紬「暇だねー」
唯「暇だねえ」
律「あーーなにかおもしろいことないのかっ」
澪「たとえばなんだ」
律「鼻からスパゲッティ食いだすとかさ、世界中の妹が爆発するとか、神様の恩返しとかさ」
唯「それすごい楽しそー」
律「だろー」
梓「あのー。練習しませんか」
50
唯「暇だねー」
律「暇だー」
梓「練習……」
律「そうだっ。梓あれやれよっ」
唯「あ、みたいみたいっ」
梓「えーやですよ」
紬「わたしもみたいなー」
澪「……わたしも」
梓「お二人もですか……」
51
律「いいじゃんへるもんじゃないしさー」
梓「じゃあちょっとだけですよ……」
律「おっ」
唯「でましたっ」
紬「わーい」
澪「わくわく」
梓「そんなに見ないでくださいよ。恥ずかしいですから」
唯「はやくはやく」
梓「じゃあちょっとだけですからね……むむむ……えいっ」
52
ぴくっ
律「……」
澪「……」
紬「……」
梓「……」
律「和むなー」
唯「和むねー」
澪「やっぱりすごいなあ」
紬「どうやってやってるのかしら……こうツインテールの先っぽがぴくって……ぴくっ……あできた」
律「それは手でやってるだけだろー」
紬「えへへー」
53
梓「さ、さあ練習しましょう!」
律「もう一回っ」
梓「やですよ」
唯「おねがーい」
澪「たのむっ」
紬「もういっかい!もういっかいっ!」
唯律澪「もういっかい!もういっかいっ!」
梓「最後の一回ですからね……え、えいっ」
54
ぴくっ
律「……」
唯「……」
澪「……」
紬「……」
梓「……」
律「和むなー」
唯「和むねー」
澪「触ってもないのになあ」
紬「超能力ね」
梓「超能力だなんてそんな……」
55
唯「テレビでれるよっ」
梓「別にそういうものじゃ」
律『今日のゲストは、世紀の大魔術師
中野梓さんですーっ』
澪紬『わーっわーっ』
梓(唯)『おほんっ……では今からツインテールを曲げるです……にゃんっ』
澪『ひゅーっ』
紬『かわいーかわいー』
梓(唯)『むむむ……にゃんっ……ぴくっ』
律『わおっ……イッツ・ア・ミラクルーっ。盛大な拍手をーっ』
紬澪『ぱちぱちぱちぱちぱちぱちーっ』
梓「ばかにしてるんですかっ」
56
律「あ、もしかして世界を救っちゃったりするかも」
梓「飛躍しすぎですってば」
唯「ツインテールピクマンだ」
梓「なんですかそれ」
律『ふははー怪人三つ目星人だーっ。どかーんどかーん』
紬『くっ……地球のどの兵器も通用しないなんて……』
澪『世界のおわりだーっ。人類はみんな滅亡ーするんだ。ごめんなさいごめんなさいもうケーキとか盗み食いしませんからあーっ』
紬『澪ちゃんあきらめちゃだめっ』
澪『この状況でどうしろって言うんだあっ。今から、スーパーマンでも現れるのか?』
紬『……でも最後まで最後まで……あきらめちゃいけないのよ。この命がある限りっ』
澪『偽善者ぶるなっ。どのみちわたしたちはおしまいなんだよっ……ううっ』
梓(唯)『そんなこといわないです澪先輩』
澪『あ、あれは……』
紬『ツインテールピクマンっ』
梓(唯)『わたしがこの地球(ほし)を守るにゃんっ』
梓(唯)『そこまでですデコだし星人。お前に明日を生きる資格はないっ』
律『はははーっお前のような小娘になにができるー』
梓(唯)『むむむむむむ……ぴくっ』
律『うわあぁぁやられたあぁぁ』
律澪唯紬「みたいな?」
梓「ありえないですって。だいいちデコだし星人弱すぎでしょう」
律「怪人三つ目星人だっ」
紬「怪人なのか宇宙人なのかどっちかしら?」
律「宇宙怪人だっ」
57
律「でも梓ばっかずるいよなあ」
梓「別にそんな得なものでもありませんよ?」
律「他になんかできるやついないのか」
唯「はーいはーい」
律「おっ唯はなにができるんだ」
唯「テレパシーができます」
梓「ほんとですか?」
唯「じいぃぃぃ……先輩……唯先輩大好きぃ。唯先輩唯先輩唯先輩唯先輩大好き大好きっ大好きーっ……以上あずにゃんの心なかでした」
梓「……うそつかないでくださいーっ」
律「ボキャブラリーが少ないんだな」
澪「そこか?」
58
律「でもさ、そんなんだったらわたしだって宇宙人だっ」
唯「デコ出し星人?」
律「違ーうっ。わたしはなあ宇宙を股にかけてきたんだぞー。火星にはなあ……
こうどろどろしてべにべにしてドゥルドゥルしたやつがいてだな……そいつは目がひとつしかなくて……
内蔵は外にあっていやそれじゃあ外臓だけど……」
澪「やめろーっ……そんな話するなっ」
律「へへへ」
59
唯「ねえねえ、ムギちゃんはなにかある?」
紬「えっとね……わたしはねー……ロボットなのー」
律「ロケットパーンチっとか?」
紬「そうそう」
律唯「やってやってー」
紬「ダメよ危ないもの」
律「へーきへーき」
紬「じゃあかるーく、ね…………パーンチ」
律「あ、いたっ」
紬「澪長官、宇宙人は退治されましたー」
澪「いえいっ」
紬「いえいっ」
ぱんっ
律「く、くそー」
60
唯「あっ…………」
梓「どうしたんですか?」
唯「え、いやね……トイレいってこよーかなーって」
律「いっトイレ」
唯「……でもなーーあれだなーー」
律「なんだー? 連れションかー? ならわたしがついてってやろうっ」
唯「違うよー。いってきまーす」
律「何だったんだ?」
梓「さあ?」
61
ららーらラーララララ~
澪紬梓「あ、メールだ」
律「あ……メール……ねえよ」
梓「あのちょっと……憂に校舎裏に呼びだされちゃったんでいってきます」
律「え、ほんとっ? 告白?」
梓「さあ、戦うんじゃないですか?」
律「やばくね?」
梓「大丈夫です軽く一捻りですから」
紬「あのねバイトの方から電話があって緊急事態でどうしてもわたしの力が必要なんだって」
律「ムギ、そんな頼られてたのかあ」
紬「うんっ」
律「で、澪は?」
澪「わたしは……す、すごいことがおきたんだっ。だから行かないと」
律「なに?」
澪「そ、それは言えないよ。すごいことだから」
律「ふーん」
澪「じゃっ!」
律「……そして誰もいなくなった」
62
梓「唯先輩なんですか律先輩には秘密でトイレに来いって」
唯「知っちゃったんだ」
紬「なにを?」
唯「りっちゃんは宇宙人なんだよっ!」
澪「さっきの話の続き?」
唯「違うよー。ほんとのほんとに宇宙人なんだよ」
澪「そ、そ、そんなことあるわけないだろっ。私を怖がらせようたってそうはいかないぞっ。証拠をだせっ証拠ーっ」
唯「テレパシーだよっ」
梓「それもやっぱりさっきの話じゃないですか」
唯「そうじゃないよー。わたしは小さい頃からテレパシーができるんだよー。ほんとの話」
紬「なんで今まではわからなかったの?」
唯「あのねわたしのテレパシーは相手がこう考えてるんじゃないかなあってある程度予想しないとダメなんだ。
今まではりっちゃんが宇宙人だなんて思ってもみなかったから」
澪「そ、それ、ほ、ほんとうなのかっ?」
梓「そうですよ。唯先輩の勘違いじゃないんですか」
紬「じゃあさ、ちょっとさぐりをいれてみようよ」
澪「よしっ。でも……さりげなくな。さりげなくだからな」
唯「さりーげなくだね」
63
唯澪律梓「ただいまー」
律「おお……って同時かっ……憂ちゃんは?」
梓「ふられました」
律「なんでだよっ。梓がよばれたのにかよっ。ムギのバイトは?」
紬「もう行ってきたわー。ジュースがでる箱が壊れちゃったみたいだったの」
律「え、あれ直したのか? つーか足はやいってレベルじゃねーし……澪は何だったわけ?」
澪「わたし? わたしは……なにもなかった」
律「いったいなんなんだよ」
64
律「そいうやさ、聞いてくれよ。昨日言ってたじゃん梓が……」
唯「あー、ずにゃん、が、ねっ!」
律「わっ。なんだよ……」
唯「一家に一台あずにゃん。あずにゃんが欲しいっ」
梓「あずにゃんが欲しいあずにゃんが欲しい……欲しぃ……ほし……星……あっ星といえば、宇宙にはどれくらいの星があるんでしょうね」
澪「そうだなあ……億ってもんじゃないだろうな」
紬「じゃあその中に宇宙人がいても不思議じゃない……」
紬「ね、りっちゃん」
澪「ね、律」
唯「ね、りっちゃん」
梓「ね、律先輩」
律「お、おう…………ってなんだよっ」
梓「あーいや、別にたいした意味はないです」
紬「ただ、りっちゃんが宇宙人についてどう思ってるかなあって」
澪「そうそう」
唯「そうだよっ、りっちゃんが宇宙人だって言いたいわけじゃないからねっ!」
梓紬澪「おい」
65
最終更新:2012年08月14日 02:35