梓「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」

憂「あ、うん」

テクテク…

憂「それでね、純ちゃん…」

純「…」

憂「…純ちゃん?」

純「ねえ憂、今日1日で梓が何回トイレ行くか数えてみない?」

憂「へ?なに言って…」

純「ちょっと考えてみて。梓ってかなり頻繁にトイレ行くでしょ」

憂「えっ…言われてみれば…そうかなぁ…?」

純「そうだよ。今日だってまだ1限の休み時間なのに2回目だよ?朝と今とで」

憂「でも…」

純「絶対多いって。いくらなんでもおしっこしすぎ」

憂「じゅ、純ちゃん」

純「憂、私はまじめなんだよ!もしかしたら梓が何かの病気にかかってるせいで頻尿になってるのかもしれないし…」

憂「う、うそ!貧乳じゃなくて?」

純「貧乳じゃなくて!だから梓のためにちゃんと調べてみよう!」

憂「う、うん!病気だったら大変だもんね!」

純「うんうん」

憂「今のうちにちょっとどんな頻尿の病気があるか調べてみるね!」

純「う、うん」



憂「…梓ちゃんが病気にかかってませんように…」ポチポチ

純「……」


憂「……!」

純「どう?」

憂「わわ、大変だよいっぱいある!腎臓病、結石、膀胱炎…」

憂「と、糖尿病!?それにガンも!!」

純「憂、ちょっと落ち着いて」

憂「落ち着いてなんていられないよ!梓ちゃんが前立腺ガンなんだよ!?」

純「いやまだ決まったわけじゃ…」

憂「梓ちゃんを助けなきゃ!」

梓「え、なに?」

憂「あ、梓ちゃん!大変なんだよ実は梓ちゃん前りtもがもが」ガシッ

純「こら落ち着け」

憂「んごぉぉぉ」ジタバタ

梓「ど、どうしたの憂…?」

純「まぁ何でもないから気にしないでいいよ」

梓「いやすごい気になるんだけど…」

純「ちょっと待ってて。ほら憂こっち」グイッ

憂「もごぉぉぉぉ」



純(落ち着きなって。まだ病気かはわからないんだから言ったらかえって混乱させるだけだよ)

憂(そ、そっか)

純(そうだよ。だから私たちがちゃんと調べてから教えてあげたほうがいいよ)

憂(うん、わかった!)



憂「おまたせ~」ニッコニッコ

梓「2人とも何か隠して…ってなにその笑顔」

憂「え?何でもないよ?」ニコニッコ

純(隠し事するの下手すぎでしょこの子…)

梓「いやすごい不自然なんだけど…」

純「まー細かいことは気にしないの!それに憂はいつもニコニコしてるじゃん、ねー?」

憂「ねー♪」

梓「それはそうだけど…」

純「あはは、おもしろいおもしろい」

憂「あはははは」

アハハハハ…

梓「な、なに笑ってるの…」


キンコンカンコーン

純「あ、授業はじまる!」

憂「じゃあね梓ちゃん!」

梓「あ、う、うん」

ガララッ

先生「じゃあ号令お願いしまーす」


先生「…で、糸球体の細い血管を通ると遠心力で水分が血管から押し出されるわけです。ですがこのとき血液中のタンパク質は…」

梓「ふむふむ…」カキカキ


キーンコーン…

純「ふぁ~やっと2限終わった~」

梓「純は寝てただけでしょ」

純「だってつまんなかったし~」

梓「むっ」

憂「まぁまぁ、純ちゃんもきっと内容わかってたから寝てたんだよ。ね?」

純「えへへー、やっぱり憂はちゃんとわかってくれてるなー」

梓「ふん」

ガタッ

憂「あ、梓ちゃんどこ行くの?」

梓「トイレ」

純「あずさー怒るなってー」

梓「別に怒ってないよ、トイレ行くだけ」

テクテク…

純「もーすねちゃって」

憂「まぁまぁ」


―――

梓「ただいま」

憂「おかえりー」

梓「ふー危なかった。けっこうギリギリだったんだよね」

純「え…ほんとにただトイレ行きたかっただけ…?」

梓「だからそう言ったじゃん」

純「そ、そっか」

憂「で、でも梓ちゃん、さっきの休み時間にもトイレ行ってたよね…?」

梓「うん。でもまた行きたくなっちゃって」

憂「そっか…」

憂「…」チラ

純「…」コクリ

梓「?」



……放課後。


梓「よし、これから部活だ。純、いっしょに行こ」

純「ごめん、私職員室に行かなくちゃだから」

梓「そっか。じゃあ2人ともまた明日ね」

憂「ばいばーい」

純「おー」


ガラガラ

純「……」

憂「…」

純「まさか8回もいくなんて…」

憂「ちょっと…いやすごいびっくりしたね」

純「授業中にも1回行ったし、昼休みなんて2回も行ったし…」

憂「どうしよう純ちゃん、やっぱり梓ちゃん病気なんじゃ…」

純「冗談のつもりだったけどほんとにそうかも…」

憂「えっ、冗談って?」

純「いやなんでも」

純「それより憂このあとヒマ?」

憂「えっ、う、うん」

純「じゃあ梓の監視を続けよう。いくよ!」ダッ

憂「ま、待って純ちゃん!」

……

…軽音部部室。

ソー…

純(…)チラッ



律「みおっぱい」

澪「バカ律!」ゴツン

律「いてーっ!」


憂(…どう?純ちゃん)コソコソ

純(うん、いつも通り練習しないで下らない話しながらお茶してる)

憂「むっ、たまたまだよ。お姉ちゃんはいつも家で一生懸命練習してるし…」

純(しっ、聞こえちゃう)

憂(昨日だって夜遅くまでギー太弾いてたから朝起きられなくなっちゃうと思って私が…)

純「!」


梓「ちょっとトイレいってきます」


純(憂隠れて!)バッ

憂「わっ」


梓「…」

バタン テクテク…


純「またトイレ…嘘でしょ」

憂「梓ちゃん…体に鞭打ってまでトイレに…」グスン

純(なんか憂の中で勝手にストーリーが出来上がっている…)

純「憂、違うから。病気だったとしても頻尿が原因ってわけわかんないよ」

憂「そ、そっか」

純「…それにしても」

憂「?」

純「ほんとにおしっこしてるのかしら」

憂「えっ」

純「もしかしたら、何かトイレに行く理由があるのかもしれない。おしっこ以外に」

憂「まさか、うnもが」

純「こら」

憂「わ、わかった!梓ちゃんきっと今日、…あの日なんだよ……//」

憂「きっとそうだよ!」

純「そうかなぁ。それにそうだとしても10回近くも行く必要ある?」

憂「き、きっと多いんだよ……//」

純「いくらなんでも多すぎでしょ…」

純(!戻って来た!)


バタン

梓「…じゃあそろそろ練習しましょう!」


純(おー、梓えらいなぁ)

憂(ほらね!ちゃんと練習もするんだよ)



唯「え~、やだー!まだお菓子たべたい~」

梓「唯先輩は怠けすぎです!ライヴも近いのに…」


純「……」

憂「……」


2
最終更新:2012年08月11日 20:42