ある放課後の光景

唯 「ムギちゃん今日のケーキも美味しいね~」

ムギ 「そーぉよかったぁ」

律 「それにしても、いつも美味しいケーキにお菓子とムギ!ほんっっとにありがとな」

唯 「これからもよろしくですっ」

律 「おまえはもっと遠慮しろっ!」コツン

ムギ 「いいのよ、わたし律ちゃんが喜んでる顔見たくて・・・あっ」

唯 「ほほう、田井中殿妬けますなw」

律 「バッ!違うよ!!ムギも怪しまれるじゃん!」

梓 「ホッペが赤いですね」

澪 「律は顔に出やすいんだ」

ムギ 「やだぁ~澪ちゃんも梓ちゃんもからかわないでよぉ~」

唯 「そしてムギちゃんも真っ赤っか」

律 「ムギも否定しろよなっ・・・ったく、アタシはいたってノーマルだ!」

ムギ 「律っちゃん・・・・・ぐすっ・・・・」

梓 「ムッ!ムギ先輩!?」

澪 「律が悪い」

唯 「りっちゃん!ムギちゃん可哀そうだよぉ」

律 「なっ!・・・ムギごめんな、そんなつもりで言ったんじゃないんだけど・・・」

ムギ 「うふ♪うそで~す♪」

律 「あ~~ムギ!!だましたなー!」

ムギ 「ごめんなさい。でも、焦ってる律っちゃんってカワイイ♪」

律 「もう~勘弁しろよな~」

ムギ 「おわびに、チュッ♪」

律のほっぺたにキス、きょとんとする律

澪・唯・梓「おっ!おおおお~!」

ムギ 「わたし、律ちゃんのこと好きだっていうのはホントなの♪」

唯 「りっちゃんいいな~私もチュってされたい~」

梓 「唯先輩はダメですっ!」

澪 「あたしもムギにチュってされたかった!!」

梓 「澪先輩まで・・・・」

律 「・・おいおい・・おまえら・・・・」

ムギ 「えへへ♪」


帰り道の光景

律「なあ澪ー今日DVD一緒に観ないか~」

澪「いぃやぁだっ!どうせ律の趣味なんて変なのばっかだろ?」

律「べー!!じゃあいいもんね~ムギぃ今日ヒマ?」

ムギ 「うん?!えっ・・・!ヒマ!!暇ですっ!!」

律 「じゃ、じゃあさ、一緒にDVDみない?あっ、ホラーだけどいいか?」

ムギ 「ホラー・・・うん!!私、友達とホラー映画観るの夢だったの~」

律 「そ・・そうか。あれ?唯と梓は?」

澪 「二人で買い物だって、先行ったぞ」

律 「あの二人ますます怪しいな・・まさか?!」

澪 「考え過ぎだっ」コツン!

律 「あ痛っ!」

ムギ 「・・・・よしっ!」

律 「んっ?どうしたムギ?」

ムギ 「うっ、ううん!なんでもないの!じゃあ準備してから、律ちゃん家行くね♪」

澪 「・・・・?準備・・?」

律 「ん?澪まさか、妬いてるのかぁ?うふふふふ~じゃあ、まったなぁ~」

澪 「だ~~~!!!うるさいっ!!」


ある部屋の光景

ムギ 「こんばんわ~」

律 「はいはーい!おっムギ!早かったな、ささ、あがってあがって~」

ムギ 「えへへ♪お邪魔しま~す」

律 「ムギ、お茶とジュースどっちにする~?」

ムギ 「私、律ちゃんと一緒でいいです~♪」

律 (ドキッ!なんか今日のムギ色っぽいな)

律 「じゃあジュースでいいな、先に部屋行ってて」

ムギ 「はーい♪」

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律 「おまたせ~」

ムギ 「ありがとう律ちゃん♪」

律 「じゃさっそく観ようぜー!電気消した方が怖さ倍増なんだぜ~」

ムギ 「うん♪」

============

ムギ 「きゃっ!」

律の腕にしがみつくムギ

律 「まだまだ、こっからだぞ、って、うわ!」

ムギ 「きゃあ!律ちゃんんん」

律(ムギってカワイイんだな・・こんなに震えちゃって・・・んっ、いかんいかん!)

ムギ 「律ちゃん手つないでていい・・?」

律 「いっ。いいけど・・・」

律 (ヤバイ!!ドキドキしてきた!)

ムギ 「ひゃっ!ふにゅうぅ・・怖いね律ちゃん・・あん♪」

ギュッ!ムギを抱きしめる律

律(やっちゃった~!)

ムギ 「り・・律ちゃん・・?」

うるんだ瞳で見上げるムギ

律 (かっ!かわいすぎだ~!!!)

律 「こっ、こうやってたほうが怖くないだろっ」

律(なんだよ、それ~)

ムギ 「・・・うん、もっとギュってして・・・」

律(りっ!理性が飛びそう!!)


コンコンっ

律 「はっ!はーい」

ガチャ

聡 「姉ちゃん、宿題教えてー、あっ!?」

ムギ 「こんばんわぁ」

聡 「あっ・・どうも・・・」

律 「宿題ぐらい自分でやれよなぁ~」

ムギ 「律ちゃんいいなぁ~♪わたし兄弟いないから、うらやましいわぁ♪」

律 「そうかぁ~こんな弟で良かったら持って行ってくれ!でも聡は澪の事・・」

聡 「あぁー!!姉ちゃん!!!」

ムギ 「うふふ♪聡くん、澪ちゃんが好きなのね♪」

聡 「そっ・・・そんなんじゃないけど・・姉ちゃんが勝手に・・」

ムギ 「いいのよ。人を好きになれるって素晴らしいことだわ、聡くんは優しい子ね♪」

聡は顔を真っ赤にして照れている

律 「ムギはいいこと言うな~、聡!告白しちゃえ」

聡 「そんなの・・・フラれるに決まってんじゃん・・」

ムギ 「ううん、きっと澪ちゃんも聡くんを良く思ってるわよ、だって律ちゃんの弟だもの。
当たって砕けろよ♪」

律 (砕けちゃダメだろ・・それにしてもムギっていつも一生懸命だな・・)

律 「まっ!告白しなきゃ一生伝わんないけどな」

聡 「そっ・・・そのうち言うよ・・フラれても笑うなよ!!」

ガチャン!部屋を出る聡

ムギ 「律ちゃん・・そうだよね、言葉にしなきゃ伝わんないよね・・」

律を見つめるムギ

ムギ 「律ちゃん・・・」

目を閉じるムギ

律 「ムッ!ムギ?!」

律(あっ・・いい香り・・・)

ムギのシャンプーの香りが理性を奪う

チュッ・・・・

ムギ 「わたしの想いは・・・・言葉じゃ足りないの・・・」

律 「ムギ・・・」

ムギ「もういっかい・・・」

チュッ・・・・・・


夜明け前の光景

律 「ムギ、泊っても大丈夫だったのか」

ムギ 「ん・・律ちゃん気にしないで、紬は律ちゃんといたいの」

律 「・・・あのさ、よかったのか?」

ムギ 「うん?なにが?」

律 「勢いもあったけどさ・・私とこんな風になって」

ムギ 「うふふ♪紬は律ちゃんが好き。だから、これ以上の幸せはないの♪」

律 「そ、そっか。あのさムギ」

ムギ 「なぁに?律ちゃん。」

律 「前にさ、楽しすぎて死んじゃうかもって言ってたじゃん・・」

ムギ 「うん」

律 「あ・・あのさ、死ぬなんて言わないでほしいんだ、だってムギはさ・・ほら、
私にとって大事な人だし、考えちゃうと辛くなっちゃうって言うか・・」

ムギ 「うん♪律ちゃんがイヤなコトはもう言わないよ。じゃあ紬からも一つだけ「お願
い」していい?」

律 「うん、なんでも言ってくれ」

ムギ 「律ちゃん・・・紬が律ちゃんを好きだってコト、許してほしいの」

律 「なっ!良いに決まってんじゃん!私もムギが大好きだっ」

ムギ 「うれしい・・もう紬は死んでも・・・あっ!口癖になってるかも~」

律 「こいつ~w」

律 「これからもさ、ずーっと一緒。約束だ!なっ♪」

ムギ 「うん♪紬はずっと律ちゃんと一緒♪一番大事な夢が叶ったわ、律ちゃん
だーーーい好き♪」


部室のある光景

あずさ 「唯せんぱい、皆さん遅いですね」

唯 「さてはあずにゃんケーキが待ち遠しいのかなぁ?」

あずさ 「ち!違いますぅ!!早く練習したいだけですっ!!」

あずさ(言えないっ!唯せんぱいと二人きりだと意識しちゃうなんて・・・)

唯 「ねえねえ、あずにゃん」

あずさ 「なっ!なんですかっ?」

唯 「最近ムギちゃんと律ちゃんって仲良いと思わない?」

あずさ 「友達でもあるんですし、普通だと思いますけど・・」

唯 「いーや、なんかさ友達って言うより恋人みたいな感じしない?」

あずさ 「唯せんぱいは考え過ぎですっ!」

あずさ(もぉ~フラグ立てすぎですぅ)

唯 「そーだね♪あずにゃんと私も恋人同士みたいだもんね♪」

あずさ 「はいっ・・・あれ?どさくさにまぎれて何言ってるんですかぁ!」

唯 「えへへ♪私たち律ちゃん達よりお似合いだよね」

あずさ 「なんの勝負ですか・・?」

ガチャ

澪 「あ・・・梓・・・・・・」

あずさ 「みっ!!澪せんぱい!!!!!」

澪 「そうなのかー私はてっきり・・・」

あずさ 「もぉー!唯せんぱいが変なこと言うからですよぉ」

唯 「えへへ♪そーいえば律ちゃんとムギちゃん遅いね」

ガチャ

ムギ 「もぉ律ちゃんったらぁ♪」

律 「おっ!おまたせ諸君」

澪 「遅いぞ律!」

ムギ 「ごめんなさい、私が悪いの」

澪 「なんでムギが!?」

唯 (ムギちゃんが謝った)

あずさ (まさか・・唯せんぱいの言うとおり?!)

律 「澪~お怒るなって、今度の学祭の話で盛り上がっちゃってさ~」

ムギ 「すぐお茶いれますね」

あずさ 「あっ私も手伝います」

ムギ 「ありがとう梓ちゃん」

澪 「講堂の使用許可書いておいたぞ」

律 「サンキュー澪♪じゃあ私、講堂の使用許可出してくるから」

==============

唯 「ねえねえムギちゃん、最近いつも律ちゃんと一緒だね」

あずさ 「ちょっ!唯せんぱいっ」

ムギ 「ええ♪残り少ない学園生活を大好きな人とすごしたくて♪」

唯 「そーなんだぁ」

澪 「えっ?」

あずさ 「ふぇ?」

澪 「ムギ・・律のこと好きなのか?」

ムギ 「ええ♪わたし、澪ちゃんも唯ちゃんも梓ちゃんも、みーんな大好きよ♪」

唯 「ムギちゃんはみんなのお母さんだね♪」

ムギ 「もぉ~唯ちゃんったらぁ~♪」


悲しさがある光景

ムギ 「ただいま帰りました」

執事 「お帰りなさいませ、お嬢様。最近、お帰りが遅いとお父様が気にかけておりました」

ムギ 「すみません、学校の行事に忙しくて・・」

執事 「琴吹家を継がれるお立場なのですから自重なさいますよう」

ムギ 「はい・・・すみませんでした」

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私は籠の中の鳥
泣いても
それは届かない
この羽は空をはばたくためじゃないの?
この声は自由を歌っちゃいけないの?

私は玩具
思うとおりに
望まれるまま
いつかは壊される玩具

=================

ムギ 「律ちゃんがいるよ・・がんばれ紬・・・」


見えない先の向こう側

ムギ 「律ちゃん、一緒に暮さない?」

律 「え?」

ムギ 「なんてね♪そんな日が来ればいいなぁって、私おかしいよね女の子同士なのに」

律 「ムギ・・・なんか無理してないか?」

ムギ 「してないよ・・律ちゃんと一緒にいれるもの、これ以上ないぐらい幸せです」

律 「そうだよな・・理解されないってキツいよな・・いいんだぜ、言ってくれよ」

ムギ 「律ちゃん、ずるいよ・・・律ちゃん、いつも私がほしい言葉がわかってるもん・・」

律 「ゆっくりでいいよ・・言いたくなったらでいいからな」

ムギ 「うん・・・ごめんね今日のワガママ言うね・・泣かせて・・・」

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律 「一緒に暮らそう。まだ自立出来ないけど・・そう大学 受かったらさ、
アパート借りて二人でさ」

ムギ 「うん・・律ちゃん・・ありがと・・・ワガママばっかり言ってゴメンね」

律 「気にすんなって。ずっと一緒!そうだろ」

ムギ 「律ちゃんっ大好き!」


欠けたピース

あずさ 「せんぱい!!唯せんぱい!!!」

澪 「唯っ!しっかりしろ唯!」

ムギ 「唯ちゃん!唯ちゃん!!」

律 「いま救急車呼んだから!」

唯 「変だね・・・最初は右手だけ痺れてたんだけど・・ダメだね私・・
体が動かないや・・あずにゃん・・ゴメンね・・私・・死んじゃうのかな・・・・」

あずさ 「ダメですっ!私がいいって言うまで死んじゃダメですっ!!!」

澪 「唯!バカ言うな!!唯っ!大丈夫だからっ!」

律 「唯!もうすぐだからな唯っ!!」

===================

ムギ 「梓ちゃん、あれから、ずっと付き添ってるのね」

澪 「唯・・・目覚めないかもしれないって・・・」


願った日々に

律 「もうすぐ学祭だな」

澪 「唯も戻ってないしな・・・」

ムギ 「そうね・・・」

あずさ 「唯せんぱいは絶対に戻ってきますっ!きっと・・・戻ってきますっ!!」

澪 「梓・・・」

律 「そーいえば去年の学祭も唯が来れるか!?ってなってたよな。きっと今回の戻ってくるよ」

ムギ 「そうね、唯ちゃんはきっと帰ってくるわよね」

澪 「もし・・もし間に合わなかったら・・・」

あずさ 「唯せんぱいがいないなら私も出ません!」

部屋を飛び出す梓

澪 「あずさ!!」

律 「澪!・・・梓もわかってるよ・・」

ムギ 「律ちゃん・・・私たちどうなっちゃうのかな・・せっかくここまで来たのに・・」

律 「心配すんな!唯は大丈夫!・・」

さわこ先生 「みんな!!唯ちゃんの意識が戻ったって」


動き出した時間

唯 「あずにゃん・・みんな心配かけてゴメンね」

あずさ 「せんぱい!うわーーーん!」

唯 「あずにゃん・・・ギュってしたいけど手が痺れたままなんだ・・」

唯に抱きつく梓

あずさ 「わたし!せんぱいが居なくなるんじゃないかって・・ひぐっ・・・」

澪 「唯・・・良かった・・・うぅ・・」

唯 「みんなゴメン・・これじゃ学祭でれないね・・ギー太も・・弾けないや・・」

あずさ 「ギターは私が弾きます!先輩はそばにっ!私のそばにいてください!」

唯 「あずにゃん・・・じゃあ私、歌うよ!せいいっぱい歌うよ」

ムギ 「唯ちゃん・・・・・」

律 「そうだなっ!唯にはボーカルがある!唯、歌詞間違えんなよ~」

ムギ 「じゃあ新しい曲の歌詞持ってくるわね」

唯 「ムギちゃんケーキもよろしく~」


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最終更新:2012年02月02日 02:11