梓「先輩!早く起きてください!遅刻しちゃいますよ!」
唯「う~ん、あと7分~」ムニャ
梓「はあ…憂の苦労がわかるよ…」
唯「うわああ!遅刻だよ~!」
梓「大丈夫ですよ。まだ時間はあります」
唯「あ、そう?」
唯(昨日見えた未来はなかったことになったのかな…?)
唯(まあ、無い方がいいけどね…)
にゃーーん
唯「ぬおっ!」ピクッ
梓「どうしたんですか?」
唯「今、猫の鳴き声が…」
猫「にゃーお」
唯「ああ!やっぱり猫ちゃんだ!!」
猫「にゃー」
唯「かっわいい!」ナデナデヨシヨシ
梓「もう行きますよ!」
唯「えーいいじゃん!」
猫「なー!」
唯「ほら!猫ちゃんも言ってるよ!?」
梓「…わたしとその猫、どっちがいいんですか?」
唯「ふん!聞き分けのないあずにゃんより猫ちゃんがいいもん!」
梓「!…じゃあずっとそうやってればいいじゃないですか!」ダッ
唯「へへへ~。もうちょっとなでなで…」
唯「ああっ!あずにゃんをひとりっきりにしちゃった!」
唯「追いかけなきゃ!」ダッ
梓(唯先輩なんか…唯先輩なんか…!)タタタッ
唯「あずにゃ~~~ん!!」タタタッ
梓「! なんですか!猫と遊んでればいいじゃないですか!」
唯「ダメだよ!わたしにはあずにゃんが必要なんだよ!」
梓「うそだ!そうやって適当ばっか言って…本気じゃないじゃないですか!」
唯「ほ、本気だよ!」
梓「もう聞きたくないです!…唯先輩のばか!」ダッ
唯「まって!あずにゃん!」ダッ
ブオオオオオオオン キイイイイイイイイ
梓「!」
唯「うそ…まにあわない… 」
唯「やめて…やめてええええええええええええええええええええ!!!」
ドグシャアアアアアアアア
おい、大丈夫か!? 車が突っ込んだぞ! 女の子は無事か!?
唯「いててててて…」
梓「せん…ぱい?」
唯「よかったあ、あずにゃんが無事で」
梓「なんで…なんでわたしなんかをかばって…」
唯「言ったでしょ。わたしにはあずにゃんが必要だって」
梓「せんぱい…ごめんなさい…ごめんなさい…」ヒクッ
唯「いいよ。こっちこそごめんね、ひとりにして」
梓「せんぱあああああああいいい!!」ウワアアアン
唯(なんでわたしはあずにゃんを助けられたんだろう…?)
唯(気が付いたらあずにゃんを助けてた…)
唯(無我夢中だったからわからないけど…今はいいや)
唯(わたしでも…未来を変えることができたんだ!)
「梓を守れ!」 ミッション成功!
…
梓「おはよう」ガラッ
憂「ああっ!あずさちゃん!」
純「聞いたよ!車にひかれかけたんだって!?」
梓「うん。でも唯先輩に…助けられちゃった」
憂「本当に!?」
純「…やっぱりあの人はすごいね」
梓「うん…///」
憂「……」ムー
梓「憂、わたしやっぱり唯先輩のこと好きだと思う」
憂「!…負けられないね」
梓「望むところよ!」
純「あらら、いつの間にか火花散っちゃってるよ」
唯「やっほ~」ガラッ
律「ああっ!唯、大丈夫だったか!?」
唯「うん。っていうかみんな知ってるんだね」
紬「もうほとんどの生徒が知ってると思うわ。奇跡的に事故から救った少女がいるって」
唯「いや~照れますなあ」
律「うむ!軽音部部長としても鼻が高いぞ!」
キーンコーンカーンコーン
律「おっ、じゃあまたな」
唯「うん」
紬「…唯ちゃん」ボソ
唯「えっ?なにムギちゃん」
紬「あとで二人っきりで話があるの。いいかしら?」
唯「? うんいいよ」
紬「じゃああとで」
唯「…なんだろう」
…
唯「ムギちゃん、きたよー」
紬「ありがとう。唯ちゃん」
唯「お安い御用だよ!」
紬「…唯ちゃん、今から変な質問するけどいい?」
唯「うん」
紬「最近、突然未来が見えたりした?」
唯「! な、なんのこと!?」
紬「本当のこと言って。未来が見えた?」
唯「う、うん…」
紬「そう…やっぱり…」
唯「な、なんでムギちゃんが知ってるの?」
紬「…今から話すことは馬鹿げてるかもしれないけど事実なの。だから信じてね」
唯「うん…」ゴクリ
紬「唯ちゃん、わたしはね…未来からきたの。未来人なの」
唯「へっ?」
紬「正確にいえば”タイム・ダイバー”…時を超える能力をもつ人間なの」
唯「??」
紬「わたしがここへと跳躍してきた理由…それは唯ちゃん、あなたを監察するため…」
唯「えっ」
紬「唯ちゃん、あなたは未来を予知できる能力者…”プレディクション”なの」
唯「???」
紬「…ごめんなさい、難しすぎたわね」
唯「つまり、ムギちゃんがこの時代にきたのは…未来を予知することができるわたしを監察するためなんだね」
紬「そう。未来を予知できることは同時に世界を支配できる能力をもっているのと同じことなの」
唯「へえ、これってすごいんだね」
紬「だから唯ちゃんを、その能力を悪用しないかどうか判断するためにわたしが来た、ってわけなの」
唯「わ、わたしはそんなことしないよ!」
紬「ええ、知ってるわ。軽音部のみんなや和ちゃんを助けたり、守ったりしてたものね」
唯「し、知ってたの?」
紬「うん。だから唯ちゃんはその能力を持っていても問題ないってわたしは思うわ」
唯「うはー!照れますね!」
紬「うふふ」
唯「ねえムギちゃん、質問があるんだけど」
紬「なにかしら」
唯「この能力で見える未来は確実に起こる未来なの?」
紬「その時点で見た未来ならそうと言えるわ。だけど、もし唯ちゃんが『その未来を変えたい!』って思って何かしらのその未来に関わる行動を起こすと、未来が変わってしまう場合もあるの」
紬「でも、その行動の影響力が小さかったら、そのままの未来になってしまうわ」
唯「そうなんだ…」
紬「うふふ、でも澪ちゃんのときはびっくりしたわ。あそこまでするなんて、唯ちゃんらしいわ」
唯「えへへ~照れる…」ポリポリ
唯「じゃあさ、この未来を見る能力の発動条件ってなに?」
紬「能力者によってさまざまだけど…唯ちゃんの場合は未来が見たいと思った相手に対しての感情が一定より超えている場合、それに合わせてその人に大きな危機が迫るとその人の未来が見えるわ。未来予知というよりは危険察知能力というべきかしら」
唯「へえ。その感情って何?」
紬「いわゆる正の感情、例えば愛情とか友情とか…そして、その人に対して向けられる感情が大きいといいの。」
紬「でもね。大半の場合、そういう感情というのは自分に無意識に向けられてるの。自分が一番かわいいってやつね。だから未来を見るといっても自分の未来だわ。でも唯ちゃんはそれが相手に向けられてる…。だから自分の未来は見てないと思うわ」
唯「そうなんだ…」
唯「ところで、ムギちゃんは未来から来たんだよね。じゃあ未来のことは知ってるの?」
紬「ええ。でもわたしはこの時代に干渉するのは許されない。唯ちゃんみたく行動を起こすことはできないわ」
唯「なんで?」
紬「タイム・ダイバーはあくまで傍観者…。その時代に干渉すると未来が変わってしまう恐れがあるの。もし何らかのアクションを起こせば罰があたえられてしまうわ」
唯「大変だね…あ、でもわたしは未来を変えちゃってるよ!大丈夫なの?」
紬「唯ちゃんはこの時代の人間よ。別に問題はないわ」
唯「よかったあ…じゃあムギちゃんはいつかいなくなっちゃうの?」
紬「いいえ。わたしはまだ監察をするという仕事があるの。だからまだどこへも行かないわ」
唯「よかった~~!ムギちゃんがいないと軽音部は楽しくなくなるもん!」
紬「ありがとう唯ちゃん。わたしも軽音部が楽しいからここにいるの。だからすぐにいなくなったりしないわ」
唯「うん!わかった!」
紬「こんなところかしら」
唯「でもムギちゃん。こんなことわたしに話していいの?」
紬「ええ。あなたには知ってもらう権利がある。これ以上その能力で混乱しないためにも…」
唯「逆に混乱しちゃったよ…」
紬「ふふふ、唯ちゃんらしいわ」
――放課後
梓「唯先輩!これもおいしいですよ!」
唯「うん!おいしいね!ありがとうあずにゃん!」
梓「えへへ~」
律「梓のやつ、唯にベッタリだな」
澪「まあ命の恩人だしな。わたしも梓だったら唯に惚れちゃうかも…」
律「な、なんだとー!わたしのことが嫌いなのかー!」
澪「ば、ばか!もしもの話だ!」
紬「うふふ」ニコニコ
唯(ねえねえ、ムギちゃん)
紬(なあに?)
唯(わたしの能力のこと、みんなに話した方がいいかな)
紬(う~ん…みんなのことは信用してるけど…その能力の話は話しちゃだめよ?何があるかわからないから)
唯(そうだね)
梓「ゆ、唯先輩!わたしともお話しましょうよ!」グイッ
唯「おわわわわ」
ガチャ
憂「こんにちは~」
唯「あっうい~!」
梓「どうしたの?」
憂「そんなに大した用事じゃないけど…お姉ちゃんにこれを届けに」
唯「ああっ、ケータイのストラップ!これ探してたんだよ!ありがとううい~」
憂「どういたしまして!」
キーーーーーーーーーーーーーーーン
唯「いてっ!」
唯(うう…もうないと思ったのに…)
?『……もうダメだ、こいつは殺す』カチャ
憂『お姉ちゃん…ごめんね…』
ターーーン
ドサッ
唯(なに…これ…ういが…ういが…)
唯(いやあああああああああああああああああああああ!!)
サーーーーーーーーーーーーーーーー
唯「はっ!?」
憂「お姉ちゃん?」
唯「うい…うい!!」ダキッ
憂「うわっ!?ちょ、お姉ちゃん、恥ずかしいよ…///」
梓「……」ムー
紬(あの様子だと…また未来を見たようね)
紬(人の不幸を見るだけの能力なんて…神様はひどいことするわ…)
唯(わたしが憂を守らなきゃ…わたしにしかできないんだ!)
唯(未来は…変えてみせる!!)
LAST MISSON 「憂を守れ!」
律「じゃあな、みんな」
澪「またな」
梓「さよならです!」
紬「またね、唯ちゃん、憂ちゃん」
唯「うん、バイバ~イ」
憂「さようなら!」
唯「うい!お姉ちゃんからお願いがあります!」
憂「ん?なに?」
唯「今日はわたしから離れないこと!」
憂「ええっ!?ずっと?」
唯「うん!」
憂「なんでまた?」
唯「ええーっと…今日はういに甘えたくなったの!」
憂「もうお姉ちゃんったら」
唯(あの未来だと憂は誰かにつかまってた…)
唯(つまり誘拐されたんだ)
唯(それを防ぐにはわたしがついてなきゃ…)
ガチャンコ
唯「ただいま~」
憂「ってだれもいないね」
唯「そうだね」
憂「先にごはんから食べる?」
唯「うん!」
憂「お姉ちゃん」
唯「な~に~?」ゴロゴロ
憂「ちょっと醤油が切れちゃったから買いに行ってくるね」
唯「だ、だめ~~~!!!ういは外に出たらだめ!」
憂「えっ?なんで?」
唯「そ、外は危ないんだよ!?」
憂「いつも外で買い物してるよ?」
唯「うっ…なんかわたしの勘でういが危ないって言ってるの!!」
憂「そこまで言うなら…じゃあ今日は出前にしようか」
唯「そうそうそれがいいよ!」
憂「お姉ちゃん!そこで寝たら風邪ひくよ!」
唯「……zzz」
憂「もう寝ちゃってる…」
憂「……」
憂(お姉ちゃんがあそこまで言ってくるってことは…本当に危ないんだよね)
憂(昔あったように…お姉ちゃんが知らせてくれてるんだ)
憂(お姉ちゃんはわたしのヒーローだもん…いつもわたしを救ってくれるんだ)
憂(あっ、女の子だからヒーローじゃないか)
憂(…ありがとう、お姉ちゃん)
最終更新:2010年01月28日 01:44