唯「…それじゃあ、そろそろ、始めてごらん」

憂「…ん…」

憂は、サイドボードに置いたタオルを腰の下に敷き、コップから用心深く一本のウインナーを取り出した。

熱湯に浸けられたウインナーは、素手では持て余すほど熱い。
もちろん、そのまま使うわけではなく、憂は暫く、そのウインナーを手で握ったりしながら、ちょうどいい温度に下げているようだった。

憂「…ん…」

適温に下がったのだろう。
憂は、そのウインナーを口に含み、唾液をまぶした。

多分、肛門に入れやすくするためにそうしているのであろうが…トロンとした表情で肉棒を咥える憂の姿は、形容しがたいエロさがあった。

ちゅぽっ、と、憂の口から肉棒が離れる。
憂、暫く逡巡し、唯を見つめる。

唯「…ん?」

憂「…あ、あのね。あの…お、お姉ちゃんに、して欲しい…」

そう言って、その肉棒を唯に差し出した。

唯「…やりかた、見せてもらってないから、上手に出来るか分からないよ?」

憂「ん…大丈夫だよ。…お姉ちゃんに、して欲しい…だめ…?」

正直、我慢の限界だった。
唯は、その肉棒を憂から受け取る。
思ったより熱く、ちょっとびっくりしたが、それもすぐさま性的な興奮に塗り替えられる。

唯「…憂…おしり、入れるから、足開けて?」

憂、躊躇いながら、少し迷った挙げ句、足を閉じたまま、ちょっと膝を曲げるようにして唯に促した。

唯「…いつも、そうしてるの?ん?」

憂「…う~…」

唯に諭されるように、憂は、躊躇いながらも、閉じていた足を開いた。

肉付きの良い、しっとりとした、憂の瑞々しい太もも。
それがぱっくりと、唯を迎え入れるために開かれ…

何年ぶりか、もう分からないくらい、久しぶりに見る…憂の性徴した女性器が顔をだした。

ふわふわの陰毛に覆われた、憂の秘部。
陰毛は、唯のものと比べ、ずいぶんと形が整っていて…多分、ちゃんと処理しているのだろう。
ひょっとしたら、さっきの準備の時に剃ってきたのかもしれない。ずいぶんと、大人びて感じられた。

まじまじと、観察する。
昔見た、すじが一本あるだけの女性器と違い、もっと淫卑で、複雑な形をしていた。

唯(憂…大人のおまんこだ…)

しげしげと、凝視する。

憂「お、お姉ちゃん…は、恥ずかしい…」

憂にそう言われ、我に返る唯。
ごめんね、と軽く謝罪して、唯は改めて、肉棒を口に含み、再度つばをまぶした。

今からこれを、憂の身体に挿入する。
自分の身体の分身の様に、唯は、その肉棒を丁寧に咥え、丁寧に唾液をまぶした。

唯「ん…ちゅぱっ…ん…じゃあ、挿れるよ」

緊張と期待が入り交じった、複雑な面持ちで、こくこくと首肯する憂。
唯は、たっぷりと、唾液をまぶした肉棒を、憂の肛門にあてがった。

憂「ひあ…」

熱いその感触に、憂が堪らず声を上げる。
唯の興奮が更にかき立てられる。

憂の可愛い顔が、期待と、ちょっぴりの恐怖と、性的な興奮で、見たこともない淫らな表情を浮かべる。
唯は、辛抱堪らず、肉棒をぐぐっと押しつけた。

憂「…あああ…!」

肛門を押し広げ、熱い感触が、その直腸に進入して行く。
唯が力を込める度に、ずぶずぶと、憂の身体に埋もれていく、唯の分身とも言える肉棒。

ざわっと、憂の全身が泡立つように、全身に鳥肌が現れる。

憂「ああああ…!あああああ…!」

ぎゅう、と、唯の服の袖を握り、まぶたを閉じ…その感覚に全身を委ねる憂。

唯(憂…気持ちよさそう…はあ…はあ…)

ずぶずぶ、ずぶずぶ、と、唯の為すがままに、肉棒が憂の身体に埋もれて行く。
そして、それに同調するように、憂が嬌声をあげ、快楽に顔を歪ませる。

つうー、と、憂の女性器から、愛液がこぼれ落ちる。
女性の、性的な快楽の証が、とろりとこぼれ落ちる。
憂が嬌声を上げる。
かわいらしい顔を、快楽に歪め、淫らに、貪欲に、その悦楽をむさぼる。

あの憂が。かわいらしく、聡明で、純真無垢だったあの憂が。

このような背徳的な行為で、欲情し、興奮し、悦んでいる。

唯「はあ…はあ…憂…憂…!」

憂「あああ…!お姉ちゃん…!お姉ちゃん…!ああああ…!」

唯が体勢を変え、憂を空いた手で抱きしめるように覆い被さる。憂が、その身体にしがみつく。

泡立つような憂の肌。

瑞々しく、なめらかで、柔らかで、そして、とても淫らなその身体を、唯はしっかりと抱きしめながら、肉棒を指ごと挿入し、奥へ奥へと導いてゆく。

憂「あああ…!ああああ…!あああああ…!」

ずぶずぶ、ずぶずぶ、と、肉棒が憂の奥を穿つ。憂が嬌声を上げる。

唯「憂…!憂…!」

憂「ああああ…!お姉ちゃん…!お姉ちゃん!あああああ!ああああああ!」

…唯の指が、最奥に到達し。

憂は、一際大きな嬌声を上げ。

絶頂し、果てた。


唯「…憂。気持ちよかった?」

憂「…う~…うん…すごい、気持ちよかった…」

行為を終え、二人は抱き合って、行為の余韻に浸っていた。

唯は、憂の髪を梳かすように撫でたり、背中をさすったりして、憂の身体を愛撫していた。

憂は、甘えるように唯の胸に顔をすりすりとしながら、その快楽に全身を委ねていた。

…絶頂を迎え、暫くまどろんだ後、おなかに残ったウインナーを排出させるときも、憂は興奮のあまり達していた。

憂の可愛らしいおしりの穴が、もりっと広がって…茶色い肉棒が顔を覗かせ、それが徐々に、少しずつ、肛門から押し出されて…

それはまるで、汚物を排泄するかの様で。

最愛の姉にじっと見つめられながら、優しく愛撫されながら、その姿を晒すことに、憂は背徳的な快感を覚えていた。

憂はその時、はっきりと自覚した。自分には、被虐嗜好がある、と。

そして唯も、同様に、はっきりと確信していた。憂はやはり、嗜虐される事で性的な快楽を得てしまうという、背徳的な性癖を持っているのだ。

そして、唯も、同様に。妹を性的に嗜虐することで、性的な快感を得てしまうという、背徳的な性癖を持っているのだ。唯はそう、はっきりと自覚していた。

憂「あ、あの…お姉ちゃん、あの、ごめんなさい…」

唯「ん?なあに?」

不意に、憂が謝罪する。唯が優しく問い返す。

憂「…あ、あの…えっちでごめんなさい…」

唯「んーん?憂、えっちで、とっても可愛かったよ」

憂が、唯の胸に顔を埋める様にして顔を隠す。行為の最中の嬌態を思い出したのだろう。羞恥のあまり、薄暗い中でも分かるほどに、みるみる顔が耳まで真っ赤になってゆく。

唯は、そんな憂を慈しむように、丹念に、丁寧に、あやし続けた。

すりすり、すりすり、と、唯の胸に顔をすりつける憂。その姿はまるで幼児の様で、唯の嗜虐心や母性本能など、色々な感情がくすぐられ、背筋がゾクゾクとするのが分かった。

唯「憂、そうしてると、まるで赤ちゃんみたい。…よしよし。いいこでちゅねー」

幼子をあやすように、愛撫を続ける唯。
快感のあまり、ぶるっと、身体が震える。
憂は、その感覚に抗えず、ただひたすら赤子の様に、幼い愛情表現を唯にすり込む事に没頭していた。

唯「…憂。いじめられると、気持ちいいの?」

それは最早、確認するまでもない事ではあった。
唯も、憂も、はっきりとそう認識していたし、お互いがそう認識している事を、はっきりと実感として理解していた。

それでも、唯は、あえてそう問いた。
そして憂も、あえてこう答える。

憂「…うん」

唯の胸に顔を埋め、その感触と愛撫に身を委ねながら…憂はその、背徳的な性嗜好を、はっきりと姉に告白した。

唯「憂、いいこだね。…えへへ。これから毎日、もっといっぱい、いじめてあげるからね。優しく、何も考えられなくなるくらいに、とろとろになるまで、いっぱいいっぱいいじめてあげる」

憂「あ…はあ…。おねえちゃあん…」

ぶるぶるっ、と、体中に感じたことのない快感が駆け巡る。言葉だけで、達しそうになる。
その様子を見て、唯も、達しそうになるほどの快感を覚えていた。

これでもう、憂は、事実上唯のペットになった。
めくるめく、背徳的で、官能的な日々が始まった。


唯の愚行は、それだけでは終わらなかった。

最愛の妹である憂を手に入れて尚、唯は梓にちょっかいを出し続けていた。

いや、逆に。
そのスキンシップはエスカレートする一方で、最近ではその空気に耐えられず、周囲がたしなめに入る始末だった。

唯「あ~ずにゃん」

梓「あ…ゆ、ゆいせんぱい…だ、だめです。だめです」

放課後の部室で、いつもの様に梓に抱きつく唯。
梓はもう、それを拒絶する事もできず、申し訳程度に否定の言葉を発して、ただ受け入れるしかない。

自分がこの行為を嫌がっていない事を、みんなに知られてしまっている以上、もう白々しく拒絶する事は心情的に出来なかった。
顔を真っ赤にして、ぎゅうっとスカートを握りしめて、ただ唯が満足して離れるのを待つ。

メンバーの雰囲気は、まるでリビングで家族でくつろいでいる時、テレビでラブシーンが流れた時のような、居心地の悪いそわそわした空気に包まれていた。

ああ。
梓は今日も、あれを慰みの種に、オナニーするのだ。

みんながそう、思った。
知ってしまったから。

常々、あの一件はなかったことにしようと、皆暗黙のうちに了解してはいたが、それでも想像することは抑えることが出来なかった。

そして梓も、周囲のみんなが、そう思っていることに、薄々ながら勘付いていた。
そのことに、梓は、何とも言えない背徳的な、むずがゆいような感覚を覚えていた。

そして、その感覚が、梓をよりいっそう深いオーガズムに導くのだ。
夜の一人遊びに想いを馳せ、梓の身体がぶるっと震える。

梓は今、明確に、欲情している。
誰もがそれに気づき、思わず顔を背けた。

紬「…ゆ、唯ちゃん。そろそろ、練習、しよっか」

堪らず紬がたしなめに入る。

唯「…ん~。そだね、よし!練習しよう!」

唯は、自分一人が満足したのか、何の後腐れも無くぱっと梓の身体を解放する。

梓は、突然自分を包んでいた体温が消失し、「え…」と、思わず呻き声のような、戸惑いの声を発する。

そしてその顔には、マンガの教材にでも使えてしまいそうな程の、絵に描いたような「残念」という表情がありありと浮かんでいた。

律「…」


澪「…」

気まずい。

なんとも言えない、気まずい雰囲気の中、白々しい演奏が流れた。


唯「あずにゃん、入って入って~」

梓「お、おじゃまします…」

その翌日だった。

ついに、と言うべきか、唯は梓を自宅に招いていた。

喋り足りないから、と、下校中にこっそりと誘われたのだが、そんなのは建前で…
そこで何をするのか、薄々気づきながらも、梓には断るすべもなく、こうして部屋に連れ込まれていた。

唯「ごめんね、私だけ着替えちゃって。部屋着、貸そうか?」

梓「あ、大丈夫です。はい」

梓の緊張した面持ち。
反面、部屋着に着替えて自分の部屋に戻った唯は、リラックスしたムードでベッドに腰掛け、くつろぎ始めた。

とりとめもない雑談。と言っても、殆ど唯が一方的に話して、梓は相づちを打つだけ。

梓、心ここにあらず、という感じで、そわそわもじもじ、「何か」を期待して、それを心待ちにしていた。

たっぷり、一時間はそうしていただろうか。
唯は、自分がしゃべりたかった事をしゃべり尽くしたのか、満足したように言葉を止めた。

梓から話題を振ることはない。
ふたりは無言でじっと見つめ合った。

会話が途切れる。沈黙が訪れる。

唯「…」

梓「…」

梓の鼓動が高鳴る。
かああ、と、一瞬で顔面がゆでだこのように真っ赤に染まる。
梓は、その空気に耐えきれず、ふいっと顔をそらした。

唯「あずにゃん。キスしてみようか」

唯が、唐突に、そう言った。

梓「…き、きすですか」

バクバク、と、心臓が更に鼓動を早め、早鐘のように鳴り続ける。緊張の余りめまいがする。

梓「だ…だめです。…女の子同士で、そんな…」

それはもう、形ばかりの拒絶だった。

唯は、縮こまって、堅くなった梓の身体を、ぎゅうっと抱きしめる。

梓「…ふああ…」

ここは、二人だけの空間。
無粋な周りの人間に諫められることもない。
二人が望む限り、いつまでだってこうしていられる。

柔らかい。暖かい。唯の身体の感触。唯の体温。
唯の柔らかな胸が、下着に覆われていることだけが、唯一もどかしい。
梓は、文字通り唯に全身を包み込まれて、頭がほわほわしたように放心していた。

いつの間にか、梓の鼓動は収まり、ただひたすらに、愛おしさと幸福感に包まれていた。


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最終更新:2012年05月06日 23:32