――京都――
ガイド「右手に見えますのが――京都タワーでございます」
梓「駅から見えてたじゃん……」
純「やばい! すごいよ梓! ほら見てよ! チビ助えええええええええええええ!!!」
梓「う、うるさい……」
憂「純ちゃん完全にハマってるね」
ウメハラ「完全アウェーだ」
純「ふるっ! あの建物古いよ!」
憂「ホントだー。すごいね」
梓「ま、まあ写真くらい撮るけどさ。これお願いね」
生徒D「はーい」
純「そういって梓、写真撮り過ぎじゃない?」
梓「デジカメなんだしいいでしょ?」
生徒D「はい、チーズっ!」
憂「背景がボケてるけど、いいのかな……」
――奈良公園――
梓「いきなりすごい距離を移動したね」
憂「まあバスも楽しかったから、私はいいかな」
純「さあシカだ! 餌あげまくるぞー! 梓、食べられないように気をつけなよー」にやにや
梓「それはありえないもん!」
憂「あれ?」
シカ「ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ」
つかさ「ふえええええええええええええええええ!!!!」
こなた「あらあら……」
かがみ「つかさー!」
みゆき「よくあることらしいですよ」
梓「……気をつけよう」
純「あれを見て、先輩という気がしているのは何故?」
憂「純ちゃん。メタ発言禁止!」メッ
ウメハラ「それじゃあ1時間ほど自由時間で。時間通り戻ってくること」
梓「鹿せんべい……」
純「梓、食べちゃダメだよ。これは鹿さんのだからね」
梓「わかってるよーだ」
憂「でも、ちょっとかじってみようかな」
梓「何気に憂って食いしん坊だよね」
憂「そうかなー」パリッ
純「あ」
憂「意外に普通だよ。お煎餅だよ」
梓「そうなんだ。それならいいや」
純「でも、これをむしゃむしゃ食べる人なんていないよねー」
憂「あはは。それはないよー」
?「え?」むっしゃむっしゃむっしゃ
梓「……」
金デヴ「これ、食べちゃダメなの?」
RF「ダメらしいっすよ。食べても身体に害はないんですかね。大丈夫っすか? 大丈夫っすか?」
金デヴ「えー、でもこれ美味しいよ? 食べる?」
RF「いやいいです。ただ、これなんすか?」
金デヴ「おせんべい」
RF「いただきます」
純「あの二人むしゃむしゃ食べてるよ?」
憂「……」
梓「見ないで、行こうか」
金デヴ「あー! 梓ちゃん!」ドスドスドス
梓「こ、こんにちは」
金デヴ「いやー、どうしたの? こんなところに」
RF「え? 誰っすか? 金デヴさん、もしかしてこれまずいんじゃないっすか? 大丈夫っすか?」
金デヴ「知り合いだから大丈夫だって、ビビるなビビるな」
梓「それ、なんで食べてるんですか?」
金デヴ「いやー、シカがあんまり美味しそうに食べるんでね。俺も食べようと思って」
チョコ「あ、ブーちゃん! 女子高生ナンパしちゃダメでしょ!」ぷんぷん
金デヴ「ナンパじゃねえよ! ほら、梓ちゃんだよ」
チョコ「本当だ! もしかして、修学旅行!? いいなぁ!」
RF「チョコさんも知ってるんすか?」
チョコ「うん。去年、ちょっと一緒に勉強したんだよね~」
純「……梓って、色んな人と友達なんだね。すごいや」
憂「去年、色々とあったからね」
チョコ「ごめんね。ももちはちょっとシカと仲良くしてるから。今年は君たちが受験生か~。がんばれ~」
梓「ありがとうございます!」
金デヴ「また勉強見てあげるよー」
チョコ「ブーちゃん勉強できるの!?」
ももち「いや、それはないでしょ( *`ω´)」
RF「ももちさん、よだれべっとりじゃないっすか。大丈夫っすか?」
ももち「食べられるところだった( *`ω´)」
ウメハラ「おーい。そろそろ時間だぞって……」
金デヴ「おう! 先生! 先生も修学旅行だったんですか~?」ニヤニヤ
ウメハラ「なんか、今回の修学旅行は色んな人に会うな」
金デヴ「明日全国だからね」もぐもぐ
ウメハラ「それもそうか。ほら、梓たちも戻るぞ」
梓「はーい。それでは、失礼します」ぺこり
RF「たのしんでなー」
ウメハラ「それじゃあ、明日は行けないだろうから、頑張って」
金デヴ「ありがとう」
チョコ「……」
ももち「先生として頑張ってるんだな( *`ω´)」
RF「でも、あれでいいんすかね」
金デヴ「それは本人が思うことだから、俺たちがとやかく言うことじゃないでしょ」
チョコ「大変そうだよね。先生とプロゲーマーなんて」
ももち「明日は来ないだろうな。見に来たら、それだけで面倒な事になるだろうから( *`ω´)」
チョコ「明日は頑張ってね。みんな」
――旅館――
純「ついたー!」
梓「ついたねー。さあさ、着替えよう着替えよう」
憂「温泉楽しみだねー」
純「名所行ったり奈良行ったり、つっかれたー! 寝る!」
布団「バサァ!」
梓「ちょ! 楽しみだったんでしょ!?」
純「テコでも動かん!」
憂「もー、しょうがないなー」
梓「?」
純「……!?」
憂「ほらー、お茶淹れたよー。紬さんからもらった美味しい美味しい紅茶だよー」
純「――」プルプル
梓「葛藤してる……」
憂「ごっくん。はー、おいしー! 純ちゃんも飲みなよー」ニコニコ
純「あー! 飲むー!」
憂「いらっしゃーい」
梓「流石は憂。唯先輩のこともあってか、こういう人間の扱いに慣れてる」
純「うーん。香りがいいね。うん。香りがいい!」
梓「他にはないの?」
純「……」ズズー
憂「あはは。お姉ちゃんたちも、去年お部屋でお茶飲んでたんだってー」
梓「そうなんだ。それじゃあ、私達も同じだね」
純「澪先輩のようにクールで――かっこいい――それが――私――」キラン
梓「異常なまでに『――』をつけても無駄だよ……」
純「うなー! アツーイ!」
憂「だ、大丈夫!?」
生徒E「お風呂あいたよー。すごい気持よかったよ」
梓「はーい。じゃあ、早いところ行こうか」
憂「うんっ!」
――浴場――
ざっぱーん
憂「うぃー」
純「洒落?」
憂「?」
梓「気持ちいいね……効能は……」
純「これ読んでるだけで、効いてる感じするよねー」
憂「わかるー」
梓「ところで……純ってさ。結構……あるよね……」
純「なにが?」
梓「こう、山が。思ったよりもさ」
純「……なーる。梓ちゃんはぺったんこだもんねー」
梓「わ、私はまだこれからだもん……!」
純「まあ、憂は言うことなしだけどねぇ!」
憂「私に向けるのそれ!?」
梓「そうだよ! 憂はどうして……」
憂「べ、別に特別なことはしてないよ~」
純「それでこの身体……たまりませんなぁ」
梓「きっと男の人は憂みたいな身体が好きなんだろうなぁ。私なんて……」
純「梓は梓で、それなりにニーズがあると思うんだけど」
憂「そうそう。意外と梅原先生とかそうかもよ!」
梓「……」ぶくぶく
純「あらら。よ~し……」ぺたっ
梓「にゃっ!」
純「おーおー! ぺったんこなのに柔らかーい! 可愛いぞー! 梓ー!」
梓「やーめーい!」
憂「ちょっと純ちゃーん。やーめーなーよー」ぺたぺた
梓「そんなこと言いながら憂も触ってるじゃん!」
純「梓かわええー!」
憂「のぼせてきた……」
――部屋に戻って――
梓憂純「……」ぐだー
梓「はしゃぎ過ぎたね」
純「梓の身体が可愛すぎるからいけないんだよ」
憂「そうだよー。お姉ちゃんが言ってたことは本当だったね」
梓「やめてよ……もう」
純「さてと、そろそろあれ、いきますか」
梓「あれ?」
純「恋バナ!」
憂「いいねぇ!」
梓「女子高だよここ!」
純「え? 今彼氏いない?」
梓「はい。今までに一度として」
憂「私も。純ちゃんは?」
純「私も……ない」
梓「……恋バナ、できないね」
純「まさか全員経験なしとは……」
憂「仕方ないよ……お茶、飲もう」
純「うん。そうだね」
梓「トランプ、しよっか……」
憂「いいね。大富豪?」
純「よーし、負けた人はなにか罰ゲームね!」
梓「罰ゲーム?」
憂「おもしろそー」
純「それじゃあ、罰ゲームは一位の人が決めるってことで! 始めよう!」
梓「負けないんだから!」フンス
憂「私、結構大富豪強いんだよー!」
純(やっぱり、彼氏なんていらないかな。私、こうやってる時が一番楽しいよ)
梓(彼氏ってことは、純は男の人が好きなんだよね。私、やっぱり変なのかなぁ)
憂(ジョーカー二枚、2が4枚……勝った!)
…
梓「負けた……」
純「憂、強すぎ。まさか5回やって5回ともジョーカー二枚なんて」
憂「たまたまだよー」
純「ホントに恐ろしい子だよ。――さてと、梓さん。罰ゲームでございます」
梓「うぅ……」
憂「それじゃあね。……よし、私に10分間抱きつかれるってことで!」
梓「えぇ!?」
純「あらあら、憂さんだいたーん」
憂「えへへ。お姉ちゃんみたいに抱きついてみたかったんだー」
梓「そんなー」
純「ほら、罰ゲームは絶対だよ!」
憂「あーずにゃーん!」ガバァ!
梓「にゃああああああああああああああああああああああああ!!!!」
…
ウメハラ「――」トコトコ
ウメハラ(温泉もいいな)
生徒A「あ、せんせー!」
ウメハラ「なに? 消灯時間近いから、そろそろ戻りな」
生徒A「そんなこと言わないでさー、ちょっと……ねぇ?」
ウメハラ「?」
生徒A「もう! 私に言わせるの? まったく、もう!」
ウメハラ(なるほど)
生徒A「あのさ、外出ない? 私……」
ウメハラ「ごめん。部屋、戻りな」
生徒A「私――!」
ウメハラ「それ以上は言わないで。お願い」
生徒A「私の気持ち、わかってるんでしょう?」
ウメハラ「……そんなもんシカトでいい」
生徒A「……」
ウメハラ「だから、戻りなさい」
生徒A「……」
ウメハラ「俺は生徒を生徒としか見られない。それ以外に、感情は持たないよ。絶対に」
生徒A「……はい」トコトコ
ウメハラ(先生ってこんなこともあるんだな)
生徒B「A……」
生徒A「梅原先生……かっこいい。もっと好きになっちゃったよ」
生徒C「だろうね」
ウメハラ(さて、見回りは女性教諭に任せて、今日は寝るか)
ウメハラ(それにしても、明日はどうなるかな。梓たちにでも、結果は聞けばいいか)
ウメハラ(俺の明日はラーメンかな。京都の美味しいラーメン屋さんを調べておいてよかった)
ドア「がらり、バタン」
ウメハラ「おやすみなさい」
最終更新:2011年11月16日 00:31