唯「ホラー映画を見ようっ」
梓「いきなりなんですか」
梓「まあ、いいですけど」
唯「よしっ。電気も消してっと。レッツスタート」
あんっあっああ。
唯「えっちなシーンだよあずにゃーん」
梓「そうですね」
唯「あずにゃん、興奮してる?」
梓「しません」
唯「でもあそこはーびしょびしょだぞー」
梓「それを言うならぬれぬれじゃないんですか?」
唯「えーびしょびしょでもいいんじゃないの?」
梓「あ、キスしてる」
唯「あつあつだねー」
梓「ほらっ。熱い熱いであつあつじゃないですか。だから濡れる濡れるでぬれぬれですよ」
唯「えーうーん……そうかなあ?」
梓「冷たいものは?」
唯「ひえひえ……冷える冷える……あ、ほんとだ」
梓「ね、だからぬれぬれですよ。ポップコーン食べます?」
唯「あ。ありがと。そっかあ、濡れる濡れるでぬれぬれかあ。あずにゃんはすごいなあ……なあ……なあんかごまかされた」
梓「あ、知ってます? この人達殺されちゃうんですよ」
唯「えっちすると殺されちゃうの?」
梓「そうです。だから、唯先輩は誰ともえっちしちゃだめですよ」
唯「はーい。でも、なんでそうなるの?」
梓「それはなんというかお約束です」
唯「ふーん。でもお約束だからその裏をかいて逆に殺されないってことはないの?」
梓「だからその裏の裏をかいて殺されちゃうんですよ」
唯「そーかなあ。じゃあわたしはその裏の裏の裏をかくよ」
梓「唯先輩がかいたってしょうがないでしょう」
唯「じゃあ賭けよう。わたしは平気だと思う!」
梓「何をかけてるんですかまったく」
唯「あずにゃんの貞操だよ」
梓「唯先輩が負けたら?」
唯「わたしの貞操を……」
梓「わたしに得がないじゃないですかっ」
唯「あーひどいっ」
きゃああああああああああ
梓「ほら」
唯「仕方ない……わたしの貞操を……」
梓「いらない、です、ってば」
唯「ちぇー。でもあずにゃんよく知ってるねー。見かけによらずホラー映画好きなんだ?」
梓「む……見かけによらずってなんですか」
唯「それはあずにゃんが、こど……」
梓「わああっ」
唯「ひやあっ。びっくりしたよ。さっき怖いもの映った?」
梓「なんでもないです……で、なんでしたっけ?」
唯「だからあずにゃんがこ……」
梓「わああっ」
唯「えーーなんか、起こった?」
梓「別に」
唯「でさ、さっきの話なんだけどあずにゃんってこども……」
梓「わっ」
唯「ひやあっ」
梓「わざと、やって、ますよね」
唯「えへへ……ごめんなさい。ほっぺたつねるのやめてください」
梓「こんど言ったら唯先輩のベットぬれぬれになりますから」
唯「やった」
梓「涙で」
唯「ごめんごめん」
梓「もう」
唯「それでねさっきの……」
梓「きっ」
唯「違うよー。あずにゃんホラー映画好きなの?」
梓「いえ。またいとこに好きなのがいてそれで前に話してくれたんです」
唯「あーそっか。それでまたいとこってあずにゃんのなんなの?」
梓「違いますよ。1,2回しか会ったないですし」
唯「1、2回ならいいのねっ最低。って、そうじゃなくてさあずにゃんとのなんていうか兄弟とかそんな感じだよ」
梓「……知ってますよ」
唯「わかってる。違うんだよね」
梓「うるさいです」
唯「おこんないでよー。それで?」
梓「またいとことは、はとこですよ」
唯「はとこは何?」
梓「えーと……はとこは祖父母の兄弟の孫どうしです」
唯「うん? えーと……じゃあ……むう」
梓「えっとですね。つまり、いとこの子どうしです」
唯「わかんない。わたしとあずにゃんで説明してよ」
梓「わあー唯先輩、ぜんぜんこどもできませんねー。おしまい」
唯「わあー22世紀になって女の子どうしでもこどもができるようになったよ」
梓「そのときはわたしたち天国ですねっ」
唯「はいっ。今こどもできましたー」
梓「今から、こどもできて責任とれるんですかっ」
唯「避妊するからーおねがいっ」
梓「だめです。わたしもう決めた人がいるんですっ」
唯「あーずささん?」
梓「ごめんなさい図に乗りました」
唯「じゃあ。こどもできましたっ」
梓「こどもが育って立派な大人になって結婚しました」
唯「ちゃんと育ってよかったねえ、あずにゃん」
梓「……。ふたりはこどもを作りました」
唯「わあ」
梓「その間に憂も結婚してこどもをもうけました」
唯「おー」
梓「憂のこどもと唯先輩のこどもは、いとこの関係です。わかります?」
唯「うん、わたしたちのこどもね」
梓「……。それで唯先輩の子の子供はつまり、唯先輩の孫と」
唯「だからわたしたちの……」
梓「……」
唯「はい続きどうぞ」
梓「憂の子の子供、憂の孫は、はとこどうしってわけです。オーケーですか?」
唯「……ああうん」
梓「わかってないですよね」
唯「もうっわかったわかった。つまり抱きつくだけじゃこどもは生まれないから……」
梓「はいはい。映画を見ましょうね」
唯「むう」
ちゃららーちゃららーどんっ
唯「わっ」
梓「じぃぃぃいい」
唯「おおっ怖いね怖いね」
梓「さっきまではぜんぜん怖がってなかったじゃないですか」
唯「それはあずにゃんとの素敵な未来を空想してたから」
梓「じゃあ、ずっと夢見ててください。わたしはひとりで映画見てますから」
唯「そんな事言って内心こわこわのくせにー」
梓「こわこわってなんですか」
唯「怖い怖いでこわこわだよ」
梓「それを言うなら、びくびくじゃないんですか」
唯「だってあずにゃんがさっき……」
梓「唯先輩は、雨でぬれぬれになっちゃたーとか言うんですか。変態ですね」
唯「あずにゃんっ」
梓「はい」
唯「変態はあずにゃんの方だと思うよ」
梓「なんでですかー」
唯「だってさっきからわたしが怖がるたびに嬉しそうにこっち見るじゃん」
梓「はい。なんで真っ暗な部屋でお互いの顔が見えるんでしょうか」
唯「だってテレビ光ってるよ」
梓「あ」
唯「やっぱりへんたいだー」
梓「待ってください。わたしが変態ってことを証明してみてくださいよ」
きゃああああああああ
唯「ひぃっ」
梓「じぃい」
唯「ほら、こっち見た」
梓「それは唯先輩がいきなり驚くから」
唯「でも目の勢いが違ったよ」
梓「どこを見ようがわたしの勝手じゃないですか。わたしの眼球に自由はないのかっ」
唯「そっかあ。あずにゃんはわたしが怖がると嬉しいのかあ……今後のためにそういう勉強もしなきゃなあ」
梓「違いますっ」
唯「え?」
梓「あ……いや、なんでもないです……というか……」
唯「なあに?」
梓「というかホラー映画を見ている唯先輩がなんだかこうあれで。それが……」
唯「……あ、そっかあ。うんうん」
梓「ちちち、違いますからねっ」
唯「あーずにゃん、わあああっ」
梓「へ?」
唯「あれれ? あずにゃんわたしに驚かされたいのかと思ったよ」
梓「そんな変な性癖は持ってないです」
唯「他ならあるんだ?」
梓「え?」
唯「あずにゃん……ほら、こっち向きなよ」
梓「……え、あっ……やですよ……」
唯「ほら、あずにゃんの好きなかったーないふだよ。いいのかな?」
梓「……別にそんなの好きな……」
唯「あずにゃんはわたしの言うことをちゃんと聞かなきゃだめだよ」
梓「……は、はい」
唯「……えへへ、こういうのが好きなんだ?」
梓「…あぅ」
唯「じゃあ……おねーさんがいろんなこと教えてあげようっ!」
梓「あ、やっぱいつもの唯先輩でした」
唯「えーーどのへんがダメなのさー」
梓「唯先輩はふわふわすぎます」
唯「それを言うならあずにゃんは小さすぎるよ」
梓「そういう意味じゃなくてですね……ってそれは言わない約束じゃないですかー」
唯「小さいあずにゃんミニマムあずにゃん小粒あずにゃんちょっぴりあずにゃん20分の1あずにゃんかっこ当社比」
梓「ひどいです」
唯「えーかわいくない? 特に小粒あずにゃんがいいよ」
梓「ぜんぜんよくないです」
唯「小粒にゃんなでなで」
梓「むう……」
最終更新:2012年08月24日 08:15