唯「ペロペロしたいなァ」

律「へんたいか」

唯「なにさーっ、律っちゃんだってあずにゃんとむちゅちゅーしてるじゃん!
私知ってるんだよっ」

律「うむ、そうなのだ。
私達はへんたい仲間だな!」

すっ。

唯「そうですな、律っちゃん隊員!」

がしぃっ!

唯『ーー私達は熱い友情の握手を交わした。
こうして、世界は平和になったのだ……』

律『おしまい』


唯「さて、そこでムギちゃんの脇の下の舐め方なんだけど……
我が夢を叶える為に、ぜひ一緒に考えておくんなましっ!」

律「普通にやればよくね?」

唯「例えば?」

律「ムギにストレートに頼む」

唯「そんなの無理だよー。
もし引かれたりしたらヤダもん!」

律「そんな事ないと思うけどな。
 ムギなら案外あっさりOKしてくれるだろ」

唯「そ、そうかなー///
でっ、でも、OKしてくれたら三振奪取、駄目だったらホームラン被弾なんてリスク高すぎるよぅっ」

律「(それなら)もう(手が)ないじゃん」

唯「まだ一個しか案出てないよ!?」

律「そういえばそうだったな。
……なら、そうだな。体育のーー」


翌日、体育の後。

紬「ふぅ」

律「ムギが着替え始めた」

唯「よぅしっ、タイミングを見計らって……」

律「上着を脱ぐ為に両腕を上げた!
行けぇ、唯ファンネル!」

唯「らじゃ!」

トテトテトテ。

唯「おおっとすべったぁ!」

ピョンっ。

律「よしっ!
『つまずいた振りしてムギにぶつかり、たまたま唯の顔がムギの脇にゴールイン作戦』……完璧だ!
今のは唯のつまずきがつまずきじゃなく、明らかジャンプだったが問題はない!」

唯「ムギちゃんの脇まで、
3、
2、
1ーー」

紬「あらっ」

がしっ。

唯「ふぇっ?」

トッ……

律「!?」

紬「あぶなかったねー。
大丈夫だった? 唯ちゃん」ニコッ

唯「う、うんっ。ありがと///」ドキッ

律「な……ムギの奴、飛びかかってきた唯の両肩を手でキャッチし、優しく着地させやがった……
ムギは上着脱いでる途中で、服が顔にかかって前は見えてなかったのにっ」

紬「ーーあら唯ちゃん、首すじに小っちゃな痣が出来てるわ。
体育の時についたのかしら?」

唯「わわわっ、ムギちゃん顔近いよぅっ///」


放課後、部室。

律「むう、まさか失敗するとは……」

唯「ごめんね律っちゃん……」

律「いや、唯がムギにわざとつまずくタイミングとか距離とか、バッチリだった。
これはムギが上手だっただけだ」

唯「私も、作戦自体は良かったと思うんだけどなぁ」

律「命中率百%の唯ファンネルだったはずなんだが……
見事に切り払われちまった」

唯「踏み込みでも足りなかったのかなぁ」

律「まあムギにはこちらの魂胆はバレてなかったみたいだし、まだ次がある」

唯「そだね。
(ムギちゃんの私だけに向けられたパーフェクツ・スマイル、真近で見れたし……肩を掴まれたのもドキドキしたなぁ///)
……じゃあ次はどうしよっか……」

律「そうだな……」

梓「話は聞かせて貰いました」

唯「あずにゃん!」

律「おう」カタテアゲテアイサツ

梓「はいです」ニャー

律「何か手があるのか?
……んっ」チュツ

梓「あ……ふ。
名案です。
ここは唯先輩の得意な……」ムチュチュ~


翌日、休憩時間中の教室。

唯「ムーギちゃん♪」ダキッ

紬「あら、唯ちゃんどうしたの?」

唯「えへへー、ムギちゃんの身体ぬくぬくやわらかで好きぃ~」モゾモゾ

紬「あらあらまあまあ♪」

唯「あやっ!
ムギちゃんのシャツ、脇の所がちっとばかしほつれてまっす!
さささ、私が直すから脱いで脱いで!」

紬「まあっ、本当?」

律「よし、良いぞ!」ロウカカラ

梓「さすが唯先輩。見事な切り出しだ」コソーリ

紬「ーーでも、ここで脱ぐのは恥ずかしいわ」

唯・律・梓「!」

紬「お家帰って直すね。
唯ちゃん、教えてくれてありがとう☆ニコッ
……あら唯ちゃん、いつもより髪の毛サラサラね。トリートメントでも変えたのかしら」

唯「わ……か、変えてないよぅ?(ムギちゃん近い~///)」


放課後、部室。

律「うむむ」

梓「ここで脱ぐのは恥ずかしい、ですか…」

唯「ムギちゃんはお上品だから、シャツの脇の下のほつれを指摘されても、人の居る場で腕を上げて自分の脇を確認したりしない……」

梓「だからほつれが嘘でもーー少なくともすぐにはバレない。
その場で脱がせられさえすれば、『唯先輩、後は流れでお願いします』で何とかなると。
そこまでは読んでいたんですけどね」

律「あれは盲点だったな。
さすがはムギ、我々の一歩上を行く」

唯「それでいて最高にかわゆくて、性格はぐう聖なんだもん。
あれで惚れない訳ないよ、まったく///」

梓「しかし、次はどうしましょうか」

律「うむむ、そうだな……」

澪「待たせたな、皆」

唯「澪ちゃん!」

梓「澪先輩、何か策がおありなんですか?」

澪「ああ。とっておきの、な」

律「さすが澪だぜ!」


当日、部活の演奏後。

ジャーン。

紬「ふうー♪」

梓「良い演奏でした」

律「よっしゃー! 今の演奏最高だったな!」

唯・紬『さいこーっ!』

梓「先輩方、気を抜いてはダメです。
上手く行ったんですから、尚更すぐもう一度やりましょう」

律「えー!」

唯「えー!」

澪「あひらっひょぉおおぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉい!」

紬「!?」

唯「澪ちゃんどうしたの?」

梓「なにかあったんですか?」

澪「い、いいい今みぇた、見てしまったんだ!」

律「なにを?」

澪「ム、ムギのシャツの中に、じじ、じっ、Gが入り込んだのを!」

紬「」

律「な、なんだってーーー!?」

梓「これは大変です」

唯「さ、さ、ムギちゃんシャツを脱いで!
脱いでみよう!」

紬「……あの、でも……
そんなの入ってきたら、さすがに気付かない訳ないと思うんだけど……」

澪「なぁにを言うんだムギっ!
奴は神出鬼没なんだぞ!?」

唯「そうだよぅ!
だから脱ごうっ!」

紬「だけど、今服の上から調べてみたけど中に違和感ないし……
それに、これだけ私が動いてGが中でじっとしてるのもおかしくないかしら?
居たとしたら、とっくに動き出してると思うけど……」

澪「…………」

律(まずい)

梓(想定外)

唯(ど、どどどうしよう澪ちゃん、どう返そう!?)

澪「は……ははは!」

唯「澪ちゃん?」

澪「や、やだなムギ。動くってな、なななんの事だよ」

紬「えっ?」

澪「私が言ったのはG……
ゴディバのチョコレート!
ほら、今日ムギが持ってきてくれたお菓子ってゴディバのチョコレートだろ?
それだよっ」

紬「あら、そうだったの~。
……あれ? でもチョコレートが私のシャツに入ったのを見たって……どういう……?」

澪「ああ、どうもチョコレートを食べるのが楽しみで幻覚を見てしまったらしい」

紬「あらあら♪」

澪「いやぁすまんムギ、皆!」

紬「良いのよ~。
じゃーー」フリムイテ、アルキダシ…

どんっ。

紬「あっ、ぶつかっちゃった……
ごめんね、唯ちゃん」

唯「う、うん平気だよっ」
(ムギちゃん、だからお顔近いって!///)

紬「よかった……」ニコッ

律(そして相変わらず良い笑顔だ)

紬「じゃあお茶にしましょうか。
すぐに用意するわね♪」


翌日、まだ誰も居ない早朝の教室。

澪「ダメだったな……
昨日はすまん」

唯「澪ちゃんは全然悪くないよぅ~」

律「だな。
むしろ、ムギのあの言葉によく返せたよ。
上手く誤魔化せたおかげで、まだまだチャンスがあるんだからな」

梓「そうです。私があの時の澪先輩だったら、もう猫のマネする位しか思い付かなかったと思います」

唯「そうだよ~」

澪「しかしムギの奴、あんな事言われてあそこまで冷静に対応出来るとは……
手強いな」

律「だな」

梓「です」

唯「ぅえーん!
ムギちゃんの脇の下、ペロりたいよぅ!」


?「あの時紬さんのシャツを上手く脱がせられたとして、その後どうやって脇の下を舐めるつもりだったの?」


唯「決まってるよぅ!
消毒してあげる、って私がペロるのっ」デヘヘ

律「ーーって、誰だ!?」

憂「わーたーしーだー」

澪「あっ!///」

唯「ういー」

梓「おはよう憂」

憂「おはよう梓ちゃん」

律「おう、どうしたんだ」

憂「それよりさっきの作戦、舐める所まで行っても、紬さんに引かれておしまいですよ」

唯「えっ?」

憂「だって考えてもみてお姉ちゃん。
脇ペロ自体はまったく問題無い、極々当たり前の行為だけど……
自分の脇をGが這いました。その時、人が『消毒してあげる』って言って舐めてきたらどう思う?」

唯「引くわ」

憂「でしょ?」

唯「……はっ! 確かにっ」

律「お、おう。
いや、まぁ世の中そういうのが好きな人も居るかもだが、さすがに……なぁ」

澪「ああ……」

梓「我々はへんたいではあっても、アブノーマルではありませんからね」

憂「お姉ちゃんは、紬さんの脇の下を舐める事が出来たらそれで良いの?
その後引かれたり嫌われたりして距離置かれても良いの?」

唯「い、嫌だよぅ!」

律「そりゃそうだよな……」

梓「まあ、そうならない為にこうやって作戦立てている訳ですからね」

澪「むう、私とした事が。ここまで穴だらけな手を発案して、あまつさえ実行にまで移したなんて……
論ずるに値しないな……」

律「仕方ねえよ。
それにそんな事言ったら、その『穴』に気付かず、指摘出来なかった私らも悪い訳だしな」

梓「です。
そもそも、ムギ先輩が手強すぎ為に作戦がなかなか上手く行かないのは言うまでもなく、今憂が指摘してくれた点も、普通は思いもよらないレベルの話ですし」

唯「そだよ。むしろ皆、色んな提案してくれてありがとねっ」

憂「ところで今の話の流れからすると、その作戦を考えたのは……」

澪「わーたーしーだー」

憂「やっぱり。
澪さんはしっかりしている様で抜けてますからね」

澪「そ、そんな事言うなよぅ」

憂「なんで? 本当の事でしょ?」

澪「ぅう……」グス

憂「(ゾクリ)それにさっき、私のマネしましたよね?
おちょくってるんですか?
澪さんの事、嫌いになっちゃおっかなー」

澪「ひあーっ!
やだぁ……嫌いになっちゃやらよぅ……」ウーイニピトッ

憂「えへへ、澪はこんなに甘えんぼで泣き虫なのに、ファンクラブがあるなんて笑えるね?
今の情けない姿を、ファンの人達が見たらどう思うかなぁ?」

澪「良いんだもん、甘えんぼでも泣き虫でも情けなくても良いんだもん。
憂が居てくれたら良いんだもんっ」

憂「澪、かわいい……
吸って良いよ?」ナデナデ

澪「ん……///」チュパチュパ…

律「くっ、こいつら朝っぱらから見せつけやがりやがって!
梓こいっ、私たちだって負けてられっか!」アズサノテノヒラ、ハムハムペロリ

梓「にゃー」リツノデコ、ペロリ

唯「ばああああぁぁぁぁぁあああぁあぁぁあぁぁぁぁぁあああぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああぁあああぁぁぁぁぁぁ!
うっらやっましぃ!!
私だって早くムギちゃんとっ!!!」

憂「あ、任せてお姉ちゃん。私に名案があるよ」


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最終更新:2012年03月20日 20:09