・・・
紬「わぁ・・・」キラキラ
梓「ムギちゃん。演奏、終わりましたよ」ユサユサ
紬「・・・はっ」
紬「とっても素敵な演奏だった・・・」ポワーッ
梓「・・・ですね。やっぱりすごいです」
紬「さすがあずにゃんのご両親。私達ももっとがんばりましょう!」
梓「はい!」
プルルルル
梓「ん、お父さん?」
梓「もしもし」
梓「・・・えっ、今から?うん、うん」
紬「?」
梓「ちょ、ちょっと待って」
紬「お父さんから?」
梓「はい。よかったら楽屋に遊びに来ないかって」
紬「まぁ!」キラキラ
紬「行きたいです!」
梓「ふふっ、わかりました」
梓「あ、もしもし。じゃあ今から行くよね」ピッ
梓「じゃあ行きましょう」
紬「楽屋かぁ。そういえば私達も楽屋を使ったことあったね」
梓「あぁ、懐かしいですね」
紬「うーん。行くなら花束を持っていったほうが・・・」
梓「そ、そんなのいらないですよ」
紬「人多い・・・」テクテク
梓「演奏終わりましたからね」
梓「こっちです」
・・・
梓「来たよー」ガチャ
梓父「おぉ。いきなり呼んですまんな」
梓母「あら、ちょっと見ないうちに背伸びた?」
梓「そんなわけないでしょ・・・」
紬「」ドキドキ
紬「あのっ。演奏、すごくよかったです!」
梓父「ははっ、ありがとう。照れるなぁ」
梓母「紬ちゃんも久しぶりねぇ」
梓父「梓は迷惑かけてないかい?」
梓「ちょ、ちょっと!」
紬「と、とんでもないです!むしろ私のほうが!」
梓「ムギちゃんもちょっと落ち着いて・・・」
梓母「はい、お茶。せっかくだし、ゆっくりお話しましょう」
紬「あ、ありがとうございます」
紬「でも、テストも終わって一段落ね」
梓「まだ結果出てないけど、実家に戻らなくて大丈夫ですし」
梓「肩の荷が下りましたよ」
梓父「ん、実家に帰る?」
梓「えっ?お父さん達が言ったんだよ。テストの結果悪かったら実家に帰すって」
梓母「・・・そ、そんな事言ったかしら?」
梓父「うーむ・・・?」
紬「わ、忘れてらっしゃる・・・」
梓「・・・はぁ」ガックシ
梓父「あ、あー・・・。あれだ、梓達の幸せを邪魔するような事をだな」
梓母「そ、そうそう。できるわけないじゃない」
梓「・・・はいはい」
紬「(おおらかなご両親ね・・・)」
梓父「さて、この楽しい時間もそろそろ終わりか」
梓「まだ演奏あるの?」
梓母「演奏はないけど、いろいろあってね」
梓父「そういうことだ。時間もまだ早いし、他のバンドの演奏でも聴いてきたらどうだ?」
梓「そっか、わかったよ」
梓父「そうだ、梓」チョイチョイ
梓「なに?」
梓父「お小遣いだ。今日は二人でいいものを食べて行きなさい」
梓「えっ?別にいいよ」
梓母「いいからいいから。ここのレストラン、夜景が綺麗でムード出るわよ」
梓「・・・」
梓父「やぁ、お待たせ。じゃあ楽しんできてね」
紬「は、はい!」
紬「相変わらず素敵なご両親ね」
梓「そうですかねぇ・・・」
紬「さて、どこ見に行く?」
梓「うーん、私はこれといって・・・」
紬「・・・適当に見て回りましょうか」
梓「そうですね」テクテク
紬「わぁ。こっちは若いお客さんが多いのね」
梓「みたいですね」
?「シャラーーーー!!!」
紬梓「!」
紬「えっ、この声って・・・」
梓「・・・あはは。な、なにかの聞き間違えですよ」
梓「だってこのステージ、パンフレットには」パラッ
紬「・・・DEATH DEVILって、書いてあるね」
梓「・・・」
紬「入ってみましょう!私達の目で確認しないと!!」キラキラ
梓「そ、そうですね・・・」
梓「(先生は採点とかで忙しいはず。そんなわけ・・・)」ガチャ
紬「わぁ。音がすごい」
キャサリン「おい、今入ってきたアベック!DEATH DEVILのライブに遅れるたぁいい度胸だなぁ!!」
梓「ひっ!」
キャサリン「あぁん!?・・・って」
梓「・・・」
紬「」キラキラ
キャサリン「」タラタラ
さわ子「(どどど、どうしてあの子達がここにいいいいいいい!!!)」
クリスティーナ「キャサリン、どうしたの?」
キャサリン「な、なんでもねーぜ!」
梓「先生、声裏返ってる・・・」
キャサリン「次の曲!!」
・・・
紬「先生達の演奏も迫力あったわねぇ」
梓「はい」
プルルルル
紬「あ、さわ子先生から」
梓「・・・口止めかな」
・・・
紀美「久しぶりー」
梓「お、お久しぶりです!」ペコリ
さわ子「・・・」ズーン
紬「先生達も演奏だったんですね」
さわ子「どうして、ここに・・・」
梓「私の両親もここで演奏があって」
さわ子「・・・はぁ。なんて偶然・・・」
紬「演奏、かっこよかったですよ」
さわ子「ここで見た事は内密に・・・」
梓「もうばれてるんですから別にいいじゃないですか」
さわ子「これ以上広めない為よ!」
紀美「今日は二人なんだ」
紬「はい」
川上「じゃあデート?やるわねぇ」
紬梓「」///
紀美「あっ、赤くなった」
紀美「さわ子。教え子に先越されてるよー?」
さわ子「余計なお世話よ!」
さわ子「そ、そもそもデートくらいしたことあるわよ!」
紀美「あれ?そうだったっけ?」
さわ子「そういう紀美だって!」
川上「まぁまぁ、不毛な言い合いはここまで」
紬「そういえばさわ子先生、どうして演奏を?」
梓「今後本格的に活動するんですか?」
さわ子「まさか!」
紀美「この通り。またさわ子だけ乗り気じゃないのよねぇ」
川上「今日のライブも盛り上がったのにね」
紬「そうですよ。先生、すごくかっこよかったですよ」
さわ子「私はもうお淑やかキャラで生きるって決めたの!」
紀美「その年でキャラってどうなのよ・・・?」
梓「ならなぜ演奏を?」
さわ子「大人にはね、いろいろあるのよ・・・」
梓「はぁ・・・」
さわ子「とにかく今日のことは口外禁止!破ったら、・・・わかってるわね」ギロッ
梓「・・・」
川上「具体的にはなにするの?」
さわ子「そうねぇ」
さわ子「梓ちゃんを一日着せ替え人形にして遊ぼうかしら?」
梓「ひっ!」
紬「だ、だめです!」バッ
紀美「相変わらずそういうの好きなのね」
さわ子「と、いうわけだから秘密で夜露死苦」
梓「わ、わかりました・・・」
さわ子「さて、ご飯まだでしょ?よかったら一緒に食べに行かない?」
さわ子「口止め料として奢るわよ」
川上「(大人なら口止め料関係なく奢るものなのでは?)」
梓「え、えっと・・・」
紀美「あんたねぇ」
さわ子「?」
紀美「相手はデートなんだよ?なら二人で食事するに決まってるじゃない」コソコソ
さわ子「!」
紀美「それくらい察しなさい。そんなんだから彼氏出来ないんだよ」
さわ子「」グサッ
紬「あのー。・・・さわ子先生?」
さわ子「私だって、私だって・・・」イジイジ
梓「すみません。今日は二人で・・・」
紀美「わかってるわかってる。引き止めて悪かったね」
川上「ふふっ。なんとかさわ子を説得してまた演奏するから見に来てね」コソコソ
紬「ぜひ!」
さわ子「なんか言った?」
紀美「なんにもー。ほら、見送りに行くよ」
さわ子「はぁ。じゃああまり遅くならないようにね」
紬「はい、わかりました」
梓「では失礼します」
さわ子「気をつけて帰るのよー」
紬「かっこよかったわねぇ」
梓「ですねぇ、演奏も上手ですし」
紬「」クゥーッ
梓「あ」
紬「ち、違うの!」///
梓「ふふふっ。お腹空きましたね」
紬「・・・うん」
梓「ここのレストランにしませんか?私も早くご飯食べたいですし」
紬「うん。あずにゃんに任せる」
紬「・・・夜景、綺麗ね」ウットリ
梓「ですね」
紬「ふふっ。でもあずにゃんの方が綺麗」
梓「それを言うならムギちゃんの方ですよ」
・・・
紬梓「ごちそうさま」
紬「夜景は綺麗だし、料理もおいしいし。最高ね!」
梓「はい」
梓「(お父さん、お母さん。ありがとう)」
紬「まだライブやってるところあるみたいだけど、どうする?」
梓「うーん。帰りませんか?見たいところは見ましたし」
紬「それもそうね。じゃあお家へ」
ビューッ
梓「寒っ!」ブルッ
紬「そ、そうね。手、握ろう」
梓「・・・はい」ギュッ
紬「風が結構強いわね。早く駅に行きましょう」
梓「はいです」
駅員『現在、信号機のトラブルにより運行を見合わせております』
紬「そんなぁ・・・」
梓「タクシーもすでに行列が・・・」
紬「くしゅっ」
梓「ムギちゃん、大丈夫ですか?」
紬「う、うん。ちょっと冷えただけだから」
梓「(ここでずっと待ってたらムギちゃんが風邪引いちゃうよ・・・)」
梓「ムギちゃん、電車が動くまでどこかで時間つぶしませんか?」
紬「そ、そうね。どこに行こうか?」
梓「喫茶店・・・は、ご飯食べたばっかりですからね」
紬「そうねぇ」
梓「ゲームセンターにでも行ってみましょうか」
紬「うん!行きたい!」
・・・
紬「むむむ・・・、ここっ!」ポチッ
ウィーン、ポトッ
紬「あぁん!」
梓「任せてください。ムギちゃんの敵は取ります!」チャリン
紬「えへーっ」ギュッ
梓「まさか本当に取れたとは」
紬「ありがとう、あずにゃん。一生大切にするから!」
梓「ふふっ」
梓「次は一緒にレースゲームやってみませんか?」
紬「どんとこいです!」
・・・
紬「ふわぁ。いっぱい遊んだねぇ」
梓「はい。すごく楽しかったです」
紬「電車、動いてるかな?」
梓「そうですね。見に行ってみますか」
・・・
梓「まだ動いてない・・・」
紬「・・・これは。今日は帰れない可能性が出てきたわね」
梓「そんなわけないですよ」
紬「でも、どうしよう。迎えを呼ぼうか?」
梓「そ、それはだめです!」
紬「?」
梓「今日は、その・・・。デートだから、できるだけ二人でいたいなぁ、って」
紬「あずにゃん・・・」
紬「ふふっ、そうよね。迎えを呼んであっさり帰ったらつまらないものね」
梓「そ、そうです。この問題を二人で解決するんです!」
紬「そうすると、どうしようか?」
紬梓「・・・うーん」
梓「ここにいても寒いですし、喫茶店にでも入りますか」
紬「うん」
紬「あったかぁい・・・」ズズッ
梓「ですねぇ・・・」
紬「ふふっ、こんな遅くまで外で遊んだの本当に久しぶり」
梓「・・・たしかに」
梓「でも、これ以上遅くなると危ないかもですね・・・」
紬「うーん・・・」
モブ夫「ねぇー、ホテル行こうよホテルー」
モブ子「えぇー?」
梓「!」
紬「・・・ホテル。それもありかも」
梓「えぇっ!?」ドキッ
紬「あずにゃん?」
梓「いや、その・・・。私達にはちょっと早いのではないかと・・・」カアァ
紬「?」
梓「ま、まだ私、高校生だし。そういう所を誰かに見られたら・・・とか、その・・・」///
紬「卒業旅行でみんなで泊まったじゃない」
梓「え・・・」
梓「・・・」
梓「」カアァ
紬「?」
梓「ななな、なんでもないです!」ゴクゴク
紬「くすっ、変なあずにゃん」
梓「(違うホテルと勘違いするなんて・・・。恥ずかしい・・・)」カアァ
梓「(でも、一度でいいからムギちゃんと一緒に・・・)」ポーッ
梓「(む、むしろ今誘うとか・・・)」ゴクリ
梓「・・・」
梓「(そんなことできるわけないよー!)」ブンブン
紬「・・・あずにゃん。熱、ないよね?」ピトッ
梓「だ、大丈夫です・・・」ドキドキ
最終更新:2012年02月16日 23:35