梓「え、え~と次は私で。第七救援部隊所属の中野梓です。ここには救助を目的に来ました。あの……」

クレア「梓~がんばって~」

唯「あずにゃ~ん!ふぁいと~!」

梓「///あの……義手とか義足で変な奴だな……とか思わないで仲良くしてくださいっ!」ペコリ

バリー「嬢ちゃんお下げ似合ってんぞー!」

レベッカ「三編みにさせてくれないかしら……」

律「ど、どこだここは。本当にラクーンシティか?」

澪「可愛い……」

唯「じゃあ次は澪ちゃん!」

澪「えっ……わ、私っ?あ、あの……あき…秋山…澪です。フリーのライターです…イチオウ…その…あの……よろしくお願いします!」

クリス「相変わらずだな澪は」


バリー「嬢ちゃん相変わらず乳でけーな!今度その乳から出たミルクでシチュー作らせて(ry」

レベッカ「バリーさん?」

バリー「じょ、冗談さレベッカ……」

律「コホン、では最後に……」

唯「そう言えばジルちーはいないの?」

クリス「あぁ、実はちょっとはぐれてな……」

澪「バリーさん最低です!」

バリー「ハッハッハ!二十歳になってそれはないだろ澪!少しはそう言うネタもだなぁ……」

レベッカ「バリーさんのマグナムにすりおろしたグリーンハーブ詰めときましたから」

バリー「ノゥ!俺のマグナムが!」

梓「私以外にもにゃんってつけるんですね……」

唯「ごめんねあずにゃん…。あっ!ならあずにゃんは特別あずにゃんにゃんに!」

梓「///(私だけ特別……)」パァァ

クレア「それにしてもこの義手いいフォルムね。作った人はさぞ良い仕事してるわ」

梓「そうなんですよ!この繋ぎ目が特に……」

クレア「なるほど。バイオテロで手足を失った人につけてあげたいわね」

梓「そうですね!」


クリス「澪、元気そうで何よりだ」

澪「クリスさんも。」

律「……わあああああ」

唯「あぁっ!りっちゃんが一人で乗り込もうと!」



───────。
律「コホン。改めまして、自己紹介を。」

梓「(やっぱりしたかったんですね)」

澪「(律はああ見えて可愛いからな//)」

唯「(りっちゃん可愛いね//)」

律「そこ!静かに」

澪唯梓「は~い」

律「え~では!軽音部の部長でもあり……みんなのアイドル!シューティングスターの異名を持ち……様々な偉業を成し遂げてきたぁ~伝説のぉ~」

澪「長いからいこっか」

梓「そうですね、各々何でここに来たかは把握出来ましたし」

唯「行こう行こう♪」

律「ごめんなさいっ。頼むから行かないで~」グスン


律「田井中律です…。」

唯「は~いみんな拍手」パチパチパチ

クリス「よし、和やかムードはここまでだ。そろそろここにいる理由を話してもらおうか。俺達は無論救助活動と……ある男の捕縛だ」

律「ある男……」

和はSTARSの面汚しと言っていた。そしてこのクリスも元STARS……となれば話は繋がる

律「アルバート・ウェスカー……」

クリス「知ってるのか!?」

バリー「……」

レベッカ「……」

その場の空気を一転させるには十分な名前だった。
そう、お互いの最終目標は同じだったのだ

お互いにこれまでの経緯を話し合う。
クリスらは今から3年前の洋館事件以来ウェスカーを追っていたらしい。
彼は元S.T.A.R.S.隊員でクリスらがいたアルファチームの隊長だった。洋館での事件は全て彼の仕業によるもので元ブラヴォーチームのレベッカの仲間は何人もそこで命を落としたという。
無事脱出したクリス、ジル、バリー、レベッカ、ブラッドだったが後にウェスカーが生きてることを知る。
更にその居場所が日本、と言うこともあってS.T.A.R.S.の日本支部へと派遣されたのだという。

クリス「それから日本で起こったバイオハザードも奴が関連してることを知ってな。そしてあの事件で君らと知り合い、動き難いS.T.A.R.S.を辞め、BSAAを立ち上げ色々あった後今に至る…と言うわけさ」

律「苦労してるんだな…」

唯「レベにゃん辛かったねぇ…っ」ギュ

レベッカ「もう随分前のことだから…大丈夫よ唯。ありがとう」

バリー「……」

律「さ~て次はこっちか」

律達も簡単に要点をまとめ話した。

ウェスカーに要求されGウイルスを探していたことから話は始まる。


そしてお互いバラバラになりながらも想い合い、またこうして集まれたこと、自分のせいで仲間を傷つけてしまった、しかしそれでもみんなは信じてくれたこと。

色々な人に助けられながらここに待つウェスカーにGウイルスを渡し人質を助けに来たこと等を包み隠さず全て話した。

クレア「律……」

クレアは彼女の顔を見る。しかし彼女の表情は苦悩や後悔や不安に歪んではいなかった。
その真っ直ぐとした瞳に心配した自分の方が情けないと悪態をつきたくなるほどに。

彼女は二年前とは違う。あの頃のあどけなさと幼さはない。大人、なのだ


見た目の意味ではなく内面的に、成長している。この顔からだけでそれだけのことが伺えた。

クリス「ウェスカーめ…おちるとこまで堕ちたな。」

STARS隊長のウェスカーとクリスには浅かならぬ因縁があるのだろう、この言葉からそれが読み取れる。

澪「でも、迷う必要はない」

澪がラクーンシティタワーを見据え力強く言い放つ。

迷う必要ない、律との一件を乗り越え後はもう人質を救いここを脱出するだけ。
その事に迷いはないのだ

律「確かにな。もうやることはお互い決まってるからな」

律もそう言い澪と同じ様に見据える


クリス「あぁ、奴を叩き潰し人質を助け出すだけだ」

クレア「話が簡単でいいわね」

バリー「…全くだ」

レベッカ「ブラヴォーチームの仇…」

梓「行きましょう、皆さん。全てを終わらせに」

梓の声に各々反応し、ラクーンシティタワーに入って行く中、一人だけ懸念の表情を浮かべていた、唯


これだけのメンバーが揃っていても胸の中にある不安はいつまでも止まない。
降り頻る雨が飽きずに波紋を作る様に。いつまでも、いつまでも……

仲間が裂かれた夢が脳裏に焼き付いて離れてくれなかった

最上階───────。

ウェスカー「ジュンめ、余計なことを……」

「あ~ら、あの子なりにあなたを想っての行動じゃないかしら?」

ウェスカー「さわ子、今までどこへ行っていた」

さわ子「ちょっと秘密兵器を取りにね。それより首尾はどう?」

ウェスカー「あまり勝手に動いてもらっては困る。ふん…、首尾か……元よりそんなものはない」

さわ子「と言うと?」

ウェスカー「ただ私のゲーム、自己満足でしかないと言うことさ。君も含めてね」

さわ子「ふ~ん…」ギリッ

さわ子は少し唇を噛み締める


ウェスカー「君になるべく自由意思を与えてるのはその方が面白いから…に過ぎない。そのことを忘れないでくれたまえ」

ウェスカーは椅子に座りながらモニターを見てる。さわ子が話かけてからもそれは変わらない。まるで相手にする価値もないといった風に。

さわ子「……肝に銘じておくわ」

ウェスカー、その言葉……いずれ後悔させてあげる。

それより今は……

さわ子はモニターに目を向ける。

さわ子「(良くここまで来たわね…あなた達。顧問として誇らしいわ)」

けど、次の試練は生半可なモノじゃないわよ

ウェスカー「君になるべく自由意思を与えてるのはその方が面白いから…に過ぎない。そのことを忘れないでくれたまえ」

ウェスカーは椅子に座りながらモニターを見てる。さわ子が話かけてからもそれは変わらない。まるで相手にする価値もないといった風に。

さわ子「……肝に銘じておくわ」

ウェスカー、その言葉……いずれ後悔させてあげる。

それより今は……

さわ子はモニターに目を向ける。

さわ子「(良くここまで来たわね…あなた達。顧問として誇らしいわ)」

けど、次の試練は生半可なモノじゃないわよ



───────。
ラクーンシティタワーに入ると、そこには待ち構える人がいた。

梓「……純!?もしかして純なの?!」

面影を頼りにそう言う梓。

純「久しぶり、梓。もっとも、こうして話すのは、だけど」

唯「あずにゃんお知り合い?」

梓「はい…高校の同じクラスの子で…」

澪「あっ!一度軽音部に来たことがあったよね…」

律「だっけ?」

純「さすが秋山先輩。覚えてくれているとは思いませんでした」

クリス「懐かしがってるところ悪いが何故ここにいる?まさかウェスカーの関係者か」


純「その通りですクリス・レッドフィールド」

梓「!?なんで……」

純「そんなことはどうでもいいのです梓。それより皆様に紹介したい人達がいます、出てきてください」

ラクーンシティタワーの1F、真ん中にエレベーターがある
そのエレベーターの奥の二つの扉、その左側から一人、エレベーターの左右にある扉から一人づつ人が出てきた。

エレベーターの左から出てきた人物にいち早く反応したのはクリス

クリス「ジル!」

ジル「……」

エレベーターの奥左側から出てきた人物には律が

律「……さ…とし…か?」
聡「……」


そして、エレベーターの右側から出てきた人物には、唯が

唯「う……い…」

見間違えるわけがない。誰よりも彼女と一緒に居て、誰よりも彼女を好きな自信がある私が

そこにいたのは間違いなく、憂だった。

憂「…オネエちゃん……」

発音が怪しい、それに顔色も悪い。皆普通ではない、とわかっていた。

純「感動のご対面、の最中に悪いのですがこれからあなた達はこの人達と殺し合ってもらいます」

一同「!?」

クリス「何をバカなっ!」

律「そんなこと出来るわけ…っ」

唯「出来るわけないじゃない!!!!!!」

誰よりも大声で言ったのは唯だった。みんなそれぞれ思ってることがあるのは唯もわかっている。

それでも唯は抑えることが出来なかった。妹をこんな風に扱う奴を、許せなかった。

純「決定権はこちらにあります。従っていただけないのなら死んでもらいましょうか?」

純が何か指示を出すと三人は手に持っているナイフの切っ先を自分の首元へ

唯「……っめて!!憂を……傷つけないで」

泣きながら訴える唯を見て満足したのか純はそれをやめさせる

クリス「卑劣な……」

律「悪趣味過ぎるよあんた」

梓「純……っ!」

純「何と言われようが構いません。では、一応私なりに考えたルールを」

今は従うしかない、と各々わかってるのかただ沈黙で肯定した。

純「さすがにそちら側の人数対こちら側の人数では話になりません。のでそちらの代表者4人を決めてもらってあの四つの部屋でそれぞれ殺し合う……それで構いませんか?」

律「必ず殺さなきゃならないなんて不条理なルールじゃないよな?」

律が不適な笑みで純を挑発する、律も唯と同じく弟を盾に取られ平常心ギリギリのところで踏み留まっているのだ。


純「別に必ず殺さないと駄目…なんて言いませんよ。ただそうならざるをえないと思いますけど」

律「ちっ…聡の所は私が行く。文句ないよな」

皆首を静かに縦にふる。

唯「憂は私が助ける」

みんなの意見も求めず唯は憂を見ながらそう言った。皆異論はない

クリス「ジルは俺に任せてくれ。」

レベッカ「えぇ。ジルのこと一番わかっているのはあなただから…それがいいわ」

バリー「右に同じだ。」

クレア「兄さん…気をつけてね」

クリス「あぁ……」

必ず助け出してやる、ジル


梓「純、4つってことはあなたも戦うってことだよね?」

純「えぇそうよ梓」

梓「なら私が行きます…!」

何でこんなことをするのか聞かなければと、梓はこの時ばかりは唯に気が回ってなかった。

純「では……それぞれ指定の部屋へどうぞ」

4人と4人はそれぞれ部屋の前に立つ、隣には嘗ては大切な存在だったものがいる

クリス「……(どんなトリックかは知らないが必ずジルを説得する…)」

律「(聡……待ってな。姉ちゃんがすぐ助けてやるから)」

唯「(憂……)」

梓「(純……あなたは……)」


律「そうだった、澪」

律は澪を呼ぶ、「何?」と近寄って来た澪にGウイルスの入った小瓶を渡した。

澪「律……」

律「もしかしたら……ってこともあるからさ。その時は頼んだよ」

澪「バカ…そんなこと言うなんて律らしくないぞ」

律「たまにはしおらしくさせてよ」

澪「フフ、ちゃんと帰って来るんだぞ。兄妹二人で」

律「任せとけって」

二人は少し笑みを見せ合う。お互い心配するなと言う意思表示でもあった。

純「では、中へどうぞ。残った秋山先輩達はどうぞご自由に。最上階にはウェスカー卿もいます」


レベッカ「ウェスカーがこの上に…」

バリー「……」

クレア「ウェスカーがどう言うつもりかはわからないけど行くならやはり全員揃ってからの方がいいと思うわ」

澪「私も同意見です」

純「そうですか。ご自由に。ではこれにて」

純は全員中に入ったのを確認すると最後に自らも入りポケットから何やらボタンを取り出しそれを押す。

ガシャンと言う音と共に分厚い金属の壁が上から降りて来て部屋を塞いだ。

純「ただの扉では邪魔が入るかもしれませんから。念のためですよ。では……始めましょう」

ここまで全て計算通り

あのメンバーの主力、クリス・レッドフィールド、田井中律、中野梓を確保。そしてネメシスを退けたと言う未知の力を持つ平沢唯も閉じ込めることに成功した。
さすがに全員ではウェスカー卿も分が悪いと独自に練った策だったがまさかここまで上手く行くとは思わなかった。
残りは所詮凡夫、どう足掻こうがウェスカー卿には勝てない。

そして彼女らは上に行かざるをえなくなる。その仕掛けは既に打ってあるのだから。
ここは前アンブレラ日本支部社長、琴吹に作らせた部屋と同じもの、

「還らずの部屋」

私はそう呼んでいる。


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最終更新:2010年02月02日 00:05