律「お返しの味はビター or ベター?」
梓「……」スッ
律「……なにその手」
梓「今日は何月何日か知ってますか?」
律「3月14日だけど」
梓「じゃあ何の日でしょう」
律「んー?」
梓「……」
律「はて……?」
梓「ホワイトデーですよっ!!」
律「」キーン
梓「ひどいです、恋人同士の大事な日を……」
律「……」
梓「律先輩に何もらえるのかなって楽しみにしてたのに」
律「……」
梓「律先輩に何もらえるかなって律「ちょっと待て」
律「お前こそ、ホワイトデーの意味知ってるか」
梓「えっ」
律「えっ」
梓「男の人が女の人に贈り物をする日じゃないんですか?」
律「言っとくけど私は女だからな」
梓「些細なことです」
律「はっ倒すぞてめぇ」
律「バレンタインの『お返し』をする日だろ」
梓「ですからお返しを……」
律「私はお前から何ももらってない!」
梓「……」
律「……」
梓「そうだっけ」キョトン
律「とぼけた顔しやがって」
梓「えへへ、忘れてた」
律「どうせお前はそういう奴だよ。とりあえず可愛いから頭なでさせろ」
梓「もう、拗ねないでよ」
律「拗ねてないから」ナデナデ
梓「めんどくさいなぁ」
律「とりあえず敬語使え」ナデナデ
梓「ということで、お返しください」ニコニコ
律「だからもらってないってのに」
梓「今頭なでた」
律「それとこれとは話が別だ」ナデナデ
梓「またなでた」
律「お前の頭がなでやすい位置にあるから悪い」
梓「チビって言ったぁ……」
律「言ってないから」
梓「自分だって貧乳のくせに、チビって言ったぁ……!」
律「お前の方がひどいこと言ってるから」
梓「律先輩はばか先輩です! でこ! ぺちゃぱい!」ビエーン
律「小学生かよ……うぜぇ」
梓「恋人にうざいって言った!」
律「はいはい、うざいぐらいに可愛いよお前は」
梓「しくしく……」チラッ
律「……」
梓「……」チラッ
律「わぁーったよ、あげるって」
梓「!!」パアァ
律「しゃあねえの」
梓「計画通り……」ボソッ
律「何か言ったか?」
梓「いーえ、なんにもないですよー」
律「何このムカ可愛い後輩」
律「ん。昨日作っといたんだぞ」
律(後で何言われるか分からんし)
梓「やっぱり律先輩は優しいです」
律「人が良いってよく言われるよ」
梓「分かります」
律「……」
梓「開けていいですか?」
律「ん」
梓「……あっ」
律「フツーのクッキーで申し訳ないけど」
梓「……いただきます」
律「どーぞ」
梓「」モグモグ
律「……」
梓「……美味しいです」
律「そりゃよかった」
梓「律先輩」
律「んー?」
梓「……ありがとうございます」
律「どういたしまして」
梓「」ギュッ
律「……」ポンポン
律「で、何かお返しくれんの?」
梓「おかえし? 何それ美味しそう」
律「……期待はしてなかったけどさ」
梓「」ハァー←拳あっためてる
律「仕返しじゃないからな?」
梓「チッ」
律「おいコラ今舌打ちしたろ」
梓「してないし」
律「だから敬語使え」
梓「はいはい、わがままな人ですね」
律「こいつヒドくね?」
梓「じゃあ4月14日にあげます」
律「来月じゃん」
梓「はい」
律「それこそ何の日だ」
梓「バレンタイン、ホワイトデーと来たからブラックデーとかどうですか?」
律「やめろ縁起でもない」
梓「ということで、お返しはまた今度……」
律「ダメ。今すぐよこせ」
梓「来月でいいじゃないですか」
律「きっとお前は忘れた振りしてとぼける」
梓「ぎくっ……そ、そんにゃ訳ないじゃないですか」
律「ぎくって言ったし。噛んでるし」
梓「疑り深い先輩です」
律「前科犯が何を言う」
梓「……分かりましたよ、それじゃ今『お返し』あげます」
律「ほぅ、何をくれるんだ?」
梓「目つぶってください」
律「」キュッ
梓「……」
律「逃げるなよ」
梓「ぎくっ」
律「図星かよ」
梓「い、いいから目開けないでください!」
律「へーへー」
律「……」
梓「……」
梓(はぁ、仕方ないなぁ)
律「……」
梓「……」
律「っ……」
梓「……」
律「……」
お返しは、ほんのりほんわかバター味でした。
Fin
というところで終わります
次の方どうぞ
最終更新:2012年03月28日 20:55