律「よし! 今日の練習はこれにて終了!」
唯「は~、疲れたよ~……」
紬「唯ちゃん頑張ってたわね」
澪「うん。今日はかなり集中してやることができたな」
梓「学園祭も近いですしね」
澪「週末にもまた集まって特訓するか」
律「え~……。週末くらい休ませろよ~」
澪「ダメ! まだまだ完璧じゃないんだから」
澪「特に律はやっといた方が……」
唯「ごめんね、澪ちゃん。今週末は私予定があって……」
紬「お出かけ?」
唯「うん」
澪「そっか……。なら仕方ないな」
律(この扱いの差はいったい……)
梓「どこに行くんですか?」
唯「私の行きつけの服屋さんで同じようなTシャツを買ってる人がいてね」
唯「なかなか私たちのセンスを理解する人がいないって話になって盛り上がっちゃってさ」
唯「よくよく話てみたら同い年の子でね」
唯「それからメアド交換して仲良くなったんだけど、たまには会おうって話になったんだ」
律「へ~(Tシャツって、あの唯の部屋着のことだよな……)」
澪「そうなんだ~(確かにあのセンスは理解し難いものがある……)」
梓(唯先輩と同調し合えるってことはその人のセンスも絶望的って事ですね……)
紬「で、どこで会うことになったの?」
唯「えっとね、風香ちゃんの家だよ」
律「風香ちゃん?」
唯「うん。その子、綾瀬風香ちゃんっていうんだ♪」
ピンポ~ン
かーちゃん「はいは~い」
風香「あ、お母さん私が出る」
ガチャ
唯「こんにちは~」
風香「ようこそ我が家へ、あがってあがって」
唯「おじゃましま~す」
風香「ささ、部屋に入って」
唯「うわぁ~♪ 素敵なTシャツがいっぱい」キラキラ
風香「へへへ、タンスの中からいっぱい引っ張り出してきちゃった」
唯「このゴーヤーTシャツすっごくいいね!!」
風香「でしょ? お姉ちゃんの沖縄土産なんだ。限定品よ限定品!」
唯「こっちのなんだかよく分からないキャラクターが描かれたのもかわいいね♪」
風香「ああ、お父さんTシャツね」
唯「お父さん?」
風香「なんだか分からないけど、何故かお父さんなのよ」
唯「へ、へ~……」
唯「じゃあまぁ、ここらへんで私のとっておきも披露するとしますかっ!!」
風香「いよっ! 待ってました!」
唯「じゃ~~ん!!」
風香「おお! いなかの米とはっ!? なかなかハイセンスですな!」
唯「えへへへ~」
風香「なんだかそのTシャツを着たら日本人って感じがするよね」
唯「そうそう、なでしこジャパン!」
風香「大和撫子?」
唯「あ~……まぁ、どっちでもいいんだけどさ」
風香(あっさり流された!?)
唯「おっ!? 16才Tシャツ発見!!」
風香「おやおや、やはりお目が高い。でもそれ着れるのもあとちょっとなんだ~」
唯「私も、11月が誕生日だから着るなら今のうち! だねっ!!」
風香「着てみる?」
唯「いいのっ!?」
風香「16才Tシャツは16歳の限られた期間にしか着れないものだからよ!」
唯「ありがとう! 風香ちゃん!!」
唯「じゃあ、私からはこの、としこしTシャツをプレゼントいたします!」
風香「えっ!! そんな貴重なもの、本当にいいの!?」
唯「うん! ぜひ今年の大晦日に年越しそばを食べながらこのTシャツを着てね」
風香「でも、そしたら唯ちゃんが……」
唯「いいの、私は去年着たから。だから今年は風香ちゃんの番だよ!!」
風香「唯ちゃん……」ジワッ
風香「ありがとう……ありがとう……!!」
唯「じゃあ、早速16才Tシャツを……と」ヌギヌギ
風香「じゃあ私も……。あっ! このロマンスTシャツ着てみてもいい?」
唯「うん、いいよ」
…
…
…
唯「ふふん! どう? 今誰が見ても私は16歳に見えるはずだよね!!」
風香「なかなかの着こなしね!」
唯「風香ちゃんは……。なんかちょっとキツそうだね……」
風香「うん、ちょっと胸の辺りがキツイかな……」
唯「……まぁ、分かってはいたんだけどさ……」
風香「ん? なんか言った?」
唯「ううん。なんでもないよ」
風香「そ、そう?」
風香「は~、でもこんなにTシャツで盛り上がれる仲間を見つける事ができたなんて」
風香「ほっっっんと、唯ちゃんと知り合えてよかったわ!」
唯「私もだよ、風香ちゃん。でもさすがにこのTシャツで外に出られないからね~」
風香「えっ!?」
唯「だから同じ仲間を見つけるのも一苦労だよ。普通は部屋着だしね」
風香「う、うん。そうね!(私普通に外にも着ていってるけど……)」
唯「さすがにその辺の分別はあるよね」
風香(実は私ってば、かなり恥ずかしいのかな……)
唯「どうしたの? 風香ちゃん?」
風香「ゆ、唯ちゃんは学校では何か部活してるの!?」
唯「えっ!? う、うん。してるよ(なに? いきなり)」
風香「へ~。何してるの?」
唯「えっとね、軽音楽部に入ってるんだ」
風香「軽音楽部!? ば、バンドとか組んでるの!?」
唯「うん、そだよ~」
風香(ほわっとしてる風に見えてかなりイケイケなんだ……)
唯「パートはギターなんだ~」
風香「ギター!? じ、じゃあこれ弾ける?」
唯「うわ~、ちっちゃいギターだね」
風香「うん、ウクレレ」
唯「あ~、でもこれベースだから私弾けないや」
風香「えっ? ウクレレだよ」
唯「ほら、弦が4本でしょ。弦が4本のはベースっていうんだよ」
唯「私知ってるんだ、なんせ軽音部員だから!」ふんすっ!
風香「へ、へ~……(よかった、イメージ通りの子だわ)」
\お~い、えな~。あそびにきたぞ~!/
唯「誰かきた?」
風香「あ~。おとなりの子」
唯「なんか元気いっぱいだね」
風香「そうだ! ちょっと会ってみる?」
唯「へっ?」
風香「かなり面白い子なのよ」
唯「へ~、なんか楽しそう♪」
風香「振り回されないように気をつけてね~」
唯「大丈夫、だいじょ~ぶ」
よつば「こんにちはジュラルミンです」
恵那「だからジュリエッタだってば~」
風香「恵那~?」
恵那「何? お姉ちゃん」
唯「こんにちは~」
恵那「こんにちは。お姉ちゃんのお友達?」
よつば「だれだ!! てをあげろ!!」
唯「ひっ!?」
風香「こらこら、よつばちゃん。この子は私のお友達よ」
よつば「なんだ、あやうく……」
唯「(危うく何!?)別に怪しい者じゃないよ~」
よつば「そーかー。ふーかのともだちか~」
よつば「なんのおもてましもできませんが」
唯「……? うん、よろしくね。
平沢唯っていいます」
よつば「こいわいよつば!」
唯「よつばちゃん?」
よつば「うん! あ!? しまった!!」
恵那「どうしたの?よつばちゃん」
よつば「まさかきょう、しょうだんあいてがくるとはおもってなかった」
よつば「だから、めいしをよういしてない……」
唯「商談相手?」
風香「ね、面白い子でしょ?」
唯「う、うん」
唯「よろしくね、よつばちゃん」
よつば「よろしくなー!」
よつば「なーなー」
唯「なに?」
よつば「ゆいはどこからきたんだ~?」
唯「私? んん~っと……。ひ、左の方?」
よつば「おお~! きぐうだな。じつはよつばもひだりのほうからきたんだ」
よつば「ばーちゃんちがひだりのほうにあってな~」
唯「へ~、じゃあ一緒だね♪」
よつば「こんなこともあるもんなんだな~」
唯「世間って意外と狭いね」
よつば「だなっ!!」
恵那「ねぇ、お姉ちゃんの友達って……」
風香「うん。そうかなとは思ってたけど、結構凄いわね……」
恵那「へ~、バンドやってるですか、カッコいいですね」
唯「でへへ、それほどでも」
よつば「なー、バンドってなに~?」
唯「楽器を演奏したり、歌ったりするんだよ」
よつば「あ~、うたな~。よつばもよくやってる」
唯「そうなんだ~」
よつば「こうみえてけっこうすごい。とーちゃんもよくほめてくれる」
唯「じゃあ、歌ってみて」
よつば「わかっぱ!」
唯「?」
よつば「だいめいは、ひだりからきました」
よつば「ひだりから~よつばはきました~♪」
よつば「ゆいも~ひだりです~♪」
よつば「おはしも~ひだりです~♪」
よつば「……ちがいました~おちゃわんでした~♪」
よつば ぺこり
唯「わ~!! すごいすごい!!」パチパチ
よつば「このすごさがわかるゆいもさすがだな」
唯「じゃあお返しに、私も!!」
唯「エアギター!! ギャッギャ~ン♪」
風香「!?」
恵那「!?」
よつば「ど、どうした!? ゆい!? だいじょうぶか!?」
唯「あれっ? みんなどうしたの?」
恵那「い、いきなりでビックリしちゃって」
風香「唯ちゃんってほんとうに軽音部員?」
風香(ウクレレも知らなかったし……)
唯「失敬な! これでもリードギターでボーカル任せられてるんだよ!!」
風香「ええ~……」
唯「うっ……」
よつば「いや、よつばにはわかる!!」
唯「さすが~! よつばちゃん!!」
よつば「とーちゃんもしごとがおわると、ときたまああやってあばれるときがある」
よつば「とーちゃんは、よつばがおもうにけっこうすごい」
よつば「だから、おなじようにあばれたゆいもすごいはず」
唯「ん? よく分からないけど褒めてくれてるんだよね?」
風香「も~、本当は軽音部っていうのはカッコつけでしたって吐いちゃいなよ~」
唯「ち、違うよ!! 本当なんだから!!」
唯「そうだ! 来週の日曜日うちの学校の学園祭だから見に来てよ」
唯「ライブするから!!」
風香「ほ、本当に!?」
唯「うん! 嘘じゃないってお見せします!!」
風香「へ~。面白そうね。行ってみようかな」
よつば「よつばもいく!!」
唯「恵那ちゃんもどう?」
恵那「ん~、その日はみうらちゃんと遊ぶ約束してるからな~」
よつば「みうらもいっしょにいけばいい」
恵那「だめなんだよ、よつばちゃん」
恵那「あんまり登場人物が増えると書ききれなくなるでしょ?」
よつば「?」
恵那「だから私は今回お留守番なの」
恵那「あさぎお姉ちゃんや虎子さんやしまうーさんも出る予定はないし」
よつば「???」
恵那「私はよく知らない人だけど、やんださんも出ないよ」
よつば「あ~、やんだはでなくてもいいな」
恵那「以上、業務連絡終わり」
よつば「でな~きょうな~ふうかのともだちがきててな~」
ジャンボ「ほぉ~。美少女だったか?」
よつば「うん! ひだりからきたっていってた!」
ジャンボ「?」
よつば「でな~……。そうだっ!? とーちゃん!!」
とーちゃん「ん~? なんだ~?」
よつば「よつばもいきたい!!」
とーちゃん「どこに?」
よつば「ゆいのがくえんさい!!」
とーちゃん「学園祭?」
よつば「こんどのにちようび!」
ジャンボ「ゆいって? 風香ちゃんの友達か?」
よつば「えっとな、ゆいがな、あばれたりするのをみにいくんだ」
ジャンボ「プロレスでもするのか?」
とーちゃん「でもな~……」
よつば「いいこにしますのでっ!!」
とーちゃん「いや、締切がな……」
よつば「ええ~~~っ!! はっ……そういえば!?」
よつば「ふーかがこれいったら、とーちゃんもきたくなるっていってた」
とーちゃん「なんだって?」
最終更新:2010年01月25日 05:09