律「文句言わないの?特に父さんは聡の方を可愛がってたから…」
律父「聡は…いい姉をもったな。今のお前を見ればわかる……たくさん辛いことがあったんだな」
律「なんだよ…急に…父親面…しないでよ…。ごめん…私…聡の事守れなかった」
律母「あなたが無事なだけでも良かったわ…。聡も大好きなお姉ちゃんを守れたなら…本望よ」ウゥ…
律父「律、聡に助けてもらった命、粗末にするんじゃないぞ」
律「……はいっ!」
澪「律……。」
「あの……、もしかして唯のお友達の方かしら?」
澪「はい……もしかして唯の!」
唯母「はい、母親です」
唯父「唯もいるんですか?!澪さん!」
そう言って澪をゆすりまくる唯父。
澪「あ、あの車に乗ってます」
唯父「母さん!」
唯母「えぇ!」
二人は猛ダッシュでその車に向かった。
律「親バカ……だな」
車から引き出された唯、憂、そして幼なじみの和、仕舞いには梓までもみくちゃにされていた。
澪「良かった…」
ケビン「ああゆう姿見たらこの仕事やってて良かったって思えるぜ」
澪「ケビンさん!本当に…本当にありがとうございました!」
律「しかしどこにいたんだ?(ウェスカーに捕らえられてた筈じゃ…)」
ケビン「このトラックの中だ。俺が脱出しようとしたら後ろがゴソゴソっと動いてな。それからは親バカタイムだよ。澪の母親に娘は私に似てると何度言われたことか…」
澪「すみません///」
律「(ウェスカー…あんたは何がしたかったんだ)」
ケビン「俺達はこのトラックでここを脱出する。裏道を知っていてな。乗ってくか?」
律「マジで?やったなぁ!これで脱出経路も確保出来た!」
澪「ケビンさん、私達は他のルートで脱出します。だから私達の両親をよろしくお願いします」
律「澪?このままトラックに乗せてもらえばいいじゃん!あの車ももうガソリンがないんだしさ!」
澪「ここに来て何か思い出さない?律」
律「ん?ん~……何も」
澪「私達には、『死神』が憑いてる」
律「死神……あっ!」
澪「そう言うこと」
ケビン「?」
────────
澪「じゃあケビンさん。両親をよろしくお願いします」
ケビン「あいよ、任せろ。ここを抜けたらS.T.A.R.S.の本部で落ち合うってことでいいのか少佐殿」
和「少佐はやめてよケビン。和でいいわ」
ケビン「いやぁまさかあの伝説の狼に会えるなんてな!地方勤務の俺じゃ二度とない機会だぜ」
和「よく言うわ。クリスと並んでS.T.A.R.S.の射撃大会で優秀な成績をおさめていたあなたが」
ケビン「少佐殿に覚えていただけているとは光栄だ。いや~二回もテスト落ちても諦めずに受けて良かったぜ」
澪「和ってどれぐらい凄いんだろう…」
律「わかんない…けど凄いんだな。…!」
律「とりあえず今度からSTARSの人に会ったら「あ、私
真鍋和の友達です」って言えばOKだな!」
澪「確かに…」
和「やめてよ恥ずかしい//」
澪母「気を付けるのよ澪」
澪父「母さん、澪ももう立派な大人だ。大丈夫さ」
澪「お母さん達も気をつけて」
律母「律、無理しないようにね」
律「わかってるよ」
律父「お前はお前しか出来ないことをやれ。いいな」
律「……わかった」
唯母「じゃあね唯、憂。また後で会いましょう。みなさん、二人をよろしくお願いします」
唯「お母さん~//」
唯父「憂。何があったかは聞かない。けど二人がどんなことになっても、お前らは俺の大事な子供だ。だから遠慮するな」
憂「お父さん……」
ケビン「しばしの別れは済んだかい?」
皆は頷くとケビンはトラックのアクセルを吹かし、そして発進した。
ケビン「またな~!無事脱出しろよ!」
全員がそのトラックが見えなくなるまで手を振り続けていた。
澪「さて!地上エレベーターでプラットフォームに戻るとしよう」
律「すっかり忘れてたよ」
唯「色々あったもんねぇ」
梓「ですね」
和「でもアネットにそれは内緒にしておいた方がいいわよ。言ったらきっとGウイルス注射が待ってるから」
律「た、確かに」
そうしてエレベーターに乗り込む一同、だが
澪「あれ……動かない」
律「何で?」
和「非常時には途中で止まることを防止するために使用出来なくなります…だって」
梓「つまり…また警察署内部の長い道のりを行くしかない…ってことになりますね」
唯「ほえ?」
和「多分軍のミサイルのせいね……」
澪「……本当に死神が憑いるみたいだ」
律「今更言っても仕方ない!みんな走れ~!」
エレベーターを出て警察署内部へ再び入り最下層を目指す。
軍の滅菌作戦は残り1時30分を切っていた。
外はいつの間に明るくなってきている。
夜明けが迫っていた。
────ラクーンシティ警察署 研究所 研究室
レオン「見つかるのはTウイルスとGウイルスの資料ばかりか……」
あれから何時間ここでこうしているだろう。律達は無事だろうか…。
レオン「通信機を落としたのはまずかったな…。」
無いものあれこれ言っても仕方ない。
ならどうすればいい…またあの化物と戦うのか……。
だが……
「あら?レオンじゃない。こんなところで会うなんて奇遇ね」
レオン「エイダ!?何故ここに?」
エイダ「上からの意向でGウイルスのサンプルを取りに来たのよ。あなたは?」
レオン「ウェスカーと言う男に会った…。そいつはあり得ないほどの力の持ち主で…ちっ…語るだけ情けなくなるぜ」
エイダ「らしくないわね、本当に私が惚れかけたレオンかしら」
レオン「からかうな。俺も…人間だ。恐怖することもある」
エイダ「クラウザーが聞いたらどう思うかしら」
レオン「クラウザーも来ているのか?」
エイダ「いえ、彼は別任務についているわ。そろそろ私は行くわ。サンプルは手に入れたから」
レオン「エイダ、ウロボロスについて何か知らないか?」
エイダ「私も詳しくは知らないわ」
レオン「そうか…」
エイダ「レオン。今のあなたは最高にカッコ悪いわよ。いつものあなたならこんな所まで来てチマチマ敵の弱点なんて調べに来ない」
レオン「……」
エイダ「男なら、負けるとわかっていてもやらなくちゃならないことがあるんじゃない?」
レオン「……やらなくちゃならない…か」
エイダ「じゃあね。もう二度と会うことはないかもしれないけど元気でね、レオン」
レオン「エイダ、ありがとう。おかげでやることが決まった」
エイダ「それは良かったわ。やっぱりあなた、最高にカッコいいわ」
──────────
猛スピードでとばして来た一同はプラットフォームへ降りるためのエレベーター前まで来ていた。
律「ぜぇ…ぜぇ…人間やれば出来るもんだな!」
澪「そう…ね」
皆息を整えながらエレベーターが来るのを待つ。
ガコン──────
天井の一部が凹む。
和「何か…来る」
ガコン───
律「唯、憂ちゃんと一緒に隠れて!紬も!」
唯「うん!」
紬「気をつけてみんな」
唯は素早く憂を連れて物陰に隠れる。紬もだ。
ガコン─ガコン─ガコン─
ガシャアァン!
「ウォォォォォォ」
律「こいつは…G!生きてたのか……」
各々武器を抜く。
澪「前に会った時より変化してる……」
和「あまり時間がないわ!速攻でやるわよ!」
梓「はいです!久しぶりの出番です!スパークショット!」
事前にチャージしていた電撃をGに放つ。
Gは呻き声をあげながらよろける
律「でぇい!」
律も2丁のマグナムを撃ちまくる。
澪もそれに続き発砲。
和「はああああっ」
ザンッとGの腕を切り落とす和。あまりの猛攻にGは成す統べなく倒れこんだ、だが
ぐちゅ、グチャグチャ
Gは、また進化を開始する。
さっきの攻撃を受けそれに対応出来る姿へ。
二足歩行だったものが四足歩行となり、大きな口周りには何十本もの牙が生え揃っている。
律「くっ…これじゃキリがない…」
和「諦めたらそれで終わりよ!はぁぁ!」
和がGに斬りつける、しかしそれを容易にかわすG。
和「速い!」
梓「チャージ完了です!スパークショット!」
電撃がGを襲うが、それも避ける。
梓「なっ」
律「この!」
律が連射するが色々な場所に飛び回り狙いが定まらない。
ゴォォォン
不意に地面が揺れる。
『非常警報が発令されました。研究員、関係者は直ちにプラットフォームから脱出してください。オールヒロユキイモウトサトコ』
律「軍のミサイルか!?」
梓「時間がないです!」
和「くっ…でも…」
和が近寄り斬りかかってもあっさりかわすG、そしてG反撃を和がかわす、と言ったいたちごっこになっていた。
澪「これじゃ……」
ドゥン……
鈍い銃声が響いた。律達が持っている銃の音ではない。
それはGに直撃しGは派手に転げ倒れる。
律「この銃声…レミントン……レオン!?」
「ドンパンうるさいから来てみれば、いい所に来たみたいだな」
梓「やっぱり生きてたんですねレオンさん!」
レオン「君も無事そうで何よりだ。全く、もっと相手の動きを読んで撃ち込めと教えた筈だが」
律「レオンみたいにそんな冷静になれないよ」
レオン「ふっ……冷静…か。律、お前達は先に行け。その様子じゃ全部片付いて今から脱出ってとこだろう?」
律「レオン?!」
レオン「このままこんな雑魚に大勢で手を裂いていたら時間の無駄だ。」
律「言ってくれるねウチの兄貴は。」
和「確かにあのGに一撃でも当てたのは彼だけよ。悔しいけどね」
澪「このままいればレオンさんの足手まといになる……か」
梓「……」
レオン「そう言うことだ。エレベーターもついたみたいだ。早く行け。俺は別の脱出ルートから脱出する、心配するな」
澪「わかりました…。」
澪は唯達のところへ行きこの胸を伝える。
和「ありがとう、レオンさん」
レオン「気にするな」
梓「レオンさんって本当に無茶が好き何ですね。あ、これ返します」
梓はジャケットを脱ぎレオンに渡す。
レオン「いや、君が持っていてくれ。次、会った時に返してもらうよ」
梓「わかりました、ご無事で」
レオン「あぁ」
律「……レオン」
レオン「何やってる、早く行け。奴が来る」
Gはゆっくりと起き上がりレオンに向き直る。
律「レミントンじゃ火力に不安があるだろ。これ」
そう言うと律は自分のマグナム、二年間使い続けたコルトM19、S&Wをレオンに手渡した。
レオン「いいのか?」
律「私にはもう必要がないから」
レオン「そうか…」
レオンは素直にそれをホルスター事受け取った。
律「じゃ……いつかまた」
レオン「律、言っておきたいことがある」
律「なに?」
レオン「……俺はずっと嘘をついてきた」
律「嘘?」
レオン「二年前、お前は俺に自分のことをどう思ってるか聞いただろ?」
律「あったね…そんなこと」
レオン「俺はその時お前を妹のような存在と言った。」
律「うん」
レオン「だけどな、本当は律、お前のこと…愛してる」
律「いきなり愛してるって//普通好きとかが先なんじゃ…いやその…あの……」
レオン「なんてな。」
律「えっ…」
レオン「別れにはこれぐらいのシリアス感がいるだろう?」
律「レ~オ~ン……!」
レオン「必ず生き延びろよ、妹」
律の頭をくしゃりと撫でるレオン
律「あぁ、兄ちゃんも」
軽くお互い抱き合って別れる。
律「じゃあ行くね」
レオン「あぁまた会(ry」
チュッ
レオン「……」
律「えへへ//ホッペだからノーカンな!私のファーストキスの相手は決まってるから。アメリカの挨拶だよ挨拶//」
レオン「……」
最終更新:2010年02月02日 00:17