律「こらこら、無言やめてよレオンさん」

レオン「…いいから早く行け。もう時間がない」

律「わかった。必ずまた、会おうレオン」

レオン「あぁ」

エレベーターへ走って行く律を見ながら

レオン「燃えるぜ」

レオンはレミントンをしまいコルトを抜いた


──────────

誰か!俺のことを覚えてらっしゃる方はおりませんか?
おりませんか~?

そう、ハンクだ、懐かしいな。

何をしてるかって?

電車の修理を終えた後ひたすら彼女達を待っている。たまにはシェリーの相手などもしているがな

君らと同じく隠居生活だ。

アネット「しかし遅いわね…軍の滅菌作戦も始まってると言うのに」

シェリー「澪……」

ハンク「今は信じて待つしかないさ。ギリギリまで待って駄目なら俺ら達だけでも逃げよう。このままずっと待ってても犬死にだからな」

アネット「そうね…」

お~い……
ハンク「待て、今声がしなかったか?」

アネット「……」

お~い~!

アネット「えぇ!」

ハンク達は直ぐ様電車を出ると奥のエレベーターから彼女達が、帰ってきた。

澪「お~い」

走りながら手を振る澪
ハンク「みおちゅわああああああん!」

ハンクも澪に向かい走り抱きつこうとする。
澪「ははは~」

ハンク「ふふふ~」

二人の距離が残り1mを切った時、

澪「ははは~」

ぐしゃり

澪の右の拳がハンクの顔に直撃した。
ハンク「う~お…う~お…う~お…」
軽快にスローモーションで吹っ飛ぶハンク

シェリー「MIO win!」

律「ストツーか!」

ハンク「あんまりだぜ澪…」

澪「ごめん手が勝手に」

ハンク「愛ゆえに……だな!」グッ

親指を突き立て力強く押し出す

澪「うん」

澪はそれを逆にした、そう、死ねと言う意味合い

ハンク「くっ……以前にもましてドSだな……だが、それがいい」

和「バカなことやってないで早く脱出するわよ!」

唯「みんな電車に乗り込め~♪」

一同電車に乗り込む。

グチャ……グチャ……グチャ……

ハンク「よっしゃ~出すぜ!」

ハンクが電車を操作して動かす。
電車はゆっくりと速度を上げ、プラットフォームを離れて行く。

律「ふぅ……つかれたぁ」

一気に疲れが体に襲いかかりたまらず座り込んだ律。

澪「お疲れ律」

律「な~に言ってんだよ。それはみんなだろ?」

和「今度こそ終わったのね」

律「あぁ…全部…全部終わった」

紬「アンブレラも事実上消滅…これでもうバイオハザードなんてバカなことをする輩はいなくなったわ」

澪「二年前からの戦いが…今ようやく終わったんだ」


唯「うん……失ったものはたくさんあったけど…それでも私達は生きてる」

和「本当の戦いは終わってない…か。人間は生きている限り戦いだもの」

律「そうだな。でも、こうして生きている限り、私達には無限の可能性がある」

澪「そう、生きている限り…私達の道は続いて行く…。その道をどこに曲がるかなんてわからない。だから、私達は悩んで、苦しむ。それを助けてくれるのが仲間」

唯「」ニコッ
律「」ニコッ
和「」ニコッ
紬「」ニコッ
梓「」ニコッ
憂「」ニコリ

澪「生きるってことは、こんなにも素晴らしいことなんだって…改めて実感したよ」
最後に澪もみんなに微笑み返した


FIN




本来ならばこれで全て終わり、ここでエンディングであろう。通常の物語なら
しかしこのバイオハザード、何とも諦めが悪い。

電車が急激に揺れる。

律「なっ……んだ?」

一同はその衝撃で体を強く揺さぶられるが何とか踏み留まった。

アネット「重量オーバーみたい!何か大きなものが乗り込んでるわ!」


運転する装置がある部屋からアネットが出てきてそう告げる。

律「この中に……とてもとても重たい人がいます!」

唯「りっちゃんまさか……!」

澪「なわけあるか!」

アネット「重量がオーバーしてしいるのは一番後ろの貨物みたい」

律「私が見に行く!」

唯「いや!私が行くよりっちゃん!」

和「私が行くわ。」

澪「なら私が!」

律唯和「どうぞどうぞ」

澪「だと思ったよ、うん」

和「冗談はここまでにして、律、澪、行くわよ」

律「ほい来た。おおまかせってね」

澪「わかった」

梓「私も、行きます。」

和「わかったわ。唯、憂、むぎ、ここで待ってて。」

唯「把握したよ!」

憂「わかりました」

紬「気を付けてね和ちゃん」

そうして四人は電車の最後尾へと向かった。



電車の最後尾────────

律「何じゃこりゃ…」

澪「……」

和「もしかして……G?」

梓「気持ち悪い…」

電車最後尾の扉が開いた瞬間その10mほど先にはもう生き物とは呼べないモノがいた。

長い触手を車両の前のに引っ掛け大きな体をゆっくりと引っ張っている。

本体はただ大きな口のようなものがあるだけ。

律「レオンにやられてここまで追って来たか。哀れだな…」

「ォォォォォォォ」

最早叫び声にもならない音が車両内に響く。

澪「どうする?」

和「車両を切り離しましょう。それで終わりよ」

やることが決まり早速外に出ようとする四人

梓「開きませんよ!?」

律「ここまで来るとお約束だな…」

澪「武器は!?」

和「私はガタガタの刀ね」

梓「スパークショットも充電がないです…」

澪「私のイーグルの弾も二発だけ…」

律「私に至っては丸腰……」

梓「これ使ってください」

梓は律に借りたナイフを返した。

律「ナイフじゃさすがにキツいですよ梓さん…」

その間もGは少しづつ近寄って来る。

律「最後の最後で絶対絶命…か」

ゴォォォン!

車両の上から何かが突き抜けて来た。

律「なんだっ……?」

澪「あれは……テイロス…」

Gの前に落ちて来たのはテイロス。しかし右腕のロケットランチャーはなくなっていた。

そして私達を庇う様に目の前に落ちて来たのは……。

和「追跡者……」

梓「俺さん!!!!!」

和「俺?あれが!?」

「梓、大正解。100ハラタイラサンプレゼント」

その穴から降りてきたのは「俺」だった。

俺「久しぶり~和」

和「あなた……やっぱり生きてたのね。でも…追跡者が「俺」って……」

俺「簡単なことさ。あいつも俺も「俺」なんだ」

梓「説明になってません!」


俺「泣くなよ梓」

梓「だって……」シクシク

俺は梓の頭を軽く撫でた。

俺「それより早くこの車両を切り離せ。そろそろ重量オーバーで緊急ブレーキがかかる。そうなったらこのトンネル内でこの化物二匹とガチンコバトルだぜ」

和「それよりちゃんと説明してよ!」

律「……久しぶりに蚊帳の外だな、澪」

澪「律、人には言わなきゃならないことと言わなくていいことがある。それは言わなくてことだ」

律「……澪にしては気の効いた台詞だな」

澪「私にしては、は余計だ。受け売りだよ。誰かさんのね」


俺「ここでお前達が行ってくれないと俺達が来た意味がなくなる。俺のことは気にするな。行け!」

律「よくわからないが車両を切り離さないと不味いからな。澪、ステップジャンプよろしく」

ステップジャンプとは
軍隊がツーマンセル等で一人では登れない高い所を登る時。
片方が受け身なって片方を登らし、登った本人は上から下に残った片方を引き上げると言ったチームプレーだ。

澪はわかったと言うと両手を下降気味に構える
すると律はその手を踏み込み追跡者が開けた穴から車両の上に出た。そして澪を引き上げる。


俺「あんたが澪か。声通り綺麗だな」

澪「もしかしてあの時のSTARSの人ですか?(にしては全く雰囲気が……)」

俺「あぁ。梓達を頼む」

テイロス「オォォォォ!」

その時テイロスが「俺」達に向かって来る。

俺「「俺」!ちょっと抑えてろ!」

そう言うと追跡者はテイロスに立ち塞がり抑え込み始めた。

俺「早く行け!」

和「でも…」

俺「大丈夫だ。またいつか会えるさ、和」

和「約束よ……」

和は澪に手を貸してもらい上に登った。

梓「俺さん……」


律「何かいい雰囲気だな」
澪「律、行くぞ」

律「ちぇっ」

和「人の恋路を邪魔するやつは電車から落ちて死ぬわよ?」

律「へいへい」

俺「梓、君も早く」

梓「イヤ……です」

梓は俺の背中に抱きついて顔を埋める

俺「時間がないんだ」
梓「もう…離れたくないです」

俺「梓……」

梓「好きなんです、俺さんのこと」

俺「……ありがとう」
梓「だから……離れたくありません」

俺「大丈夫。そんな気持ちも、俺のことも、きっと忘れるから」

梓「そんなこと……言わないでください…じゃないと私……泣いちゃいます……」

俺「もう泣いてるじゃないか…」


俺「梓、行ってくれ。「俺」達の為に生きてくれ」

梓「俺さん……」

私の涙で濡れた俺さんの暖かい背中から、ゆっくりと離れた。
ほんとは離れたくないけどこうしないと駄目な気がしたから。

梓「かな゛ら゛ず生ぎてあいに゛きてぐだざいね……」

俺「鼻水でてんぞ。あぁ、約束しよう」

俺さんが屈む、私はその背中を踏み込み車両の上に登った。

俺「またな、梓」

梓「はい……」

次第に薄れて行く「俺」と言う存在

忘れたくないのに……。


俺「いったか……。良かったな「俺」また梓に会えて」

目の前の怪物、追跡者に向かって話しかける。

追跡者はテイロスをおさえながらこくりと頷いた。

俺「そろそろ時間か……。」

体の感覚が少しづつなくなって行く。

俺「きっと「俺」の存在など皆忘れていくだろう。だが、それでもいい」

それが役目なのだから

俺「軽音部に、幸あれ」

ただあの約束だけは果たさないとな

それぐらいはいいだろう、兄弟


私達はメタル○アソリッドさながらの匍匐前進で車両の上を伝い「俺」達が乗っている車両の連結部分に来ていた。

律「さて、これを切り離せばいいのか」

澪「和、梓、本当にいいの?」

和「……えぇ」

梓「また会うって、約束しましたから」

律「なら遠慮なく……」

そう言って連結部分を離そうとした時だった。

キィィィィと言う嫌な音が響き電車が一気に止まる。
4人はその勢いで前の車両に強くぶつかった。

律「いちち…今度はなんだ?」

『車両内にバイオハザードが発生しました。滅菌の為にこの電車は爆破されます。繰り返します……』

律「また爆破かよ……」


先頭車両、運転操作室──────

ハンク「は~暇やな~……」

ただメーター見てるだけなんてリッカーでも出来るつーの

その時、急に電車に急ブレーキがかかりその勢いでハンクは強く頭をうつ

ハンク「ぐっ……な、なんだ……。」

電車が止まってるのはわかったが……それから段々意識が遠くなる。

ハンク「出来れば……澪に……優しく起こされた……い」ガク


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最終更新:2010年02月02日 00:18