律和

和「ただいま」

律「おかえりー、遅かったんだな」


和「朝言ったでしょ、結婚式の二次会があるって」

律「ああなんかそんな事言ってたよなあ。 会社の同僚だっけ?」

和「そうよ。 はいこれ、もらってきた」

律「おっ!?可愛い箱だな ケーキ?」

和「クッキーだって、新婦の手作り」

律「なんだ、クッキーか」

和「文句言うならあげないわよ」

律「いやいやそんな、文句なんてありませんって。 ありがたく頂戴しまーす」

和「ふふ……」

律「て言うことは夕食済ませてきたんだなぁ。 忘れてたんで作っちゃったよ」

和「いいわよ食べるから。あんまり食べて来なかったんだ」

律「じゃ後片付けよろしくー」

和「はいはい」


~~~~~~~~~~


和「ごちそうさまでした。 美味しかったわ、いつも悪いわね」

律「なにをそんな、こちとら居候の身ですから」

和「……居候なんて思ってないわよ」

律「へへへ」

和「ふう……今日はなんだか疲れたわ」

律「ん? 二次会?」

和「うん」

律「幸せそうだった?」

和「ええ、とっても」

律「結婚かぁ……あたし達には縁のない話だなあ」

和「……そうね」

律「でも……なあ、和」

和「なに?」

律「そういう気になったら早めに言ってくれよ。 あたしならいつでも出て行くからさ」

和「そうね、そうさせてもらうわ」

律「え……?」

和「じゃあ来週」

律「……マジで?」


和「ふっ……馬鹿」

律「なんだよ、もー」

和「うふふ」


律「そういや今日澪から電話あった」

和「澪から?……へえ」

律「うん」

和「で?」

律「え?」

和「澪……なんだって?」

律「へへ、気になる?」

和「別に。 律が言いたそうにしてるから聞いただけ」

律「そっか」

和「そう」

律「今度の土曜に会う約束した」

和「へえ」

律「いいかな?」

和「それって私の許可が必要なことかしら? 勝手にすれば?」

律「あれ? 怒ってる?」

和「そんなわけないでしょ」

律「ならいいんだけどさ」

和「……」

律「それでさ……」

和「だから勝手にすればって言ってるじゃない」

律「唯にも声かけようと思ってる」

和「えっ?……唯にも?」

律「うん、あいつらに私達のこと話そうと思ってる」

和「そう……なんだ」

律「いいかな?」

和「別にいいわよ、律と暮らしてること隠してるわけじゃないし」

律「うや、そういうことじゃなくてさ。 わかってるだろ?」

和「判らないわね」

律「なんで?」

和「だって律、ちゃんと言ってくれたこと無いじゃない」


和「私達のことって……私達の関係って何?」

律「え……」

和「律の気持ち、私何も聞いてない」

律「あ、そ、それはそのなんだ、えー」

和「私から言わせる気?」

律「いやだめっ、だめだめっ」


律「ちゃんと、ちゃんと言うから」

律「す……好きです」

和「……」

律「ど、どうでしょうか……」

和「遅いのよ……もう、昔から全然変わらない」

律「ご、ごめん」

和「それで?」

律「え?」

和「それから?」

律「え? え?」

和「もういいわ」

律「え?」

和「こうするのよ」

 ちゅっ

律「んひっ!」


和「ありがとう、律」

律「あ……あうあうっ」

                       おしまい



澪唯紬

唯「唯ちゃんだぜぇ~?ワイルドだろぉ~?」

澪「唯のどこにワイルドな要素があるんだよ?」

紬「ムギちゃんだぜぇ~マイルドだろ~?」

澪「ムギまで乗っかってきた!?確かにムギはマイルドだけど!」

唯「そうかなぁ?ムギちゃん夜はすっごくワイルドだけど」

澪「え?」

紬「ゆ、唯ちゃんっ///」

終!



澪梓

梓「大変!澪先輩が脱法あずにゃんをペロペロしちゃいました!」

澪「ふへへ~あずにゃんにゃんあずにゃんにゃん///」ペロペロ

梓「しっかりして下さい澪先輩!」

澪「あ、あずにゃん///」ペロペロ

梓「ちょ、私は脱法あずにゃんじゃ、ひゃん///」

澪「ふひー、あずにゃんにゃんあずにゃんにゃん///」ペロペロペロペロ

梓「あんっ、やっ///澪先輩っ、ダメぇ///」


終!



さわ和


和「さわ……さわちゃん」

さわ子「えっ?」

和「す、すいません! 一度言ってみたいなって思ってて、その……つい」

さわ子「ふふふ」

和「?」

さわ子「和ちゃーん! むちゅーっ」 ダキッ

 ぎゅうっ

和「ひゃああっ」


おしまいでした



さわ子「Zoffとのコラボおめでとう和ちゃん」

和「・・・はい」




唯憂


純「憂、テスト何点だった?」

憂「えへへ、95点!」

純「すごー」

梓「憂って本当頭良いよね」

憂「そんなことないよ~」

純「いや、だっていつもすごい先まで予習してるじゃん?」

梓「授業中も当てられたら100パー答えられるし」

純「どんな勉強の仕方してるの?」

憂「何もしてないよ?去年お姉ちゃんの宿題を見てあげてただけ」

純梓「ん??」




唯「ねぇ、りっちゃん、りっちゃん」

憂「や、やっぱり止めようよ。へ、変な人だって思われるよぉ」

律「ん?」

唯「同じ姉として、聞きたい事があるんだ。
  姉妹が同じお風呂入るって、普通の事だよね?」

憂「いやいや、絶対、変だから。ね?一緒にお風呂入ったりしてませんよね?」

唯「憂ったらね、反抗期なのか、私と一緒にお風呂入ってくれなくなったんだよ」

憂「だ、だってお姉ちゃん。変なトコ触るし……」

唯「変なとこじゃないよ!デリケートな所だから、綺麗にしてあげようと」

憂「じ、自分で洗うからいいよぉ///ほ、ほら、恥ずかしいから、ね?」

梓「はぁ、つまり、唯先輩と憂が、一緒にお風呂入っていいかどうか、ですか」

澪「でも、律の意見は参考にならないと思うぞ。
  律はほら、妹じゃなくて弟だから」

律「まぁ、澪の言う通りだし、家庭ごとに違いはあるだろうけど。
  何かの参考になればって事で、私ん家の話をするよ」

唯「うんうん」

憂「入ってませんよね?ね?」

律「毎日じゃないけど、私と聡は基本的に一緒に入ってるぞ。
  聡、私と一緒に入りたいらしいんだ。まだ可愛いところあるんだよなぁ」

澪「!?」

梓「え?   え?」

唯「ほらぁ、やっぱり一緒に入るべきなんだよ。
  賭けは私の勝ち。今夜から、また一緒にお風呂入ってもらうよ、憂」

憂「うぅ……///もぅ変なとこ、触らないでね?」

唯「だから、洗ってるだけだって」




律「うん、私のアドバイスが参考になって、解決して良かった」

梓「いや、姉と妹と、姉と弟じゃ、色々違うと思いますけど……。
  律先輩は、もっと警戒すべきだと思います。
  それ、凌辱フラグですから」

律「?何言ってんの、この子。
  あれ?そういえば、澪は?」

梓「隊員に告ぐ、至急田井中聡を確保せよ。
  とか叫びながら、猛スピードで律先輩の家の方角に向かいましたよ」

<FIN>



紬律

 不満そうに唇を尖らせている律に、紬は躊躇わずに声を掛けた。
律と近付けるチャンスを、逃す道理はない。

「どうしたの?何か嫌な事でもあったの?」

「宿題、出ただろ?分かんないから澪に教えて、って頼んだら。
偶には自分の頭で考えろ、だってさ」

 律は不満げに言うが、紬には分かっていた。
最終的に、澪は律を助けるだろうと。
澪は結局、律に甘いのだ。

 だが、その事を律に教えては、折角の機会を活かせなくなる。
紬は胸中で澪に詫びると、律へと親切な声を靡かせた。

「そう?だったら、私が教えてあげるわ」

 しかし、紬の期待に反して、律は首を横に振っていた。

「駄目だよ。ムギから教えてもらう事は、できないよ」

「あら?どうして?」

「だって、私以外の人に甘えちゃいけませんって、澪から言われてるから」

 嫌という程、律が誰のものかを思い知らされた。
澪という鎖は、律を心の奥深くまで縛り上げている。

「大丈夫、内緒にしてあげるから」

「でも……澪を裏切る事になるし」

「じゃあ、こういうのはどうかしら?
私と一緒に、宿題するの。実はね、私もこの科目、苦手なのよ。
だから、りっちゃんの手助けも欲しいな、って。
お互いに助け合うのなら、甘える事にはならないでしょ?」

 律は少し考える素振りを見せたが、結局首を縦に振った。

「そう、だね。それなら、澪の言い付けに背いた事にならないよね。
うん、一緒に宿題、考えよ?」

「決まり、ね。じゃあ、私の家に向かいましょ?」

 澪が自分以外の人と二人きりにならない言い付けをしていないか。
それが気になったが、律は逡巡する事なく同意を返してきた。
紬は少し安堵しながら、先に立って歩いた。



 一緒に勉強して、紬には気付いた事がある。
律は宿題に誰かの手助けが必要な程、勉強が苦手では無いという事だ。
恐らく、一人でもできるだろう。
実際に、宿題をしている最中、紬に対してほとんど質問してこなかった。

「ありがと、ムギのお蔭で、スムーズに宿題が片付いたよ」

 宿題が終わった後の礼の言葉が、紬には恐縮に感じられた程だった。

「お礼なんて、とんでもないわ。りっちゃん、ほとんど一人で解いたでしょ?」

 続けて、訊いてみたかった。
本当は、澪に宿題の教示を頼む必要など無かったのではないか、と。
ただ澪と一緒に居たいから、頼んだだけでは無かったのか、と。

「そ、そんな事ないよ。幾つか、教えてもらったし」

「数える程でしょ?
さ、おやつにしましょ。頑張った脳に甘いご褒美」

 紬は席を立つと、茶の準備を始めた。

「えへへ、ムギ、お菓子くれるから、だーい好き。
また一緒に勉強しようね」

 甘味目当てのような言い草だが、紬は敢えて反発しなかった。
律との繋がりを、大切にしたかった。

「ええ、しましょうね。でも、澪ちゃんには内緒よ?」

「んー?どうして?
甘えた事にはならないから、いいんじゃないの?」

 不思議そうに首を傾げる律に、「これも禁止になるから」とは言わなかった。

「ビックリさせる為、よ。
急に宿題を一人でやるようになったりっちゃんを見せて、喜ばせてあげましょ?
りっちゃんの成長を見て取って、きっと澪ちゃん、喜んでくれるわ」

 自分との秘密の時間を作らせる為に取った策だが、紬は切なかった。
律の澪を喜ばせたいという心理が、この策の起点となっているからだ。
事実、律は嬉しそうな笑みを浮かべている。
紬の胸を刺す程に、残酷な笑みだった。

「本当に?あはっ、澪の喜ぶ顔、楽しみだなー」

 自分に頼らなくなった律を見て、澪がいい顔をするはずも無かった。
それが分かっていながらも、紬はもう、胸中で澪に謝る事はしなかった。

<FIN>



最終更新:2012年06月20日 23:24