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唯「ところで皆さん!」

憂律梓「?」

唯「私、重大なことに気がついちゃいました!」

律「重大なことだと!? 唯、それはまさか・・・」

憂「・・・」ゴクリ

唯「なんと、今日は大晦日なのです!」フンス

律「な、なんだってぇー!?」

梓「・・・はぁ、どうせそんな事だろうと思いましたよ」

憂「・・・大晦日・・・」ガーン

梓「ちょっと、憂まで唯先輩に付き合うことないでしょ?」

憂「だって・・・大晦日・・・」

唯「うい?」

律「大晦日だと、なにかまずかったかな。憂ちゃーん?」

憂「く・・・クリスマスは」

梓「ハッ」

唯「おぉ、クリスマス! いつの間にか終わってたねー☆」テヘ

憂「う・・・うわぁぁぁん」

律「う、憂ちゃん!?」

唯「憂、どしたの泣かないで?」

梓「唯先輩、憂は先輩へのクリスマスプレゼントを用意してたんですよ」

律「それが、いつの間にか終わってたって訳か・・・なんという悲劇」

唯「う、うい~? 大丈夫だよ、クリスマス終わってもすぐお正月だから」オロオロ

ミニゆい「ウイーナカナイデ!」フキフキ

憂「うん・・・ミニゆいちゃんも、ありがと」グスッ

憂「お姉ちゃん、クリスマス終わっちゃったけど、プレゼント貰ってくれる?」

唯「うんうん! 何かな~憂のプレゼント、」ワクワクテカテカ

憂「はいこれ」

唯「わぁい、なんだろ・・・」ガサゴソ

唯「わぁ・・・!! 手編みのマフラーだ」キラキラ

律「おぉ・・・すげぇ」

梓「女の子の、永遠の憧れ! 好きな人への手編みのマフラー・・・すてきですね」

唯「わーい、あったかい!」ピョンピョン

唯「かわいい!!」ピョンピョン

憂(喜んでくれてる・・・良かった//)

唯「憂! ありがとうね。私これ、毎日使うよ」ピョンピョン

律「唯・・・冬だけにしとけよ」ボソッ

憂「実はこのマフラーね、ちょっと仕掛けがあるんだ」

唯「仕掛け!?」

律「おぉ・・・一見ふつうのマフラーに見えて、どんなギミックが?」

梓「憂は天才ですからね・・・唯先輩が嘘をつくとマフラーが締まる的な」

律「孫悟空かよ!」

憂「そ、そんなのじゃないよ? ・・・えっと」ススッ

憂「ここね・・・ここのところ、ミニういちゃんが入れるポケットなんだ」

唯「わぁ・・・ほんとだ、マフラーにポケットがあるよ」

唯「よぉし、おいで、ミニうい! 出番だよっ」

ミニうい「ウインウイン♪」

唯「おぉ、ミニういちゃん! パイルダーオンッ!」

律(ふ、ふるっ)

ミニうい「オネーチャー!」スポッ

梓「わぁ!」

憂「サイズもちょうどいいみたい。良かった」

唯「すごい! すごいよ憂~」

唯「これなら、ミニういちゃんもあったかあったかだもんね」

ミニうい「アッタカアッタカ♪」

唯「えへへ、ありがとう憂、最高のプレゼントだよぉ」ダキッ

憂「おねえちゃん//」

唯「んー・・・実は、私も憂にプレゼントがあるのです!」

律「おい唯、無理はよせ。何にも考えてなかっただろ?」

唯「そんなことないよ!? りっちゃん」

唯「憂のためにマジックをやります」フンス!

憂「わぁわぁ!」ピョンピョン

律「・・・よろこんでるな、憂ちゃん」

梓「いやな予感しかしません」

唯「ここに取り出しましたみかん!」ヒョイ

憂「・・・」ワクワク

唯「今から、このみかんを・・・」

憂「・・・」ドキドキ

律(またあのマジックか・・・)ボソボソ

梓(何回使い回すんでしょうね)ボソボソ

唯「消してみせます!」フンス!

律梓「えぇっ!?」

律「唯っ、浮くんじゃないのか・・・?」

梓「ほんとに、消せるんですか?」

唯「でへへぇ。まあ見ててよ、りっちゃん、あずにゃん」

唯「さん、はいぃっ!!」

http://youtu.be/Fm1Ksx0Ywn4

律「き、消えたっ!?」

梓「ほんとに消えちゃった・・・いったい」

憂「おねえちゃん、かっこいいー」ダキッ

唯「憂のために、おねえちゃんがんばっちゃったよぉ」ナデナデ

憂「ありがとう、おねえちゃん//」ギュッ

唯「憂が喜んでくれてよかったよぉ」ピョンピョン

ミニうい「ウィンウィン♪」ピョンピョン

律「な、なぁ唯! 今の種明かしは!?」

唯「チッチッチッ、いくらりっちゃんでも、マジックの種は教えられないよぉ」

梓「律先輩・・・あれを見てください」

律「ん・・・なっ!?」

ミニゆい「モウ...タベラレナイ」プックリ

梓「おなかを妙に膨らませたミニゆいが寝てるんですが」

律「・・・なんと」

憂「おねえちゃんかっこいい//」ギュウウ

唯「えへへぇ、うーい//」ギュウウ

律「さて、クリスマス気分になったけどホントは大晦日だから、私たちは帰るよ」

梓「憂、唯先輩、良いお年を!」

子猫「ミャアア」

唯「りっちゃん、あずにゃん、ありがとね、また来年だね」

憂「律さん、今日はお世話になりました。梓ちゃんも、ありがとう」

唯憂律梓「またね~」フリフリ

ミニゆいうい「ユインウイン♪」フリフリ

唯「ねこにゃんもまた遊ぼうねぇ」ナデナデ

ネコニャン「ミャミャ」スリスリ

梓「・・・ねこにゃん?」

唯「うん、猫はにゃんこだから、ねこにゃんだよ!」

梓「そのまんまじゃないですか・・・っていうか、意味不明です」

律「梓、諦めろ。唯にとってはもうそいつはねこにゃんだ」

憂「ねこにゃんかぁ・・・かわいい! 良かったね梓ちゃん」

梓「よくなーい! 家に帰ったら、私がちゃんとした名前つけてやるです!」


ー平沢家ー

唯「2人っきりになっちゃったね、うい~」

憂「違うよおねえちゃん、4人だよ?」

ミニゆいうい「ユインウイン♪」

唯「おぉ、そうでした!」

唯「君たちを忘れちゃ駄目だよねー」チョンチョン

ミニうい「オネーチャーン♪」

ミニゆい「アイスタベタイ...」オシリフリフリ

憂「かわいいねーミニゆいちゃん//」

唯「はっ・・・うーいー、私もアイス食べたい」オシリフリフリ

憂「もう、おねえちゃん? 可愛い子ぶっても可愛い!」ナデナデ

唯「えへへぇ//」

憂「でもおねえちゃん、今日は大晦日だから、アイスより年越しそば食べよう?」

唯「おぉ、いいねー。アイスはそのあとでもいいよね? ね?」

ミニゆい「ネ?」

憂「し、仕方ないなぁ。おそばのあとで、1本だけだからね?」

唯「おぉ。ミニゆいちゃんGoodJob!」

唯憂「いただきまーす!」

唯「うーん、やっぱり年末は、憂特製年越しそばだね!」ズルズル

憂「たくさん作ったから、お代わりもあるよー」

憂「ミニゆいちゃん、ミニういちゃんもたくさん食べてね」

ミニゆい「オイヒー」チュルチュル

ミニうい「オイヒーネ」チュルチュル

唯「来年もいい年になるといいねぇ」

憂「うん、きっと楽しい年になるよ!」

憂「おねえちゃんと一緒だもん、楽しくないわけないよ」

唯「えへへ、私も憂と一緒に居られて幸せだよー」

ミニゆいうい「ユインウイン♪」


ー夜ー

唯憂「」スヤスヤ

?「ゆ・・・ゆ・・ちゃ・・いちゃん」

唯「う、うーん・・・」

?「唯ちゃ・・きて。唯ちゃん」

唯「むにゃ・・・うん?」

唯「だあれ?」

?「唯ちゃん、おはよう」

唯「・・・ほえ・・・わたし? 私がいる・・・」

?「私は、守護の樹の妖精だよ~」

唯「しゅごのき・・?」

ゆい「うん。唯ちゃん、私たちに優しくしてくれてありがとう」

唯「・・・ひょっとして、あなたはミニゆいちゃん?」

ゆい「そうだよぉ。・・・ほら、ういも」

うい「・・・」モジモジ

唯「えっとぉ、憂・・・にそっくりなのはやっぱり、ミニういちゃんだよね」

うい「」コクコク

ゆい「ふふっ。ミニゆいういでーす♪」

唯「わぁ・・・おっきくなったね、ミニういちゃーん」

うい「//」

唯「あははぁ。おっきくなっても憂そっくりだねぇ」

うい「//」モジモジ

ゆい「ふふっ。それは『化身』してるからだよ」

唯「化身?」

ゆい「私たちは、なりたいものに自由に姿を変えられるの」

唯「変身できるの!? すごい!」

ゆい「うん。生まれたばかりの頃は小さい姿にしかなれなったけど」

ゆい「今はもう、唯ちゃんたちの姿にもなれるよ♪」

唯「そうなんだ! 良かったねえ、ミニゆいちゃん、ミニういちゃん」

ゆい「ねえ唯ちゃん。私たちをたくさんこの世界に呼んでくれて、ありがとう」

唯「へ? 呼んで・・・って、私たち、ムギちゃんからあなたたちを預かっただけだよ?」

ゆい「ううん。私たちが、唯ちゃんと憂ちゃんを選んだの」

ゆい「この世界の人間が私たちといっしょに暮らせるかどうか」

ゆい「心に闇のある人間と私たちは、いっしょに暮らせないの」

ゆい「でもね。唯ちゃんたちとなら、私たちは幸せに暮らせるよ」

唯「う、うん・・・うれしいけど、私たち、どこにでもいるふつうの姉妹だよ?」

ゆい「ふふ、どうかなぁ」

ゆい「私は、唯ちゃんたちと出会えて幸せだよ♪」

唯「わ、私もっ。ミニゆいちゃんたちと出会えて幸せ!」

ゆい「ふふっ。これからもよろしくね」

唯「うんっ!」

□□□
□□

憂「お姉ちゃん、朝だよ起きてー」

唯「ん、んんー・・・ミニういちゃん」モゴモゴ

憂「お姉ちゃん、もうごはん出来てるよ」

唯「うーん・・・あれ。 憂~」

憂「ふふ、おはようお姉ちゃん。あけましておめでとう」

唯「むにゃ・・・おめでと」

唯「・・・はっ!? ゆいちゃん!?」

憂「ミニゆいちゃんなら、ここだよ」

ミニゆい「ユインユイン♪」ヒョコッ

唯「あ、あれ? 元に戻ってる・・・」

憂「ミニういちゃんも・・・ほらそこ」

憂「お姉ちゃんのおなかの上で寝てる。かわいいなぁ」

ミニうい「ウイン・・・」スピー

唯「おおぅ・・・よく潰さなかった、私えらい」

憂「ミニういちゃんはさっきまで一緒にごはんの支度してたんだけど」

憂「お姉ちゃんを起こしに行って、一緒に寝ちゃったんだね」

唯「そっか・・・ねえ憂、私、不思議な夢を・・・」

憂「妖精さんの夢だよね? たぶん、私も同じ夢を見たよ」

唯「憂も見たの? じゃあ、やっぱりあれは・・・」

ミニゆい「・・・」ジィッ

唯「ん。考えてもしかたないかぁ」

憂「ふふっ。お姉ちゃん、お雑煮できてるよ」

唯「わーい、憂のお雑煮、一年ぶりだね~」

唯「憂、ごはん食べたら、一緒に初詣に行こうよ」

憂「うん!」

唯「んんっ、うまいっ!」ニヘ~

憂「よかった♪」ニコニコ

唯「憂のお雑煮は最高だよぉ」

ミニゆい「ンマイッ」ピカァ

ミニうい「オイシイネ~」ニコニコ

憂「ミニゆいちゃんたちも喜んでくれてる。ありがとね」

唯「うん。ねえ憂、昨日のあれはやっぱり、夢だったのかなぁ」

憂「どうかなぁ・・・でも、天使だからね・・・何が起きても不思議じゃない気がするよ」

唯「うん。そうだよね」

憂「ほら、見てお姉ちゃん」

唯「ん?」

ミニゆい「ユインユイン♪」パタパタ

唯「えっ・・・飛んでる!?」

憂「うん、ミニゆいちゃんだけじゃないよ。ミニういちゃんも」

ミニうい「ウインウイン♪」パタパタ

唯「ミニういも・・・飛べたんだ、良かったねーミニうい!」

憂「耳を澄ますと、羽音が聞こえるよ」

パタパタ・・・リン・・・チリンチリン・・・

唯「! ほんとだ! まるで鈴みたいだよ」

憂「うん、鈴の震える音のようでもあるし・・・」

唯「ギターの弦の音!?」

憂「うん・・・いろんな音に聞こえる。不思議な音色だよね」

唯「そっか。ほんとに妖精さんなんだねぇ、君たちは」

ミニゆい「ユインユイン♪」ニコニコ


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最終更新:2012年08月11日 22:56