夜道
聡「ふぅ、部活の練習で10時にまでなってしまったぞ」
?「田井中 聡くんね?」
聡「!?だ、だれだ!?」
?「落ち着いて話を聞いてちょうだい」
聡「まさか、ゆ、誘拐しようってのか?」
?「そうね、そうなるかもしれないわ」
聡「ひ……や、やめてくれ……」
?「なら、すこしお話、いいかしら?」
公園
聡「……で、話しってなんなんだ……」
?「頼みがあるのよ」
聡「頼み?」
?「これを、お姉さんの部屋に置いて来て欲しいのよ」
聡「これは……豆?なんだ?」
?「超小型カメラと盗聴器よ」
聡「は……!?な、なんだそれ!そんなこと……!」
?「お姉さんとその友達をオカズにしてることバラしてもいいのよ」
聡「へ……な、なんで知って……」
?「報酬はこれよ、お姉さんの部活中のだらしい格好と、友人澪さんのパンチラ集」
聡「……ゴクリ」
聡「う、承りました」
?「ふふ、よろしくね」
?「あ、あとこれ、一応お風呂場にも」
聡「わ、わかった……」
?「それじゃ、このこと誰かに話したら……わかってるわね?」
聡「わ、わかったよ……でももしバレたら……」
?「バレないように、やるのよ」
聡「そ、そんな……」
?「頑張ってね、それじゃ」
聡「行ったか……?」
聡「ど、どうしよう……こんな姉ちゃんを売るみたいな……」
聡「でも……」チラッ
聡「ま、まぁ……バレなきゃいいか……」
紬「ふふ、うまく行ったわ」
紬「これで……」
紬「うふ、うふふふふ……」
ガチャ
斎藤「お嬢様、担任の山中様からお電話が……」
紬「あら?先生から?なにかしr……」
紬「あぁ!!」
斎藤「お、お嬢様!?」
紬「な、なんでもないわ!かけ直すといっておいて!」
紬(ど、どうしよう……すっかり忘れてたわ……)
紬(困ったわ……)
紬「とりあえず、電話しよう……」
トゥルルルルルルルルル
紬「……」ドキドキ
さ『もしもし?』
紬「こ、こんばんは……」
さ『……あれ、遅かったのね』
紬「ご、ごめんなさい!ちょっと用事があって……」
さ『……まぁいいわ、じゃあ明日行くわね』
紬「へ?」
さ『だから、紬ちゃん家に行くわ、家庭訪問よ!』
紬「そ、そんな急に無理です!」
紬「お父様もお母様も明日は用事があって……」
さ『あら、別にいいわよ、用があるのはムギちゃんだけだし』
紬「えぇ……それってただの遊び……」
さ『それじゃあ寝るわ!おやすみ!』
紬「あ、先生!」
プープー
紬「……どうしよう」
紬(これじゃりっちゃんたちの営みがみれないじゃない!)
紬「なにか対策を考えなきゃ……」
朝
チュン……チュン……
紬「……」
紬(結局思いつかなかったわ……)
紬(あの人ならなにを用意しても突破してきそう……)
紬「ふわ……眠たい……」
紬「時間は……7時、まだ余裕はあるわね」
ピンポーン
紬「あら?こんな朝早くに誰……まさか」
斎藤「お嬢様、山中さんがお見えに……」
紬「……」
さ「ムギちゃーん!来たわよ♪」
紬「お、おはようございます……じゃなくて!なんでこんな早くにくるんですか!」
さ「え?だめ?」
紬「だめってわけじゃないですけど……寝てるかも、とか考えないんですか」
紬「……で、本当になんの用事なんですか?」
さ「遊びにきちゃった☆」
紬「……斎藤、送ってさしあげて」
さ「わー!やめて!休日はお茶もケーキもなくて苦痛なのよー!」
紬「……もう、わかりました、今出させますから」
さ「あ、ムギちゃんが淹れたのが飲みたいの」
紬「私の、ですか?もっとおいしいお茶淹れる人がいますよ?」
さ「いいのいいの、お願いできる?」
紬「まぁいいですけど……斎藤、ケーキを用意しておくよういっておいて」
斎藤「かしこまりました」
紬「それじゃあ、すこし待っていてくださいね」
さ「はいよー」
紬(ふぅ……先生はよくわからないな)コポコポ
紬(澪ちゃん着替えさせてる見てたりするのは楽しいけど……)
紬(急に家に来たり、電話するよういってきたり……)
紬「ん、そろそろいいかな……」
紬「おまたせしましたー」
さ「おかえり、あなた良い下着持ってるのね」
紬「ありがとうございます、でもちゃんとしまってくださいね」
さ「1つもらっていっていいかしら?」
紬「だめです」
さ「それにしてもこの家広いわね、あなたもう人生の勝ち組みよ」
紬「お父様とお母様のおかげです」
さ「いいわねー、将来も不安なんてないんでしょうね」
紬「そんなことないです……」
紬「みんなとバンドをしていたいですけど、やっぱり家の仕事を継がなければならないのか、とか」
紬「もし、私が抜けた後もみんなは続けていて、私がいないバンドで楽しくやっているとしたら……」
紬「そんなこと考えると、なんだかすごく寂しい気持ちになります」
さ「そう……」
さ「それにしても、やっぱりムギちゃんが淹れた紅茶はおいしいわね~」
紬「今日はいい葉を使いましたから、いつもよりおいしいと思いますよ」
さ「そうね~、それもあるけど……やっぱりムギちゃんだからおしいのよ」
紬「っ……そ、そうですか……」ドキッ
紬(ん?今の『ドキッ』はなに……?」
さ「ケーキもおいしいわ~」
紬「……クリーム、ついてますよ」
さ「あらホント」
紬(はっ!いけない、忘れるところだったわ)
紬「せ、先生?満足いただけたなら、そろそろお帰りに……」
さ「え?なんで?」
紬「あ……いえ、なんでもないです……」
紬(どうしよう……これじゃ盗撮映像が見れない……)
紬(時間は……まだ大丈夫そうだけど……)
さ「今頃みんなはなにしてるかしらね~」
紬(……そうだ!)
紬「先生?唯ちゃんの家にでもいってみればどうですか?たぶん、ひまだと思いますよ」
さ「へ?いいわよ別に」
紬「そ、そうですか……」
紬(失敗か……ああもう時間が……)
さ「ムギちゃん?さっきから時間気にしてるけど、みたい番組でもあるの?」
紬「……!そ、そうなんです!1人でみたいものなんです!」
さ「ふーん?あ、もしかして……」
紬「な、なんですか?」
さ「ふふ、そうよね、1人で見たいわよね」
紬「……!?」
紬(うそ、バレたの!?でもどうやって……)
さ「そろそろ時間だものね、プリキュア」
紬「へ……?」
さ「まぁ、高校生にもなって見てるのが恥ずかしいのはわかるけど」
紬「……」
さ「恥ずかしがることないのよ、私も見てるもの……一緒に見ましょう、プリキュア!」
紬「あの……違います」
さ「え?そ、そう……なんか恥ずかしいカミングアウトしてしまったわ」
紬「まぁ見てますけど……(ラブせつはおいしいもの)
さ「やっぱりウエスターはかっこいいわよね~」
紬(……この人とは友達になれないわね)
さ「そういえばコスチュームも作ったのよ、今度澪ちゃんに着せるの」
紬「!!!じ、GJ!!!」
さ「とりあえず3人分のはあるわ」
紬「あの、イースのは……」
さ「え?誰?」
紬「……(だめね、この人)
さ「さぁ、時間よ!テレビはどこ?」
紬「あちらのテレビルームです……」
さ「テレビ専用の部屋なんてあるのね、いちいち来るの面倒くさくない?」
紬「これが当たり前だったので、もう慣れました」
さ「へぇ……すごいのね……」
紬(くっ……流れで見にきてしまったわ……)
さ「始まるわ!」
紬(!今のうちに様子を見に行けばいいんじゃない!)
紬「先生、お茶持ってきますので、見ててくださいね」
さ「悪いわね、お願いするわ」
紬「さて、TR(ツムギルーム)に急がないと!」
紬「ふふ、今はどんな感じかしら」
ピッ
紬「ここは……部屋ね、誰の部屋かしら……」
紬「ん?あの後ろ姿は……」
『はぁ……はぁ……!』
紬「……」
『うっ……姉ちゃん!』
トゥルルルル
紬「あ、もしもし田井中さんのお宅ですか?聡くんの友人なんですけど」
聡『はい、もしも……』
紬「みてたわよ」
聡『!?』
紬「オナニーなんてしてないで、さっさと仕掛けてきなさい……」
聡『は、はい……』
紬「ふむ……今のはりっちゃんの部屋だったみたいね……」
紬「ん……?の、和ちゃん!」
紬「つ、ついに来たのね……!ハァハァ」
紬(く……でも先生をそのまま放置しておくわけには……!)
…
さ「ふぅ、今日も面白かったわ~」
さ「ってあれ?そういえばムギちゃんが戻ってきてないわね……」
さ「こんな広い家で1人って……どうしようかしら」
斎藤「何かお困りですか?」
さ「あなたは……斎藤さん、でしたっけ?」
斎藤「はい、執事の斎藤でございます」
さ「ムギ……紬さんがお茶を持ってくる、って言ったきり戻ってこないのだけど……」
斎藤「紬お嬢様でしたら先ほど自室に……」
さ「ホント?あの、案内して貰えるかしら?この家広くてわからないのよね」
斎藤「かしこまりました、こちらです」
その頃
紬「はぁ……今日も普通に遊んでるだけね……」
紬「まぁ微笑ましいけど、ちょっとつまらないわ」
コンコン
紬「斎藤?今は入っちゃだめよ!」
さ「私なんだけどな~」
紬「せ、先生?すいません、斎藤と勘違いして……」
さ「とりあえず、入れてくれる?」
紬「ちょ、ちょっとまってください!」
紬(と、とりあえずモニターを消して……!あぁもう、どうしてここがわかったの!)
さ「まだー?」
紬「い、今あけまーす!」
ガチャ
紬「はぁ……はぁ……ど、どうしたの先生?プリキュアは?」
さ「もうとっくに終わってるわよ」
紬(私ったら30分も見入ってたのね……)
さ「まったく、お茶も持ってきてくれないしひどいじゃない」
紬「ご、ごめんなさい……」
さ「それにしても2つも部屋があるのね~、うらやましいわ」
紬「ここはちょっと特別な……いえなんでも」
さ「でもなにしてたの?やたらモニターがあるけど」
紬「こ、これはその……ゲーム用の……」
さ「これでゲームできるの!?やりましょう!}
紬「ごめんなさい嘘です……」
さ「び、微妙な嘘つくのね……」
さ「はぁ……まぁ、人には見られたくないものもあるわよね」
紬「そ、そうなんです、見られたくないので、今日はもう……」
さ「あえてそこに突っ込むのが私よ!さぁつけなさい!」
紬「え、えぇ!?やめてください!」
さ「いいから!いいから!」
紬「よくないです!あぁ!変なところ弄らないで!」
さ「これか!?これか!?」
紬「あ!だ、だめぇ!」
※モニターを操作してます
さ「こ、これは……りっちゃんと和さん?」
紬「あぁ、もう終わり……」
さ「まさか……盗撮?」
紬「はい……(もう、先生を消すしか……)
最終更新:2010年01月14日 17:20