【澪和】

和「もしもし? ああ澪、どうしたのこんな時間に」


和「え? 明日? いいわよ、ちょうど駅前の本屋さんに行こうと思ってたし」


和「でも何の用事なのかしら? 今日も学校で会ったばかりでしょ」


和「え? 私に伝えたいこと? それって今じゃだめなの?」


和「真剣な話って何なのよ、怖いわね」


和「うん、それはいいけど……」


和「わかった、じゃあ11時にね」

 ピッ



和「……」

 ピッ  ピッピッピッ



和「あ、もしもし、真鍋です。 夜分にごめんなさい」


和「明日の生徒会の打ち合わせだけど、ちょっと用事で出られなくなっちゃって……」


                                      おしまい



憂純 お題:水着

純「ねえ憂、いっしょに水着買いにいかない?」

憂「水着?」

純「そ、水着。二人で」

憂「うんいいよ。でもどうして二人なの?」

純「そりゃあ私らが梓を誘ったら嫌味になっちゃうからさ~」

憂「えー?そうかな?」

純「憂は梓も誘いたい?」

憂「うーん、梓ちゃんそういうの気にしないとおもうけどな」

純「いやいや、うちのあずにゃんさんは意外と繊細ですよー?」

憂「そっかぁ。じゃあ二人で行っちゃおうか?」

純「決まりだね!よっし、二人でデートだー!」

憂「うん、デートだね~」

純「えへへ」




【憂純】

シャワーを浴びてバスルームを出る
洗面台の鏡に映るのは濡れた髪の私
まだ残っている日焼け、胸に残る水着の跡

これがついたあの夏の日、あの日の私はまだ無邪気な少女
彼女とは友達、ずっと良い友達……そう思っていた

なのに今は……

水着の跡を指でなぞる。
さっき彼女がしてくれたように、優しく
ゆっくり、ゆっくりと

水着の跡は薄れて、やがて消える

最近気付いた
好きになればなるほど、幸せになればなるほど
それを失うのが怖くなる

この想いも薄れていくのだろうか
消えてしまうのだろうか

それとも……

「でももう戻れないよね」

そう私は話しかけた
鏡に映る女の顔をした私に

                        おしまい



梓唯

唯「あずにゃーん!」ペロペロ
梓「唯先輩///」ペロペロ

完!



琴吹製薬からあずにゃん分補給サプリ「アズドロップ」が発売されました

唯「…」ペロペロ

律「唯、またその飴舐めてんの?」

唯「あー…うん…」ペロペロ

澪「最近ずっとだな…食べ過ぎじゃないか」

唯「…だってー…やめらんないし…」ペロペロ

紬「…」ニコニコ

梓「すみません、遅れました」ガチャ

律「おっ、来たか」

唯「あずにゃんやっほー」ペロペロ

梓「…?」

澪「最近唯は梓に抱きつかないんだな」

唯「えー?ああ、うん…」ペロペロ

梓「…別に、むしろいいことです」

律「素直じゃないわねー梓ちゃんは」

梓「なっ…違います」

紬「…」ニコニコ

律「ほーら、唯もたまには愛しのあずにゃんに構ってやれよ」ドン!

唯「わわっ!?」

梓「きゃっ!?」ドシン

梓「あいたたた…ちょっと律先輩、何するんですか!」

律「ごめん、強く押しすぎた…」

梓「唯先輩、重いです、どいてください!」

唯「…これは…」

梓「…?」

唯「違う、全然違うよ!やっぱり本物のあずにゃん分は質が違うね!」ギュゥゥ

梓「え、ちょ…やめ、ぐえ」ギュゥゥ

唯「あずにゃーーん!!」ギュゥゥ

梓「く、苦し…もう、唯先輩…」ギュゥゥ

澪「…どうしたんだ、急に?」

律「さぁ…まぁめでたしめでたしじゃね?」

紬「…」ニコニコ


アズドロップ発売前

研究者「完成しました、完璧な品質のアズドロップです!」

紬「…ええ、完璧ね。でも完璧では駄目。ほんの少し品質を落としなさい」

研究者「…な、なぜ?」

紬「…いいから」

研究者「は、はぁ…わかりました」

紬「…」ニコニコ

おわり!



【和梓】

和「世界が終わる事、望んだ事ってない?」

梓「ありませんよ。えーと、生徒会長は、あるんですか?」

和「和でいいわ。私は、あるわ。
  どうしようもなく落ち込んだ時、世界そのものが終わってしまえばいいって思った。
  私が辛い時に、笑ってる誰かが許せなかった」

梓「それで、今は?」

和「今は……世界が続く事を望んでる。不思議なものね。
  つい最近まで、世界なんて終わってしまえと思っていたのに。
  でも、いざそれに直面すると……続いて欲しいと思ってしまうものね」

梓「まるで、今がその瀬戸際みたいな言い草ですね」

和「はるか日本から遠く離れた地で、
  世界のGDPから見ればほんの一部でしかない国の選挙で、
  それが決まってしまう気がしてならないの」

梓「ギリシャの事を言っているのなら、大袈裟ですよ。
  各国中銀は既に、もしSYRIZAが勝つような事があれば、市場介入すると仄めかしてますし」

和「……流動性の供給と言いつつ、その実態は紙幣を擦ってるだけ。
  結果、どうなるのかしら」

梓「大丈夫、ギリシャ人はきっと、NDを支持すると信じてます。
  ドイツだって、そろそろきっと各国の圧力に屈しますよ」

和「そうね、世界が続いてくれるといいわね。
  でももし終わるのなら……その時は、私の側に居てくれる?」

梓「私で、いいんですか?」

和「梓ちゃんがいいの。その時は、渦中のギリシャに行きましょうか。
  綺麗なエーゲ海を長めなら、二人で、ね?」

梓「金融危機から起こる経済危機ですから、その時に航空会社が機能しているかどうか。
  それに、ギリシャは苦手です。ちょっと、ムギ先輩のせいで、いいイメージがなくて」

和「ムギ?」

梓「ファラリス……まぁ、それは別世界の話ですけどね」

和「ムギといえば、フィンランド。あれもドイツとともに、救済に反対する勢力の一つね。
  オランダがリセッションに陥り、オーストリアがAAAを失った今、ドイツの最後の味方。
  それはそうと、エーゲ海が嫌なら、何処がいい?」

梓「ロンドン。前に先輩たちと行った事があって、良い街でした。
  和先輩とも、行ってみたいです」

和「そここそ、渦中よ。梓達にとってはロックの本場でしょうけど……。
  一般には、金融の街よ。シティという、投機の主舞台」

梓「なら、イビザなんてどうですか?
  クラブミュージックの聖地です」

和「スペインも、危ないわ。……以前は、スペインにまで飛び火なんて、杞憂だと思ってたのに」

梓「じゃあ……ウィーン……柄じゃないですね」

和「そうね」

梓「ロッテルダム、ハピハコの聖地です」

和「音楽の聖地ばかり、紹介してくるのね。ハッパ目当て、じゃないわよね?」

梓「まさか、別の目当てがあります。オランダって、同性婚が合法らしいですよ?」

和「いいの?オランダで。ニューヨークも、同性婚が合法だけど」

梓「ニューヨークも、投機の主舞台、でしょう?ウォール街という、ね」

和「ふふ、そうね。じゃあ、ここでいっか」

梓「そうですね。でも、金融危機が起こって経済も社会も治安も壊滅して、
  世界が終わるなら、ですよ?」

和「あら?世界が終わらないなら、一緒に最期を迎えてくれないの?
  また、世界の終りを願っちゃいそうよ」

梓「もし、世界が終わらないなら、和先輩は私より長生きしてください。
  一日だけでも、いいから」

和「嬉しい事言ってくれるのね。いいわ、私は貴女を悲しませない。
  梓ちゃんより、一日だけ長く生きてみせるわ」

梓「ごめんなさい、残酷な事を頼んじゃて。
  ……世界、続くといいですね」

和「そうね。でも……債務が、経済が、例え世界が持続不可能でも……。
  私達の愛は、いつまでも持続するわ」

梓「ええ、誓います」


<FIN>



最終更新:2012年06月20日 23:32