澪side

床にゴロンと寝そべり、天井をボンヤリと見つめる。

私、澪先輩が好きなんです。か……

まさか梓が私の事を好きだったとは。

落ち着いて状況を整理してみよう。

……駄目だ、気分が落ち着かない。

そうだ、ハーブティーを飲もう。

ムギに教わったけれど、ジャスミンティーはリラックス効果があるらしい。

ライブの前などは、ムギがジャスミンティーを煎れてくれていたんだっけ。

コポコポ。

ゴクゴク。

ふう、ちょっとは落ち着いたかな?

えーと、もう一度状況を整理してみよう。

梓が私を好き。私も梓が好き。

何だ両思いじゃん。

って違ーう!!!!ブンブン

私が梓を好きってのは、LOVEじゃなくてLIKEだ……

確かに今日の私は、妙に大胆だったかも知れない。

一緒の毛布で寝たり、抱きついちゃったり。

おっぱい触らせちゃったり///

でもそれは、妹が出来たみたいで嬉しかっただけで…

…そうなのかな?

実は私、梓の事好きだからあんな事しちゃったのか?

あぁもういいや寝ちゃお寝ちゃお寝ちゃおーっ!

お気に入りのうさちゃん抱いて今夜もオヤスミ


次の日

澪「あ///」

梓「あ///」

澪(何か気まずい////)

梓(澪先輩の顔まともに見れない///)

律(この二人の反応?やっぱり昨日///)

唯「今日はボーカル特訓やらないの?」

澪「ああ、やるよ。な、梓」ギクシャク

梓「は、はい、やりましょう」ギクシャク

律(Hした後だから気まずいのかな?)

結局今日は、澪先輩とまともな会話が出来ずに終わってしまった。


次の日 朝練

梓「おはようございまーす」

部室に入り、澪先輩と目が合う。

しかし、澪先輩に目線を逸らされてしまった…

澪「お、おはよう」

あいさつは返してくれたが、私の顔は見てくれない。

澪(な、何か会話しなくちゃ)

澪(でも何を話せば良いんだ?)

澪「そうだ 京都、行こう」 現実逃避

梓「京都?」

唯「何かあの二人、昨日からおかしいね?」

律「澪の声が、ずっと裏返ってるぞ」

紬「後で探り入れてみるわ」

今日もまた、ちゃんとした会話が出来なかった…


お昼休み

梓「グズグズ…」

純「今日はグズってる」

憂「どうしたの?」

梓「実は…」

純「えー!澪先輩に告白した!?」

梓「声が大きい///」

憂「それで返事は?」

梓「今は、そう言う対象じゃ見られないって…」

純「ふられちゃったの?」

梓「そう言う訳じゃないけど。いきなりで戸惑ってるから返事は保留させてくれって」

梓「それからギクシャクしちゃって上手く話せないんだよね」

憂「澪さん、照れてるだけだよ」

梓「そうかな?」

憂「そうだよ」

梓「我に勝機有り?」

今日は朝練だけで、放課後の練習が無いのが逆に幸いかな?

家でじっくり気持ちの整理をしよう。

―――――

紬「澪ちゃん、梓ちゃんと何かあったの?」

澪「え?えーと、その///」

紬「昨日から、二人とも様子がおかしかったから」

澪(律に相談すると冷やかされそうだけど、ムギになら良いかな?)

澪「…実はこの前、梓に告白されて///」

紬「まあ!」

澪「それでイキナリだったんで戸惑ってるんだ」

澪「梓が私を好きなんて思っても無かった」

紬(やっぱり気付いてなかったのね)

紬「それで澪ちゃんは梓ちゃんの事、どう思ってるの?」

紬「嫌いじゃないんでしょ?梓ちゃんのこと」

澪「嫌いじゃない」

澪「むしろ好きなんだ///」

紬「え?」

澪「でも、この好きって感情が恋愛的な物かどうかが分からなくて」

澪「今はそう言う対象じゃ見られないから、返事は保留って言っちゃって」

澪「それから、何か意識しちゃって上手く喋れないんだ」

澪「おかしいよな。この前まで普通に喋ったり抱きついたり出来てたのに」

紬「…そうね、梓ちゃんと二人でデートとかしてみたらどう?」

澪「ででで、デート?///」

紬「デートって言ってもそんな形式張った物じゃなくて、例えばボーカルの特訓って名目で二人でカラオケとか」

澪「カラオケか…その位なら」

紬「決まりね。明日梓ちゃんをデートに誘うのよ」

澪「明日?」

紬「時間が経てば経つほど気まずくなるわよ」

澪「それもそうだな。良し、明日誘ってみるよ」

紬「頑張ってね」

澪「ありがとうな、ムギ」


その日の夕方

ベッドに倒れ込み、両腕で顔を覆う。

昨日今日と二日間、澪先輩とまともに会話できなかっただけでこんなに胸が苦しいなんて…

告白なんてしなければ良かったのかな?

そうすれば、しばらく澪先輩とボーカル特訓で二人きりになれて。

でもそれじゃあ、いつまで経っても二人の距離は縮まらないし。

もしかしてこのまま澪先輩と、まともに会話できなくなっちゃったりして……

prrrrr

そんな事を思ってると、携帯が鳴り響く。

梓「ムギ先輩からだ。もしもし?」

紬「もしもし」

紬「梓ちゃんと澪ちゃん、最近変だからどうしたのかなと思って」

梓(ムギ先輩に相談してみようかな?)

梓「あ、あのですね///」

梓「実は、この前澪先輩に告白をしまして///」

紬「まあ!それで?」(知ってるけど)

梓「それで、かくかくしかじかで…」

梓「で、どうもそれからギクシャクしちゃって上手く話せないんです」

紬「なるほど」

紬「話を聞く限り、かなり脈有りだわ」

梓「え?そうですか?」

紬「澪ちゃんってあの性格でしょ?」

梓「はい」

紬「好きって言われて照れてるだけなのよ」

梓「そうなんですか?」

紬「梓ちゃんから、どんどん攻めなさい」

梓「私から?」

紬「梓ちゃんからアプローチすればイチコロよ」

梓「そういうもんですかね?」

紬「そう言う物よ」

紬「じゃあ、頑張って」

梓「ありがとうございます」

プツッ

紬「全く、世話の焼ける二人ね」

紬「やれやれだぜ」


―――

私からアプローチか…

良し。何事も動かないと始まらない。

さし当たって、出来そうな事は…

そうだ!明日のお昼に…

電話……メールにしよう。

あんまり、堅苦しい文章も変だよね?

なるべくシンプルに、と

これで良し、メール作成完了。

後は、澪先輩に送るだけ…

うぅ~、送信ボタンが押せない。ジタバタ

ピッ

あ、メール送っちゃった。


澪の部屋

澪「梓からメールだ」

澪「なんだろう?」どきどき


From:梓 あずにゃん
Sub:もし良かったら

明日のお昼ご飯一緒に食べませんか?


澪「こここ、これは梓からの誘い///」

澪「一緒にって事は二人きりって事だよな?」

澪「カラオケデートに誘うチャンスだ」

澪「長々と返信するのも変だよな?シンプルに、と」

―――――

返信来るかな?どきどき

来なかったらどうしよう?

来ても断られちゃったら?

そんな事を思ってると、携帯が鳴り響く。

やった返信来た。


From:純
Sub:お願い

明日、数学の宿題写させて


純かよ!


たまには自分で頑張りなさいと。純に返信。

ま、泣き付かれたら結局写させちゃうんだけどね。

甘いな私も。

prrr

純から、再度お願いのメールかな?


From:澪先輩
Sub:良いよ

一緒に食べよ。


梓「澪先輩からキター!!」

梓「返信返信、と」


―――――

澪「返信だ」


From:梓 あずにゃん
Sub:日頃のお礼にと思って

澪先輩の分もお弁当作っていきますね
昼休み部室に来て下さい


澪「梓がお弁当作ってきてくれるのか」

澪「いかん、落ち着け。ひとまず深呼吸だ」すーはー

澪「あくまで冷静を装い返信、と」


―――――

From:澪先輩
Sub:ありがとう

楽しみにしてるよ。


よっしゃーっ!ガッツポーズ

メールとは言え、澪先輩と自然にやりとりが出来た。

それだけで嬉しかった。

でも、問題はこれから。

明日ちゃんと会話できるかな?

もしすんなり話せればその後は…どうにかなるよね?


次の日

お昼休みが近づくにつれて、胸が高鳴る。

もはや、先生の話など耳に入らない。

澪『美味しいよ梓』

梓『嬉しいです///』

そんな展開を頭の中で思い描く。

キーンコーンカーンコーン

授業が終わり、真っ先に教室を飛び出し

誰も居ない部室で、一人澪先輩を待つ。

もすこし勇気ふるって自然に話せば 何かが変わるのかな?

そんな気するけど だけどそれが一番難しいのよ

話のきっかけとかどうしよ?

ああ、正に私の今の心境はふわふわ時間。

そんな想いが頭を巡ってると、

ガチャッ

ドアが開き、澪先輩がやってきた。

澪「や、やあ///」

梓「ど、どうも///」

うー、分かっててもやっぱり顔見ちゃうと緊張しちゃうな。

梓「座りましょう」

澪「うん」

ガタン

梓「サンドウィッチ作ってきたんです」ごそごそ

澪「美味しそうだな」

梓「食べましょ」

澪「うん」

澪梓「ぱくぱく、もぐもぐ」

澪「うん、美味しいよ」

やった喜んでくれた!

澪(美味しいってだけじゃ、素っ気ないかな?えーと…)

澪「コクがあってそれでいて、まろやかで、かといってしつこくなく」

梓「味王かよ!」

澪「え?」

梓「あ、すいませんつい///」

澪「ふふ、まさか梓に突っ込み入れられるとは」

梓「えへへ///」

きっかけは些細な事だったけれど、澪先輩と笑い合えた。

それだけで嬉しかった。


澪(梓をデートに誘うなら、今このタイミングしか無い)

澪(頑張れ私)

澪「あのさ、今度の祝日良かったら…」

澪「私とデートしませんか?///」声裏返り

梓「え?///」

澪(言ってしまった///)

梓「あの?デートって?///」

澪(もう引き返せない)

梓「澪先輩?」

澪「はい!」

梓「デートって?」

澪「あ、えーと」

澪「デートって言ってもそんな形式張った物じゃなくて、例えばボーカルの特訓って名目で二人でカラオケとか」

梓「え?」

澪(しまった。ムギに言われたままの台詞を)

澪「あのほら、祝日で学校休みだから特訓できないだろ?」

梓「はい」

澪「だから、カラオケ行って特訓しない?」

梓「あ!そう言うことですか」

梓「澪先輩がデートとか言うから」

澪「いや、ほら二人でカラオケだからデートっぽいなって」

梓「二人だけですか?」

澪「だ、駄目?」

梓「駄目じゃないです!」

澪「じゃあ、決まりだな」

梓「はい」


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最終更新:2012年05月03日 20:23