ちょっと前!

澪「あ、帰りにちょっと寄り道していいか?」

律「いいけど、どこ行くんだ?」

澪「雑貨屋さんだ」

・・・

律「へぇ、こんなところにあったんだな」

澪「私も最近見つけたんだ。かわいいものいっぱいあるし」

澪「このシャーペン買おうかな」

エリ「あれ?澪?」

澪「エリ?」

エリ「りっちゃんも!?」

律「おぉ、久しぶりだなぁ」

エリ「びっくりしたぁ。なに、買い物?」

澪「うん。エリも?」

エリ「私はここでバイトしてるんだぁ」

律「バイトかぁ」

エリ「澪達はバイトしてるの?」

澪「いや、私達はしてないなぁ」

律「にしても早いな。大学始まって二ヶ月でバイトかぁ」

エリ「まぁね。やりたいことあるし」

澪「なに?」

エリ「夏休みに免許取ろうと思って」

澪「免許って、自動車の?」

エリ「そうそう。それでアカネと一緒に京都へ仏像巡りするんだぁ」

律「おー」

澪「すごいな」

エリ「その為にバイトってわけ」

律「そりゃすごいな」

エリ「えへへー」

店長「瀧さーん?」

エリ「やばっ。それじゃあこれで」

澪「うん。また今度ゆっくり話そう」

律「・・・ふむ、エリもアカネとうまくいってるみたいだな」

澪「だな。仲良きことはなんとやらだ」

律「にしてもバイトかぁ」

澪「私達も少し考えた方がいいかもな」

・・・

澪「おまたせ」

律「おう、帰ろうぜ」

澪「まだ雨降ってるなぁ・・・」テクテク

律「だな。こりゃしばらく続くな」

澪「にしても車かぁ。考えたことなかったよ」

律「あぁ、確かにあれば便利だよな。ドラム運ぶのとか」

澪「車でも一度したいと思ってたんだ」

律「」

澪「エリはいいなぁ。きっと京都でアカネと・・・」

律「いや、さすがにないわ・・・」

澪「どうしてそう言えるんだ?エリ達だってラブホに入ってたじゃないか」

律「・・・ホテルはともかく、さすがに車ではないだろ」

澪「あんな顔して実は・・・ってあるかもしれないだろ」

律「お前はおっさんか」

澪「恋人におっさん呼ばわりとか、律はひどいな・・・」

律「うっさい、早く帰るぞ」

澪「わかったよ」



次の日!

紬「うぅ・・・、また雨・・・」

梓「ですねぇ」

紬「今日も髪セットしないと・・・」

梓「すいてあげますね」

紬「お願い・・・」

サッサッ

紬「あずにゃんはいいなぁ。真っ直ぐで」

梓「確かに雨の日は大変ですけど、ムギちゃんの髪は大好きです」

紬「隣の芝は青く見えるってやつね!」

梓「まぁ、そうですね」

梓「・・・よっと。こんな感じでどうですか?」

紬「うん、いい感じ。ありがとう」ナデナデ

梓「いえ」///

梓「・・・ではそろそろ行きますね」

紬「うん。足元に気をつけてね」

梓「ムギちゃんもですよ。では行ってきます」

紬「いってらっしゃい」チュッ

・・・

憂「・・・お姉ちゃん、大丈夫かな?」

梓「心配だねぇ」

梓「・・・」チラッ

純「ん~。ホットココアおいしーい」

さわ子「ワッフルもおいしいわぁ」

梓「・・・はぁ」

純「梓も飲みなよ。冷めちゃうよ」

梓「わかってるって。・・・熱っ」


梓「そろそろ練習しない?」

純「んー・・・。もうちょっとまったりする・・・」ペラッ

純「・・・ほう、駅前にこんなお店が」

さわ子「人生そんなに急いでもいいことないわよ」

梓「先生は職員室に戻らなくていいんですか・・・?」

憂「これだけ天気が悪いと気が滅入っちゃうね」

梓「・・・まぁ」

梓「(こういう時律先輩がいれば無駄に明るいんだけどなぁ)」

梓「(・・・今は私が部長なんだからしっかりしないと!)」

純「憂、ココアのおかわりちょーだい」

さわ子「あ、私もー」

憂「うん」スクッ

梓「もう一杯の前に練習するよ!」

純「まぁまぁ。これ飲んだらやるってー」

梓「・・・本当だね?」

純「うんうん」

憂「梓ちゃんも飲む?」

梓「・・・せっかくだし、飲む」

さわ子「(梓ちゃん、すっかり丸くなったわね)」

純「梅雨なんて早く過ぎてほしいよ」

さわ子「そうねぇ」

純「髪セットするの大変で大変で・・・」

梓「だねぇ。私もムギちゃんのセット手伝ったよ」

純「それは梓がやりたかっただけでしょ」

梓「うっ」

さわ子「まぁもう少しの辛抱よ。そしたら夏がやってくるわ」

憂「夏休み、楽しみだね」

純「どうせ今年の夏は夏期講習とかで勉強漬けだもん・・・」

梓「確かに。合宿は行くけどそれ以外は勉強だね・・・」

憂「しょうがないよ。大学受験のためだもん」

純「もう合宿でおもいっきりハメ外すしかないね!」

さわ子「外しすぎて周りに迷惑かけないようにね」

さわ子「にしても、今年の六月も無理だったかぁ・・・」

憂「なにがですか?」

さわ子「六月といったらジューンブライドでしょ!」

純「あー・・・」

梓「」ドキッ

さわ子「純ブライドじゃないわよ」

純「寒いです」

梓「(けけけ、結婚かぁ・・・)」///

憂「(お、お姉ちゃんと・・・)」///

さわ子「・・・はぁ、同期の子も結婚したし」

さわ子「そろそろ私も、ってねぇ・・・」

純「先生、話が重いです・・・」

梓憂「」ポワワ

純「・・・なにこの温度差」

梓「(きっとムギちゃんは真っ白なウェディングドレスで・・・)」

憂「(わあぁ・・・)」

純「帰ってこーい」

さわ子「若いっていいわねぇ」

さわ子「・・・ふぅ、ごちそうさま。じゃあ職員室に戻るわね」

純「あ、はい」

さわ子「あまり遅くならないようにね」バタン

純「ほら梓。練習するんでしょ」ユサユサ

梓「・・・はっ」

純「まったく。しっかりしてよね、部長」

梓「も、元はといえば純が練習サボるから!」

純「人のせいにしなーい」

梓「うー・・・」

憂「なんの曲やる?」

梓「そうだねぇ、明るい曲がいいな」

・・・

憂「・・・ふぅ、結構練習したね」

梓「うん。楽しかった!」

純「疲れたー・・・」

純「まだ雨降ってるし、ベース置いていこうかなぁ」

梓「うーん・・・」

純「憂はどうする?キーボード重いでしょ」

憂「私は持って帰るよ。今日もお姉ちゃんと一緒に練習するんだぁ」

梓「・・・私も持って帰ろう」

純「そっか。じゃあ私も持って帰って練習しようかな」

純「よいしょ。・・・じゃあ帰ろう」

梓「うん。忘れ物ないね?」

憂「大丈夫だよ」

・・・

梓「鍵返してきたよ」


純「・・・そうだ、梓」

梓「なに?」

純「最近ボーカルの練習してる?今日音程ちょっと外れてたよ」

梓「え、本当・・・?」

梓「(そういえば最近あまりやってなかった・・・)」

梓「・・・ごめん、最近ちょっとやってなかったかも」

純「やっぱりー」

憂「私はそんなに気にならなかったけど」

梓「・・・帰ったら練習する」

純「うむ、精進せよ」

梓「そういう純も練習するんだよ」

純「わかってるよー」

憂「私も負けないように練習しないと!」

純「じゃあ私はここで」

梓「うん。また明日」

憂「私もここで。練習、がんばってね」

梓「うん、じゃあね」

ザーッ

梓「・・・しばらく練習してなかったから音程ズレてたのかなぁ」

梓「ムギちゃんに付き合ってもらおう」

梓「・・・勉強も教えてもらってるし、ムギちゃんに頼ってばかりだなぁ」

梓「私もムギちゃんの役に立ちたいけど・・・」

梓「・・・」

梓「早く帰ろう」


―――

梓「ただいまー」

紬「おかえりなさい。はい、タオル」

梓「ありがとうございます」フキフキ

紬「外、まだ雨強い?」

梓「強いですねぇ・・・」

紬「そっかぁ」

梓「今日のご飯はなんですか?」

紬「お豆腐のハンバーグよー」

梓「わぁ。いいですね」

紬「あずにゃんが帰ってきたから焼いちゃうね」

梓「手伝います!」

紬「ふふっ、ありがとう。でもその前に着替えてこないと」

梓「あっ。すぐに着替えてきます!」バタン

・・・

梓「・・・ご飯食べた後、私の練習に付き合ってもらっていいですか?」ジューッ

紬「もちろん!」

梓「ありがとうございます」

紬「そういえば久しぶりね。どっちの練習?」

梓「声のほうです。今日純にちょっとズレてるって・・・」

紬「そう・・・。なら今日はいっぱい練習しないとね!」

梓「はい・・・」

紬「大丈夫。あずにゃんは飲み込み早いもの」

梓「がんばります!」

紬「ふふっ。・・・っと、そろそろね」

紬「お皿に乗せて。はい、出来上がり」

梓「おいしそうです」

紬「テーブルに運んでくれる?」

梓「はい!」

紬「じゃあいただきます」

梓「いただきます!」

梓「・・・んっ、おいしいです!」

紬「よかったぁ。初めて作ったからちょっと不安だったの」

梓「豆腐ハンバーグならヘルシーですしね」

紬「うん。雨で走れない以上食べるものに気をつけないと」

梓「・・・でももう十分じゃないですか?体重も前とほとんど同じですし」

紬「うーん・・・」

梓「ジョギングは健康にいいので続けても、食事は普通に戻していいと思いますけど・・・」

梓「私はムギちゃんにももっとおいしいもの食べてもらいたいです」

梓「私のわがままだってわかってますけど・・・」

紬「あずにゃん・・・」

紬「・・・」

紬「じゃあこうしましょう!」

紬「前の体重に戻るまでダイエットは続けて」

紬「戻ったら食事は普通に」

紬「その繰り返しで体重を維持するの」

紬「・・・それで、どう?」

梓「・・・はい」

紬「私ももっとあずにゃんとご飯食べたいしね」

紬「だからもう少しだけがんばって体重落とさないと!」

紬「・・・そうしたら。ご褒美にあずにゃんのご飯、いっぱい食べさせてね」

梓「・・・もちろんです!」

梓「いやって言うくらい食べさせてあげます!」

紬「ふふふっ。それはちょっと困っちゃうかも」

梓「ふふっ」

紬梓「ごちそうさまっ!」


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最終更新:2012年06月15日 01:02