#公園のベンチで

唯「うぅ、寒くなってきたねぇ、うい~」

憂「うん。紅葉がきれいだね」

ザックザック
唯「えへへ~。この音好きぃ~♪」

憂「気をつけてね、走ると危ないよ」

唯「あれ、新しいベンチができてる」

憂「なにか、プレートが着いてるね」

唯「なになに・・・金婚式記念に、寄贈?」

憂「金婚式は、結婚して50年目って意味だよ」

唯「50年かぁ・・・想像もつかないや」

憂「ほんとだね」

唯「いろんなこと、あったんだろうね」

憂「うん。楽しいことも。嬉しいことも」

唯「悲しいことも、辛いこともあったのかな」

憂「そうやって50年、この公園をふたりで並んで歩いてきたんだね」

唯「そして、次の人達を見守るために、このベンチを贈ったのかな」

憂「きっと、そうだと思う」

唯「・・・ふふっ」

憂「どうしたの?お姉ちゃん」

唯「なんだかドキドキしてきたよー。50年だよ!」フンス

憂「変なお姉ちゃん」クスクス

唯「よっし!・・おいで、うい。先は長いよぉ」

唯「手、つないでいこうね」

憂「うん!」ギュ

おしまい



ちびゆいうい! 

#たいふう

 ピカッ!ゴロゴロゴロ

うい「きゃーっ!雷っ」

ゆい「ううっ・・・大丈夫だよっういっ!」

うい「お姉ちゃーん!」ギュウウウ

 ガシャーン!ビュオオオオオオ!!!

うい「っ!すごい風っ・・・」

ゆい「ういっ!私にしっかりつかまって」

うい「うんっ」ギュウウウ

 バシャッ!ザアアアアアア!!!!!

うい「お、お姉ちゃん!水が足下まで」

ゆい「うい・・・ぜったいに、離れちゃダメだよ?」

うい「うん、お姉ちゃんといっしょなら、何があっても平気」

ゆい「ういは・・・ぜったい、私が守るからっ!」

うい「お姉ちゃん!」ゆい「ういっ!」 ギュウウウウウウ



ガラッ!


母「あんたたち、玄関で遊んでないで、はやく家に入りなさい」

ゆいうい「はーい」


おしまい



♪ちびゆいうい♪

#クリスマス!

うい「クリスマスも、おとうさんたち帰って来ないのかなぁ・・・」

ゆい「うーい」ダキッ

ゆい「おとうさんとおかあさんは、2人であったかあったか」

ゆい「ういは、わたしと2人であったかあったかしようね」

うい「・・・うん!」

ゆい「わたしたち、おとうさんたちとおそろいだねーうい」

うい「えへへ・・・おねえちゃん大好き」ギュウ

ゆい「わたしも大好きだよーういー!」ギュウウ

ゆい「あったかあったか」

うい「あったかあったか」

おしまい



♪ちびゆいうい♪


#はんぶんこ!

うい「はい、おねえちゃん アーン」

ゆい「アーン」ぱくっ

うい「おいしっ?」

ゆい「おいひー!!」ニパアア

うい「うふふふふ」

うい「はい、おねえちゃん! アーン」

ゆい「アーン」ぱくっ

うい「おいしっ?」

ゆい「おいひーよーういー!」ニパアア

うい「えへへぇ」

うい「はい、おねえちゃん アーン」

ゆい「ねね、ういもたべないとー」

うい「めっ! はい、アーン」

ゆい「んー・・・あ、そうだ!」ぱきっ

ゆい「はい、はんぶんこだよー! ういも、アーン」

うい「アーン・・・」ぱくっ

ゆい「おいひーね、ういー!」

うい「うん、おいひーね、おねえちゃん!」


おしまい



♪ちびゆいうい♪

#まっく!

チロチロリーン♪

おねえさん「いらっしゃいませー」

パタパタパタ
ゆい「いらっしゃいましたぁー!!」

おねえさん「こちらでお召し上がりですか? お持ち帰りですか?」

ゆい「? え~っとぉ・・・お持ち帰りでっ!」

おねえさん「はい。では、こちらのメニューから・・・」

ゆい「えっとねっ! スマイルっ! スマイルくださいっ!!」

おねえさん「えっ・・・あ、はい。スマイルですね・・・どうぞ」ニコ

ゆい「もっと! もっとたくさんくださいっ!」アセアセ

おねえさん「はっ、はい~・・・」ニコニコニコ~!

ゆい「ありがとうっ! おつりはきふします!!」つ 10円

おねえさん「あ、ありがとうございました~」

おねえさん「・・・」

おねえさん(あれ。あそこで泣いてる子・・・妹さんかな?)

うい「ぐすっ・・・ひっく・・・ひっく」

パタパタパタ
ゆい「うい~、ただいまっ。もうだいじょうぶだからね!」

ゆい「はい、スマイル!」ニコニコニコ~!

うい「・・・?」グスッ

ゆい「むむっ。もっと~」ニコニコニコニコ~!!

うい「・・・!」ニコ

ゆい「わあぁ! 良かった」ニコニコニコ~!

うい「え、えへへへ」ニコニコニコ~!

おねえさん(なるほど・・・)

おねえさん(ちょっと得した・・・)

チロチロリーン♪

おねえさん「いらっしゃいませ~!」ニコニコニコ~!


おしまい



ちびゆいうい

#かれーらいす!


ゆい「きょ~お、のごはんっ、は、なぁにっかな~っ?」

うい「きょうはね~♪」

ゆい「うん!うん!?」ワクワク

うい「なんとっ!」

ゆい「うんっ!!」ワクテカ

うい「おねえちゃんの好きな!」

ゆい「ふぉぉっ!!」

うい「かれーらいすっ」グッ

ゆい「うひゃあああああああ!」クルクルクルクル

うい「・・・の中に、ニンジンたっぷり入れてぇ~」

ゆい「ふあ!?」ピタッ...

うい「その上に、あつあつはんばーぐ♪」

ゆい「きぃぃゃぁぁぁあああああああっ!」ニィパアアアアアア

うい「お供にキャベツとトマトのサラダ♪」

ゆい「あぐっ!?」シュン...

うい「ぜんぶのこさず食べれたら~♪」

ゆい「ふぇ!?」

うい「デザートは、アイスケーキのいちごミルフィーユ!」

ゆい「うっきゃぁぁぁあああああ!!!」

ゆい「たーべるっ! たーべるっ! ぜんぶ食べるからーっ!」ゴロゴロゴロゴロ

うい「えへへっ・・・はーい、できあがりだよ~♪」





おしまい



#秋茜

ゆい「うい~!おばあちゃーん!ほらぁとんぼがいっぱいだよ~!」

うい「ほんとだぁ。まっか!」

とみ「あら、お空があかね色・・・もうすっかり秋なのね」

ゆい「とんぼも、お空の色とおなじだね~」

とみ「おなかがあかね色のとんぼさんはね、アキアカネって言うのよ」

うい「あかね色のアキアカネ?」

とみ「そうそう。今のお空の色はあかね色ね」

ゆい「秋は、ぜーんぶあかね色なんだね!」

とみ「ええ、あかね色・・・昔は、ここも田んぼでね」

とみ「黄金色の稲穂の上を、たくさんのアキアカネが舞うように飛んで」

とみ「お空もとんぼも稲穂も、みーんな真っ赤に染まって・・・」

とみ「あかね色の夕焼けが、ずーっとずーっと続いてる気がしたの」

とみ「あんな光景、今もどこかで見られるのかしらねぇ」

ゆい「おばあちゃん、あかね色がみたいの?」

とみ「でももう、この辺りもおうちになっちゃったから」

ゆい「だいじょうぶ! きっと見られるよぉ」

とみ「ふふ、そうね、またいつかね・・・?」

うい「おばあちゃん!」

とみ「なぁに? ういちゃん」

うい「おねえちゃんが`見られるって言ったら、きっと見られるよ!」

とみ「ええ、ええ・・・楽しみにしてるわね」

□□□□
□□□
□□

とみ「なつかしいわねぇ・・・」

とみ「ちょうど、今ごろの時期ね」

とみ「お部屋中のとんぼには、びっくりしたわねぇ」


唯「あ! おばあちゃーん!」

憂「おばあちゃん、こんにちは!」

とみ「あらあら、唯ちゃん、憂ちゃん、ふたりでお出かけ?」

憂「お散歩です。お姉ちゃんが、夕焼け見ようって」

唯「あかね色だよ、アキアカネだよ、おばあちゃん!」

憂「おばあちゃんと行こうって、探してたんです」

とみ「ありがとうね、唯ちゃん、憂ちゃん」

とみ「それじゃ、いっしょに行こうかね、唯ちゃん、憂ちゃん」

唯憂「うん!」

唯「おばあちゃん、大好きだもんね? あかね色の夕焼け」

とみ「そうね、唯ちゃんと憂ちゃんが毎年連れて行ってくれるから」

とみ「昔より、もっと好きになったの」

唯「夕焼け小焼けのアキアカネ、今年も見られるかなぁ」

とみ「だいじょうぶ、きっと見られるわ。来年も再来年も・・・」

【おしまい】



#ただいま

唯「うーいー、ただいまぁ!」

憂「おかえりなさい、お姉ちゃん!」

唯「うふ~、久しぶりの我が家だよ~」

憂「ふふ、お姉ちゃんちょっと大人っぽくなったね」

唯「そっかな? 変わらないよぉ?」

憂「ううん、大学生だもん。大人だよ」

憂「あ、そうだ、軽音部ね、1年生が2人も入ってくれたんだよ」

唯「おお、それは是非会ってみたいね」

憂「1人は紬さんに似た雰囲気の、美人さんなの」

憂「もう1人はパソコンが得意な子。2人ともいい子なんだ~」

唯「ほほぉ」

憂「でね? 修学旅行のとき、2人から梓ちゃんにメールがきてね」

憂「あ、梓ちゃんは部長さんすっごく頑張ってるんだ~」

唯「ねぇ、憂」

憂「軽音部は大丈夫だから、安心してね? 純ちゃんもいるし」

唯「憂」

憂「そうだ、あのね、純ちゃんの髪の毛がね、朝起きたら爆発してたの!」


憂「爆発具合で、その日のお天気がn

唯「憂!」

憂「…うん」

唯「こっちにおいで?」

憂「…」スッ

ギュッ

絵師様
(機助さん/ありがとう)


唯「ただいま、憂」

憂「おかえりなさい…お姉ちゃん」

【おしまい】



#秋の夜

憂「静かな夜だなあ」

憂「おねえちゃん、今日はギター弾かないの?」

唯「ん、今日はね、私は聞き役がいいかなって」

憂「聞き役?」

唯「うん。ほら、憂もここ座って?」

憂「ん、じゃお邪魔するね」

唯「ほい、目瞑って聞いてみて」



リリリリリリリ♪♪

ギーチョギーチョ♪♪

トゥルトゥルトゥル♪♪

ジージージー♪♪



憂「あっ・・・」

憂「虫さんたちの演奏会だね」

唯「うん、マツムシ、スズムシ、コオロギ…」

憂「いろんな鳴き声か、重なり合ってる」

唯「タクトを振ってるのはきっとケローだよ!」

憂「ケロー? あ、あのカエルさん?」

唯「そだよー。あれ?でも、ケローもうたってる」

憂「オーケストラだと、弾き振りっていうのもあるみたいだよ」

唯「おぉ! きっとそれだよ~。さすが憂だね」

唯「今日は、秋の演奏会を楽しもうよ」

憂「いいかも! そうだ、ちょっと待っててお姉ちゃん」

パタパタパタ
憂「お待たせー」

唯「わぁっ! いいにおいがするよ、なになに?」

憂「えへへ。スイーツホットミルクだよ」

憂「ホットケーキミックスにミルクを入れて煮込んだんだぁ」

唯「へええ、おいしそうだよー。あ、中に大きな具がいっぱい」

憂「うん、とみおばあちゃんに貰ったサツマイモだよ」

憂「スプーンですくって食べてね」

唯「うわぁ、秋の味覚だねぇ。あっ、チョコとナッツも入ってる!」

唯「あっまーい! ほっぺが落っこちそうだようい~」アムアム...

憂「良かったぁ。じゃ、私もいただきまーす♪」 パクパク...

憂(おいしくできてよかった!)

憂(秋は、ゆっくり時間が過ぎていくなぁ・・・)

憂(たくさんの虫たちの大合唱を聞きながら)

憂「・・・ふふっ」

唯「あれえ憂、なんだかうれしそうだねぇ」

憂「えへへー、こんな日もいいなって」

唯「うん! こんな日もいいよねぇ」

唯「虫たちは秋の夜長を、夜どおし演奏会してるんだね」

憂「私たちは、どうしよっか」

唯「うーん」

唯「このまま演奏会を聞きながら、寝ちゃおっか!」

憂「うん。なんだかぜいたくな気分だね」



【おしまい】



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最終更新:2012年01月02日 22:33