紬「吊り橋効果とはいうけれど、元から脈アリだから……ふふふ」

和「ムギ。怖いわ」

唯「吊り橋効果! よくわからないけど格好イイ響き!」

憂「お姉ちゃん。さっきからずっと張り切ってるけど……どうして?」

唯「どうしてって」

憂「私は、お姉ちゃんに怪我とかしてほしくないから。だからさっきからのお姉ちゃんを見てると不安になっちゃうよ」

唯「憂……。ごめんね、憂。だけどね、私、今日ずっと考えてたんだ」

憂「お姉ちゃん?」

唯「いつも私は憂に頼りっぱなしだし、今だって憂がいなかったら私たちはどうすればいいか迷ってたと思う。 それぐらい、私は憂を頼ってるから。……だからせめて、こういう時くらいは。」

唯「お姉ちゃんを、頼って欲しいな、って」

憂い「お姉、ちゃん」

唯「えへへ、でもごめんね、さっきから全部空回りしちゃってるから、なかなか頼れるお姉ちゃん、にはなってないね」

憂「そんなことないよ! 普段からお姉ちゃんは頼れるお姉ちゃんだよ! 私のあこがれで、世界で一番好きなお姉ちゃんだよ!」

唯「憂……。ありがとう」ギュウ

憂「お姉ちゃん……」ギュウ


紬「姉妹の絆って美しいものね」

和「そういうセリフは鼻血を出さないで言うものよ」

律「さて、改めまして行きますか」

澪「そうだな。……体の震えも収まった。ありがとな、律」

律「よせやい、照れるだろ」

和「はいはい。いちゃつくのもいいけど目的がちゃんとあるでしょう?」

梓「まったくです」

唯「あずにゃーん。一人だけ話しに入れなくて寂しかったの~?」

梓「そ、そんなことない、です」

唯「えへへ~、あずにゃんはかわいいなぁ」

梓「うう……」

憂「え、え~っと。あ、あとはこの道を真っ直ぐです」

律「ふんふん。この道を真っ直ぐね~」

紬「この先って、トンネルがあるけど……」

唯「そう考えると随分遠くへ来たみたい」

澪「と、トンネルか……。お化けとかでないかな……」

律「お化けより怖いものと戦ってる癖に何を言ってるんだ、お前は」

紬「一応懐中電灯持ってきて正解だったわ~」

律「暗くなってからの散策も考えられるしな」

和「目的のある散策ね。それを散策とは言わないけど」

憂「! ……気をつけてください。中に誰かいます」

紬「ええ、今私もちらっとみちゃった」

唯「安心して、憂は私が守るから」

憂「お姉ちゃん……」

和「そして、二人は私が守るわ。さて、何がくるのかしらね」

澪「四つん這いはくるな四つん這いはくるな」

律「トラウマ増えちゃったな……」

梓「あ! あそこにいます!」

澪「二足歩行か!?」

梓「四つん這いです……」

澪「ひいいぃぃ」

『キイィィキイィィイィキィ!』


唯「周りが暗くて化物がわからないわ!」

律「どうだい、明るくなっただろう」ピカー

澪「いやあぁぁぁ! 暗い中鮮明に四つん這いがああ! 消して、今すぐ!」

律「いや消したら対処できないだろ……」

『キイィイイキイ!』

『アアアオアオオオオ!』

和「来るわよ!」

梓「私は今回は……」

紬「梓ちゃんは後ろを見張っているのがいいと思うけど」

梓「そうします」

澪「なんかあの四つん這い目の部分が突起して……ひいいい!」

律「ええぃ、いい加減あいつらの見た目に慣れろ!」

唯「とりあえず撃つよ~」

和「唯の号令っていっつもほんわかするのね……。何か調子抜けちゃうんだけど」

憂「そこがお姉ちゃんのいいところです!」フンス


紬「でもトンネル内って本当に暗いわね」ズダダダダダ

和「そうね。そんな中でもこれは本当に役立つわ」タンッタンッ

唯「よく狙って……えい!」パァン!

唯「うわぁ!」ドサ

憂「お姉ちゃん!?」

唯「痛い……転けちゃった」

和「その銃でも反動で転んじゃうのね……」

唯「うん。こんなに強いなんて思わなかったから」

憂「だからお姉ちゃんにはこういう事させたくなかったのに」

唯「ごめんね、また心配かけちゃったね」

憂「ううん。でも、応援しかできないから、私はそれを精一杯いやるね。頑張ってお姉ちゃん」

唯「うん!」カチッ   唯「あれ? 玉切れ?」

律「あっちはあっちで和んでるなぁ」タンタンタン

澪「律、お前は両手に銃を持ってよく転ばないな……」タン

律「ドラマーだからな!」   澪「……関係あるのか、それ」

和「それにしても、こいつら……」

紬「ええ、動きが早くなってる気がする。それに……」

和「気がついてたのね……」タァン

『キキイイイイィィキィキイイ!』

『アアオオオオアオオオ!』

紬「動きが早くなってるだけじゃない、私たちの照準を意識して交わしてきている!」

和「全く、一体どういう事なのかしら。……それに」


『………』


和「さっきから誰かがずっとこっちを見てる気がするのよね……」ダンッダンッ

憂「え? そうなんですか?」

紬「多分だけれど。なんとなく気を感じるのよね」

律「おお、戦闘力のコントロールをみにつけたのか」

澪「違うとおも、律! 上だ!」カチャ…パァン!

律「ん? うおお!」カチャ


『キイイアアアア……』ドサ…

律「び、びびびびっくりしたぁ。襲ってくるのかとおもったら落ちただけか」

澪「律、怪我はないか? ひっかかれたり何か変なウイスルに感染したり」

律「澪のおかげで体は無事だよ。ありがとな」

澪「う、うん。ま、まぁ律はいつも肝心なところでツメが甘いからな。私がフォローしてやらなくちゃな」

律「はいはい。頼りにしてますよ~っと」

和「戦場の絆ね」タン

紬「戦場ならまだ良かったのかもしれないけれど」ダダダダ

唯「なんだかさっきから数が減ってない気がするんだけど」

和「気のせい……じゃないわね。どうも」

憂「! わかりました、みなさん」

唯「何が?」

憂「数が減らない理由です! 私たちはこれでもいくらか倒してるのに数が減る気がしない。つまりこれは……」

律「増えてる、ってことか」

和「正しくはここに集まってきてる、ってことでしょうね……」

唯「やっぱり音がうるさいからかな?」

憂「それもあるんでしょうけど……正しくは誰かがここに集まるよう命令してるみたいです」

和「誰かが? 誰かっていったら」

紬「まぁ、さっきから熱心に視線を浴びせてくるファン……でしょうね」

憂「多分……」

律「うへぇ、それじゃそいつ倒さないと終わらないじゃん! どこにいるんだよ」

澪「憂ちゃんなら場所がわかるんj梓「きゃあああああ!」

『梓(ちゃん・にゃん)!?』

紬「大変! 梓ちゃんがさらわれてるわ!」

唯「な、なにあれ……羽根があって、空飛んでるよお……」

澪「ひいいぃぃぃ!」

和「どいて!」タンッタンッ!

『キイイィイイィィィ!』

紬「この……邪魔しないで!」ダダダダダ

『キイイイキィイイィイアアアア……』


唯「あずにゃああん!」ダァン!

『シィイイイシュウウウシュアシュシュア……』

和「当たった!?」

澪「お、おい、梓向こうの方に落ちていったぞ!」

律「助けに……!」

『キイイィィイイィアア!』

『アアアアアオオオオ!』

紬「向こうもそう簡単には行かせてくれないみたい……」ダダダダダ!

和「しょうがないわね、二手に分かれましょう。ここでこいつらをおさえる班と梓を助けに行く班に」

唯「私、あずにゃんを助けにいってくる!」

憂「お、お姉ちゃんが行くなら私も!」

和「そうね、梓を倒したあとに指示役を倒しに行くとその方がいいわね」

澪「わ、私は……」

律「よし、私とムギと澪がここに残る。唯と憂ちゃんと和は梓を助けにいって来てくれ!」

唯「うん。ギー太に誓って! 必ずあずにゃんを助けにいってきます! リッちゃん隊員、ご無事を!」


律「敬礼!」ビシッ

澪「やってる場合か! 後ろから来てるんだぞ」

紬「あら、大丈夫。そういう時間を作るくらいならなんとかなるか、ら?」ダダダダダカチカチカチカチ

紬「……弾切れしちゃった」

澪「うわあああ!」ダンッダンッ!

律「いけ、唯!」

唯「うん!」



律「さて、私ら三人でざっとアレラト戦うわけだが……」

澪「視界は暗いし……正直生きて帰れるかどうかすら」

紬「ふたりとも、弾切れには注意してね」カチャッ、ガシッ

律「おーし! 気合入れていくぞ~!」

澪「演奏するわけじゃないからそう言われても困るだけだ」

『キイイィィイィィイィィ!』

『アオオオオアアアアア!』


唯「えっと、あずにゃんが落ちた場所は……」

和「憂、あなたならわかるんじゃない?」

憂「う~ん、司令塔の場所はわかるんですが、梓ちゃんの場所となると……」

唯「だよね……あずにゃーん。こっちの方に落ちたと思うんだけどなあ」

和「それにしても、不気味な森ね……。あのトンネルの近くはちょっとした心霊スポットにでもなってるのかしら」

憂「そういえば、純ちゃんがここら辺で肝試ししよう。っていってました」

和「本当にそういう場所だったのね、ここ」

唯「あずにゃああん!」

アズニャーンアズニャーンズニャー……

唯「うう、反応がない」

和「……! 今のでどうやら気づかれちゃったみたいね」

唯「え?」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

唯「この音は」

憂「……さっきの飛んでいたの、ですね」

和「屈んで……」

ササッ

唯「う~ん、私も羽根があれば飛べるのかなぁ」

憂「そ、それってお姉ちゃんがあれになるってこと!?」

和「いや、単純に羽根のことを考えてるだけだと思うけど」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

和「……なかなか離れないわね。やっぱり司令塔がそういう指示を出しているのかしら」

唯「ねぇねぇ、和ちゃんならあれを倒せるんじゃない?」

和「倒すことは簡単だけど。そうすると場所がバレ……あ、そうか」

憂「どうしたんですか?」

和「なんとかなるかもしれない。やってみる価値はありそうね」ゴロン

唯「おお、仰向けの和ちゃん格好良い」

和「茶化さないで、唯。今真剣なんだんから」

唯「はーい」

憂「……」ゴクリ


和(赤外線は出せない……バレてしまうかもしれないから)

和(もしかしたらそれに気がつかない可能性もあるけど。……まあ念には念をね)

和「……」

唯「……」

憂「……」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

唯「……ふぁ」

ブウゥゥゥゥゥゥウン……

和(そのまま、左に少しずつ動いてくれれば、当たる!)

唯「……ふあ」

和(今!)

唯「ふあっくしょん!」

和「え?」

パァン!

憂「お、お姉ちゃん!」

唯「あ、ご、ごめんなさい!」

和「い、いや。……そ、それよりもちゃんと当たったかしら!?」

『シュウウシシュウアアアアシュァァ……』

唯「……落ちてったね」

和「……ふぅ。まったく、唯のおかげでひやひやしちゃったじゃない」

唯「ご、ごめんね和ちゃん」

和「いえ。それよりも、梓を探さなくちゃでしょう」

憂「うん。梓ちゃんを早く探し出して、それで……!」

唯「憂?」

憂「お姉ちゃん、こっち! 早くしないと! 梓ちゃんが!」

和「場所がわかったのね。急ぐわよ、唯!」

唯「う、うん!」



トンネル内

紬「本当にキリがない……」ダダダダ

澪「でも、大分目が慣れてきた感じがする」タァンタァン

律「まぁ、流石にこれだけ暗いなかにいればな」ダンッ!

澪「それに、あいつらを一歩も近づけてないから、危険も無いしな」

律「いつだって危険はすぐそばにあるものだけどな」

紬「でも、このままの状態だったら大丈夫そうね。ふたりとも、残り弾に注意して……」


ガアアアァァァァン! ガラガラ……


律「ななな、何だ!?」

澪「奥の方のトンネルが崩壊してるぞ!」

紬「み、みんな見て! あれ!」


『ゴオオオオオオォォォオォォ!』


澪「ヒイイィィ!」

律「何だよ……あれ」

紬「ゾンビも見たし変な生き物も見た。犬みたいなのも見た。でも」

澪「く、く、く、首がなんかぐるぐるで!」

『首が長い……!』


『ゴオオォォオォオォオォ!』


律「うおお!?」

紬「あぶないりっちゃん!」ダダダダ!

ガコォォン……

澪「な、ななななな」

紬「崩れたトンネルのコンクリートを投げつけてきた、みたいね」

律「すっげぇ力持ちだな」

澪「感心してる場合か! と、とにかく撃たないと!」

律「そ、そうだな。よし」タァンタァン!

紬「あの首……みたいなところは硬そうだから、そこ以外を狙った方がいいかも」ダダダダ


『ゴオオオォォオオォォォ!』

律「いや~……参ったね」

澪「ぜ、全然効いてないぞ!」

紬「私も同じく効いてない……。狙い目は顔……いいえ」

『ゴオオオオオオオ!』

律「また何か投げてくるぞ!」

澪「うわっ」ガッ

紬「早く離れて……澪ちゃん!」

律「ええい、こんな大事なときに転ぶな!」

澪「ご、ごめん、腰が抜けちゃって」

『ゴオォォオォォオォォ!』グォン!

律「く、くそ!ピンポイントで狙ってきてんな!」

紬「りっちゃん! 澪ちゃん!」ズダダダダダ!   紬「だめ、大きすぎて壊れない!」

澪「り、律! 私のことは放っておいて律だけでも避けてくれ!」

律「変なこというな……! くそ! 幸いムギだけは離れた位置にいる、から!」


律「ドラマーナメんなよおおお!」

澪「ちょ、ちょっと律、私を持ち上げて何する気だ!」

律「ムギいいい!」ブンッ!

紬「え? え?え? きゃっ!」ドス、ドサ


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最終更新:2010年01月31日 00:05