【やばい……】


唯「ねえ、りっちゃん、知ってる?」

律「……何を?」

唯「豆腐ってさあ時速1200キロで投げると、人間をも殺す勢いになるらしいよ」

律「ふーん」

唯「私さあ、今それを自ら豆腐を投げることによって実験中なんだ!」

律「そっか。……で、今台所の床に散らばってる豆腐は、その実験によるものなのか?」

唯「そうなんだよ!流石に人に当てるのは不味いと思って、床で実験をね!」

律「……ゆい?」

唯「ごめんなさい。何か食べようと思って冷蔵庫を開けたとき、うっかりと落としてしまいました」

律「……今日の夕飯は、豆腐ハンバーグにしようと思ってたのになあ」

唯「そうなんだ?私、りっちゃんの豆腐ハンバーグ大好き!」

律「……ゆい?」

唯「ごめんなさい」



【むかしむかし】


唯「りっちゃん、昔話をしてあげよう!」

律「え、別にいいよ」

唯「……」シュン

律「あー!やっぱり猛烈に唯の昔話が聞きたいなー!」

唯「だよね!?よーし、じゃあ張り切っちゃうぞー!」

律「話に張り切りとかあんのか?まあ、じゃあ話してみて」

唯「ほいさ。……むかーしむかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました」

律「うんうん」

唯「ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました」

律「(やべ、もうオチが分かってしまった)」

唯「すると川の上流から何と大きなりっちゃんがドンブラコッコ、スッコッコ」

律「(そうそう、ここで大きなりっちゃんが……)っておい!私かよ!!」

唯「その大きなりっちゃんを割ると、中からは小さなりっちゃんが出てきました」

律「割るのかよ!?しかも私はマトリョーシカか!!」

唯「その小さなりっちゃんは、町娘の唯という女の子と結婚し、末永く幸せに暮らしましたとさ」

律「オチなしか!それがどうした、って感じになるだろ!!」

唯「そして現代――私、平沢唯田井中律の壮大なラブストーリーが、今始まる……」

律「もう意味わかんねーし!昔でもなくなってるし!!」



【ピスタチオ!】


唯「りっちゃん、ピスタチオいる?」

律「いるいるー」

唯「ん、じゃあ、あーん」

律「え、殻ついたままそんなんされても困る」



【吸血鬼!】


唯「今宵は……満月、だな……」

律「そうだなー。っつかさあ、何だその口調」

唯「気にするな……血が足りぬせいで己の制御が効かぬだけだ……」

律「血って……お前、吸血鬼かよ」

唯「はっはっは……そうさ、私は吸血鬼なのだあ!血を吸わせろーーっ」ガバアッ

律「え、こわっ」サッ

唯「きゃふん!……何で避けるの!?転けちゃったじゃん!」ドテッ

律「あー、はいはい、ごめんなちゃいねー」ナデナデ

唯「むぅ、そんな馬鹿にして!いいから血を寄越せー!」

律「まだそれ続けるんかい。……今日の夜はニンニク入り餃子にするつもりだけど、吸血鬼さんは食べないの?」

唯「食べるー!」

律「でもニンニク食べたら吸血鬼って消えちゃうんじゃないっけ」

唯「わ、私はニンニクが好物な特殊な吸血鬼なの!」スクッ

律「なんじゃそりゃ。……ったく」

唯「餃子の皮を包むの、手伝おうか?」

律「うん、よろしくー」



【しりとりしようよ!】


律「じゃあいくぞーっ。しりとり」

唯「りっちゃん」



【和「人のこと言えないじゃないのよ!」】


律「そこのお前、手をあげろ!」

唯「は、はひぃっ」バッ

律「私が生徒会室に行っている間に、私のケーキの苺を食べたのはお前だな!」

唯「お、お許しをぉ!あの真っ赤で艶やかな苺を目の前に、手を出さないのは無理です!」

律「何ぃ!?唯のくせに言い訳するのかあ!?」ジリジリ

唯「ひっ、一体何を……」ビクビク

律「こうするに決まってるだろーっ!!」コチョコチョ

唯「あははっ、やめっ、ゆるしてりっちゃん、きゃはははっは!」

律「やめるわけないしー!ほら、ここがええのんかーっ」コチョコチョ


梓「唯先輩が莓を食べたのって、律先輩に構って貰いたくてわざとやってるんですよね?」

紬「梓ちゃん、それを言うのは野暮よ」



【世界の中心で?】


唯「りっちゃん!っちゅー」セカセカ チュー

律「んっ。……な、何」

唯「セカチューだよ!澪ちゃんがスゴく良いって言ってたから、してみた!」

律「セカチューとキスとで一体なんの関連性が……あっ。……唯?」

唯「えー、何ー?」

律「セカチューは、『世界の中心で愛を叫ぶ』の略であって、『セカセカしたチュー』のことじゃないぞ?」

唯「えっ。うそ。恥ずかしっ!」



【口移し!】


律「ゆい」チュゥッ

唯「んっ……んー、これ何?」モグモグ

律「飴玉。私、その味嫌いだからあげるよ」

唯「えーっ。私もこれ嫌い。返すよ」チュゥッ

律「んーっ……。ちぇっ」コロコロ



【朝だー!】


律「ゆーい。そろそろ起きろよ」ユサユサ

唯「えー……あと3億時間寝かせて……」

律「その頃には多分もう、起きなくても良くなってるだろうけど、今起きなきゃダメだ」ペシッ

唯「ちぇー……」



【昼だー!】


唯「りっちゃん、今日は良い天気だね」

律「そうだなー。これなら、すぐ洗濯物が乾くな!」

唯「じゃあ、その乾いた洗濯物に後でダイブして良い?」

律「だーめ」ペシッ

唯「ちぇー」



【夜だー!】


律「唯、電気切るぞー」

唯「うん」ソソソッ

律「……何故、私の方に擦り寄ってくる」

唯「だって寒いんだもーん。だめー?」ギュゥッ

律「唯はそうしてたら『暑いーっ』って深夜に騒ぎ出すから、だーめっ」ペシッ

唯「……ちぇーっ」



【トトロを見たよ!】


唯「ネコバスに乗りたい」

律「唯はすぐ乗り物酔いするから無理だよ」

唯「無理じゃないよ!酔いながらでも病気のお母さんにちゃんとトウモロコシ配達するよ」

律「正直、顔面真っ青で今にも吐きそうなやつが木の上で微笑んでる気がしたら、良い気持ちしないわ」

唯「それもそうだね」



【呼び方!】


唯「カットバン」

律「絆創膏」

唯「ドロケイ」

律「ケイドロ」

唯「ちゅーちゅー」

律「ポッキンアイス」

唯「りっちゃんおかしいよー」

律「唯の方がおかしーし」



【ケンカ中!】


律「……」ムスーッ

唯「え、えへへ……えーっと、りっちゃん?……まだ怒ってる?」

律「……」

唯「へ、返事してよお」アセアセ


梓「……何か律先輩が静かなんですけど、どうかしたんですか?」

紬「唯ちゃんに対して怒ってるのよ」

梓「えっ、どうしてですか?」

紬「りっちゃんが書いたラブレターを唯ちゃんがなくしちゃったらしいの」

梓「ああー……それは大変ですね爆発すれば良いのに」

紬「本音が漏れてるわよ、梓ちゃん」



【何で?】


唯「何でりっちゃんは前髪下ろさないの?」

律「前髪が邪魔だから」

唯「切れば良いじゃん」

律「……唯は前髪下ろした私の方が好き?」

唯「どっちも大好き」

律「じゃあ切らない」

唯「ふーん」ギュッ

律「何で抱き締めてくるんだ?」

唯「ちょっとキュンときたから」

律「ふーん」ギュッ



【パーティー!】


唯「リッツパーティーしよー!」

律「おお、良いなー。しよーぜー!」

唯「じゃあ、りっちゃんは寝転んでね」

律「……?何で?」

唯「だって律パーティーじゃん」

律「おおぉぉおおおぉぉおいい!!さっきと何か名前が変わってるし!!!」

唯「えー?そんなことないよー?」

律「いや、あるよね。絶対あるよね。……つか、その、律パーティーって何だよ?」

唯「えっ……言わせないでよ、恥ずかしい」

律「そ、そんなヤバイことなのか、やっぱり!?」

唯「いやー、ただ私がon the りっちゃんして、りっちゃんを食べるだけなんだけどね」

律「それただの乱行パーティーじゃん!」



考えてみれば、今日ってまだ3月31日ですね。>2012/03/31(土)



【エイプリル!】


唯「私、りっちゃんのこと大嫌いだよ」

律「ふーん。私は唯のこと大好きだけど」

唯「うああああん!ダメなんだよ、それじゃあ!嫌いって言ってくれないと!」ワーン

律「えっ、何で?好きなんだから良いじゃん」

唯「ちがくてー!違わないけど、違うよーっ!」

律「えええ、何なんだよ、もー。唯は私のこと本当に嫌いなのか?」

唯「好きだけど、ちがくて、嫌いだよ!」

律「え、え、え?マジで……?」ジワァ…

唯「あああ、えっと、そうじゃなくて……」オロオロ

律「うぅぅ……唯が何と言おうと、私は唯のことが大好きだからなー!ばかーっ!!」ワーン

唯「ふええぇぇ……そんなこと言わないでよ、ばかー!!」ワーン



【未来!】


唯「ねえねえ、りっちゃん。春が来たね」

律「ああ、そうだなー」

唯「私たちが出会って、何度目かの春だね」

律「うん。月日が経つのは早いな。すぐに年をとって、大人になっちゃうよ」

唯「……何年先になってもさ、放課後ティータイムは残り続けるよね?」

律「んー?」

唯「私たちは大学生になって、あずにゃんは高校生で、ちょっと私たちの形が変わって」

律「うん」

唯「きっと……これから先、社会人になって、また前までと変わっちゃって」

律「……うん」

唯「……怖いんだ、何かね。何かがなくなっちゃう気がして」

律「……大丈夫だよ。私たちはそんなに脆いものじゃないし」

唯「うん……」

律「それに……変わるのは悪いことじゃない。だいたい、変わらないものだってあるしな」

唯「うん?」

律「放課後ティータイムはいつまでも放課後だってことと、私が唯のことを大好きなこと!」

唯「……うん、そうだね!……私、りっちゃんを好きになって良かったよ」

律「んー?」ギュッ

唯「うんー」ギュッ



【意味不明!】


律「唯ー、いっぱいの“い”を“お”に変えると?」

唯「おっぱお」

律「……」チョップ

唯「っだ!な、何でチョップするの!?」

律「私は間違えて“おっぱい”って言って赤面する唯が見たかったのに……」

唯「えええ……それはごめんね(?)」



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最終更新:2012年04月08日 21:01