「先輩……!」
「唯は……唯は死ぬとき何て言ってた?」
「え?」
和は顔を上げるが律の表情は逆光でよくわからない。
「唯は和を恨んでたか?ムギは恨んでたか?」
和は首を横に振った。
「唯は……友達って言ってくれたわ。みんな大好きって……」
「私も唯が好きだ。梓だってみんな好きだ。その好きな奴の友達を殺すのは友達じゃねえ」
律は銃を下ろす。
「絶対生きろ。みんなの分まで、死ぬとか言って逃げんなよ」
和は泣き崩れた。
「でもな、個人的な怒りは別だ。唯とムギの分、2発殴らせろ。それで勘弁してやる」
和は黙って歯を食いしばった。鈍い音が2回響いた。


「痛ぇーなぁ……本当に痛ぇよ。殴った拳も……胸も……すげぇ痛ぇよ」
律は拳を強く握り締めながら涙を流した。
みんな泣いてしまった。少女達にとってあまりにも辛かった。
大切なものを失い過ぎた。少女達は泣くことしかできなかった。


しばらくして落ち着いてきた3人はこれからの計画を練った。
「半端じゃ済まされねえよな。絶対生まれた事を後悔するくらいギタギタにしなきゃな」
一同が頷く。と同時に紙にペンを走らせている。盗聴器が仕掛けられているため筆談をするのだ。
『ムギが見つけたアンテナをぶっ壊す。そんで篭城して澪を殺した野郎とタカハシって野郎をぶっ殺す』
『無茶じゃないです……?』
『やるっきゃねえ。他にいい方法あんのか?』
梓は俯いて押し黙ってしまった。と和がさらさらと紙に書いている。
『ある。けどこれも確実じゃない』
律が次を促すように首を振ると和はまた書き始めた。


和の提案とは次のことである。

前提条件としてアンテナを破壊しても本部に気付かれない事。
首輪の位置情報をアンテナからの電波で取得している事。
死亡した時首輪が停止し反応が消える事の三つである。


まずアンテナを壊すと同時に一人が残り二人を殺す演技をする。
アンテナを破壊すれば電波外になるので当然首輪の反応が消える。
そうすれば残った一人が優勝したと勘違いし、最低でも優勝者の首輪は解除される。
学校に乗り込んでプログラムを破壊出来次第残り二人も学校に突入して制圧。


『いや、まだ篭城のほうが確実だって……』
『だよね……本の読みすぎね』
『でも和先輩の案のほうが澪先輩を殺した人とタカハシを倒せる確立は高いですよね』
確かに篭城だと下っ端ばかりがやってきてお偉いさんは高みの見物が関の山だろう。
しかし学校に乗り込む和の案なら2人に近付く可能性は高い。
比較的安全だが最大の目的が果たせない確立が高い篭城か。
博打だが最大の目的が果たせる確立が高い奇襲か。
律は悩んだ。悩んで悩んで悩み抜いた末に出た結論は、
『篭城にしよう』
誰も否定することはなかった。二人ともどちらを選んでも受け入れる覚悟は出来ていた。

確かに二人は憎い。この手で嬲り殺したいほど。
しかし自分には大切な仲間がいる。少しでも生き延びれる可能性を選ぶのはリーダーとして当然の行為だった。

『それじゃあ篭城する場所を決めるか』

こちらは人数3人に拳銃2丁、マシンガン1丁。唯の鞄に入っていた手榴弾6個。
対する敵は人数は不明。武器も豊富。この圧倒的戦力差を埋めるためには拠点選びは重要だった。
あらゆる武器を想定しあれこれと議論していく。
本屋や図書館で軍略や歴史の本などでを調べた。

『じゃあここでいいな?』
律が指し示した所、それは病院だった。裏が絶壁となっており後ろから攻められることはない。
広さも広すぎず狭すぎず、医療器具完備と申し分ない所だった。
全員の意見が一致した時、12時の放送が入った。
禁止エリアが発表された時、一同の顔が凍りついた。
今篭城をすると決めた病院の場所がこれから禁止エリアになるという。
物資の調達は任せると言い残し律は走り去った。


スコップを持ちマウンテンバイクに跨ると一気に加速した。
ここからはかなり距離がある。今は12時10分。15時に禁止エリアとなるので残り2時間50分。
向こうに着いてもアンテナを探して破壊をしなければ行けない。微妙なところだった。


何度も転んだ。その度に立ち上がってスピードを上げた。
足がパンパンになろうともひたすらペダルを漕ぐ。
時刻は14時25分。やっとの思いで到着した。
だが休んでる暇はない。何としてでも見つけ出し破壊しなければならない。
間に合わなければ作戦どころか自分がリタイアとなってしまう。
こんな所で死ぬ訳にはいかない。一心不乱にスコップで掘り続けた。

――残り30分
まだ見つからない。

――残り20分
まだ見つからない。

――残り10分
まだ見つからない。

――残り5分
首輪から警告音が鳴り始めた。

――残り1分
「私は信用してるぞ、ムギ。だから……お願いだ!見つかってくれ……」


――残り30秒
ガキィと地面の音ではない音がした。律は掘るスピードを速めた。

――残り10秒
「あった……!」

――残り5秒
スコップを振り上げる。

――残り3秒
「おおおおりゃあああああああ!!!!!」

――残り……





「律先輩大丈夫かな……」
「大丈夫よきっと……みんなが助けてくれてるわ」
「それにしても和先輩運転上手いですね……」
「ゲームと一緒よ。それにATなんておもちゃみたいだし」
二人は車で病院に向かっている。少しでも早く着きたいため車のある民家に進入し鍵を探した。
運よく1件目で見つかり車に乗り込んだ。そして今に至るわけだ。
「お陰で荷物が一杯つめたし。本当にラッキーね」
「そうですね。あ、次右です」
車は目的地に向かって爆走する。

程なくして本来なら禁止エリアとなる場所の手前までやってきた。
車を直前で一旦止めると二人は降りた。
「いい、もし禁止エリアなら警告音が鳴るわ。その時は残念だけど、律抜きでやることになるけど」
「覚悟は出来てます」
「そう、それに律ならきっと何とかしてくれたはずよ」
二人はゆっくりと歩き出す。
数十メートル、数メートル、数センチと近付いて行き、そして……
「首輪がならない……」
もう一歩、二歩とどんどん歩く。

そして首輪は……




うんともすんとも言わなかった。
二人は嬉しさの余り抱き合った。成功したのだ。
急いで車に乗り込みアンテナがあるであろう所まで向かった。
穴だらけの地面の中央に律は寝てた。
二人が寄ると律は苦笑いを浮かべた。
「ずっとチャリで走りっぱなしだったから疲れた……安心して腰ぬけた……」
久々にみんなで笑いあった。
「さあ、時間がないから車乗って。本部も気付いてるはずだから」
「おー!!……ところであの車は?」
「和先輩がパク……じゃなくて借りたものです。凄い上手いんですよ」
「昼は優等生を演じ、しかしその実態は幾多の峠を制覇する……」
「何をぶつぶつ言ってるのよ。早くしなさい」


一方本部は慌しかった。禁止エリアになるはずの場所に3人も生きているのだ。
「何故禁止エリアになってないんだ!!ちゃんと起動させたのか!!」
「それが何をしても反応がないのです……」
「壊されたか……小癪な。おい、第2、第3部隊に伝えとけ!武器を持って病院に向かえと!」
伝令が急いで教室から出て行く。
喧騒に包まれた教室の隅でタカハシは慌てる様子もなくコーヒーを啜っていた。
(おもしろい事になったな……あの成金共の悔しがる顔が目に浮かぶ)
タカハシにとってこのゲームなどどうでもよかった。危険と判断すればさっさと逃げればいいのだ。
だから慌ててる兵士を他人事のように見ていられるのだ。
(脱出が成功したほうが面白そうではあるな……)
タカハシは薄い笑みを浮かべながらコーヒーを飲み干した。


病院はすっかりと変わっていた。玄関には机や椅子などでバリケードが作ってある。
内部のあちこちにトラップを仕掛けた。これもサバイバルの本に載ってた狩猟用のものを応用したものだ。

「後は成功を祈るだけ……か」
律は窓から外を眺める。太陽が傾き始め、空はうっすらとオレンジ掛かった。
こんな状況なのにとても綺麗な風景だと思った。
この景色をみんなで見れればどんなによかっただろう。しかしそれはもう叶う事はない。
だから戦うのだ。私達から大切なものを奪った奴らに報いを受けさせるのだ。

「みんな聞いてくれ」
二人は作業を止めて律のほうを注視した。
「これから奴等と戦うけど、逃げるならまだ間に合うかもしれない」
律は思いつめた表情で続ける。
「復讐するって言い出しっぺは私だ。無理に付いてくる必要はない。ここまで手伝ってくれただけでも……」
「今更なに言ってるんですか?」
律の言葉に半ば呆れたような口調で梓が答える。


「復讐したいという気持ちは一緒ですよ。言い出しっぺもなにもありません」
「私なんかが言うのはおこがましいかもしれないけど、私はこんな殺し合いをやらせる主催者が心底憎い」
梓も和も主催者を倒すという強い意志があった。
「死ぬかもしれないぞ?それでいいのか?」
律の忠告も二人は笑って答える。
「一人でも欠けたら放課後ティータイムじゃないです。私は先輩とずっと一緒ですよ」
「ここで逃げ出したらまた昔の私に戻るわ。そうならないと唯に誓ったのよ」
それに死んでいった人達に失礼だしね、と和は付け加えた。
二人の目には確かに覚悟が見て取れた。迷いも後悔もなくとても澄んだ瞳だった。
なんと頼もしいのだろうか。律は涙を流した。
「ありがとな……みんな」
「泣かないでください先輩。そんなの先輩のキャラじゃないですよ。もっと能天気に……」
「誰がノーテンキだ!!」
「ふふふ……」

こんな楽しい雑談はこれが最後かもしれない。
だから笑った。みんな精一杯笑った。

18時。本来なら放送の時刻だがもうスピーカーを使うことはない。
ひぐらしの鳴き声をBGMにそれぞれが部屋から外を見張る。
離れた場所は無線を使って連絡を取り合う。
「右側異常なしです」
「左もなし」
「意外と遅いなぁ……」
「こういう場合視界が悪くなる夜に攻めるのがセオリーって聞いたわ」
「なんだよ……じゃあもうちょっと休むか」
「あくまでセオリーよ。この場合相手からすれば敵は貧相な武器を持った女3人よ」
「舐めてかかってくるに違いませんね」


「さっさと片付けて帰ろうぜー、って感じか……腹立つな」
「でもそのお陰で油断してくれるはずよ。そこを突けば……」
「言ってる傍からお出ましだぜ。みんな準備しろ!」

正面にある大通りにジープが2台止まり、車から武装した兵士が出てきた。

「最初の部隊は必ず室内までおびき寄せてやっつけるんだ」
武器が圧倒的に不足している状況では相手の物を回収する以外勝つ方法はない。
安全に回収できる建物内までおびき寄せてから撃退するという作戦だ。
全員が頷くとそれぞれ配置についた。


「第二小隊は待機!第三小隊は病院へ潜入!生死は問わん!」
部隊長が命令すると各自持ち場についた。攻撃部隊はそのまま病院へ向かう。
攻撃部隊は一応の警戒はするものの、やはりどこか楽観ムードだった。
相手がただの女子高生3人。武器の情報は拳銃2丁にマシンガン1丁。
こちらはプロが6人。武器は各自マシンガンと拳銃にナイフを持っている。弾薬も豊富。
如何に愉しむか、遊んでやろうか。全員がそんな考えだった。
「見ろよ、一丁前にバリケードなんか作ってら」
「でもやっぱ素人だな。これじゃ簡単に破れる。見ろよ、そこなんかスッカスカだぜ?」
指を指すと確かに他の場所と比べればバリケードは薄い。
隊員の一人が勢いよく蹴り飛ばすとあっさりと破られた。
全員がぞろぞろと中に入っていく。電気は点いてなく薄暗かった。
「じゃあ俺眼鏡の娘襲ってくるわ」
「あ、じゃあ俺は小っちゃい子貰い!」
「馬鹿、調子のんなよ」


2人が駆け足で先に出て行く。一人がそれを抑えるが顔は笑っている。
突然前に出てったうちの一人が立ち止まった。何事かと思った時それは倒れた。
慌てて駆け寄ると額に矢が刺さっていた。
「明かりを点けろ!罠が張ってあるぞ!」
全員がスコープを点けると確かに倒れた男の近くに細い糸が張ってあった。
恐らく支給品にあったボウガンと合わせたのだろう。
「クソ!生意気な事しやがって……!全員気を引き締めろ!全力で殺してやる!」
通路が左右に分かれているので二人と三人の組に別れそれぞれの通路を進むこととなった。


三人組みのほうは一部屋一部屋警戒しながら調べていく。1Fは誰もいない。
2Fも同様に探すが誰もいない。更に3Fへ行こうとした時背後で何かが割れる音がした。
振り向けば火の手が上がっていた。1Fへの階段と2Fの通路はその炎によって絶たれた。
「3Fへ逃げるぞ!」
隊員達が急いで階段を登るが突然力が入らなくなった。
やがて立つ事もままならなくなり誰もが倒れてしまった。
それらは二度と立つ事はなかった。身体を緑色に変化させて見るも無残な姿だった。


原因はH2S。一時期流行った所謂「硫化水素」である。
学校の実験室から持ってきた硫化鉄と希塩酸を混ぜて発生させたのだ。
硫化水素は空気より重いので階段の上で発生させれば自然と下に降りて行く。
それを登ってきた隊員達がまともに吸ってしまったという事だ。
しかし一般的に言われている腐卵臭という独特な臭いに何故気付けなかったのか?
硫化水素は濃度が高ければ高いほど無臭になるという性質がある。
加えて突然背後で炎が発生したことによる緊張、焦り、退避による急激な運動など。
また装備品の重量などで呼吸の回数は平常時よりも高くなっている。
気付く間もなく大量の硫化水素を吸い込んでしまったという訳だ。


タイミング良く火炎瓶の発火と硫化水素を発生させる事に成功した和は額の汗を拭う。
硫化水素が充満しているため残念ながら今すぐ武器の回収はできないが結果オーライであろう。
残りは二人。和は反対側の通路の援護に向かった。


梓は現在交戦中だった。と言っても防戦一方である。しかし上手く障害物を使い攻撃を防いでいる。
対して二人の兵士も責めあぐねていた。近付こうと少しでも物陰から身体を出せば弾が飛んでくる。
また机や椅子などが通路の片側に乱雑に置かれており人一人がやっと通れるスペースしかない。
左右に避けながら接近することができない。そうなればいくら素人でも当てることは容易い。
こうなれば持久戦となる。無駄撃ちをさせて弾切れになった所を確実に仕留めればいい。
事実梓は本物の銃撃戦に途轍もない恐怖感を煽られていた。
辛うじてみんなのため、死んでいった者のためとしての使命感で応戦してはいるがそれでも正確な射撃は出来ない。

兵士が出て行く振りをすると予想通り撃ってきた。すぐさま物陰に隠れる。
これを繰り返せばいい。そう確信した時一つ疑問が思い浮かんだ。

本当に一人だけなのだろうか?3人のうち、こちらにいるのは1人だけなのか?
反対の通路にも当然いるだろう。だとすると後一人はどこにいるのか?

その時すぐ横の窓に何か影があった。
驚いて振り向くとそこにはP-90をもった少女がいた。
窓ガラスが割れる音と共に二人の身体は蜂の巣となった。


「あ、梓ー降ろしてくれー!落ちるー!」
「まったく……無茶しすぎですよ先輩。落ちたらどうするんですか……」
「これぐらいやる覚悟ないと敵は倒せないのだよ。それと先輩じゃなくりっちゃん隊長と呼びたまえ梓隊員」
外で宙ぶらりんになってる律を室内に引っ張りロープを解いた。
梓が指定した場所で囮として戦っている隙に律は屋上からロープで下の階まで降り奇襲をしかけたのだ。
通路に降り立った律は先程自分が撃った死体を見た。
「殺しちゃったんだな……」
奇襲をかけた時は無我夢中だったため何も思わなかったが改めて死体を見ると罪悪感が出てきた。
「なあ梓、これで私も人殺しの仲間だ。こいつらと同類になっちまった……」
自嘲気味にそう言うと兵士から武器を回収しはじめる。
「先輩……」
「さてと、和と合流しよっか」
梓は声を掛けることができなかった。

「攻撃部隊からの連絡がありません」
「まさか小娘等ごときにやられたというのか?」
「しかも定期の連絡は愚か撃破の報告もないので敵は生存している可能性が」
報告を受け部隊長は飲んでいたコーヒーのマグカップを地面に叩き付けた。
「馬鹿者共が!!たかが女に無様にやられおって!!」
部隊長の激昂に兵は萎縮する。と、そこに一本の無線が入った。
乱暴に無線機を取ると若干声を荒げながら応答した。
「こちら捕獲部隊、どうぞ」
『ああ、そっちはどうだい。到着して随分経つが首輪の反応が消えていないのだが?』
「油断した馬鹿共が返り討ちに遭いました。これからは全力で制圧します」
『そうか。相手は死に物狂いだから気をつけたまえよ。では』
無線機を置くと直ぐに厳しい表情で皆に向き直り号令をかけた。
到着前とは明らかに違う兵士の顔つきでそれぞれが準備に取り掛かった。


一方病室では律が黙々と武器を分配していた。普段のおちゃらけた雰囲気はなく、異様な空気だった。
梓はどう声を掛ければいいのか分からず和に助けを求めるが、和は放っておくのが一番といった。
人を、それも友達を殺したことがある和だからこそ理解できた。
何かから逃げるように、正当化しようと葛藤している心境を理解できた。
そんな律を見て梓は何もしてあげられない悔しさと自分も変わってしまうのかという恐怖で複雑な気持ちだった。
分配が終わった。二人分のマシンガン、ハンドガンをそれぞれ梓と和に、ナイフ、手榴弾は律が持つこととなった。

「第二派が来るけど今度はさっきみたいに行かないだろーな」
「敵も本気だろうし奇襲はもう効かないはず」
「じ、じゃあ完全に力勝負ってことですか……本物の兵隊相手に……」
不安そうな梓の肩を律は優しく抱き寄せる。
「ごめんな。こんなのについてこさせて。私が全力で守ってあげるからな」
「え、あ……いや、大丈夫ですよ。ちょっと怖かっただけです。それにここに来たのは自分の意思ですし……」
「悪いと思ってる。梓を人殺しにさせちゃうかもしれないし……こんな部長でごめんな」
律は梓を離して病室の出口に向かった。廊下に出ようと扉に手を掛けた時、和が喋った。
「重要なのは殺した後自分がそれを背負えるか……」
律は振り返り和を見る。まっすぐとした瞳に律は動けなかった。


6
最終更新:2010年01月28日 22:54