──後でお嬢様から聞いた話なのだが、唯嬢を中へ通し、案内した斎藤殿の考えは……

『ザーボン様みたいな方を救うには、お嬢様だけでなく平沢様のような方も必要だと思い……
また、平沢様がいらっしゃった時は指示を仰げる雰囲気ではなかったので独断で行いました。申し訳ありません』

との事だった。

『確かに唯ちゃんみたいな説得の仕方は私には出来ないから、素晴らしい判断だったわね』と、
お嬢様はこの話をしてくれた後に笑っていた。

お嬢様も唯嬢も、斎藤殿も。

田井中嬢や秋山嬢、中野嬢。Ms.山中に憂嬢だってそうだ。

どうして皆こう……良い人なのだろうな。

私もこうありたい。

誰かの為に動ける、思いやれる。

幸い私には力がある。少なくとも、今の環境で通用する力は。

これだけ支えられ、助けて貰ったのだ。

今度は、自分の力を人の為に。

そしていつか、皆や『貴女』のように本当の意味で美しくなりたい。


……………………

…………

それからはあっという間に時が過ぎた。

忙しくも楽しい毎日。


……………………

…………


スタッ。


唯「ふおぉ! 楽しかったっ!」

紬「ねっ!
空を飛ぶって何度やっても楽しいわぁ~♪」

ザーボン「喜んで貰えたようで何よりだ」

唯「んふふ。あの時ムギちゃん、ザボちゃんと空飛んだみたいな話してたじゃん?
あれからずっと私も飛んでみたかったんだぁ!」

紬「うふふ♪
もうもう、とっても興奮が収まらないわっ!」

唯「ねーっ!」

ザーボン「空を飛べた事にかな?」

唯「違うよぅ!」

ザーボン「?」

紬「だって、空も飛べて変身も出来て、すっごい異星人の方が側に居るんだものっ!
お仕事の時は我慢もしますけど、毎日ずっとわくわくしてるの~♪」

唯「まったくでっす!
特にムギちゃんこう言うの大好きだもんねっ」

紬「むしろ大々好き!
それで唯ちゃんの事はだいだいだいすきっ♪」ダキッ

唯「あらあらまあまあこの娘ったら///」

ザーボン「もっとやりたまえ」


……………………

…………

ザーボン「ふむ。ようやく届いたか、『け○おん!』実写版のDVD!
いやはや、このような物が出ていたのに気付かなかったとは不覚。
では早速……
ん? よく見たらこの作品は……AV???
その上タイトルも微妙に違う!?
こ、これは非公式のパロディ物ではないか!
これはいかんだからこそファンとしては確認してみなければならぬ!!!」


ウィーン。


ザーボン「まったく、このようないかがわしい…… (ドキドキ)
ムギちゃんムギちゃん……(ワクワク)
よし、本編始まっ──」

…………………………………………

ザーボン「」デデーン!


……………………

…………

ザーボン「そうか、上手くいったのか」

律「うん。
ザボちゃん、ありがとな」

ザーボン「何を言っている。私は何もしていないよ」

律「そんな事ないさ。
前ザボちゃんが話聞いてくれたから告白する勇気を持てて……上手くいったんだよ」

ザーボン「……そうなのか?」

律「おうっ!」

ザーボン「そうか……役に立てたのなら私も嬉しいよ。
だが最終的に頑張ったのは君だ。尊敬する」

律「はははっ。もう、相変わらず上手いんだから!」

ザーボン「お世辞ではないよ。
自分の想いを相手に伝える事がどれだけ難しいか、私も知っているからな。
ともあれ、おめでとう」

律「おうっ///」


……………………

…………

ザーボン「スマイル、スマイル、スマイル」


テレビ『スマイル、スマァ~イル』


ザーボン・テレビ『プリキュゥアッ♪』ジャッ、ジャッ、ジャァァン!


ザーボン「ようし、今週も始まったぞ!
ふっ。
今回こそ、やよいタソとれいかさんがくっつく回かな?」ワクワク


ジャアァン!


ザーボン「むっ、出おったな! 誰が地球をバッドエンドなどにさせるものか!
行くのだプリキュア、美しくも華麗なる力ですべてを守るのだっ!」



……………………

…………

澪「あっ、ザーボン先生」

憂「こんにちは」

ザーボン「うむ、こんにちは。
どうしたのだ屋上で。
二人だけか?」

澪「はい。今日はカップルでお昼を食べようか、と言う話になりまして」

ザーボン「そうなのか。
では邪魔をしては悪いな。失礼するよ」

憂「あ、よかったら一緒にお昼しませんか?」

ザーボン「む?」

澪「そうだな。ザーボン先生とお昼食べるなんて滅多に……
いや、初めてか?……だし。
ご一緒しませんか?」

ザーボン「良いのかな?」

澪・憂『はい』

ザーボン「では、そうさせて貰うか」

憂「……あっ。先生のお弁当、手作りですか?」

ザーボン「うむ、そうだ」

澪「へぇ~、凄いですね!」

憂「プロの方のお料理みたいです!」

ザーボン「いや、昨夜の残りを詰めただけだよ」

憂「それでも凄いですよ」

澪「うん」

ザーボン「ははは、ありがとう。
しかし、君達が食べているのも手作りだと見受けられるが?」

憂「そうですよ」

澪「はい」

ザーボン「おお、やはりか。
憂は知っていたが、澪も料理が好きだったのだな」

澪「いえ……実は今、憂に教えて貰っていて勉強中なんです。
早く憂みたいに上手くなりたいな」

憂「澪さん、凄く上手になってきたよ。
私なんてすぐに追い抜いちゃうと思うな」

澪「そんな事ないよ。憂のご飯美味しいもん」

ザーボン「確かに、憂の手料理は絶品も絶品だったな」

澪「あ、ザーボン先生、唯やムギと一緒に憂の晩御飯食べたんですよね」

ザーボン「うむ。
その節はどうも」

憂「こちらこそ。
楽しかったですね」

澪「羨ましい……」

ザーボン「ははは。今度は皆も誘って会食でもしようか?
まあ次も憂にご馳走になるのは悪いから、今度は私が……
いや、君の料理と比べられてはさすがに分が悪いな」

憂「そんな事ないですよ。
私はまだまだです。
──ところで澪さん、さっき嫉妬しました?」

澪「そ、そんな事ないぞ。
ちょっと良いなって思っただけだ」

憂「えへへ、それを嫉妬って言うんですよ?」

澪「う、うるさいな。私がそんな子供じみた事をする訳ないだろっ」

憂「そうですか♪」パクッ

澪「あっ! 卵焼き……楽しみにしてたのにっ」

憂「代わりに私の卵焼きあげますよ」

澪「えっ本当!? ありがとうっ!」

憂「はい、お口開けて下さい」

澪「えっ!?」

憂「あ~ん」

澪「ザ、ザーボン先生の前でそんな……
恥ずかしいよう///」

憂「いらないんですか。
じゃあ私が食べちゃいますね」

澪「あっ、待って!
……う~っ。
わ、わかったよう///」

憂「あ~ん♪」

澪「あ、あ~ん」パクッ

憂「えへへ♪」

澪「あうう……///」モクモク

憂「どうかな?」

澪「美味しい……
憂も、憂のお料理もだいすき///」

憂「えへへ♪///」

澪「──ってザーボン先生、ニコニコしてどうしたんですか?」

ザーボン「ん? あ、いや。
これこそ至福の時と言うのだろうなと実感していたのだ」

澪「?」

憂「あ、よかったら皆でお弁当を食べ合いっこしませんか?
人のお料理を食べるのも色々と参考になりますし」ドウゾ

ザーボン「おお、それは良いな」ドウゾ

澪「面白そうだな!
……けど、何か私だけダントツに劣ってそうだ……」ドウゾ

憂「そんな事ないよ。さっきの卵焼きだって美味しかったし」モグ

ザーボン「……うむ。澪の料理の腕も十分大したものではないか」モグ

澪「いやぁ……///
ザーボン先生こそもの凄いじゃないですか」モグ

憂「このタコさんウインナー、どう味付けしたんですか?」

ザーボン「ああ、それはな……」


……………………

…………

ザーボン「ふむ、噂に違わぬ絶品のラーメンだった。
また寄らせて貰うよ」

店主「ありがとうございます! 是非またよろしくお願いします!」

ザーボン「うむ」ガラッ

店主「ありがとうございましたー!」

ザーボン「……よし、これ程の名店はすぐさまツイートするべきだ……
──!!!??」ザーボンノ、ユリサーチ!


せつな「ラブぅ、何見てるの?」

ラブ「だっはー! エロ本立ち読みしてるの見付かったぁ!」

せつな「……そっか。ラブはこう言うのが好きなのね。
わかったわ、今晩試してみましょ」

ラブ「えっ!? ホント!?
ホントにっ!!?」

せつな「精一杯頑張るわ」

ラブ「っしゃあ! 幸せゲットだよっ!」


ザーボン「な、なんと……
──むう!!!??」


まどか「マミさんのおっぱい♪」マミマミ

ほむら「マミっぱい」マミマミ

マミ「ちょ……二人共こんな所でっ、ダメよぅ……!」

まどか「すきぃ♪」ウェヒヒヒww

ほむら「すきよ」パクウッ

マミ「あぁんっ!///」ビクッ、ビクゥ!


ザーボン「絶対の正義にして真実はここにあった!」スマホ!


ザボちゃん @Beautiful_YuriYuri

絶対・運命・百合示録!



……………………

…………


ブウーーーーーン!


梓「すみません。わざわざ送って頂いて」

ザーボン「なに、通り道だったのでな」

梓「でも楽しみですね。
最初に軽音部の皆で遊んで、唯先輩と憂のお家で夕ご飯食べるなんて」ニコニコ

ザーボン「そうだな。
しかし、顧問でもない私がこのような集まりに参加して良いのかな?」

梓「もちろんです。こんなにお世話になっているんですから。
ザーボン先生はもう、準軽音部ですよ」

ザーボン「ははは、何か照れるな。
あ……と。梓、よく掴まっていてくれたまえ。
私もバイクの免許を取ったばかりで、あまり運転に自信がないのでな」

梓「はいです」


ブウーーーーーン!


ザーボン「おっと。赤だな」キッ

??「おっ! ここで会ったが幾ばくかじゃぁ!」

ザーボン「む?」

梓「?」

男1「ふへへ。今ちょうど仲間も揃いに揃っとるしのう!
さらに、この辺りの番長さんまでおるんじゃで!」

番長「らっしゃっせ!」

梓「何ですか?
この、アクニン・ソノモノさんたちは」

男2~9『なんじゃとおおおお!?』

ザーボン「知らぬ。
たぶん、我々には見えない彼らの知り合いが周りに居るのだろうな」

梓「なるほど!」

男2「なるほど、じゃにゃあ!」

男3「大体こんなにナイスな男性集団のどこが悪人じゃいあ!?」グスン

男1「覚えとらんか? 前に町でてめえにボコにされたモンじゃあ!
てめえさえ来なきゃ、あの美少女二人をゲット出来てたのによぅっ!」

ザーボン「?」

梓「ああ。
もしかして、先生が唯先輩とムギ先輩を助けた時に絡んでいた人達じゃあ?」

ザーボン「ああ、そう言う事か。まったく記憶に無かったよ」

男1「こなくそぉぉぉぉぉぉぉ!
こうなったら行けい、お前らぁっ!」

男2~9『おうっ!』

ザーボン「ふむ」


ブンッ。


男2~9『のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』



男1「な、な、な!?」

梓「わっ! 手を振っただけで皆飛んで行きました!
何やったんですか!?」

ザーボン「ああ、衝撃波……簡単な手品だよ」

梓「へぇ~、凄いですっ!」

男1「な、な、な、なんでこんな事になっちまったぁ!?」

番長「……105円になりゃっす!」ユラァリ

男1「おお! 『わしに続け』とはさすが番長!
ようし、わしらのコンビネーションをくら痛いのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉう!」バタッ

番長「あざっしたっ!」バタッ

梓「わわわ、指で頭を触るだけで二人共倒しちゃった!
どうやったんです!?」

ザーボン「ああ、人体急所をついただけだ。
難しい事はない」

梓「へぇ~、凄いですっ!」

ザーボン「少し時間を取られてしまったな。
では行こうか」

梓「はいです」


ブウーーーーーン!


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最終更新:2012年07月25日 23:45