梓 ブルッ
梓「すいません、私ちょっとトイレ行ってきます」
澪「ああ、行っておいで」
澪先輩が、肩抱いてくるなんて。
ちょっとは、私の事意識してくれてるのかな?
澪「ちょっと大胆すぎたかな?///」
澪「ふー、喉が渇く」くぴくぴ
梓「ただいま…」
梓「あの、澪先輩…」
澪「何だ?」
梓「澪先輩が飲んでるの、私のです///」
澪「え!?」
梓「私の方、缶が凹んでたんで」
澪「ご、ごめんな。同じのだから間違えちゃった///」
澪「どうしよう?結構飲んじゃったし、私が最初飲んでた方と交換する?」
梓「え?あ、はい///」
梓 くぴくぴ
梓「間接キスですね///」
澪「そうだな///」
梓「イヤじゃないですか?私と」
澪「ううん、イヤじゃないよ」
梓「良かった///」
澪「あ、梓タイ焼きのあんこ付いてるぞ?」
梓「え?どこですか?」
ほっぺたを手でぺたぺたと触る。
澪「取って上げる」
ひょい、ぱくっ
梓「あ、ありがとうございます///」
澪先輩に寄り添い、話しかける。
梓「今日は楽しかったです」
澪「私もだよ」
澪「梓と二人で過ごす時間が、こんなに楽しかったなんて」
梓「う、ふぇぇ…」
澪先輩のその言葉を聞いたら、自然と涙がこみ上げてきた。
澪「どうしたんだ?」
突然泣き始めた私を見て、澪先輩も驚きを隠せない様だ。
梓「ぐすっ、だっで嬉しくて」
澪「え?」
梓「もう澪先輩と、こうやって普通に話せないんじゃないかって思ったりしてたから」
必死に堪えようとしても、涙が溢れてくる。涙が止まらない。
泣き顔を見られまいと。顔を伏せる。
澪「梓…」
澪「ごめん、ごめんな」
澪「私が素っ気ない態度取っちゃってたせいで、梓にそんな思いさせてたなんて」ぐす
あれ?澪先輩も泣いてる?
澪「梓、こっち見て」
私が澪先輩の顔を見るとやはり、眼には涙が浮かんでいた。
今にもこぼれ落ちそうなのを堪えてるみたいだ。
澪先輩は、私の涙を指で拭ってくれた。
澪「ほら、笑って」
そう言い、微笑みかけてくる。自分も泣きそうなのに。
梓「はい」
澪先輩の笑顔を見ると、自然と笑みがこぼれる。
澪「良かった。梓が笑ってくれた」
少しかすれた声で喜びを表した後、ポロリと澪先輩の眼から涙がこぼれ落ちた。
澪「あれ?おかしいな。今度は私が」ぐす
梓「澪先輩…」
澪「梓…」
ぐいっ
梓「え?」
突然、澪先輩に抱き寄せられる。
澪「梓に、私の弱い所見られたくないから」
澪「しばらく顔伏せててくれ」
梓「はい///」
少し震えている、澪先輩の身体。
温かくて柔らかい胸に顔を埋めたまま、しばしの時間が過ぎた。
ブルブルブル
澪先輩の携帯が着信を告げ、ブルブルと震えた。
澪「あ、ごめん。ママからだ。ちょっと外すな」
梓「はい」
私が身体を離し顔を見ると、そこにはいつもの澪先輩の顔があった。
澪「もしもし、うん。え?今?」
澪「しょうがない、分かった。今から帰るよ」
澪「ごめん、梓。急に用事が出来ちゃってさ」
梓「そうなんですか。でも仕方ないですね」
澪「今日は、本当に楽しかったぞ」
梓「私もです」
―――――
今日のデートで、告白した後の気まずい雰囲気は無くなった。
私が告白する前の、自然な関係に戻れた。
澪先輩も、私とのデート楽しかったって言ってくれたし
二人の距離縮まったよね?
後はここから、いかにして距離を詰めていくか。
ああ、でもライブも近いし練習もしなくちゃ。
今は、目の前のライブを成功させる事に専念しよう。
そして、ライブが終わったら……
澪side
布団に潜り、梓の事を思い浮かべる。
梓は真面目で、練習熱心で、良くできた後輩。
でも、可愛くて守って上げたくなる感じで
私にとって、妹みたいな感じだった。
この前告白された時は、正直ビックリしたけど。
今日一日を振り返ってみて。
凄く楽しかったし。
私、梓の事……
次の日
今日は、澪先輩とお揃いで買ったヘアゴムしてきたんだ。
私が付けてるの見たら喜んでくれるかな?
ガチャッとドアが開き、先輩達が部室に入ってくる。
あっ!澪先輩がポニーテールにしてる。もしかして……
澪先輩がくるりと振り向き、私に後ろ姿を見せる。
やっぱり!お揃いのヘアゴム付けてくれてる。
わざわざポニーテールにして、付けてきてくれたんだ。
私も、澪先輩に後ろ姿を見せる。
澪先輩がニコリと笑いかけてくれる。
私も、微笑み返す。
律「お前ら何、アイコンタクト取ってるんだよ?」
梓「な、何でもないです///」
唯「そう言えば、澪ちゃんが普段からポニーテールにしてるのって珍しいね」
澪「え?ああ、ちょっとした気分転換でな」
唯 ジーッ
梓「なんですか唯先輩?私の事ジーッと見つめて」
唯「澪ちゃんとあずにゃんのヘアゴムお揃いだね」
澪梓「あ///」
律「お、本当だ」
紬「あらあら、随分仲が良いわね」
紬(デート上手くいったのね)
澪「ほう!偶然だな梓。同じヘアゴムとは」
梓「そ、そうですね。偶然ですね澪先輩」
澪「それより、練習だ」
梓「そうですよ、練習しましょ」
次の日
律「さあ、お昼だ!食べようぜ」
澪「私、梓とお昼ご飯食べる約束してるんだ」
律「そうなんだ」
澪「じゃあな」
唯「最近、あの二人仲良いよね」
紬「喜ばしいわね」
律「……」
放課後
律「あのさ、ちょっと話があるんだけど」
澪「何だ?」
律「…ここじゃちょっとな。人目のない所行こうぜ」
澪「ああ、良いけど」
………
律「一応聞いておきたいんだけど」
澪「何だ?」
律「梓と(H)したの?///」
澪「ええ?何で梓と(デート)した事知ってるんだよ?///」
律(やっぱHしてたのか)
律「風の噂に聞いてな」
澪「誰かに見られたかな?」
律「で、どうだった?」
澪「何だ、律も興味あるのか?」
律「そりゃ、私も年頃だし///」
澪「まあ、最初はお互いぎこちなかったけど」
律「ほう…」
澪「私が年上だからリードしてやろうかと思って」
律「へえ…」
澪「でも、何だかんだ言って梓にリードされてたかも」
律(あのエロ猫)
澪「結局三時間くらい(カラオケ)しちゃって」
律「さ、三時間?!」
澪「何だかんだで楽しかったよ」
律「一人でするのとは、やっぱ違う?///」
澪「え?まあ、やっぱり一人で(カラオケ)やるより二人の方が断然気持ちよかったよ」
律「へー、そうなんだ」
澪「小道具とか使うと結構盛り上がるしな」
律「小道具///」
澪「澪先輩、上手いですね。なんて言われると照れちゃうよな」
律(このテクニシャンめ)
律「ちなみに、どうやって誘ったんだ?」
澪「何だ律も(デート)したい相手居るのか?」
律「ま、まあな///」
澪「私はストレートに誘ったけど。しませんか?って」
律「うわ、ストレートすぎるだろ///」
澪「そうか?下手に遠回しに誘うより全然良いだろ」
澪「梓もすぐOKしてくれたし」
律「そういうもんか。参考になったぜ」
澪「変な奴」
―――――
澪「もうちょっとメリハリ付けて歌ってみて」
梓「はい」
…
澪「そこは、ビブラート利かせると良いかも」
梓「こうですか?」
梓「~~♪」
澪「そうそう、上手い上手い」
ライブまで、澪先輩との特訓が続いた。
昼休みや、放課後も二人で居る時間が多くなった。
でも、先輩後輩の関係から恋人への壁は越えられずにいた。
もどかしい日々。
もう少しの我慢だ。ライブが成功したら、その後に……
―――――
梓「ふわふわターイム♪」
律「どうしたんだ梓の奴?ここ最近、見違える様に上手くなったぞ?」
梓「ふっふっふ。もう律先輩は、超えましたかね?」
律「何を?!」
紬「澪ちゃんとの特訓の成果ね」
唯「明日のライブ大丈夫そうだね」
澪「これなら、安心だな」
梓「はい、頑張ります!」
その日の夜
From:澪先輩
Sub:いよいよだな
明日は、頑張れよ。
練習通りやれば絶対成功するから。
おやすみ
頑張りますとも。
澪先輩との特訓の成果を見せて上げます。
いよいよ、ライブ当日
澪「おはよう梓」
梓「澪先輩、おはようございます」
澪「昨日は、よく眠れたか?」
梓「はい、澪先輩のメールの後ぐっすりでした」
澪「良かった。緊張して眠れないんじゃないかと思って心配してた」
本当は、気持ちが昂ぶっちゃってほとんど寝られなかったんだけど。
今まで何度もライブ経験したけど、それはギターだったし。
ボーカルやるのとでは、訳が違う。
ぶるぶる
脚が震えてる?
いや、これはきっと武者震い。
そう自分に言い聞かせる。
……
律「そろそろ、最後の打ち合わせ始めるぞ」
唯「あずにゃんは?」
紬「さっきトイレ行ったわよ」
澪「ちょっと見てくるよ」
…
澪「あっ梓、もうすぐ打ち合わせ始まるぞ」
梓「澪先輩…」
澪「どうしたんだ?」
梓「身体の震えが止まらないんです」
澪「私も初めてボーカルやった時は震えてたよ」
梓「ライブ前に、こんな事初めてです」
澪「大丈夫だ、落ち着け」
ぎゅっ
澪先輩が私の手を握ってくれる。
梓「はい」
ぶるぶる、ぶるぶる
それでも私の震えは止まらない。
澪「大丈夫、大丈夫だ」
澪先輩は、両腕で私を抱き込んでくれた。
暖かくて、柔らかい澪先輩の身体。
全てを癒してくれる様な優しい温もり。
ブルブル……
震えが、止んだ。
澪「もう大丈夫だな」
身体が離れる。
梓「ありがとうございます」
澪「行こう」
梓「はい」
最終更新:2012年05月03日 20:27