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「おもいで!」



教授「で、あるからにして……それはつまり」

憂「……」カキカキ

純「zzz」

梓「……」

梓(うぅ、何だか頭が痛いよぉ)


教授「なるほど……ということであり……であり……である、ということはないのだが」

梓(何でこの教室こんなに暑いんだろう)

教授「しかし……とは一般的に見て間違っているが、私としては」

梓(体がふらふらする……もう限界)

梓「」クテー

憂「?」

憂「梓ちゃん、大丈夫?」

梓「うん、少し熱っぽいだけだから」

憂「授業抜ける?」

梓「いや、もうちょっとだから何とか頑張る」

純「zzz」

純「く~~よく寝た~!」

憂「純ちゃん、ちゃんと授業聞かないとダメだよ」

純「だってあの教授の授業眠いんだもん。あれはきっと眠くなる呪文でも唱えてるに違いない」

梓「……」フラフラ

憂「梓ちゃん、大丈夫?」

純「何? 体調悪いの?」

梓「うん、少しだけど」

憂「授業中からずっと体調悪そうだったよね」

純「今日はもう帰って休んだら」

梓「でも、まだ授業が残ってるし」

純「か~、真面目だねえ」

憂「体壊したら元も子もないよ」

梓「……そうだね、今日はもう帰る」

純「ん。送ってこうか?」

梓「いや、一人で大丈夫」

憂「でも……」

梓「大丈夫だって、一人で帰るぐらいできるよ」

憂「うーん……」


梓「それじゃばいばい」

憂「お大事にね」

純「無理するなよ」


梓「……」

梓(二人にはああ言ったけど、正直大分きつい)

梓「……」フラフラ

梓(うー、やっぱり送ってもらえばよかったかなあ)

梓(ち、ちょっとあそこのベンチで休憩……)

梓「……」ヘナヘナ


「おーい、あずさ!」


梓「あ、こんにちは」

澪「おっす」

律「一人か?」

梓「はい、もう家に帰ろうかと……」

律「さぼり?」

澪「バカ、律じゃあるまいし」

律「失礼な!」

澪「それで、梓はどうしたんだ」

梓「……」

澪「何かあったのか?」

梓「その、何だか熱っぽくて」

律「へっ」

澪「風邪か?」

梓「はい、多分大したことないと思うんですけど」

澪「一人で大丈夫なのか?」

梓「……何とか」

律「……」

律「澪、私次の授業パス」

梓「へっ?」

澪「分かった、了解」

律「それじゃ梓、帰ろうか」グイッ

梓「ち、ちょっと律先輩?」

律「また明日な!」

澪「お大事に」

梓「だ、大丈夫だったんですか?」

律「……」

梓「律先輩ってば……あっ」フラッ

律「おっと」ガシッ

梓「ご、ごめんなさい」

律「……」

梓「え、えっと」

律「」ピタッ

梓「!?」

梓「ち、近いですよっ」

律「黙って」

梓「っ……」

律「んーこりゃ熱いな。いつからだ」

梓「ね、熱っぽいなって思ったのは昼過ぎぐらいからで」

律「ばか」

梓「なっ!」

律「すげー熱あんじゃん。こんなになるまで無理してどうすんだよ」

梓「それは……大丈夫かなって思って」

律「で、今になって一人で帰ろうとしたって訳か?」

梓「むっ、そうですよ!」

律「……ばか」

梓「う、うるさいですっ! だって純や憂に迷惑かけたくなかったから」

律「だったら私を頼ればいいだろ」

梓「……」

律「私じゃ頼りないか?」

梓「いえ、ただ心配かけたくなくて……」

律「どれだけ一緒に暮らしてるんだよ、水くさいっつーの」

梓「……ごめんなさい」

律「ほら、おんぶしてやるよ」

梓「へっ?」

律「もう大分きついんだろ? 早く」

梓「で、でも」

律「この時間帯は人通り少ないし、どうせ見られたところで何にもないだろ」

梓「……お願いします」

律「よっし、しっかり掴まれよ」

梓「……」



梓「律先輩」

律「うー、どしたー?」

梓「大丈夫ですか?」

律「ちときついな……梓太った?」

梓「……降ります!」

律「冗談だよ冗談」

梓「もうっ!」

梓「それにしても、律先輩におんぶしてもらうの久しぶり」

律「あれ、したことあったっけ?」

梓「覚えてないんですか?」

律「ごめっ、思い出せそうで思い出せない」

梓「ひどいです、大事な思い出なのに」

律「う~ん、どうも頭にひっかかって」

梓「高校のときの話ですよ」

律「んー?」

梓「唯先輩を背負った澪先輩を追いかけて……」

律「あー! 思い出した!」

律「そーだそーだ! 梓おぶって廊下走ってたら盛大にさわちゃんにぶつかったんだっけ!」

梓「それです、正解」

律「唯たちは逃げちゃったもんだから、二人してさわちゃんに怒られたんだよな確か」

梓「ふふ、そうでしたね」

律「『あなたたちは小学生か!』ってさわちゃんが鬼の形相を浮かべて」

梓「その後小一時間お説教もらいました」

律「懐かしー!」

梓「……」

梓(こうやって、思い出話ができるぐらい長い付き合いになりましたね)

律「梓、もうすぐ家に着くぞ」

梓「はーい」

律「帰ったらすぐに薬飲んで、寝るんだぞ」

梓「分かってますよ」

梓(いつかまた、何年かたって……)

梓(今日のことを思い出として話せるようになったらいいな)


梓「律せんぱーい」

律「んー?」

梓「……」


ずっと一緒にいてください。




「おんなじ!」



梓「ばっさーん!」

律「こら、せっかく畳んだのに崩れるだろ」

梓「ふかふかの洗濯物に突っ込むって気持ちいいじゃないですか」

律「そりゃ気持ちは分かるけどさ」

梓「くんくん……ああ、お日様の良い匂い」

梓「もしかして洗剤変えました?」

律「分かる? 液体タイプのにしてさ」

梓「はい、癒される匂いです」スー

律「暇なら手伝ってくれよ」

梓「はーい。でももう少しこうさせてください」

律「仕方ねえなあ」


きゃんぱす!


憂「それでね、ムギさん酔っぱらっちゃって」

純「あのムギ先輩がねぇ。想像できんわ」

憂「私千鳥足になるのが夢だったの~って大喜びで」

梓(寮って楽しそうだなあ)

梓(ううん、律先輩との共同生活だって楽しいもん!)

「あっずにゃ~ん!」ダキッ

梓「にゃあぁっ!?」

憂「お姉ちゃん!」

唯「えへへ~久々だねえ」

梓「おととい会ったばかりじゃないですかっ」

憂「ダメだよ、お姉ちゃん。めっ!」

唯「あうぅ~」

憂「梓ちゃん、人妻なんだからっ」

唯「はっ! そうだよね、りっちゃんに怒られちゃう」

純「憂、何か間違ってない?」

梓「納得してくれたならいいよ」

唯「は~、確かにりっちゃんとあずにゃんは夫婦だもんね!」

梓「そ、そんな風に言わないでください」

純「はぁ、お熱いねえ」

憂「仲良しさんだもんね」

梓「うぅ……」

唯「そっか、だから二人から同じ匂いがするんだ! 合点したよ!」

梓「はいっ!?」

純「ぶっ!」

憂「お、お姉ちゃん?!」

梓「い、いきなり何を言い出すんですか!」

唯「だって本当のことだもん」

憂「ま、まあ一緒に生活してるもんね。匂いが似てくるのはとうぜ……」

紬「唯ちゃん詳しく」

純「ぶっ!!!」

梓「き、急に出てこないでください!」

紬「たまたま通りがかったの~♪」

梓(本当にたまたまなんだろうか)

紬「それでそれでそれでお話の続きは?」

梓(ムギ先輩、すごく目が輝いてる……てか眉毛がすごい充実している)

唯「さっきの講義でりっちゃんと一緒だったんだけど」

紬「うんうん」

唯「朝のあいさつでりっちゃんに抱きついたんだ」

梓「今何て言いましたか?」ズイッ

唯「ひっ! だからりっちゃんに抱き……」

梓「律先輩に 抱 き つ い た ?」

唯「は、はい。その通りです」ガクガク

梓(許さない許さない帰ったら問い詰めてやる)ムカムカムカ

憂「あ、梓ちゃんが怖いよ」ブルブル

純「よしよし。梓は律先輩が絡むとこうなるからなあ」

紬「まあまあまあまあ」

唯「四回」

紬「それで?」

唯「うん、その時ほのかに匂った香りがさ」

唯「あずにゃんに抱きついたときにも匂ったんだ」

梓「!?」

紬「キマシタワー」

純「シャンプー、芳香剤……あるいは洗剤の香りだね」

憂「一緒に住んでるんだもん、当たり前だよ」

梓「///」

唯「あずにゃん顔真っ赤~」

梓「か、からかわないでください!」

憂「お姉ちゃん、めっだよ」

紬「あまりいじめたら可哀想よ」

純「まあ、よくある話じゃないですか」

唯「ぶー、そういうみんなだってさっきから顔がにやけっぱなしじゃん!」

憂「だって……」

純「そりゃ……」

紬「……ねぇ?」

一同「……」ニヤニヤ

梓「うぅ……」


じたく!

梓「……」

梓「りーつせんぱーい」ダキッ

律「わ、なんだよ急に」

梓「いいじゃないですか」ギュウ

律「今日は甘えたモードだな」

梓「えへへっ」

梓「……」スー

梓(律先輩、すごくいい匂い……)

梓(私とおんなじ匂いか)

梓「ふふっ」ニパー

律「どした、顔がにやけてるぞ」

梓「何でもないですよ♪」

律「ふぅん?」

梓「ところで律先輩」

律「んー」ナデナデ

梓「昼間、唯先輩に抱きつかれたそうですね」

律「」

律「……ど、どうしてそれを」

梓「本当の話だったんだ」

律「き、汚ねーぞ! カマかけたな!」

梓「詳しくお聞きしましょうか?」ニコニコ

律「……はい」




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最終更新:2011年11月11日 03:44