8月21日
律「今日で私も20歳になるのか」
澪「あ、日付変わったのか」
律「20歳になっちゃった」
澪「おめでとう」
律「うん」
律「うん・・・ってかもうちょっとなんか無いのか」
澪「なんかって?」
律「誕生日おめでとう!パンパン!とかさ」
澪「パンパンって何?」
律「クラッカー」
澪「あるように見えるか?クラッカー」
律「無いな」
澪「だろ」
律「いやクラッカーは別にいいんだけどさ」
澪「なんだよ」
律「ほら私誕生日な訳じゃん?しかも20歳になったんじゃん?」
澪「うん」
律「もっとこうさ、分かるだろ?」
澪「まあ」
律「え?じゃあやっぱりなんかあるの?」
澪「いや特には・・・」
律「えーマジかよー」
澪「うん」
律「冷めすぎだろ澪ー」
律「20歳って言ったらさ、お酒もたばこも解禁になるだろ?」
澪「なる」
律「ほら、なんつーか大人になったって言うかさ」
澪「律たばこ吸うのか?」
律「いやたばこは吸わないけど」
澪「たばこはやめといた方がいい」
律「分かってるよ」
律「じゃなくて大人になったって事をさ」
澪「あーすごいすごい」
律「澪ー」
澪「ってかいい加減帰れよ」
律「おいおい夜はこれからだろー?」
澪「なにが夜はこれからだ、もう12時だぞ日付変わってんだぞ」
律「だって私の誕生日じゃん、もうちょっと優しくしてくれてもいいんじゃないかな?」
澪「夜更かしはお肌に悪いぞ」
律「大丈夫、まだピチピチの20歳だから」
澪「はいはい」
律「澪テンション低いぞー」
澪「だってこんな時間だし」
律「もうちょいテンション上げてこうぜー?」
澪「夜中に騒ぐのは良くない」
律「ぶーぶー」
澪「ってか何しに来たんだよ今日は」
律「別に用事無くったって来てもいいだろ?」
澪「まあいいけどさ」
律「澪が私の顔見たいかと思ってわざわざ来てやったのに」
澪「うわぁ・・・」
律「うわぁってなんだようわぁって」
澪「ははは」
律「笑ってごまかすな」
澪「まあいいよそれは」
律「何がいいのかよく分かんないけどな」
律「あ」
澪「何?」
律「ちょっとコンビニ行こうぜ」
澪「夜に出歩くのは良くない」
律「いいからいいから」
澪「不良みたいだし」
律「子供は黙って大人の言う事を聞きなさい」
澪「調子乗りすぎだろ・・・」
律「ほらほら早く」
澪「はぁ分かったよ」
律「よし行くか」
コンビニ
店員「あざーしたー」
澪「何買ったんだ?」
律「へへへ」
澪「へへへじゃなくて」
律「まあまあ秋山さん、着いてからのお楽しみって事で」
澪「何が秋山さんだ」
律「夜のコンビニ店員ってなんで愛想悪いんだろうなー」
澪「そうだなあ」
律「大学生のバイトなんて皆あんなもんなのかな」
秋山邸
律「ただいまー」
澪「私の家だろ」
律「私と澪が結婚したら私の家になるじゃん」
澪「そうだな」
律「その時は澪はちゃんとおかえりって言うんだぞ」
澪「結婚したらなー」
律「じゃあ結婚するか!」
澪「うわー感動的なプロポーズだ」
律「そうだろそうだろ、泣いてもいいんだぞ」
澪「鍵閉めてっと」ガチャ
律「私の胸に飛び込んで・・・」
澪「いつまでやってんだ」
律「ふう、外暑かった」ドサ
澪「で、何買ったんだ?」
律「ふっふっふ、これだ!」
澪「ビール・・・そんな事だろうと思ったけど」
律「20歳になったんだし記念に飲んでみようかと思ってな」
澪「美味しいのかな?ビール」
律「美味しいんじゃないか?多分」
律「あ、澪の分もあるぞ」
澪「私はいいよ」
律「まあそう言いなさんな」
澪「大体私はまだ19だし」
律「まあまあほれ」
澪「おい律」
律「かんぱーい」
澪「聞いちゃいない」
律「どれどれ」ゴク
澪「わ、私は飲まないからな」
律「・・・」
澪「どう?」
律「う、うまい」
澪「ホント?」
律「この世のものとは思えない旨さだよ」
澪「・・・」ゴクリ
律「こりゃ20歳まで飲めないのも納得だ、早くからこの味を知ったら人間駄目になる」
澪「そんなに・・・」
律「こんな物があったなんて・・・私はこの20年一体何をやってたんだ」
澪「・・・」
律「ほら澪」
澪「わ、私は19歳で」
律「今日だけは私の誕生日に免じて黙っててやるから」
澪「・・・」
律「一杯だけ・・・な?」
澪「い、いっぱいだけ」
律「そうそう、いっぱいだけ」
澪「・・・律に付き合って仕方なくだからな!皆には言うなよ!」
律「おーけーおーけー」
澪「じゃ、じゃあ」プシュ
律「・・・」
澪「・・・」ゴク
澪「・・・律」コト
律「はい」プクク
澪「私の舌が子供なのかな、苦くて全然美味しくない」
律「やっぱそうだよなあ」
澪「律!」ゴチン
律「ってぇ~~~!」
澪「騙したな!」
律「だって私だけこんな不味いもん飲むのは不公平だろ!」
澪「私を巻き込むな!」
律「苦しみを分かち合おうと思って」
澪「一人で苦しんでろ!」
律「もう秋山さんったら冗談が通じないんだから」
澪「で、どうすんだよこのビール」
律「捨てるのも勿体ないけど飲むのは無理だな」
澪「責任もって処分しろよ」
律「分かった分かった」
律(聡にでも飲ませるかな・・・澪の飲み残しって言ったら喜んで飲みそうだ)
澪「ふぁ・・・お酒飲んだせいかな、眠くなってきたよ」
律「一口しか飲んでないのにな」
澪「私お酒弱いのかも・・・」
律「おいおいマジかよ」
澪「ん~・・・」
律「ホントに酔ったのか?」
澪「ん~分かんない」
律「分かんない・・・か」
律(・・・そろそろだな)
澪「・・・」
律「・・・」
律「私ちょっとトイレ行ってくる」
澪「ん」
律「お腹痛くてさ」
澪「分かった」
律「トイレトイレ~」トタトタ
澪「・・・」
澪「律~」ボソ
澪「律いる~?」ボソ
澪「んしょ」ムクリ
澪「・・・」
最終更新:2012年08月21日 07:57