澪「ムギも違和感は感じてたんだろう?」
紬「うん…けど漠然としていたし、ちょっといつもと違うかなぁって程度だった
前と違って演奏するので必死だったから…」
澪「演奏していて気づくこともあれば、第三者からしか分からないこともあるんだな…」
梓「はい…私も人のせいにするばかりで自分がどうとか考えてませんでした
反省してます、すいません律先輩」ペコ
律「いいって言ってるだろ、それに一番ヒドいのは私だったしな
…うぅ~何か今日は練習前に疲れたな、ムギお茶入れてもらっていいか?」
紬「ぇ!?りっちゃん」
澪「律…」
律「たまにはいいだろ
それに澪が前梓に言っていただろ
お茶を飲んだり、のんびりする時間も私達には必要だって
それが今の私達に欠けていたものなのかも知れないしな…
だから今日からティータイム復活だ!って事でムギよろしく」
紬「喜んで」ニコ
憂「私もお手伝いしますね」
梓「律先輩本当にすいませんです」
律「梓もしつこいなぁ~
よしならお詫びに今日はずっと猫耳な!はい」スッ
梓「うぅ…やってやるです///」
スチャ
おぉ~似合う~パチパチパチ
律「ついでに語尾はにゃーな」
梓「うぅ…律先輩ごめんなさいにゃー///」
その後さんざん梓をいじめる律の姿は今までとは違ってみえた
イヤ本来の律が帰ってきたのかもしれない
この日から律が悲しい顔でドラムを叩くことも、来て早々練習する事もなくなった
ティータイムの時間を復活させるキッカケが梓というのも可笑しな話だ
――――――――
―――
同日
~帰り道~
律「じゃあな~澪~腹だして寝るなよ」
澪「だれがだして寝るか!」
律「アハハじゃあの~」
澪「うん、バイバイ」
澪「(今日は楽しかったな、律もこれで…)」
「澪先輩」
澪「うわぁ~!!!って梓か…脅かすなよ」
梓「すいません…」
澪「どうしたんだ?ってムギも一緒か!」
紬「私も捕まっちゃって」
梓「ちょっと話したいことがあるんですけどいいですか?」
澪「あぁいいけど…(なんだろう?)じゃあ2人とも私の家来るか?」
梓「はぃすいません」
―――――――
――
同日
~秋山家~
澪「どうぞ」
梓「ありがとうございます」ズズ~
紬「ありがと」ズズ~
澪「で、梓話って何なんだ?」
梓「はぃ!まずムギ先輩」
紬「はぃ?」
梓「昨日はすいませんでした…」ペコ
紬「あらいいのよ、私こそごめんね」
梓「いえ、ムギ先輩がいった通り私間違ってました…」
紬「りっちゃんがいいって言ってるんだからもぅいいのよ」ニコ
梓「ありがとございます」
紬「それをいうために呼び止めてたの?」
梓「いぇそれもありますけど、お二人に話しておいた方がいいと思いまして…」
澪「その前にちょっと待て梓
私もお前に話したいことがあるんだ」
梓「はい?」
澪「私は梓にちゃんとお礼を言わなきゃいけないんだ
昨日確かに梓は言い過ぎた面もあったし、ムギが言ってた事も分かるけど
いずれは誰かが律に話さなきゃいけなかったと思う…
いや、誰かじゃなく一番親しい私が律に言うべきだったんだと思うんだ。
だけど私は律までけいおん部からいなくなってしまうかもしれないと思うと、怖くて言えなかった…
だからありがとう梓」
梓「そんな、いいんですよ…
私は駄々をこねて、わぁーって言っちゃっただけなんで…」
澪「そんな事ないぞ、今日だってすぐ律に謝ったし
私達の演奏を聴かせたのも梓じゃないか
あれのおかげで私達は変わっていけるとおもうぞ」
紬「そうね、梓ちゃんのおかげだわ…私からもありがとう」
梓「…………
紬「どうしたの梓ちゃん?」
梓「先輩方…私じゃないんです」
澪「何がだ?」
梓「演奏の違和感とか
私が間違ってるって気づかせてくれたのは
唯先輩なんです…」
澪「唯が!!??」
梓「はぃ…私があの日部室を出て行った後の話です…」
――――――
――――
昨日
~軽音部前階段~
ダッタタタ
梓「(もぅヤダ、もぅヤダよぉ~)グス」
ドン!!
「うわぁ~」
梓「キャ」
バタン ドサッ
梓「ァイタタタ~…!すいません!慌ててて
って唯先輩!?」
唯「アテテテ…ぁ!あずにゃん!
ぁう…えっと…ごめん」
バッ
梓「ま、待って下さい!私軽音部辞めます」
ピタッ
唯「ほぇ?」
唯「どうしたのあずにゃん!?何であずにゃんが軽音部辞めるの!?」
梓「だって…だって」グス
唯「…あずにゃんここじゃ何だから場所変えよう」
梓「はぃ」グス
――――――――
―――
数分後
~桜高屋上~
唯「どぉ?落ち着いたぁ?」
梓「はいすいませんでした…」
唯「あずにゃん泣いてばっかりだね」
梓「そんな事ないです、…唯先輩前でだけです」
唯「…あずにゃん何で軽音部辞めたいなんて言ったの?」
梓「それは…
さっき律先輩と喧嘩したんです。
新歓で去年と同じでライブしたんですけど、ダメダメでした。
特に律先輩のドラムが前とは違ってたんです。
あんなドラム律先輩じゃないです
私…もぅあの人と一緒にバンドやりたくないです…」
唯「あずにゃん…」
梓「もぅティータイムの時間もないんですよ。
唯先輩への当てつけみたいじゃないですか…
私だって練習できるのは嬉しいですけど、あんな暗い雰囲気でやってたって面白くないです…そう律先輩に言ったらビンタされました」
唯「あずにゃん…頭だして」
梓「ぇ!ぁ…はい(ヨシヨシしてもらえるのかなぁ///)」
唯「うりゃ」
ポコッ!
梓「ァイタ!!!ぇ…何で唯先輩…」キョトン
唯「あずにゃん人のせいにしちゃダメだよ!!」
梓「人のせいって…だって!」
唯「私新歓ライブ聴きにいったよ」
梓「ぇ!そうなんですか…だったら」
唯「確かにりっちゃんのドラムが一番らしくなかったけど、それは他のみんなも一緒だった」
梓「一緒って…私はちゃんと!」
唯「あずにゃんは憂が演奏間違ったの気づいた?」
梓「ぇ!いや…気づきませんでした…」
唯「昔練習中に私が失敗したとき、あずにゃん私のカバーしてくれたよね?
ミスが目立たないようちょっとアレンジして、私がまた演奏に入りやすいようフォローしてくれた。
それだけできるあずにゃんが憂のミスに気づかなかったの?」
梓「…………」
唯「他のみんなも誰も憂のミスに気づいてなくて
憂、その後最後まで上手く持ち直せなかったみたいだったよ
それはりっちゃんだけのせいじゃないよね?」
梓「わたし…」
唯「あずにゃんがりっちゃんに怒る前に、自分が今までどうしていたか考えた?
楽しくないって言ってたけど、あずにゃんは自分で楽しもうとしたの?
暗い雰囲気って言ってたけど、自分で明るくしようとした?
あずにゃんはりっちゃんに責任を押しつけようとしてるんじゃないの?
それは間違ってるよ!」
梓「わた…し…ゆぃせんぱいの…いうとぉり…です…」ウルウル
唯「あずにゃんなら大丈夫だよ!だって前は下手くそな私を引っ張ってってくれたじゃん
それに澪ちゃんとりっちゃんが喧嘩しそうになった時自分で猫耳つけて
喧嘩はダメって言ってくれたでしょ?
ね?
あずにゃんはできる子なんだから、あずにゃんが軽音部を変えることもできるんだよ」
ヨシヨシ
梓「せんぱい~」グスン
ダキツキ
唯「よしよし!厳しく言ってゴメンね」
~~~
唯「大丈夫ぅ?」
梓「はい…制服汚しちゃってすいません」
唯「やっぱりあずにゃんは泣き虫さんだね♪」
梓「ぅぅぅ…何か悔しいです…」
唯「…あずにゃんまだ軽音部辞めたい?」
梓「いぇ…許してもらえるかわかりませんが、明日律先輩に謝ろうとおもいます
それで唯先輩が言ったとおり私が軽音部を変えてみせます」
唯「そっか~良かったぁ♪さすがあずにゃんだね」ニコ
梓「…唯先輩は軽音部に」ボソ
唯「ん?」
梓「いぇ何でもないです」
唯「うぅ~ん、
ではそろそろ暗くなってきたし帰ろうか、あずにゃん」
梓「ぇ!ぁ…はぃ…」シュン
唯「どうしたの?まだ悩み事かな?」
梓「もうちょっとくっついててもいいですか///」
唯「アハハなんだそんな事か
全然いいよ~さぁ胸に飛び込んできなさい」
梓「何かムードないですね…」
ダキツキ
唯「あずにゃんの甘えん坊ぉ~」
梓「違うです!ただ久しぶりだったから…」
唯「そういえばそうだね、今度お泊まりにしにきなよぉ~学校じゃお話できないし」
梓「…考えとくです//
…唯先輩なんか大人っぽくなりましたね
さっき言った事とか私自分の事なのに、全然気づきませんでした」
唯「そんな事ないよ、
私ってほら今は部外者だけど
そういうの事って逆に外から見てる方が分かるんじゃないかな?」
梓「…やっぱり大人っぽいです」ボソ
唯「ほぇ?あずにゃん何か言った?」
梓「言ってないです!」
唯「またあずにゃんが何か隠したな~ぁ!分かったぞ」
梓「な、なにがですか!?」
唯「さっき叩いたところが痛いんだね!」
なでなで
梓「…………//」
唯「ごめんね!私もちょっと興奮しちゃって」なでなで
梓「…痛いからもうちょっと撫でてて下さい」
唯「ごめんごめん!」
なでなで
梓「(唯先輩ありがとう)」
―――――――
――――
回想終了
~秋山家~
「ぁ……さ…………あず……………梓!」
梓「ひゃい!」
澪「どうした話終わった途端にボケッとして?」
梓「ぃ、いいえちょっと余計なところまで思い出してました!」
澪「?」
紬「キラーンあらあらまぁまぁ」ニコニコ
澪「ならいいけど、しかし唯がな…」
梓「はいだから私も今日素直に律先輩に謝れたんです。
自分達の演奏を聴いてみればってのも唯先輩のアイディアなんです」
紬「唯ちゃん…きっと梓ちゃんに会ったのも偶然じゃないわね」
梓「え?どういう事ですか?」
紬「音楽室前の階段で会ったんでしょ?
あそこは音楽室利用者以外はほとんど利用しないはずだし
きっと唯ちゃんが私達の演奏が変だったから、気になって見に来たんじゃないかしら?」
梓「そっか…唯先輩…」
澪「唯らしいな」
梓「唯先輩とまた一緒にできないんですかね?」
澪「私も唯と一緒にできるなら嬉しいけど、唯はやりたいことができて軽音部を去ったんだそれは私達が決めることじゃないよ」
梓「そうですよね…それに律先輩もまだ唯先輩の事許してないみたいですし」
澪「今私達にできることは唯に心配されないくらい、ちゃんとした演奏をすることじゃないかな」
紬「私もそぅ思うわ」
梓「私も頑張るです」
澪「きっと前みたいにティータイム復活ののんびり部に逆戻りだけどな」
紬「明日は久しぶりにお菓子準備しなきゃ♪」ルンルン
梓「何かこれはこれで複雑な気持ちですね…」
澪「だな…けど嫌じゃないな」ニコ
梓「はい♪」ニコ
次の日から私達は今までのティータイムを取り返すように
おしゃべりだけで部活の時間を過ごした
結局2週間後
梓が怒ってティータイムを切り上げ演奏してみた時には
久しぶりにだったせいもあり、律のドラムは走り気味で私達も間違いだらけだったけど
もぅあの違和感は感じなくなっていた
――――――――
――――
それから半年
私達はティータイムを楽しみながらも練習方法を変えたりと、試行錯誤しながら楽しい部活動の時間を過ごしていた
そしてついに私達にとって軽音部とし最後のライブが迫っていた
~音楽室~
ダッターーーン♪
澪「って感じなんですが?」
律「どうかなさわちゃん?」
さわ子「驚いたわ…」
律「それはいい意味で?」
最終更新:2010年02月01日 03:00