律「ふぃ~、お腹いっぱいだ」

紬「もぐもぐ」

律「しかし狭いな」

梓「11人で鍋を囲んでいますからね」

風子「りっちゃん、輪から外れていいよ」

律「外れていいよって、寂しいこと言うなよ。意地悪だな」

唯「うまうま」モグモグ

澪「律はもういいのか?」

律「いや、年越し蕎麦用に空きを作るんだ」

純「雑炊はいいんですか?」

律「・・・あ」

澪「むぎと米を買いに行ったんだ。律のリクエストに答えてな」

律「食べますよ。えぇ、食べますとも」

風子「無理しなくていいんだよ?」

律「食べさせてくれ、変な優しさをみせないでくれ」

梓「意地悪ですね」

風子「そんなことないよ、ね?」

こむぎ「みゃ~」

風子「うんうん」

律「はいはい」

風子「む、りっちゃん変わってないね」

律「風子もな」

紬「りっちゃん、食細くなった?」

澪「・・・」

律「いんや、まぁ、秋に帰ってきてからは量が減った感じだけど。ちゃんと食べてるよん」

紬「・・・うん」

さわ子「どうだったのよ、世界は」

律「すっげえ、広かったぁー」ゴロン

梓「食べてすぐに横にならないでください」

律「梓のそれもいい感じだ・・・懐かしい~」

姫子「そのまま寝たら雑炊も蕎麦も食べられなくなるよ」

律「寝やしないって、ゴロゴロしてんのさー。安らぎの場って大切なんだよ」

唯「おぉ、重みがあるよ」

律「ふぃ~」

こむぎ「みゃー」

律「お、一緒に寝るか?」

こむぎ「みゃ~」

律「愛いやつめ」ナデナデ

憂「?」


純「鯛はどうですか?」

紬「おいしいわ」キラキラ

純「嬉しいです。今日という日はめで鯛ですからね!」

梓「純が釣ってきたの? 料理したの?」

純「・・・」

紬「あ、あずさちゃん・・・」

純「釣ってきたと言ったらどうする!」

梓「う・・・」

純「ふんっ」

和「釣ってないでしょ」

純「・・・はい」

梓「ふんっ」

澪「うん、おいしいよ。鯛の刺身」

純「おいしいですよね、めで鯛です」

和「二度言ったわよ・・・」

紬「うんうん。おいしいわ憂ちゃん」

憂「えへへ」

梓「沖縄でも料理してるんだよね」

憂「うん。魚料理が多いかな、煮物、刺身、漬物」

さわ子「へぇ・・・。一度行ってみたいわぁ、南の島」

唯「是非泊まっていってよ!」

さわ子「そうね。お邪魔させてもらうわ」

澪「いい所だったな、律」

律「・・・んー」

さわ子「沖縄で再結成したのよね」

唯「いえ~す」

澪「寝るなよ?」

律「・・・んー」

こむぎ「みゃー」ペシペシ

律「ん? なんだよ」

こむぎ「みゃっ!」

梓「起きろって言ってます」

律「そだな。寝てはもったいない。さんきゅーです、こむぎ」

こむぎ「みゃ~」

紬「唯ちゃんは色々なところへ行ってるのよね」

唯「うん。沖縄の名所はほとんど周ったからね、新しい場所を探している最中だよ」

梓「唯さん、その周った箇所の記録取ったりしてますか?」

唯「してるよ~」

律「え・・・?」

和「律はしてないのね」

律「・・・」

澪「律も記憶として残せばいいのに」

姫子「へぇー、唯の記憶かぁ・・・読んでみたい」

唯「そ、そう?」

さわ子「私も読んでみたいわ」

梓「その企画練ってみませんか?」

純「まてまて、それはこっちでやってみましょう。ね、和先輩?」

和「面白そうね」

唯「ん?」

風子「澪ちゃんは北海道の記録って・・・」

澪「う、うん・・・あるけど」

律「どうせメルヘンチックだって」

紬「読んでみたいわ!」

澪「わ、分かった・・・今度な」

こむぎ「みゃ~」

梓「どうしたの?」

こむぎ「みゃー」

梓「えっと・・・」

憂「どうしたの?」

梓「この時間は甘えてくるから・・・、膝の上に乗せてるんだけど・・・」

唯「おいで!」ポンポン

和「・・・」ポンポン

律「来い」ポンポン

さわ子「鍋の中、なくなってきたわよ」

憂「雑炊にしましょうか」

紬「そうね~」

こむぎ「みゃ」スリスリ

純「せっかく色んな人がいるのに・・・わざわざ私なのか」

こむぎ「・・・」ゴロゴロ

澪「信頼されてるな」

純「慣れてるだけです。みんな優しいから大丈夫だよ、甘えてきな」

こむぎ「みゃー!」

純「ふふ、わが子を千尋の谷に突き落とすのさ」

こむぎ「・・・」

律「そのうち嫌われそうだな」

こむぎ「みゃ」

紬「ごめんね、ちょっと準備をしてくるから」

こむぎ「・・・」

和「なんだかんだで、あと2時間ね」

唯「ほんとだよ、はやいね~」

梓「どうします? 一緒に蕎麦も出しましょうか」

澪「そうだな、時間を置いたら忘れそうだ・・・。お願いね」

憂「はーい」

律「至れり尽くせりだな・・・。お?」

こむぎ「・・・」

律「よしよし、横になってるから膝の上は無理だけど」

澪「体を起こせよ」

律「こっちで寝ていいぞ」ポンポン

こむぎ「・・・」

律「お気に召さないご様子」

―――

姫子「また行こうかなって考えてるんだ」

澪「うん、待ってるよ」

姫子「楽しかったからね・・・って、こっちに来たの?」

こむぎ「みゃ・・・」

姫子「どうぞご自由に。でさ、前とは違ったルートを走りたいから」

風子「こっちおいで」

こむぎ「みゃー」

風子「みんな自分の事で精一杯なんだよ」ナデナデ

こむぎ「・・・」

風子「あれ、居心地悪そう・・・」

律「はは、動物には分かるんだよ。本能だ本能」

風子「いつも遊んでいるのに・・・」

こむぎ「・・・みゃ」

風子「あ・・・」

こむぎ「みゃー」

澪「そうだな、今度は道北を・・・ん?」

こむぎ「・・・」

澪「・・・」

唯「心で会話してるんだね」

姫子「ネコの言葉分かるの?」

律「あ・・・」

姫子「分かるの!?」

律「いや・・・。なんでも」

風子「びっくりした」

紬「おまたせしました~」

梓「律さん、蕎麦がいいですか?」

律「両方いただきます!」

梓「はい、どうぞ」

律「さーんきゅ」

純「わぉ、おいしそう」

さわ子「雪合戦してよかったわね。お腹に余裕があるわ」

澪「うんうん」

こむぎ「みゃー」

梓「あ、あれ? 遠慮してるの?」

こむぎ「・・・」

梓「・・・珍しい」

律「うめえ・・・。日本の文化万歳・・・」

さわ子「やっぱり生まれ故郷が一番よね」

律「うんうん」

紬「うふふ」

梓「おいで」

こむぎ「みゃ」

梓「いつもは誰にでも甘えるのに・・・」ナデナデ

こむぎ「みゃ~」ゴロゴロ

紬「そうなの?」

梓「はい。ですよね、風子さん」

風子「うん。人見知りはしない方だよね」

純「ネコにしては珍しく、社交的な仔です」

紬「ご主人様に似たのね」

梓「そうかな・・・?」

こむぎ「」ウトウト

和「ふふ」

憂「・・・」ニコニコ

梓「なんですか?」

唯「むぎちゃんとあずにゃんみたいだね~」

紬「うふふ」

梓「こむぎが私・・・?」

風子「いえす」

純「うんうん」

姫子「なるほど」

律「ちげえねえ」

澪「・・・なるほどな」

さわ子「もぐもぐ」


――・・・


梓「あと一時間で今年も終わりですね」

紬「・・・うん」

梓「それなのに・・・」

律「」スヤスヤ

澪「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

さわ子「」スヤスヤ

風子「」スヤスヤ

和「みんな忙しいのよ」

憂「後片付け終わったよ~」

梓「ありがとう、憂、純」

純「いえいえ・・・って、みなさん寝てますね」

憂「さわ子先生が持ってきたケーキ、明日にしようか」

梓「そうだね」

こむぎ「」スヤスヤ

紬「・・・こむぎちゃんも疲れたのね」ナデナデ

梓「・・・」

姫子「初日の出見に行くの?」

梓「天気予報では晴れと出ていましたけど・・・」

紬「まだ曇ってるみたいね」

梓「あ・・・外・・・」

憂「降ってきた・・・」

純「・・・」

姫子「無理かな・・・」

梓「むぎ先輩はどうしたいですか?」

紬「みんなと一緒に居たいわ」

梓「・・・そうですか」

唯「」スヤスヤ

さわ子「」スヤスヤ

和「なんだか・・・眠くなってきたわ・・・」

憂「」スヤスヤ

純「憂も寝てる・・・」

姫子「・・・」

梓「曲かけていいですか?」

紬「いいけど、どうしたの?」

梓「この時間にピッタリな曲があるんです」

姫子「ふーん・・・」

純「・・・ジャズ?」

梓「ううん。これ」

純「Schroeder-headz・・・。なるほど」

姫子「いいね」

梓「知ってましたか」

紬「・・・聞きたい」

梓「では・・・」

ウィーン

梓「NEWDAYSという曲です」


紬「キーボード・・・」

梓「はい。曲調が好きなんです」

純「うん・・・、ピッタリだ・・・」

姫子「梓、泊まっていっていい?」

梓「というか、帰るつもりだったんですか?」

姫子「風子も帰るつもりだったんだよ」

風子「」スヤスヤ

梓「狭いですからね」

姫子「ううん。放課後ティータイムで水入らずってね」

紬「うふふ」

梓「なんですか、それは」

姫子「起こして帰るつもりだったけどさ、この曲聴いてたら・・・ずっと居たくなった」

梓「はい、居てください」

姫子「ありがと」

梓「なんでお礼を言うんですか・・・いつもしてるのに」

姫子「ただ、なんとなくね」

紬「うん・・・」

梓「そうですか」


6
最終更新:2011年12月03日 21:59