憂「それじゃ行ってきまーす」

憂「って誰もいないんだけどね」

平沢憂の一日は始まる

マンボウが向かい合った柄のマフラーを巻いて、誰もいない家をあとにする

憂「おはよう」

梓「おはよ憂」

純「今日も寒いね~」

憂「うん、でもマフラーあったかいから」

梓「そのマフラーかわいいよね」

憂「そろそろHR始まるよ」

純「は~い」

梓「それじゃね」

憂「うん」

憂(今日は一段と寒いなあ)


昼休み

梓「ねえ憂、今日暇?」

憂「暇だけど、どうして?」

梓「いや別に、聞いただけだよ」

憂「そっか」

梓「気にしないでね」

憂「うん」

純「どうだった?」

梓「特に用事はないみたい」

純「じゃあ準備しなきゃね」

梓「うん、ぱーっとお祝いしよう!」

純「あ、憂って自分の誕生日忘れてそうな感じしない?」

梓「するする、最近ぼーっとしてる事多いし」

純「きっと驚くぞー」

梓「楽しみだね」

梓「場所は私の家でいいよね」

純「うん、さすがに憂の家でやるのはちょっとね」

梓「私たちで憂をおもてなし出来るのか心配だけど」

純「それは・・・たしかに」

純「あ、梓のお父さんとお母さんは今日いないの?」

梓「出かけるって言ってた」

純「料理とかどうしよっか」

梓「う~ん」

梓「出前でもいいけど、きっと私たちが作った方が喜んでくれるよ!」

梓「・・・多分」

純「・・・頑張ろう」

梓「憂」

憂「なあに?」

梓「今日私の家に来ない?」

憂「いいの?」

梓「うん、たまには私の家で遊ぼうよ」

憂「わ~ありがとう梓ちゃん、楽しみだよ!」

梓「うんうん、楽しみにしててね」

憂「うん!純ちゃんも来るんでしょ?」

梓「うん」

純「私も居て嬉しい?」

梓「あ、純」

憂「とっても嬉しいよ!」

純「そうかそうか、可愛い奴め」

憂「あ、そろそろ昼休み終わるよ」

梓「そうだね、それじゃまた」

純「今夜は寝かさないぞ子猫ちゃん」

憂「あはは」

梓「何言ってるんだか」


放課後

梓「ちょっと部屋が散らかってるから、片付いたら連絡するね」

憂「うん」

純「何が散らかってるのやら」

梓「ちょ、変なこと言わないでよ」

憂「変なこと?」

純「何何?パンツとか散らかってたりして」

梓「もう純やめてよ!」

純「冗談冗談」

憂「ふふ」

梓(パーティーの準備って言えないから仕方なくごまかしてるんでしょ!)コソコソ

純(わかってるけどさ)コソコソ

梓「それじゃあ準備出来たら呼ぶからね、二人とも」

憂「はーい」

純「早く準備するんだよ」

梓「何か言った?」

純「いえ別に」

梓「あとご飯も用意するからね」

憂「そんな、迷惑じゃないかな」

梓「全然迷惑じゃないから!とにかく今日はご飯支度しなくていいからね、分かった憂?」

憂「う~ん、分かったよ」

梓「ほんとに気にしなくていいからね」

憂「うん」

梓「それじゃとりあえず」

純「ばいばーい」

憂「うん、それじゃ」

梓「・・・」

純「・・・」

梓「さて、準備にとりかかろうか」

純「何からやればいいのかさっぱりだよ」

梓「とりあえず料理とケーキだよね」

純「難易度高そう」

梓「・・・」

純「あ、憂に手伝ってもらえば」

梓「それじゃ意味無いでしょ!」

純「そっか」

梓「買い出しにも行かなきゃ」

純「私一回帰って着替えてきていい?」

梓「いいよ」

純「着替えたら梓の家に行く?」

梓「うん、じゃあ家で待ってる」

純「じゃ急いで着替えてくるから」

梓「早くねー」

純「はいはい」

梓「・・・ちょっと部室に顔出してこよ」


部室

梓「・・・というわけで今日はお休みさせてください」

澪「そっか、楽しんでこいよ」

梓「はい!」

律「今日はせっかく真面目に練習しようと思ったのになー」

梓「す、すいません」

澪「さっきまでずっとお茶してただろ!」ゴツン

律「痛って!」

律「・・・仕方ない、今日だけだぞ」

紬「何か困ったことがあったら連絡してね」

梓「はい、ありがとうございます」

梓「それじゃ失礼します」ガチャ

澪「また明日な」

梓「はい、さようなら」バタン

梓「・・・さて、帰ろう」

梓「何作ろっかな」

梓「ケーキってどうやって作ればいいんだろう」テクテク

梓「ん?純からメールだ」

梓「『まだ帰ってきてないの?』って・・・」

梓「純もう来てるの!?早すぎでしょ!」タタタ

梓「なんでこういう時だけ早いのー!?」タタタ

梓「純の馬鹿ー!」タタタ

純「あ、梓遅いよ」

梓「なんでこんなに早いの・・・」ハァハァ

純「ん?送ってもらったんだ」

梓「そんな、聞いてない・・・」ハァハァ

純「まあ走ってきたみたいだし許してあげよう」

梓「どうも・・・」ハァ

純「じゃあ買い物に行こっか」

梓「ちょっと待って、私も着替えてくる」

純「早くねー」

梓「うん」


スーパー

梓「着いた」

純「さて、何を買うの?」

純「いや、その前に何を作るかだよね」

梓「家に料理とかお菓子作りの本があったから持ってきたんだ」

純「おお」

梓「これを見ながら買っていこう」

純「用意が良いね」

梓「私にまかせて!」

純「まかせた!」

純(私は何も考えなくていいから楽できて助かるなあ)

梓「・・・とか思ってないよね」

純「え?ぜ、全然思ってないよ!」


梓「とりあえずこんなもんかな」

純「結構買うんだね」

梓「失敗した時用だよ」

純「・・・」

梓「?」

純「いや、なんでもない」

梓「ならいいけど」



梓の家

梓「じゃあ作っていくよ」

純「まかせた!」

梓「これは純もやるの!」

純「くそう、やっぱりか」

梓「本の通りに作ればきっと出来るって」

純「まあ失敗しても予備があるしね」

梓「そういうこと」

純「よし、一丁やりますか!」


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最終更新:2012年02月23日 20:45