菫「紬お嬢様がロンドン旅行ですか」
斎藤「ご学友の方たちと5人で行くそうだ」
菫「ボディガード部隊は行かないので?」
斎藤「うむ、お嬢様のご希望でな」
菫「それはさすがに危ないのでは・・・」
斎藤「よって私たちがお守りすることになった」
菫「そうですか」
斎藤「お前にとっては初めての護衛だ、心してかかるように」
菫「はいおと・・・いえ執事長」
菫(お嬢様が海外旅行か)
菫(フィンランドには旦那様や奥様とよくお出かけになっているようですが)
菫(未成年だけで海外なんて)
菫「・・・」
菫「よっぽど好きなんだろうな、けいおん部の皆さんが」
菫「私がしっかりお守りいたしますから」
菫「安心してください紬お嬢様」
菫「よし!頑張るぞ!」
紬「菫ちゃん、いる?」
菫「うわぁ!」
紬「あ、ごめんなさいお取り込み中?」
菫「いえ、滅相もございません」
菫「どうぞ、狭い部屋ですが」ガチャ
紬「うふふ、狭い部屋ってここ私の家なのよ?」
菫「あっ!いえそういう意味では・・・!すみませんすみません!」ペコペコ
紬「あ、ちょっとからかってみただけだから気にしないで?」
菫「いえ、本当に申し訳ありませんでした!」
紬「もう、そういうのやめてって言ってるのに」
菫「いえ、私はメイドですから」
紬「もう」
紬「明日からロンドンなの、お土産は何がいい?」
菫「とんでもありません私などにお土産なんて」
紬「でも菫ちゃんはいつも頑張ってくれてるから」
菫「どんでもございませんまだまだ半人前の未熟者です」
紬「それでお土産は何がいい?」
菫「いえですから・・・」
紬「じゃあ命令!お土産に何が欲しいか答えなさい」
菫「うっ」
菫「じゃあ・・・お嬢様とお揃いの何かで・・・」
紬「何かって?」
菫「それはおまかせします」
紬「もう、ずるいのね菫ちゃん」
菫「すみません」
紬「謝るの無し!」
菫「は、はい!すみません!」
紬「じゃあおやすみなさい」
菫「おやすみなさいませ紬お嬢様」
紬「もう」ガチャバタン
紬(堅苦しいのは抜きにしたいのに)
菫「ふう」
菫「紬お嬢様は本当に出来たお人ですね」
菫「綺麗だし・・・」
菫「護衛、頑張るぞ」
斎藤「・・・」
翌朝
斎藤「紬お嬢様は今日の9:00の便でロンドンへ発つ」
菫「私たちはいつ行くのですか?」
斎藤「私は琴吹家執事専用のセスナで行くことにする」
斎藤「菫、お前は同じ便で行きなさい」
菫「は、はい」
斎藤「はら早く行きなさい、間に合わなくなるぞ」
菫「分かりました!それでは行ってきます!」
斎藤(頑張れよ、菫)
菫「えっと、タクシーでいいかな?空港まで」
菫「ああでもお嬢様が電車なのに私がタクシーなど使うわけにはいかない」
菫「私も電車で・・・行ったら鉢合わせちゃうかも」
菫「今回の護衛は極秘任務だし・・・」
菫「自転車・・・は5日間も空港に放置できないから」
菫「・・・走ろう」
菫「それっ」タタタ
空港
菫「着いた・・・」
菫「ちょっと疲れちゃった」
菫「えーとロンドン行きは・・・あれか」
菫「お嬢様たちはいないね、よし乗り込もう」
唯「あれ?ムギちゃん?」
唯「なんであんなとこに・・・」
澪「おーい唯置いてくぞー」
唯「あ、あのさ今・・・」
紬「唯ちゃん早くー」
唯「ありゃムギちゃんいたよ」
唯「人違いか」
菫(よし、行くよロンドン!)
飛行機内
菫(お嬢様は・・・あそこか)
菫(変装もばっちりだし、ちょっとだけ寝ようかな・・・)
菫(さすがに10キロも走ると疲れて・・・)
CA「日本食と洋食、どちらになさいますか?」
菫「・・・」スヤスヤ
CA(あら寝てる)
菫「・・・お嬢様・・・」ムニャムニャ
ロンドン、ヒースロー空港
菫「着いた」
菫「おとう・・・執事長と合流しないと」
斎藤「菫」
菫「うわっ!びっくりした」
斎藤「機内では護衛ご苦労だったな」
菫「あ、はい」
菫(なんにもしてないけど)
斎藤「では行くぞ、ロンドンは治安が良いとは言えんからな」
斎藤「気を抜くなよ」
菫「はい!」
澪「ロンドンの寒さだ」
唯「うわ~!」
唯「澪ちゃん澪ちゃん!」
澪「わ~」
唯「ロンドンにいる~私たち!」
紬「さ、行きましょ」
菫(タクシーで行くのか・・・でもどこに?)
斎藤「どうやらホテルに向かうようだな」
菫「なんで分かるんですか?」
斎藤「読唇術だ、お前も身につけなければいけない技術だぞ」
菫「は、はい」
菫(すごい・・・)
斎藤「今回のような護衛の基本はつかず離れずだ、しっかりついてくるんだぞ」
菫「はい!」
斎藤「ではこちらも車で追うか」
菫「タクシーですか?」
斎藤「どこの世界にタクシーで重要人物の護衛にあたる馬鹿がいるんだ」
菫「あっ」
斎藤「車は用意してある、行くぞ」
菫「すみません・・・」
斎藤「謝らなくてもいい」
菫「あれ?紬お嬢様のホテルってここじゃないのでは」
斎藤「うむ、アールズコートの方のホテルアイビスだ」
菫「ど、どうしましょう」
斎藤「心配するな、このくらいのトラブルなら私たちなど必要としない」
菫「そうでしょうか・・・」
菫(あ、出てきた)
菫(良かった、ちゃんと分かったみたい)
斎藤「だから言ったろう」
菫「えっ、声出てましたか?」
斎藤「なんとなく・・・だ」
斎藤「さてここからはまた別行動だ」
斎藤「お前は徒歩で尾行だ」
菫「分かりました」
斎藤「私は先にホテルアイビスに向かう、しっかりな」
菫「はい」
菫(よし!私がしっかりお守りしますからね紬お嬢様!)
唯「地下鉄で行こっか」
律「そうだな」
梓(あれ?足が痛い・・・かも)
菫(つかず離れず・・・)
菫(・・・)
菫(楽しそうだな・・・みんな)
菫「はっ」
菫「だめだめ!私の仕事は護衛だよ!」
菫「遊びたいなんて考えちゃだめ!」
菫「・・・はあ」
唯「お寿司?」
澪「ロンドンに来てまで?」
紬「回るの!?」
菫「回転寿司でお夕食・・・ですか」
菫「紬お嬢様が回転寿司を食べる日が来ようとは」
菫「・・・私もちょっとおなか減ったな」
菫「お寿司屋さんに入っていっちゃった」
菫「さすがにこの中には入れないよね、ばれちゃう」
菫「・・・」グゥゥゥ
菫「・・・平気!私にはこれがあるもん」
菫「琴吹印の兵糧丸!」
菫「・・・」モグモグ
菫「おいしい」
―――
菫「あ、出てきた」
菫「と思ったらお店の前に座り込んで・・・」
菫「紬お嬢様!はしたないですよ!」コソコソ
男1「ん?あんなとこに女がいるぜ?ジャップか?」←ちなみに
男2「ちょうどいい、金でも貸してもらうか!」←全部
男3「がはは!」←英語です
菫「・・・なんですって?」
菫「あなたたちおやめなさい」←英語です
男1「あ?なんだテメェ」←こっから全部英語です
男2「お前でもいいや、金出せ女」
男3「痛い目みたくなきゃ金置いて消えな」
菫「そうはいきません、お嬢様に危険が及ぶようなら黙ってはいられません」
男1「は?何言ってんだ」
男2「こっちこいや」
菫「・・・」
菫(大丈夫、大丈夫)ドキドキ
菫(怖くない、怖くない)ドキドキ
菫(紬お嬢様は私が守る!)
最終更新:2011年12月22日 06:07