『和』とかいて『のどか』と読みます。
今でも『かず』と間違えられたり、小学校の時なんか男子に『わちゃん』なんてからかわれたこともあったわね。
そんな私も今では高校生。
地元の女子高に通っています。
私には、少し人とはちがう所があります。
それは…
ーーーーー
ピピピピッ、ピピピピッ
和「んっ…」
ピピピピッ、ピピピ
カチッ
和「ふぁ…」ノビー
和「(最近勉強が忙しいせいか、なかなか疲れがとれないわね…)」
和「(お手洗いに…)」ヨイショ
和「あっ」
和「(…やっぱり、朝はおっきくなるわね)」
実は私は女性でありながら、男性器を持ち合わせているのです。
私は本来『かず』という名前をつけられるはずだった。
産まれた時、私は男児だと思われていたのですが…
私は通常の女性器に加え、まるで陰茎のようなものが付いています。
『
ふたなり』なんて言い方をしている輩もいるみたいですが…。
ちなみに、この事は身内しか知りません。
ーーーーー
つうがくろ!
唯「あ、和ちゃん!おはよー」
憂「和さん、おはようございます」
和「あら、2人ともおはよう」
彼女たちは私の幼馴染み。
姉の唯はいつもぼーっとしててドジな所も有るけれど、何かに夢中になるとすごい集中力を発揮するの。
唯は私を頼りにしてくれてるみたいだけど、本気の彼女にはきっと敵わないんだろうなって思うわ。
唯「えへへ、朝から和ちゃん分補給~!」ダキッ
和「ちょっと、引っ付かないでよ」
憂「お姉ちゃん、和さん困ってるでしょ」
そしてこっちが妹の憂。
家事に勉強になんでもこなす、とても優秀な子。
いつも唯の世話をしてて、ほんとどっちがお姉さんなんだか…。
唯「ほら、憂も和ちゃん分補給しときなよ~」ギューッ
憂「……」
和「う、憂…?」
憂「えへへ、和ちゃ~ん」ギューッ
和「ちょっと憂まで…もぅ…」
でも時々私に甘えてきたりして、やっぱりこの二人は姉妹なのねって。
まあ、こんなかわいい子たちに懐かれて悪い気はしないけど。
和「えっと、そんなに引っ付かれると歩きにくいんだけど」
唯「もうちょっとー」ギュ
憂「ちょっとー」ギュ
和「はぁ、しょうがない子たちね…」
幼い頃から彼女たちと遊んでいたせいか、私自身の思考も女性に近いみたいです。
ーーーーー
ほうかご!
律「ふー、まぁ今日はこんなとこかな」
唯「ちかれたー」キュウ
梓「もぅ、これくらいで根をあげないでくださいよ」
澪「そうだぞ。普段からこれくらいは練習しないと」
紬「まぁまぁ、今日はみんながんばったんだし、ね?」
律「そーそー。ってか早く帰ろうぜ」
澪「まったく…明日もしっかり練習するから。いいな?」
唯「ほーい。あっそうだ。みんな先に帰っててもらっていいかな?」
律「ん?どうかしたのか?」
唯「いやー、まだ和ちゃんが残って勉強してるだろうから、一緒に帰ろうと思って」
律「そうかー。いやぁ、妬けますなぁ」ニヤニヤ
唯「和ちゃんは私の嫁」キリッ
律「そーかそーか。それじゃ、和とお幸せにぃ」プププッ
唯「りっちゃんも澪ちゃんとなかよくねっ」
律「おう!私と澪はいつでもラブラブだからな」ニヤニヤ
澪「なっ!バッバカなこと言ってるんじゃない!///」
ーーーーー
せいとかいしつ!
和「ふぅ、今日はこれくらいにしておきましょうか」
風子「そうだね。ごめんね、いつも勉強見てもらっちゃって」
和「いいのよ。それに私がわからない所だって教えてもらっているし、お互い様よ」
風子「そう言ってもらえると助かるわ」
風子「それにしても、生徒会室使っちゃっていいの?」
和「まぁ…本来はよくないんでしょうけど、今日は生徒会もなかったし別に構わないわ」
風子「そっかぁ。じゃあそろそろ帰ろっか。私まだ英語の課題残ってるし」
和「そうね、私も最後の長文が…あっ!先に行ってもらっていいかしら?課題のプリント忘れちゃったみたいで」
風子「意外と真鍋さんもおっちょこちょいな所あるんだね」ニコニコ
和「私だって完璧超人じゃないわよ」
風子「そーかなぁ。じゃあ私は予備校があるから先に行ってるね」
和「えぇ。それじゃあまた明日。夜道は気を付けてね」
風子「ふふふっ、ありがとう。真鍋さんもね」
ーーーーー
げたばこ!
唯「あ、風子ちゃん!」
風子「あ、平沢さん。まだ残ってたんだ」
唯「うん!今日は和ちゃんと帰ろうと思って待ってたんだぁ」ニコニコ
風子「そっか。真鍋さんなら忘れ物があるからって教室に行ったわよ」
唯「そうなんだ。じゃあ和ちゃんを迎えに行ってくるよ」フンスッ
風子「クスッ、ほんと平沢さんと真鍋さんは仲がいいね」
唯「もちのろんだよ!それじゃあ風子ちゃん、また明日ね」タッタッタッ
風子「うん、またね」ヒラヒラ
風子「(やっぱり幼馴染み同士って…いいわよねぇ~)」ホワホワ
ーーーーー
きょうしつ!
ガラガラ
和「あ、よかったぁ」
和「(ふぅ、これを忘れると宿題ができないところだったわ)」
和「…」
和「(もう大分遅いし、誰もこないわよね…)」
ガタッ
和「ふふふっ(唯の席からはこんな風に見えるのね)」
和「あら?」
和「(あの子ったら、体操服忘れてるじゃない)」
和「しょうがないわね…」
和「(唯の体操服…)」
和「……」
ゴソゴソ
和「(って何考えてるの!これじゃまるで変態じゃない!)」ブンブン
和「……(ちょっとだけ…)」
和「…」クンクン
和「んっ…(唯の匂い…)」
和「あっ」ムクムク
和「(誰も…来ないわよね)」
シュル
ポロンッ
和「はぁっ…ふぅ…」ナデナデ
和「(やだ…私、こんな所で)」
和「くぅ…唯っ…」シコシコ
和「んっ…はぁ(でも…止められない)」
ーーーーー
きょうしつまえ!
唯「(まだ和ちゃんいるかなぁ…?)」ノゾキ
和「はぁ…ふっ…」
唯「(あれ?私の席で何やってるんだろ?)」
唯「和ちゃーん、一緒に帰…」
和「っく…えっ…?ゆ、唯っ!?」
唯「えっと…何してるの?私の…体操服だよね…」
和「ちがっ!えっと、忘れ物しちゃって、そしたら唯の
唯「!?和ちゃん、そ、それってまさか…おち…え!?」
和「あっ!?」
和「ちっ、違うの!これはその…(どうしよう!見られた!)」
唯「だって和ちゃん女の子なのに…なんで…」
和「いやっ!見ないで!!!」バッ
唯「和ちゃん…」
和「お願い…見ないで」ジワッ
唯「…」
和「私…おかしいでしょ?女なのにこんな身体」
和「それに時々、女の子に対してその…えっちな気持ちになったり…」
和「気持悪いでしょ…」
唯「そんなこと…」
和「私なんて…生まれてくるべきじゃなかったのよ」
パシッ
和「っ!?」
唯「和ちゃんのバカ!」
和「ゆ、唯…」
唯「そんな悲しいこと…言わないでよ…」ギュッ
唯「だって和ちゃんは和ちゃんだもん。わたしは和ちゃんのこと大好きだよ」
和「…やめて唯」
和「お願い、これ以上優しくしないで…。じゃないと私、唯に酷いことしちゃいそうなの」
唯「………」
唯「…いいよ」
和「えっ?」
唯「私、和ちゃんになら何されたっていい」
和「唯、あなた何言って
チュ
和「!?」
唯「私は和ちゃんのことが好き…ううん、愛してる」
唯「気づいたら…ずっと和ちゃんのこと見てた」
唯「いつも一緒にいてくれて、一緒に笑ったり泣いたり」
唯「私には和ちゃんの苦しみを解ってあげられないかもしれないけど…」
唯「でもね、それを受け止めてあげることはできる」
唯「だから…」プチップチッ
ハラリ
和「!?」
唯「…いいよ、好きにして」
和「唯っ!」ガバッ
チュウ
和「唯…はむ…ちゅ、れろ…」
唯「和ちゃ…あむっ…、じゅる…」
和「ぷはぁ…唯、好き」パクッ
唯「んぅ、あん…私も…」
チュパチュパ
ジュルルル
唯「ああん!…もっと優しく
和「」スッ
唯「そ、そこは!んぁ」ビクンッ
クチュクチュ
唯「の、和ちゃ…そこ汚いよぅ…っんん…!」
和「唯…」ピチャピチャ
クチュクチュ
ジュルジュルッ
唯「ゃん…切ないよぉ」ハァハァ
和「唯…私もう…」ハァハァ
唯「…うん」
グググッ
唯「!!?ぃつうっ(い、痛いっ!)」
和「ふっう…ゆいぃ」ググッ
ズリュ
唯「んっ!…くっ…はぁ!」ギュウ
ズリュ、ズリュ
和「ふっ、あっ、はぁ」ズリュ、ズリュ
唯「くぅ!!の、和ちゃ…(いたい…でもっ…)」フゥッ
和「あぁ!唯、私もうっ!」
唯「あっ、ぁあっ、んっ、んっ!」
唯「うっつ…んぁ…っくぁ…あっ!」
唯「い…いよっ…きて…あっ…いっ!!」
和「はぁっ…はぁっ…っゆいっ!」
和「あぁ…ゆいぃぃぃいいっ!!」ビクンッ
ーーーーー
和「…」ハァ、ハァ
唯「ん…」ハァ、ハァ
唯「和ちゃん…」ハァ、フゥ
和「わ、私、なんてことを…」
唯「ううん、これは私が望んだことだから」
和「でも血だって出てるじゃない…」
唯「大丈夫だよ。まぁちょっと痛かったけどね」エヘヘ
和「ごめん…」
唯「ううん!謝らないで!」
唯「それに…和ちゃんと一緒になれて」
唯「私、うれしかったから」ニコッ
和「唯…。ごめんね、ごめんね…」ポロポロ
ギュ
和「!?」
唯「よしよし」ナデナデ
和「うぅ…。ゆ、唯…」ポロポロ
唯「和ちゃんも辛かったんだよね…。でももう大丈夫だから、ね?」ニコッ
唯「これからは私が全部受け止めるから、もう一人じゃないから」ナデナデ
和「ゆぃ…ぐすっ…うぅ…」
ーーーーー
唯「…落ち着いた?」
和「…えぇ」
唯「そっか、じゃあそろそろ帰ろっか」
和「あ、あのね…」
唯「なぁに?」
和「手…繋いでもいいかしら?」
唯「もちろんだよ!」ギュー
唯「私達はもう恋人同士なんだからね」エヘヘ
和「…なんだか順序が違うような」
唯「あっ、それを和ちゃんが言っちゃうかなぁ」
和「うっ…」
唯「じょ、冗談だよ!私は今、幸せいっぱいなんだから!」ギューッ
和「唯…ありがとう」
最終更新:2012年01月09日 09:15