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シオンタウン フジ老人の家
フジ「こうしてポケモン屋敷を閉鎖したわしは、本土に渡って・・・まあいろいろあって今こうしているんじゃ
紬ちゃんとはあの日以来会ってないのう」
唯「じゃあやっぱり、今どこにいるかはわからないんですね」
フジ「ああ。すまんのう」
律「いえ・・・ムギの話が聞けて良かったです」
フジ「ひょっとして、紬ちゃんの探していた友達というのは・・・君らじゃないのかね?」
「!!!」
フジ「おかしなことを言っているのはわかっている・・・しかし君らから紬ちゃんと同じ雰囲気が感じられるんじゃ」
唯「フジさん・・・そうです。私たちがムギちゃんの友達なんです・・・信じられないでしょうけど」
フジ「なにか特別な事情があるようじゃが、聞かないでおこう。だがわしは君たちを信じるぞ」
………………
シオンタウン
律「さーて・・・これからどうする?」
唯「やっぱり、行きたいよね」
梓「はい。ムギ先輩が暮らしてたグレン島に・・・」
律「だよな・・・。カツラって人もまだ現役みたいだし。その人にも話聞きたいよな」
唯「でも、澪ちゃんとロケット団も放っておけないよね。エリカちゃんも・・・」
律「うん・・・だったらさ、一つ考えがあるんだ」
梓「なんですか?」
律「二手に分かれよう」
律「二人だってその考えはあっただろ?でもせっかく再会したのにまた別れるのが怖くて誰も言わなかった。
私もだけどだね」
梓「確かに別れた方が効率いいのかもしれないですけど・・・」
唯「バラバラになるなんて嫌だよ!3人一緒がいい。それに、3人だから片方が一人になっちゃうよ・・・」
律「大丈夫。私が一人になるから」
唯「そんな!駄目だよ!」
律「いいんだよ。私がタマムシのエリカの所に戻る。二人はグレン島に向かってくれ。
グレン島までは遠くて大変だから、そっちが二人になった方がいい」
梓「律先輩・・・」
唯「また別れるなんて・・・」
律「平気だって。今度はお互い行き先も分かってるんだから!」
唯「うう・・・嫌だよ」ポロポロ
律「唯!澪のこともムギのことも心配だろ?」
唯「うん・・・」
律「だからこうするしかないんだよ。唯たちはグレン島でカツラの話を聞いたら戻ってこい。ちょっとの間だけだよ」
唯「りっちゃん・・・絶対また会えるよね・・・?」
律「もちろん。唯達が行ってる間に、私はジムリーダー達を仲間にするから!」
梓「律先輩・・・すいません・・・グスッ」
律「梓まで泣くなって・・・」
梓「・・先輩っ!私が1人でタマムシに戻ります!」
律「な、何言ってるんだよ!後輩を一人にできるわけ・・・」
梓「たぶん私たちの中では律先輩が一番強いと思います。グレンへの道中で何が起こるか分かりません。 唯先輩には私より律先輩がいた方がいいです」
唯「りっちゃんもあずにゃんも一人になっちゃダメだよ!だったら私が一人になるよ!」
律「ああ・・・もう収拾がつかない・・・こうなったら」
梓「クジ引きですか?」
律「そう。ここに三つの紐がある。一つだけ印をつけといた。印が出た人は1人でタマムシへ戻る」
唯「そんなことで決めたくないよ・・・」
律「良く考えたら、タマムシに戻ればエリカがいるし、一人でも安全だと思うんだ。
グレンへ二人でいくのとどっちが大変かわからなくなってきた。だからいっそのことくじ引きで決めよう」
梓「・・・いいですよ。私は」
律「唯は・・・?」
唯「わかったよ・・・」
律「OK。結果に文句はなしだぞ。引いてくれ」
梓「はい」
唯「うん」
律「引いたな・・・印は・・・」
梓「・・・私ですね」
唯「あずにゃん!」
律「あ、梓・・・やっぱり私が」
梓「文句はなしだって言いましたよね?私で大丈夫です」
律「・・・わかった。なるべく早く戻ってくるからな。澪をよろしくな」
唯「あずにゃん・・・」
梓「唯先輩。絶対また会いましょうね?」
唯「あずにゃあああん!」ガバッ
梓「う・・・唯先輩・・・グスッ」
唯「絶対・・・戻るからね?こんな先輩でごめんね・・・」
梓「そう思うんなら二人とも、もとの世界に戻ったらちゃんと練習してくださいね?」
律「うん。約束するよ・・・唯、行こう?」
………………
12番道路(シオンタウンの南)
唯「あずにゃん・・・大丈夫かな」
律「まだ別れて数分だろ・・・大丈夫だよ。タマムシにさえつけばエリカがいるんだから」
唯「そ、そうだよね!先輩なのに私が落ち込んでちゃだめだよね!」
律「そうだぞー。先輩の私たちがしっかりムギの情報を掴んでこないとな」
唯「あ、りっちゃん」
律「お・・・久し振りだな」
カビゴン「ZZZ」
唯「前に会ったときからずっと寝てるのかなあ」
律「そんな感じだな・・・それにしてもこいつは、クチバに行く道とこの先、セキチクシティに行く道を同時にふさいでるわけか」
唯「・・・どうしよう?」
律「じゃーん!これだ!」
唯「これはフジおじいさんにもらったポケモンの笛?」
律「この音色を聞いたポケモンは眠りから覚めるって言ってたろ?このポケモンにうってつけだよ」
唯「その笛を吹くの?」
律「そりゃ吹かないと鳴らないからな」
唯「でも・・・元はフジおじいさんの笛だったんだよね」
律「・・・」
律「唯・・・吹くか?」
唯「遠慮しとくよ」
律「いやいや、唯笛好きだろ?吹きなよ」
唯「りっちゃんだってハーモニカもってるでしょ?りっちゃんが吹いた方が似合うよ」
ギャーギャー
タケシ「ふう。やっとディグダの穴を抜けたぜ。おや?この声は・・・」
タケシ「おーい!」
律「ん?誰だ?このポケモンの向こう側にいるな」
タケシ「タケシだよ!お前、律じゃないのか!?」
律「タケシ!?なんでこんな所にいるんだ?」
唯「あ、私もいるよー!」
タケシ「やっぱりお前たちか!俺は用事でここまで来たんだが・・・というかこのポケモンはなんだ?通れない」
律「唯・・・ちょうどいいところに」
唯「うん。これで解決だね」
律「タケシ!いまからそっちにもの投げるから!」
ポイ
タケシ「おっと・・・これは笛か?」
律「それ私の笛なんだ・・・タケシさんに吹いてほしいな・・・」←声色
タケシ「//」ズキューン
タケシ「わわわわかった!吹けばいいんだな!」
ピュルル~ルル~♪
律「(ニヤリ)」
唯「(りっちゃん・・・恐ろしい子!)」
目を覚ましたカビゴンが襲いかかって来た!
タケシ「ぎゃあああああ!」
………………
タケシ「はあ、はあ・・・」
律「おーやっぱジムリーダーなんだな。こんなでかいポケモンを倒せそうだ」
タケシ「はあ、はあ・・・もう限界だ・・・何回攻撃しても眠って回復されちまう。
俺が戦っている間に誰かモンスターボールで捕まえてくれ」
律「唯、空のボール持ってたよな?」
唯「うん」
タケシ「今だ!」
唯「ほいほーい」ポイ
ボン
唯「はい、捕まえた♪」
タケシ「ふう・・・カビゴンなんて珍しいポケモンがこんなところに出るなんてな。
で、お前らはどうしてこんな所に?仲間は見つかったのか?」
………………
タケシ「なるほどな・・・ロケット団と・・・」
律「うん。タケシも協力してくれないか?タマムシシティに行けば梓やエリカがいるはずだ」
タケシ「いいぞ。協力しよう(タマムシシティって女の子だらけのジムがあるんだよな//)」
唯「わあ!ありがとう!」
タケシ「俺も予定があったんだが、お前らグレン島に行くんだろ?ちょうどよかった」
律「ん?」
タケシ「俺の予定ってのは、ニビ博物館に頼まれてこの研究資料をグレン島のポケモン研究所に運ぶことなんだ」
唯「なにこれ?綺麗だね~」
タケシ「”ひみつのコハク”だそうだ。俺にはよくわからないけどかなり貴重なものらしい」
律「つまり、私たちが代わりにこれを島に届ければいいんだな?お安い御用だ」
タケシ「じゃあ頼んだぞ」
律「おう!梓とエリカに会ったらよろしくな!」
タケシ「あ、この笛はいいのか?」
律「ああそれ?あげるよ」
タケシ「え・・・律の笛をもらえる・・・?//」
唯「それりっちゃんの笛じゃなくて、フジっていうおじいさんの笛だよ」
律「そう。ちなみに私は一回も吹いてないから。じゃあね!」
唯「ばいば~い」
タケシ「ちくしょう!お前ら人間じゃねえ!!」
………………
タマムシシティ ポケモンジム
エリカ「それであなたが一人でここまで来たんですのね。良く頑張りましたわね。えらいですわ」
梓「そ、そんなことないです。あの、カスミさんへの連絡は・・・?」
エリカ「いたしましたわ。カスミさんは私が連絡したのを驚いていましたが、喜んでくれましたわ」
梓「そうですか。良かったです」
エリカ「あなた方のおかげですわ。それに、カスミさんも私が連絡する前からロケット団と戦おうとしてたみたいですわ」
梓「どういうことですか?」
エリカ「カスミさんのところには今、ヤマブキシティのジムリーダー、ナツメさんがいるそうですわ。 ナツメさんはヤマブキがロケット団に占領された時になんとか脱出してハナダジムに来たらしいんですの」
梓「(もしかして・・・あの時?)」
エリカ「カスミさんとナツメさんは今このタマムシに向かってきてくれていますわ。
他のジムリーダーへの連絡は、サカキさんの例もある以上、今は控えた方がいいとの結論が出ましたわ」
梓「他にもロケット団に協力しているジムリーダーがいるかもしれないんですか?」
エリカ「わかりませんわ。しかし完全に信用ができない以上はリスクを負うべきではありませんわ ポケモンリーグ本部も、サカキをわかってて野放しにしている可能性もありますから、そちらにも連絡は控えることになりましたわ」
梓「あの・・・私に何かできることはありますか?」
エリカ「今は待つしかありませんわ・・・ですが、私でよければ訓練して差し上げますわよ?」
梓「・・・いいんですか!」
エリカ「ええ。ただし、虫ポケモンはあまり使わないでほしいですわ」
………………
セキチクシティ ポケモンセンター
ピンピンピロリン♪
律「やっとセキチクシティについたな」
唯「疲れたね~」
律「そういやカビゴンに名前付けたのか?」
唯「うん。ゴン太って名前にしたよ~」
律「唯らしいな。それで、この町からグレンに行く方法だけど、
マップによると海を越えて双子島って島を経由していかなきゃいけないみたいだ」
唯「海かあ。船あるのかな」
………………
律「ええ!船ないんですか!」
住人「この町からグレンに行く人はほとんどいないからね~。
用事がある人は泳いでいくかポケモンに乗っていくんだよ」
律「どこからなら船出てるんです?」
住人「クチバから連絡船が出てるけど、数週間に1回とかだねえ」
律「うわあ・・・」
唯「あのお。ポケモンに乗っていくって、ポケモンが人を乗せて泳ぐんですか?」
住人「そうだよ。波乗りっていう技を覚えれば人を乗せて長距離を泳げるようになるんだ」
唯「どうすれば覚えられるんですか!?」
住人「秘伝マシンを使えば覚えられるよ。ちょうどこの町のサファリゾーンでキャンペーンをやってるよ。時間内にサファリゾーンの奥まで行けたら波乗りの秘伝マシンがもらえるんだ」
唯「わかりました!ありがとうございます!・・・りっちゃん!」
律「おお!サファリゾーンに行くしかないな!」
………………
セキチクシティ サファリゾーン
唯「広いねー!」
律「だなー。ここはいろんなポケモンが捕まえられるらしいけど、そんなことしてる暇はないよな。 急いで奥までいかないと。入場に500円もかかったし」
唯「でも探険みたいでわくわくするね~!」
ガサガサ
律「急げ~」
唯「りっちゃんまってよう」
ガサ!
ケンタロス「んも~」
唯「うわ!ポケモンが出てきたよ!」
律「牛なんかを相手にしてる暇ないんだよ。あっち行け!」
律は石を投げた!ケンタロスは逃げだした!
律「まったく・・・急ぐぞ唯」
サファリゾーン 奥地
唯「けっこう奥まで来たね~」
律「うん。牛が何回も出て大変だったよ・・・」
唯「捕まえても良かったんじゃないの?」
律「あんな牛どうせたいして強くないだろ・・・それより唯、あそこに小屋がある。
あれがゴールじゃないかな?」
………………
従業員「おめでとうございます。見事時間内に小屋にたどり着きましたので、この波乗りの秘伝マシンをプレゼントします!」
律「よっしゃあ!」
唯「やったねりっちゃん!」
律「帰ろうぜー」
セキチクシティ 海岸
唯「秘伝マシンだよカメ太ー」
ギュイーン
律「これで技を覚えたのかな?」
唯「どうなんだろ?」
カメ太「ギャウ!」
唯「覚えたって!」
律「そっか。しかし二人でカメ太には乗れないよなあ。どうしよう」
ゴン太「・・・ごん」
唯「え!ゴン太も覚えられるの!?」
律「まじかよ」
………………
19番水道
カメ太「♪」バシャバシャ
ゴン太「ZZZ]プカー
唯「カメ太ー!気持ちよくてもあんまり先行っちゃだめだよー!」
律「波乗り覚えたのはいいけど、速度が凄く遅いな・・・」
唯「仕方ないよ。のんびり行こう」
律「うーん・・・なんか眠くなってきたな」
唯「ゴン太の上気持ちいいもんね!ふあ・・・私も眠くなってきた・・・」
律「ちょっと昼寝するかあ・・・」
唯「だねえ・・・おやすみ・・・」
………………
唯「・・・ちゃん!りっちゃん!」
律「うーん・・・唯?」
唯「りっちゃん起きて!」
律「ここは・・・ついたのか?」
唯「ううん。町が見当たらないからたぶんグレンじゃなくて双子島だよ」
律「なんだよ・・・って寒い!!何この島!」ブルブル
唯「わからないけど私が起きたときはもうすっごく寒かったよ・・・」
律「こんな島さっさと出てグレンに向かおうぜ」
唯「でもりっちゃん・・・」
律「ん?」
唯「カメ太とゴン太がいない・・・」
最終更新:2012年09月26日 22:24