各々大体感覚が掴めたところで射撃場を出た。

命中率は
律>紬>憂>澪>唯
だった
唯は圧倒的に下手だった

反動が少ないベレッタで命中率2割を切ると言う凄まじいノーコンぶりを披露していた

みんな二階の部屋に集まって寝ることになった。一人が見張りで2時間交代と言う形だ

紬の話だと使用人や執事を全員合わせると100人近くいるらしい

つまりまだ100近くのゾンビがこの屋敷にいると言うことになる

律「使わないで済めば一番なんだけどな」

腰のホルスターに刺さっている拳銃を見て言う

紬「そうね…」

澪「生き残ってる人はいないのかな?」

紬「いないと…思う。前の門が開くってことは私達の家族誰かが帰ってきたことになるんだけどそれで全く反応がないのは…初めてよ」

澪「そっか…」

唯「今はとにかく寝ようよ~さっきもあんまり寝られなかったから…私…」ウトウト…

憂「私は皆さんより少し多めに寝てたので後で構いませんよ。見張り番してます」

唯「うい~よろしくね~」

憂「うん。」

澪「そうだな、ここは憂ちゃんの言葉に甘えて寝ようか」

律「何かあったらすぐ起こしてくれよ憂ちゃん」

憂「はい」

紬「じゃあおやすみなさい」

憂「おやすみなさい」

ガチャ

ガチャン

憂「……。」

これがあれば……簡単に……

手に持っている拳銃を眺める

梓ちゃんは何も悪くないのに…お姉ちゃんだってこんな危ないことに巻き込まれなかった…

田井中のせいだ…
全部……全部!

憂「違う……違うよ…律先輩は悪くなんかない!」

田井中が軽音部なんか作るからだ!
あいつのせいで梓は死んだ!

憂「やめて!!」

はあ…はあ…なに…これ

私…どうしちゃったの…

憂「怖いよ…お姉ちゃん」

ボリ…ボリ…ボリ…

体が痒くてたまらない

2時間後

唯「うい~交代だよ~」

憂「お姉ちゃん!自分で起きたの?」

唯「うん~憂が心配でさぁ」

憂「お姉ちゃん…!」ぎゅむ

唯「あはは~」ぎゅむ

憂「うふふ~」ぎゅむ

憂「お姉ちゃん、ちょっとだけ話さない?」

唯「いいよ~」

憂「お姉ちゃんはみんなのこと…どう思ってる?」

唯「軽音部のみんなのこと?それはもう大切だよぉ」

憂「私…よりも?」

唯「憂、大切なものに順番なんてつけたらダメなんだよ?みんな大切…それでいいじゃない」

憂「……やっぱりお姉ちゃんだなぁ」

唯「ん?」

憂「ありがとうお姉ちゃん。じゃあおやすみなさい」

唯「ゆっくり寝るんだよ~」

バタン

唯「……あずにゃん…和ちゃん…」

私… 頑張るからね…


更に二時間後

澪「お~い唯~交代だぞ」

唯「あ、澪ちゃん。ありがとう。でもちょっと話さない?」

澪「ん?いいけど」

澪が唯の横に腰かける

唯「澪ちゃんって今まで彼氏とかいたことないの?」

澪「なっ、何言うんだよいきなり」

まさか唯からこんな話振られるなんて思ってもみなかった…

唯「たまには女子高生らしい話もと思ってさぁ」ニヤニヤ

澪「……いない……かな。高校は女子高だしさ…」

唯「そっかぁ…私もいたことないんだよね。私何かと違って澪ちゃんは魅力あるから何人も付き合ったりしてるのかと思ってた」

澪「失礼だな唯は。でも唯にもいいところはたくさんあるぞ。それに唯は可愛い!私が保証する」

唯「本当に?ありがとう♪でもさ、こんな時彼氏とかいたら助けに来てくれたりするのかな」

澪「さあなぁ、どれだけ思われてるかじゃないか?」

唯「助けに来てほしいよね…なんで私にはいないんだろ…」

澪「私だっていないぞ。でも梓や和、律にむぎに憂ちゃん、そして私。同姓ばっかりだけどいっぱいいるじゃないか」

唯「…そうだね!ちょっと寂しいけど。で、澪ちゃん」

澪「ん?」

唯「胸触らせてっ」ワキワキ

澪「手をワキワキさせるなよ!怖いから!」

唯「直に!直に~」

澪「早く寝ろよ~!」

二時間、午前7時

澪「ふああ~…もう朝か、雨…止まないな。もう十分寝たし律は寝かしといてやるか。そろそろみんな起きる頃だろうし」

エントランス二階の窓から見える少し明るくなった曇り空を見てると少し憂鬱になる。

澪「(STARS到着まで後約14時間…これまでは何もなかった。このエントランスから一個先以外の部屋は全て鍵をかけたのが利いてるのかも)」

昨日むぎが提案し移動をここのエントランス、食堂、キッチン、射撃場だけに定め残りは全てオートロックをかけていた

澪「そもそもゾンビってドア開けるのかな?」

律「開けるって言うか壊すんじゃね?おはよ」

澪「おはよう。起きたんだな。もう少し寝かしといてやろうと思ってたのに」

律「そうぐ~たらは出来ないよ。」

澪「こんな風に普通にしてると私達以外人がみんなゾンビになったなんて信じられないよな」

律「全くだよ。ただ普通にむぎん家に泊まりに来たって感じだ」

澪「でも…実際には色々あったんだよな」

律「うん…」

澪「和…結局来なかったな。事前に場所は教えといたのに」

律「きっと無事さ。」

澪「うん」

それからはあっという間だった。

朝ごはんをみんなで作り昼からはみんな各々の時間を過ごす。射撃場で他の銃も撃ってみたり

律「澪ちゅわあんそいつは通らないぜ?メンタンピンドラドラで満貫!さあ脱いだ脱いだ!」

澪「いつの間に脱衣麻雀になってんだよ!」

麻雀したりもした


そしてみんなで夜ご飯を食べSTARSが来るまで残り5時間と言うところだった


午後6時

澪「雨止まないな」

律「雷も酷いしな。濡れながら脱出か~どうせなら晴れが良かったな」

唯「和ちゃんは…どうするの?置いていくの?」

澪「ギリギリまで待つさ…」

憂「学校まで探しに行けば…」

澪「憂ちゃん、気持ちはわかるよ。けど昨日のこと…もう忘れたわけじゃないだろ?」

憂「はい…」

澪「だから……待つしかないんだ…私達は」

紬「……。」

トゥルルルル、トゥルルルル

紬邸の衛生電話が鳴る。

澪「STARSかな?私が出るよ」

澪「もしもし」

クリス『ミヨアキヤマはいるか?』

クリス『君がミヨアキヤマか。俺はS.T.A.R.S.メンバーのクリスだ。率直に言おう。問題が起きた』

澪「えっ…」

クリス『まず上からの許可と日本警察の許可が出ない。これが出ないと我々米国のヘリは飛べない。更にもし飛べたとしてもこの悪天候じゃヘリが飛ばせないんだ』

澪「えっ…つまり助けられないってこと…ですか?」

ざわ……

クリス『許可は無視してでも行ける。後から裁判や面倒ごとをするのは上の仕事だ。だが天候だけはどうにもならない。せめて雷だけでも止めば……』

澪「……」

クリス『俺達を信じてくれ。必ず爆撃までには迎えに行く。』

澪「はい…わかりました」

クリス『「俺」から伝言だ、「お前が信じる俺を信じろ」だそうだ』

澪「そんな信じたつもりないんだけど」

クリス『必ず生き延びてくれ。会うのを楽しみにしている。ミヨアキヤマ』

ガチャリ…

澪「……」

みんな澪の雰囲気で察したのか誰も何があったのかを聞かなかった

澪「STARSは…雷が止むまで来れないらしい。でもまあ和を待つ時間が増えたんだ!みんな喜ぼう!」

唯「そ、そだね!」

紬「でももし雷が止まなかったら…」

律「むぎ……」

紬「私達……死んじゃうんだよね…」

澪「…そうだな。でもきっと、大丈夫さ。今まで色々な奇跡を起こしてきたんだから。雷を止ますことぐらいなんてことないさ」

律「…ふふ、澪らしいな。そもそも感染してないだけでもうけもんだからな私ら」

澪「なんで私達だけかかってないかはわからないけど…それが既に奇跡なんだよ。だから大丈夫、むぎ」

紬「……」コクン

憂「……」ボリ…ボリ…

唯「うい手かゆいの?さっきからずっとかいてるよ?」

憂「えっ、大丈夫だよ!?ちょっと蚊に刺されたのかな?」

唯「ちゃんと刺された場所にばってんつけた?あれやるとやらないじゃ治りが違うんだよ!」

憂「う、うん。やっとくよお姉ちゃん」

律「さ~てじゃあまた麻雀でも…」


その瞬間だった──。
ピカッ…
ゴオッ……
プツン…
辺りがいきなり真っ暗になる。

律「なんだっ」

澪「きゃっ」
唯「ふえ?」
憂「あっ」
紬「えっ?」

停電

誰もがそう思った瞬間だった
カチャッ
律「なんだ…さっきのカチャッって」

紬「いけない!オートロックが!」

澪「まさか停電で…」
ハアァァ…
律「(なんだ、あの声、ゾンビじゃない)」
もっと何か…別の
それより何よりこの真っ暗な中で、入って来た
何者かが

澪「むぎ!懐中電灯!」

紬「うん!」

彼女らとてバカではない。雷が強かったことから最悪の事態を想定し一人ひとつ懐中電灯をもつようにしていた

特にむぎのは特注で光も強くて大きいのだ

律と澪が音がした食堂の方の扉に目を向ける…。

律「来るならこい…」

澪「……」

冷や汗が喉を通るのがわかる……さっきまでのお気楽モードとは一点してシリアスモードへとシフトチェンジしていく

律「(足音が……ない?)」

扉がゆっくりと開いて行く…が、そこに姿はない

澪「えっ…?」

律「澪!避けろ!」

「キェェ!!」

澪「くっ……」

暗くてよく分からないけど何かが自分に飛びかかって来るのはわかる。

澪は咄嗟に左に飛び避ける

さっきまで澪がいた場所に何かが着地する音と衝撃


律「むぎ!電気!澪!伏せてろ!」

紬が瞬時に反応してそこを重点的に照らす

すると緑の体が浮かび上がった!


律「これは……」

紬「ハンター!!!」

そう、インターネットで調べる項目の3を覚えているだろうか。

合間の時間を縫って紬や澪は今まで起きたバイオハザードで確認されていたモンスターを調べていたのだ

そのひとつにこのハンターがあった

非常に賢く知識が高い。扉を開けて入ってくる、足音を立てずに忍び寄って来るなど人間並みの知能も備えている

鋭い爪で引っ掻いたり飛びかかっての切り裂きは一撃で瀕死になることも

その、ハンターが目の前にいるのだ

律「くらえ……!」

狙いを定め撃ち込む

「ギャァン」

律の撃った弾はハンターの肩に直撃した、が、
「ヒャアァァォ!」

律「浅いか!?」

今度は目標を律に変えたのか飛びかかる体制をとっている

パァン!パァン!

「ギャァ!」

唯「危ないりっちゃん!」


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最終更新:2010年02月01日 22:53