梓「……」スゥ…スゥ…

梓「…………ん」モゾ

梓「……」

パサッ

梓「さむっ」ブルッ

トコトコトコ  ガチャ パタン

トントントン

 ・
 ・
 ・

トントントン

ガチャ パタン タタタタタ

梓「うう、さむさむ」モゾモゾ

梓「……ふぅ」

梓「……」

梓「……」スゥ……



~ 中野梓はふたたび就寝中です ~



梓「……」スゥ…スゥ…

梓「……」ビクッ

梓「ぬぅ……たい……やき……」ムニャ…

梓「……らめぇ」

梓「……」

梓「……」スゥ…

ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピ プツッ

梓「ふぁ……」

梓「……」モゾモゾ

梓「……」フー…

梓「いょしっ!」ガバッ

梓「うひっ、さむっ!」ブルッ

バサッ トコトコ ガチャ パタン

トントントントン

ガチャ パタン ・・・ ザー ・・・ ガチャ パタン

トコトコ

梓「おはよー」フアァ…

母「おはよ」

父「おはよう」

梓「なんか急に寒くなったねー。……!! これって」パアァッ

父「ん。誕生日おめでとう、梓」

母「おめでとう」

梓「ありがとう! ね、開けてもいい?」

父「もちろん」

梓(なんだろう……)ワクワク

ガサガサ

梓「……あっ、ヘッドフォン?」

父「そのヘッドフォン、音が柔らかいから勉強の時に聴いても疲れないと思うよ」

梓「わぁ、ありがとうお父さん。……この封筒は?」カサッ

母「それは私からね」

梓「……チケット? あ、これ、行きたいって思ってたライブ!」パアァッ

母「勉強の息抜きと、久し振りに3人でどうかなと思って」ニコッ

梓「うれし……。お母さんもありがと」ニコニコ

母「喜んで貰えて良かった。じゃ、ほら、ご飯食べちゃいなさい」

梓「はーい。いただきます!」


 ・
 ・
 ・

トントントン

ガチャ パタン トコトコ

チカチカ

梓「ん、メールきてる」パカッ

梓「わわっなんかいっぱい……。あ、菫と奥田さんからも」

梓「んと。ありが、とう……今日、も、部室、で……」コチコチコチコチ

ピッ

梓「あー……、あとは学校行きながらにしよ」パタン


 ・
 ・
 ・

サッサッ シュルシュル キュッ

梓「よし、と」

梓「教科書とノートOK、体操服OK、お弁当OK、むったんOK」

梓「お泊まりの準備もOK、と。あとは……ん? わっ時間! やば!」

バサバサッ ガタンッ タタタタ ガチャ バタンッ

トトトトトト

母「あ、ちょっと梓」ヒョコッ

梓「なにー?」タタタタ

母「今日、ほんとに手土産いらないの? 何か作っておくけど」

梓「いいのいいの、多分今日も憂が食べきれないくらい作ってくれるから」イソイソ

母「そう? ほんとよく出来た子ねえ、憂ちゃんって」

梓「そうだよー。じゃ、いってきまーす」ガチャッ

母「いってらっしゃい、気をつけてね」

梓「はーい」パタン

キィ カチャン

トコトコトコトコ

 ・
 ・
 ・

 「中野さんおはよー」

梓「あ、おはよー。今日寒いねえ」

 「ねー。私、下にババシャツ着て来ちゃった」テヘッ

梓「あははっ。私もちょっと悩んだよー」クスッ

トコトコ

憂「おはよー」

 「おはよー平沢さん」

梓「おはよ、憂。職員室行ってたの?」

憂「うん、さわ子先生に預かって貰ってきたよ」

梓「あ、あー……うん。ありがと」テレ

憂「梓ちゃん、誕生日おめでとう」ニコッ

 「え、中野さん今日誕生日? おめでとー!」

梓「うん。ありがと」エヘヘ

トコトコ ガチャ

オハヨー ア、オハヨー サムイネー

梓「ふぅ……」ガタガタ ストン

憂「あれ、純ちゃんまだみたいだね」

梓「あー。数学当たるの忘れてたらしくて、昨日遅くまで予習してたっぽい」

憂「そうなんだ」

梓「寝坊しないようにって言っといたんだけどね」

憂「そっかぁ」

キーンコーン……

梓「あ、予鈴」

カーンコーン……

憂「純ちゃん、寝坊しちゃったかなぁ。もう先生来ちゃうよ」

梓「んー……」

ダダダダダ ガチャッ

純「せええええふっ!」ズサッ

梓「ギリギリだ」

憂「ギリギリだね」クスッ

純「おはよう諸君!」シュタッ …ハァハァ

憂「おはよう純ちゃん」

梓「おはよ。息切れてるし。ちゃんと予習できた?」

純「走ってきたから数式どっかに落っことしてきたかもしんない」グデ

梓「ダメじゃん」

純「ダメって言うな!」

憂「あ、ほら先生きたよ。席着こ?」トコトコ

純「はぁ……しんど……」トテトテ

梓「まったくもう……」



  ~ H R 中 ~


 ・
 ・
 ・

純「……」ブツブツ

梓「話しかけるなオーラが出てるね」

憂「あはは、そうだね」

純「……」ブツブツ

梓「……」

憂「……」

梓「わ、私たちも予習しよっか」ガタ

憂「う、うん、そうだね、じゃあまたあとで」ガタ

純「……」ブツブツ

梓「……」カリカリ

憂「……」カリカリ

キーンコーン カーンコーン



  ~ 1限目 授業中 ~


 ・
 ・
 ・

純「今日の力を全て使い果たしました……」グデー

憂「おつかれさま、純ちゃん」

梓「すごいじゃん純、数式完璧だったし」

純「はっはっは……もっと褒めるがよい……」グデー

梓「そんなグッタリしながら言われても」

憂「あはは……。あ、次、小テストあるね」

純「な、なにぃ?!!!!」ガタッ

梓「……まさか、それも忘れてたの?」

純「……」

梓「……どんまい」ポン

純「………なぐさめはよしとくれ……」グスッ

キーンコーン カーンコーン



 ~ 2限目 授業中 ~


 ・
 ・
 ・

純「……」プシュー

梓「……どんまい」

憂「あは……。お疲れ様、純ちゃん」

純「……はぁ、もう勉強したくない」ゲッソリ

梓「気持ちは分かるけど、受験生だよ」

純「わかってるよぅ。……あ、そだ」ゴソゴソ

梓「うん?」

純「ほいこれ」ポイッ

梓「わっ、とと」キャッチ

  [ ポッキー ]

梓「……3年連続のポッキー」

憂「純ちゃん恒例のプレゼントだね」

純「今年はそれだけじゃないぞ」ゴソゴソ ポイポイッ

梓「わっ、投げないでよっ」キャッチ

純「今年は1が6つ並ぶ特別な年だから、もう2箱サービス!」ドヤッ

梓「TVショッピングみたいなノリだ」

憂「あはは」

純「なによー、それどっちも限定品だよ? 私もまだ食べてないやつだよ?」

梓「はいはい。ありがとね、純」

純「分かればよろしい。あとで食べさせてね。あ、誕生日もおめでとう」

梓「ポッキーのついでみたいに言うなっ!」

キーンコーン カーンコーン



 ~ 3限目 授業中 ~


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 ・
 ・

純「……」スヤスヤ

憂「純ちゃん爆睡だったね」

梓「思いっきり舟漕いでたもんね」ヤレヤレ

憂「純ちゃーん、次体育だから早く着替えないと」ユサユサ

梓「早くしないと置いてくよー?」

純「ん……んぅ……あと5ふ……」ムニャ…

憂「起きないね。どうしよう」

梓「……じゅーん、ドーナツあるよー?」ボソッ

純「ドーナツ?!」ガバッ

憂「わ、起きた」

梓「ほんとに食い意地張ってる子」

純「はれ……? ドーナツは?」キョロキョロ

梓「ほら、次体育。早く着替えなよ」

憂「急がないと時間ないよ」

純「あれぇ?」

キーンコーン カーンコーン


 ~ 4限目 授業中 ~


 ・
 ・
 ・

純「お昼だーーーーーッ!!」

梓「急に元気になった」

純「さっさと着替えて早く部室行こう! 憂のケーキッ!!」

梓「一応、私の誕生日なんだけど……」

純「わかってるってー。あ、憂、ケーキどこにあるの?」

梓「……そこまで清々しいともう逆に感心するよ」ハァ

憂「ケーキ、さわ子先生にお願いして調理室の冷蔵庫に入れてもらってるんだ」

純「そっか。じゃ、早く取りに行こう!」

憂「あ、先生が部室まで持ってきてくれるって」

梓「あー」ナルホド

純「あー、ねー」ナルホド

憂「あはっ。スミーレちゃんと奥田さんも待ってるかもだし、急ごっか」

梓「そうだね」

純「いざゆかん! 我らが部室へ!!」

梓「純うるさいよ」

……

ガチャ

純「こんちはー。あ、やっぱもう3人とも来てた」

憂「すみません、遅くなりました」

さわ子「おそーい! 待ちくたびれたわよッ!」

梓「……あはは」パタン

菫「梓先輩、お誕生日おめでとうございます」

直「おめでとうございます」

梓「ん……。ふたりともありがと」テレッ

憂「あっ、お茶、スミーレちゃんが淹れてくれたんだね。ありがと」

純「既にケーキも切り分けてあるとは……さすがスミーレ!」

菫「はい。あっ、いえ」テレテレ

さわ子「はいはい、3人とも早く席ついて」ホラホラ

梓純憂(この人が急かしたんだなきっと……)

純「……はいっ、それじゃあお誕生日の中野梓さん、ひとことどうぞ!」

梓「えっ?! えー、急に言われても……」アセアセ

さわ子「梓ちゃんはやくー」ブーブー

梓「先生はちょっと黙ってて下さい」

さわ子「ぐぬ……」

梓「えーっと。その、あ、まず憂、ケーキありがとう」

憂「どういたしまして」ニコッ

梓「それから、こうやってお昼休みにみんなで集まってく

純「はいそれじゃいただきまーす!」

梓「うぉい!!!」ガタッ

さわ子「ふぁっ、バナナケーキ美味しい……ッ! ほっぺ落ちちゃう!」パアァッ

梓「って、ご飯より先にケーキですか?!」

さわ子「だって待ちきれなかったんだもーん」テヘッ

梓「……もう好きにしてください」ハァ…

憂「あはは……。喜んでもらえてよかったです」

菫直(相変わらず自由な人たちだなあ……)

 ・
 ・
 ・

純「ふぁーっ食べたぁ! お腹いっぱい!」ポンポン

菫直「ごちそうさまでした」

梓「ごちそうさま。憂、ホントにすっごい美味しかった!」

憂「よかった」ニコニコ

さわ子「ほんと、このひとときの為に学校に来てるって感じ」ホワホワ

純「わかります」ホワホワ

さわ子「菫ちゃん、紅茶おかわり~」ホワホワ

純「あっ、私もー」ホワホワ

菫「はいっ、ただいま」イソイソ

梓「似た者同士……」

憂「ふふっ」

直「あ、そろそろ教室に戻らないと」

梓「ホントだ。……さわ子先生は授業の準備とかいいんですか?」

さわ子「次は私、授業ないから。あ、あとは片付けとくから」ホワホワ

菫「あっ、えと……すみません、お願いします」

さわ子「いいのよ~。ほら、時間ないわよ? 早く戻りなさい」

菫「はい、ありがとうございます」

さわ子「憂ちゃん、ホントに美味しかったわ」グッ

憂「お口に合って良かったです」ニコニコ

純「ほら、梓、ぼーっとしてないで教室戻るよー」スタスタ

梓「あ、うん。……それじゃ、先生、失礼します」ペコリ

さわ子「は~い、勉強頑張ってね~」ヒラヒラ

梓(……なんだろうこの釈然としない感じ)

キーンコーン カーンコーン


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最終更新:2011年11月12日 00:01