憂「ご飯できたよ、お姉ちゃん」

唯「はーい」

パクパク

唯「うん、今日もおいしいよ、うい!」

憂「よかった」ニコ

唯「・・・」

唯(かわいい)

唯(憂は完璧すぎるよ・・・ お料理も、勉強も、運動だって出来る)

唯(それに比べて私、全然お姉ちゃんできてないなぁ・・・)パクパク

憂「それでね、お姉ちゃん・・・お姉ちゃん?」

唯「はっ!ごめん聞いてなかったよ、なになに?」

・・・

唯の部屋

唯「うぃー・・・うーいー・・・」ゴロゴロ

唯「はぁ」


唯(お姉ちゃんしたい・・・)

唯「むぅ」ゴロ

唯「はっ」

唯「そうだっ!憂に>>6すればいいんだ!」

※朝ごはんにホットケーキを作る


唯「ホットケーキだよっ!ホットケーキ!!」

唯「なんで気づかなかったんだろう、私が作れるお菓子なんてホットケーキしかないよ!」

唯「前に和ちゃんから作り方教わったんだよね・・・」

唯「よしっ明日の朝早起きして、ホットケーキ作り!決定だね!」

・・・

早朝

唯「あっち!」

唯「ひえー、熱かった・・・お水お水」ジャー

唯「・・・」

唯「ういは喜んでくれるかなぁ」

唯「私が作ったホットケーキなんて、よく考えたら憂のホットケーキにかなわないよ」

唯「憂はお菓子作りお母さんに教わってたから、上手なのは当たり前かも」

唯「私に教えてくれればいいのに・・・お母さんも!」プンプン

唯「愛情こめれば・・・伝わるよね」

唯「バニラエッセンス・・・どこにあったっけ」ガサゴソ

唯「ないなぁー、憂に聞いてみようかな」

唯「ういーっ!・・・てダメだよ私っ!憂のためなのに憂に聞いてどうするの!」

唯「・・・うん、探そう」

・・・

唯「あったあったー♪」

唯「よし・・・、フライパンにうすーくバターを塗って・・・温める」

唯「いい匂いだなぁ」

唯「ふぁ・・・眠い」

唯「ねちゃ、だめなのに・・・きのうもっと早くねればよかった・・・」

唯「って熱っ!!!まただよ・・・私ってどうしてこうなのかな」ショボン

唯「そろそろ色変わってきたかな、よし・・・ホットケーキ作りの真骨頂!ヒックリ返し!」

唯「せいっ!」クルン

唯「!・・・うまくできたぁー、よかったぁ」

唯「そしてわんもあヒックリ返し!」クルン

唯「よしっ」

唯「ふっ、この程度か、ホットケーキ」ニヤ

唯「虚しいよ、うい・・・」

唯「あとはお皿に盛りつけて、っと」

唯「・・・できた」

唯「見た目は、おいしそう・・・ていうか普通のホットケーキだよね」

唯「ちょっと味見してみよう」パク

唯「うん、おいしいっ」

唯「これでお姉ちゃんできるよ!」ニコニコ

唯「そろそろ憂を起こしにいこう、これもお姉ちゃんっぽい!?」

唯「ぐへへ」

唯「あっ・・・」鏡見た

唯「なんだろう、なんだかエプロンつけた私・・・」

唯「お母さんに似てるな・・・」

唯「おかあ、さん」

唯(中学時代からお父さんとお母さんがお家をあけはじめて、家事は全部憂に任せちゃってた)

唯(やりたい部活も、遊びたいお友達も、好きな男の子も・・・全部中学校にあったはずなのに)

唯(私が、憂の時間を奪ってゴロゴロしてたんだよね、情けない)

唯(高校は・・・私は軽音初めて、憂を誘って断られたのは・・・家事があるからだよね)

唯(何もわかってなかった・・・私がお母さんとお父さんが居ないから憂に依存して、憂はずっと我慢してたんだ)

唯(私は、お姉ちゃんらしいことをしたいんじゃなくて、・・・可愛い妹に求められたかったんだなぁ)

唯(お姉ちゃんに頼って欲しかったな・・・うい)

唯「って、何暗いこと考えてるんだろ」

唯「ずっと分かってたはずなのにね」

唯「だから、今日もホットケーキつくったのに、本当に私はバカだなぁ・・・」

・・・
憂の部屋
唯「うーいー!そろそろ起きてもいいんじゃなーい!?」

憂「むにゃむにゃ・・・おねえちゃん、どうしたの・・・?先輩方と予定あったっけ・・・?」

唯「んー、違うよ!ちょっと憂にプレゼントがあるのっ」

唯「とってもおいしい・・・と思うプレゼント!」

憂「・・・おいしい?」

憂(なんだろう・・・)

唯「とにかく、下で待ってるから目が覚めたら降りてきてね」

憂「わ、わかった・・・」

・・・

唯「おっ、きたね!おはよう、ういー」ギュー

憂「お、おはよう、お姉ちゃん・・・いきなり抱きついてどうしたの?」カァー

唯「今日は憂に感謝の気持ちを伝えたいんだよっ」

憂「え?」

唯「それでね手始めに・・・、パンケーキ作ってみました!」

唯「日頃の感謝と・・・憂への愛情がつまったホットケーキ・・・いやんっ」テレテレ

唯「バニラエッセンスの入れるタイミング間違ったけど・・・結構自信作だよ!」

憂(お姉ちゃん・・・私のために)ジーン

憂「あ、・・・け、けがしなかった!?お姉ちゃん!?」

唯「もう、憂ったら心配性だなぁ・・・私も高校生なんだから!」

唯(ほんとはちょっと火傷しちゃったけど)

憂「そっか、よかった・・・」ホッ

唯「とにかく食べてよぉ!はやくしないと冷めちゃうからっ!」

憂「うん、いただきます!」

唯「私もいただきまーす」

パク

唯憂「あ」

憂「・・・」

憂「お、お姉ちゃんこのホットケーキ」

唯(さっき味見したときは気づかなかったのに・・・)

唯憂「お母さんの味がする」

憂「懐かしい味・・・すごくおいしい」

憂「あったかくて、やさしくて・・・」

唯「憂、お母さんのホットケーキ好きだったもんね」

憂「うん・・・、でも、作り方教わっても作れなかったのに、なんで?」

唯「そう簡単に教えるのは・・・」ニヤ

憂「えーっ」ブー

唯「ふふっ、お姉ちゃんの力を思い知ったかっ」

憂「思い知ったよ!」ニコ

唯「えへへ」テレテレ

唯「・・・」パクパク

唯「憂にも教えてあげよっか・・・?バニラエッセンスのタイミングが重要なんだよ?」

憂「いや、いいよお姉ちゃん」

唯「え?なんで?」

憂「だって、私が作れても、意味ないよ」

憂「お母さんと、お姉ちゃんの味だもん」ニコ

憂「私に作れない、お母さんとお姉ちゃんだけが作れる大好きなお菓子」

唯「うい・・・」ジワ

憂「また、甘えたくなったら作ってねお姉ちゃん」

唯「う、うんっ・・・」

憂「泣かないで・・・ホットケーキさめちゃうよ?」フキフキ

唯「・・・っひっく」

憂「もう、お姉ちゃんったら」ギュ

唯「ひっく、うわああん」

・・・

憂「9月8日はお姉ちゃん記念日だね!」

唯「えへへっ」 ホットケーキ編完




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最終更新:2012年09月09日 20:18