純「すごい……ムギ先輩、もう完全に若王子先輩のクセを見抜いてる」

律「ここまで攻めるザンギは数少ないだろうな。それに、ムギのザンギは――」

ザンギ「どりゃあ!」

律「そう。通常投げさ。ザンギはどうしてもグラップが空きがちだからな」

純「でも……ほら、グラップ入れ始めた」

律「それはそれでいいのさ。だって――」

ザンギ「祖国のために!」

ダルシム「ヨガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

いちご「――」

紬「……ふぅ」

律「よっし! ムギが勝った! さすがだ!」

純「すごいですね。グラップ潰しにウルコンなんて、ここまで『やっていくスタイル』なザンギは見たことがない」

紬「あと一回でブロック代表ね!」

いちご「……がんばって」

進行『Cブロック、平沢唯さんが代表決定!』

唯「やったー!」

春子「スパ4貸したのは私だぜ!?」

進行『続いて、Gブロック、代表は真鍋和さん!』

和「当然の結果ね」キラン

エリ「コーラが足りなかったー!」

進行『おっと、Hブロックも代表決定! 高橋風子さん!』

風子「ベスト8からはメインキャラでいくね」

信代「がんばれえええ!!」バンバン

進行『それではEブロック三回戦、ピックアップマッチ。秋山澪さん、中野梓さん、壇上へどうぞ』

梓「さあ、いきましょう」

澪「ああ」

澪(なにがいきましょうだ。私のサクラにザンギエフだと? こんなに露骨な被せは今までなかったぞ!)

梓(きっと澪先輩怒ってるだろうな。でも、私は勝つ!)

いちご「……サクラはどうなの?」

紬「もちろん。梓ちゃんの考えは正解よ。ザンギエフはサクラに強い」

いちご「軽音部の子は、そのことはもちろん知って?」

紬「それもまたもちろん。梓ちゃんは勝ちにこだわってるわ」

律「いや、梓は昔からザンギ好きだったのかもよ?」

純「それはないですよ……」

澪「――!」

梓「……」タンタン

いちご「……サクラがどんどん画面端に持ってかれてる」

紬「逃げ空中春風も――あ! 頭突きで落とされてピヨリーチ!」

律「梓の徹底っぷりにはまったくもって脱帽だ」

純「それがいいところなんですけどね……」

観衆「……」


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最終更新:2011年10月11日 09:59