しばし思い出話タイム。
大学はどうだったのか、仕事の話や、ちゃんと貯金はしてるのか、ちゃんとご飯は食べているのかと話す内容はたくさんあった。



姫子「ふふふっ」


唯「姫ちゃんも酔った?」


姫子「うん、さすがにねぇ…」


唯「目がトロンとしてるもん」


姫子「じゃあ酔ってる」


唯「あたしはまだまだ飲めるよー」


姫子「強いねー…唯は」


意外にもなかなかの酒豪の平沢唯立花姫子もびっくり!
開けたばかりの一升瓶も四分の三は飲んだ。



姫子「あぅ…もう駄目…」

唯「あらら、姫ちゃま」


ついに机に突っ伏してしまった。


唯「お茶ですよ」


姫子「ありがと…」ゴキュゴキュ


唯「姫ちゃんのそんな様子初めてかも」


姐御肌であり、男勝りランキングで律の次点を射止めた姫子が、弱々しく机にへたりこむ姿はめったに見ることはできないだろう。



姫子「帰らなくてよかったかな…」


唯「ぽ?」


姫子「唯と久しぶりに沢山話せたし、家は何にもないしね」


唯「うん、わかるわかる」

姫子「皆でワイワイやった後に一人になると、すごい寂しくならない?だから…」


唯「姫ちゃん…寂しい…?」


姫子「今は大丈夫、だって唯と一緒だから」


唯「…!」キュルルルルン


姫子「なーんて…ふふ、ちょっとドキッとした?」


唯「うっ…うん」


姫子「はい…すごいね、一升瓶飲み干しちゃったよ」

唯「姫ちゃん、あたしを酔わせてどうする気?」


姫子「ふふ、私の方が酔ったから」


姫子「じゃあ消すね」


唯「はーい」


姫子「狭くない?」


唯「平気だよ」


姫子「そう、じゃあおやすみ…」


唯「姫ちゃん、おやすみ」

明かりを消すと、なかなか強い雨のようで雨音が聴こえる。


唯「…」


姫子「…んん」スヤスヤ


唯「(なんか緊張する…)」

至近距離のすぐに眠りについた姫子を、横目でチラチラと見ていてばかりで、なかなか寝付けない。


唯「(姫ちゃんが一人…姫ちゃんが二人…)」


姫子「…」ムクッ


唯「…!」


姫子「唯…起きてる?」


唯「あ…うん」


姫子「…」ニコ


唯「…」テヘッ


無言で微笑む姫子に笑顔で答える。


姫子「…唯もたまに寂しくなる?一人暮らししててさ」


唯「うん…前は憂がいたからね~…」


姫子「…じゃあ、慰めてあげる」


唯「ほぇ…?」


むぎゅぎゅ


姫子「ほら…」ギュ


唯「ふぁ…」


姫子「ふふ、ちょっとお酒臭いかもだけど」


唯「ううん…落ち着く…」

姫子「よしよし」ナデナデ


唯「(暖か柔らかいよぉ…)」キュルルルルン



姫子の胸に抱かれ、唯はその感触を堪能した。


姫子「唯ってよく抱き着いたりとかしてたじゃない?」


唯「うん…」


姫子「唯がじゃれるの見ててね、ちょっと羨ましかったんだ」


唯「そうだったんだ…」


姫子「ふふ、嫉みとかじゃないけどね」


唯「じゃあさじゃあさ、今日は朝までじゃれちゃおう」


姫子「本当に?嬉しいな」


言ってくれればよかったのにと唯は思った。
五年もの歳月を経て姫子の夢を叶えてあげれた自分を、今日だけは褒めてあげよう。


姫子「…」クゥクゥ


唯「(トイレ行きたい…)」

40分ほど経っただろうか、姫子は唯に抱き着いたまま寝息をたてる。


唯「(起こさないように…)」モゾモゾ


姫子の両腕をそっと外す。ベッドから上手く抜け出せたと思った矢先。


姫子「唯~…どこ行っちゃうの?」


唯「姫ちゃっ…トイレだよ」


姫子「行っちゃやだ…」


唯「すぐ戻ってくるから…ね?」


姫子「…わかった」


唯「(なんだろう…この罪悪感…!)」


後ろ髪引かれる思いで唯はトイレに向かう。
姫子の寂しげな潤んだ瞳を見て、唯は思った。
姫子を待たせぬように一刻も早く排泄を済ませようと…!



唯「(ううっ…待っててね)」シャー…



唯「ふぅ…すっきり…」


尿意から解放され安堵の表情を浮かべ、ベッドに戻る唯。


姫子「…あ」


唯「姫ちゃん、お待たせ」

姫子「おかえり」


誘導するように布団をポンポンと叩く。


唯「ただいま」ポスッ


姫子「…」ムギュギュ


唯「わっ…えへへ、姫ちゃん甘えん坊さん」


姫子「わかった?ふふ」


唯「うん」


姐御肌な彼女が見せる意外な一面。そのギャップが唯を狂わせる。


唯「…姫ちゃん」


姫子「どうしたの?」


唯「ちょっちゅ…キスしていい?」


噛んだ。

それを聴いた姫子はクスリと笑って頷くと


姫子「ん…いいよ」


唯「…」ゴクリ


姫子「…唯?」


酔った勢いとは言え大それたことを言ってしまった。それを受け入れてくれた姫子。


唯「ちょっと待ってね…」


姫子「…じゃあ、あたしからしちゃうぞ」


唯「えっ…んっ…」チュ


躊躇する唯を見兼ねて姫子は唯の唇を奪う。


姫子「…どう?」


唯「どうって…?」


姫子「あたしのキス」


唯「う…う~んと…」


姫子「ふふっ」


返答に困った唯の顔を見て微笑する姫子。


唯「上手く言えないけど…すごいね…よかった」


姫子「唯らしい答えね」


お互いに顔を見合わせて笑う。


姫子「…なんか暑くなってきちゃったね、汗かいちゃった」


唯「んっ…ん」


姫子「はぁ…んっ…」


静かな部屋には、舌を絡めあう音、唾液が交わる音が響く。

徐々に姫子のワイシャツは開け、下着が殆ど見える状態になっていた。


唯「姫ちゃん…」


姫子「唯…」


ふわふわ時間ならぬ、ぺろぺろ時間。



姫子「あぅ…」


唯「えへへ…姫ちゃん、汗舐めたげる」


姫子「ちょっと…いやっ…」


唯「(ちょっぴりしょっぱい)」ペロペロ


姫子「あぅぅ…」


唯「クールな姫ちゃんの意外な一面」


姫子「何言ってんの…エロ唯」


唯「むー!姫ちゃんから来たくせに!」


姫子「私は…抱きしめただけよ?」


唯「お○ぱい擦りつけてきたくせに!」


姫子「そっ…それは…」


唯「それは?」


姫子「唯が…可愛らしいくて…ギュッとしたくなっちゃって…」


唯「……///」ポッ


姫子「ふふ、あらあら?」

唯「なんだよぅ…///」


姫子「そういうとこもね、ポイント高いよ」


唯「へへ…」ムギュギュ


姫子「よしよし」ナデナデ


唯は思った。
お姉さんみたい…。
こんなにも甘えたくなるのは姫子だけだろう。安心する。


姫子「…!」


唯「どしたの?」

姫子「…チャイム」

唯「え?」


耳を澄ましてみると確かに聞こえた。雨音に混じり聴こえ辛かったのだ。


唯「こんな時間に…誰かな?怖い」


姫子「…大丈夫、私がいるから」


唯「うん…行ってくる」


恐る恐る玄関に向かう唯。しかし、ペロペロ時間を中断されて黙っているわけにはいかない。


唯「はぁい」


三回目のチャイムが鳴った後、ドアノブを少し開けた。

唯「あっ…!!」


律「唯…!」

唯「律ちゃん、どうしたの?」


律「ごめん、終電逃しちゃって…さ」


申し訳なさそうな顔をする律。全身びしょ濡れで下着がスケスケだ。


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最終更新:2011年10月27日 23:00